31st この涙 星になれ

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31st この涙 星になれ

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99年12月1日
今作よりマキシシングルへと移行。24th以来となるC/Wのカラオケが復活、また前作と異なり独立した5曲目としてシークレットトラックが収録された。

前作同様に初登場5位。売上もほぼ同等だったがわずかに今作が上回った。

この涙 星になれ

作曲:岩井勇一郎、編曲:古井弘人
ドラマ『科捜研の女』初代主題歌。現在も続く人気ドラマシリーズだが主題歌がヒットすることは20年以上ほとんどなく、一応シングル化された歴代主題歌の中ではこの曲が今でもダントツ最高ヒットではある。

岩井勇一郎が早くも2度目のA面採用だがA面はこれが最後、この後はC/Wとアルバムで3曲提供しただけと急速に作家活動がシュリンクしてしまった。

スピード感があって重いギターが効いたロックテイストではあるがそれ以外は打ち込みの要素が強く、全体に不穏で混沌としているという世紀末感溢れる仕上がり。宇多田ヒカル大ヒットによる音楽シーンの変貌と世紀末の世相で混沌としだすミュージシャンは本当に多かった…。ZARD王道サウンドに慣れているほど戸惑うばかりの曲調で正直もっと普通に聞きたかったなとは思ってしまうが、しばらくすると案外新鮮に聞けて他とは違う作風が面白かったりもする。ギターサウンドの重さがあって02年~03年ほど薄味でもないし、後年になるほどけっこう好きな曲になった。アレンジが凝っているのでカラオケバージョンも聞き応えがある。シークレット目当てでシングルを探してきたのに途中からカラオケバージョンの方が聞いている頻度が高くなってしまった。

また2番になるとウ~イエェェ♪やノーリアクショォォン♪などクセのある特徴的なB’z稲葉を思わせるようなコーラスの声が聞こえるが、当然B’z稲葉なわけではなく、良く似ている誰かと思われる。『時間の翼』クレジットによればコーラスは伊藤匠、高原由妃、春名俊希の3人。高原は女性なので伊藤匠か春名俊希がB’z稲葉のような声を出している…のか?(ノンクレジットで生沢佑一という情報もある)

発売直前まで試行錯誤していたらしく、発売告知用CMでは明らかにキーが違うしそんな歌詞はCDで出てこなくね?という音源が流されていた。このCMは『Golden Best』初回Crystal盤DVDで見ることができる。さすがにCDと違う音源流すCDのCMってどうなんだ…。

『時間の翼~30th Anniversary~』での鶴澤夢人リアレンジでは世紀末的混沌や複雑さ、ギターの重さなどを全解除してスッキリとしたZARDポップに仕立て直した感じ。シュパシュパしていたドラムをシンプルな音色に、重かったギターを軽く仕上げるなど徹底して王道ポップ感はあるが、王道にしてしまうと歴代の曲たちと並べた時にどうしてもややインパクトで劣ってしまうのは否めない。”愛し始めてた”のところでやっぱりエレキギターも一緒に重めに鳴っててほしいんだよ…。ドラムをもう少し王道風に聞いてみたいっていうところは忠実に叶えてくれているのでその点はいいんだけど。
★★★★☆
9thアルバム『時間の翼
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~
リアレンジアルバム『時間の翼~30th Anniversary~』(鶴澤夢人アレンジ)

C/W お・も・ひ・で

作曲:寺尾広、編曲:古井弘人、徳永暁人
恐らく現場で最も坂井泉水と時間を共にしたスタッフでありディレクターがメイン業務の寺尾広がZARDへ初作曲。名前がクレジットされるのは「愛は暗闇の中で」の編曲が”ZARD、寺尾広”だった時以来。90年代序盤にいくつか曲は書いていたもののビーイングが忙しくなると同時にディレクター業務に集中していたと思われ楽曲発表も無かったが、翌年にはFIELD OF VIEW「Beautiful day」の作曲も担当。これは自身がメインライターを務めるSoul Crusadersとして00年秋にデビューするのに伴い曲を再度書き溜めていた時期だったという事なのかもしれない(とはいえSoul Crusadersのシングル3作の作曲は全部大野愛果に持っていかれ、寺尾広が作曲したのはC/Wとアルバム曲の残り全部であった)。

かなり淡々としていて地味ではあるがこの時期にしてはかなりどっしりとしたサウンドでギターも重めに響いているミディアムナンバー。表題曲と合わせて随分とギターの重たいシングルになっている。「チェンジ伊豆2000」キャンペーンソングというタイアップもあったためか、冒頭で“大室山”が登場するなど伊豆が舞台と思われる描写になっている。アルバム『時間の翼』で聞いた時は地味な印象でほとんど記憶に残っていなかったが、シングルのC/Wとして聞いたらけっこう印象が上がった。

『ZARD ALBUM COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』にはAnother arrange ver.として葉山たけしがリアレンジ。こちらはかなり別物なアレンジだが、ZARD王道といえる仕上がりでオリジナルとは違いちゃんと熱く盛り上がるようなイメージ。曲ってアレンジでかなり化けるんだなぁと改めて思う。『時間の翼』の発売当時の雑誌インタビュー(確認したのは「CD HITS!」01年3月)で「アレンジの違うバージョンも作っていただいた」と公言していたが、これがそうなのかは不明。この時期にはもう葉山たけしはほとんど関わらなくなっていて「Get U’re dream」しか担当してないので、当時の別アレンジはお蔵入りしたままでこれは没後リメイクの1つという可能性もある。

鶴澤夢人アレンジはオリジナルアレンジの方を薄くなぞったような仕上がり。葉山たけしの王道アレンジバージョンが先に公開されている「hero」と同様の印象になってしまうが、オリジナルを打ち込み直しながら王道を外している部分を王道に修正するような縛られまくりのアレンジなのでどうしたって新しくはならない。重かったギターを薄くしてポップ色を強めて90年代の曲ではここでこんな風によく入ってきてたろ?とばかりにサックス追加されてもなぁ…。
★★★☆☆
9thアルバム『時間の翼
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~
3rd BOX『ZARD ALBUM COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』PREMIUM DISC(Another arrange ver.)
リアレンジアルバム『時間の翼~30th Anniversary~』(鶴澤夢人アレンジ)

シークレットトラック この涙 星になれ(Remix)

「この涙 星になれ」のリミックスバージョン。カラオケ2曲の後の5曲目に収録されている。前作ではカラオケと繋がっていたが今作では独立したトラックに収録。公式にバージョン名の記載はないがビーイングの商品ページには「この涙 星になれ(Remix)」と記載されている。トラックは全とっかえの打ち込みリアレンジ状態で、ボーカル以外元のオケの要素が何一つ残っていない

随所でコインが落ちる音チャコ,パラララララ…と何度も導入されているが、これは歌詞中に“コインなげて”というフレーズがあったためと思われる。しかし”コインなげて”が出てくるのは2番なのにイントロからコイン投げているのはどうなのか。
★★☆☆☆
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』

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