9th Secret Night~It’s My Treat~
95年2月13日
久々のリリースで期待が高かったのか、前作までをわずかに上回る自己最高初動29万枚で初登場1位。しかし2週目以降失速して(2週目9位→10位)、10週で100位圏外となり前作の半分程度の60万枚超の売上に留まった。結果的にトップ級だった最後の1作となり、1位獲得もこれが最後となった。
裏ジャケットは何故か8ヵ月も前の前作のPV(羽田空港の格納庫での演奏シーン)の写真が使用されている。ただしB社ではこのように昔の写真を使う事がけっこうあり、ZARDに至っては最早いつ撮影した写真なのかも分からない古い写真が平気で使用されたりしていたが、今作に近いパターンだとDEENの「素顔で笑っていたい」のジャケ写が1年後の「君がいない夏」で加工されて再使用されるというのが今作の後に発生している。
Secret Night~It’s My Treat~
作詞:上杉昇、英作詞(“It’s My Treat”):栗林誠一郎、作曲:栗林誠一郎、編曲:池田大介
栗林誠一郎「It’s My Treat」の歌詞変更カバー。「It’s My Treat」は英語詞の曲でこれに上杉が日本語詞をつけて改題。02年の『at the BEING studio』では上杉が気に入った、07年の『BEST OF BEST 1000』では長戸が気に入ったと、この曲をカバーした理由が異なっていて情報が錯綜していたが、上杉本人がインタビューでこの曲をやりたいと直談判したと語っているので上杉の意向というのが正しい模様。長戸Pが栗林と交渉するも栗林にとっても大事な曲だったのか許可が出ず、粘り強く交渉して英作詞のクレジットを入れる条件でなんとか許可が出たとか。毎回クレジットが入っていたのはこのためと思われるが、5期がセルフカバーした際は”英作詞(“It’s My Treat”):栗林誠一郎”クレジットが無くなっていた。カバーのセルフカバーだからいいよねという事になったのか、もう消息不明になって20年近く経過するしいいよねという事になったのか…。また5期でセルフカバーできるのは今作までという暗黙の了解のような線引きはあるんじゃないかなと思う。
上杉本人もやりたいことをようやく少しずつやれてきたと語っている通りに、これまでとは異なるダークさとロック色の強さが印象的。初めてベースとドラムも生音となり、完全な生のバンドサウンド編成になったが、結果的に後追いで聞いた場合の古さが一掃され今聞いてもカッコいい。かなり激しいがサビのメロディーはキャッチーだったりもするし、ロック路線へと舵を切っていくきっかけの1曲としては抜群の選曲だったのでは。
PVが2種類ありどちらも『WANDS BEST LIVE&CLIPS』で初商品化となったが、ラストに収録された方のPVはユル~い微笑みを浮かべながら仮装して歌う上杉昇という衝撃的な内容になっていてビックリした。
★★★★☆
4thアルバム『PIECE OF MY SOUL』
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY』
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio』
5thベスト『BEST OF BEST 1000 WANDS』
Secret Night – It’s My Treat
WANDS
C/W KEEP ON DREAM
作詞:上杉昇、作曲:柴崎浩、編曲:葉山たけし
バラード曲だがこれまでとは大きく雰囲気が異なり、ロック色が強い。アルバム未収録のままだが『PIECE OF MY SOUL』路線のWANDSが好きならこれより前のC/Wはスルーしてもいいけどこれは確実に聞いて損は無いというくらいの名ロックバラード。望まない形でここまで来てしまったが、夢はあきらめていない、ここから本当にやりたい夢を叶えていこうという思いが反映されていたのかもしれない。隠れたままの名曲。
★★★★☆
アルバム未収録
コメント
ビデオクリップは、上杉が求めるグランジ系バンドNirvanaのIn Bloomのビデオクリップを
基にしたのではないでしょうか?
https://youtu.be/PbgKEjNBHqM