ZARD 30周年シングル回顧5+~2007-2012~

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ZARD 30周年シングル回顧5+~2007-2012~

2007年5月、坂井泉水死去により、夏には追悼盤としてセレクション『Soffio di vento Best of IZUMI SAKAI Selection』『Brezza di mare dedicated to IZUMI SAKAI』が2作同時発売された。

『Soffio di vento Best of IZUMI SAKAI Selection』は坂井泉水が生前のFC会報で『ZARD BLEND』シリーズの3作目に位置する『LOVE&POWER』として架空の選曲をしていたもの…だったはずが半数近い選曲が勝手に入れ替えられ、織田哲郎の作曲作品が外される、わざわざ『Golden Best』と被っている「愛が見えない」「サヨナラは今もこの胸に居ます」をぶち込むなど謎が多かった。

『Brezza di mare dedicated to IZUMI SAKAI』はスタッフセレクションであり、『Golden Best』と被らないように選曲されていた。

07年12月には生前最後にレコーディングされたという音源を編集してシングル「グロリアスマインド」を発売。その後は過去の楽曲をリメイクしてのシングル発売が1年ごとに2作続いた。

09年を最後に新作リリースの動きは無くなり、2011~2012年の20周年記念でのシングルBOX、アルバムBOXでリマスターも一通り完了。2016年に25周年記念で発売した4枚組ベスト『ZARD Forever Best~25th Anniversary~』はタイトルにあるようにもう出すものが無いのでこれが最後のベスト盤と言い切っての発売となり、以後新作はリリースされなくなった。

一方でバンドメンバーによる生演奏に生前の歌声を被せる形での追悼ライブツアーは途中からもコンサートに形式を変えつつも何度も繰り返され2017年までは毎年開催された。2018~2019年はついに行われなくなったが、30周年に向けてという事で2020年は初のシンフォニックコンサートを行うとぶち上げたが新コロ延期を余儀なくされ、1年遅れの2021年に開催される予定だったが1ヶ月延期されて6月に開催された。

2021年9月には30周年記念でオリジナルアルバムを全作単独リマスター、『時間の翼』のみ全曲リアレンジで一斉発売。同時にサブスク解禁も行われた。基本的に全曲ではあるがミックス差し替え音源も多く、解禁されずに取り残された別バージョンもいくつかある。特に『時間の翼』オリジナルバージョンは収録されていたアルバムBOXも廃盤高騰化し、新品での入手が不可能となっている。

生前の『Golden Best』の冊子に“プロデューサー談”とあるように93,4年頃には引退したことになっていた長戸大幸は極力ZARDにおいて自身が関わり続けている事を表に出さずにいて、一時期は完全に名前も消していたが(KANONJIとかGIZAでの別名でクレジット)、『君とのDistance』からはDAIKOH NAGATO名義でクレジットされるなど再度名前を出しつつある兆候はあった。それでも没後すぐに出版された『きっと忘れない』等ではまだ積極的に名前を出しておらず、デビュー当初は現場でよく指示を出していたが、徐々にチェックのみで現場には姿を見せなくなっていったようなニュアンスで書かれていて坂井泉水セルフプロデュースという設定を一定以上守っていた。

30周年に向けてはSARD UNDERGROUNDやWANDS復活に際して長戸大幸が大々的にプロデュースするようになっていて、特にSARD UNDERGROUNDメンバーインタビューでは”プロデューサー”ではなく堂々”長戸プロデューサー”と実名を出すのを解禁するなどどんどん前に出てくるようになっていた。

『きっと忘れない』の内容を基にして新たに出版した『永遠 君と僕との間に』では長戸大幸の証言として様々なエピソードが語られるようになり、いつの間にかセルフプロデュース以降も常にZARDに関わり、坂井泉水と二人三脚でZARDを作り続けていたという事になっていた。『ZARD/坂井泉水~forever you~』は主に残留スタッフとGIZA以降の作家陣の個別の証言集となっているが、坂井泉水と会った時のことを聞かれたGIZA勢作家陣は揃いも揃って、呼ばれて行ったら坂井さんと長戸プロデューサーが一緒にいた、仕事していたら長戸プロデューサーが坂井さんを連れてきた、04年ツアーの時は長戸さんが指揮を執っていた…と、どこもかしこも長戸大幸状態。揃いも揃って坂井さんと単独で会った事が無いらしいことが明らかにされた(ついでにGIZA勢のプロデューサーはKANONJIだったが、そんな設定はとっくに破棄されていてみんな長戸プロデューサーに見出された事になっている)。

このように近年は長戸大幸プロデューサーがかなり前に出てくるようになっていて、当時とはだいぶ話が違っている部分も多くなっている。なんか前に聞いた話と違うな?という事も増えて、正直戸惑う事が多くなってきたが、本人不在で10年以上も時間が経過してくるとだんだんこうなってもくるのかなとも思う。

ただ思った以上に音楽面での未発表音源の蔵出しが全くないな…というのはある。SP番組でいくつかの未発表マスターテープの存在が明かされて少しだけ流されていたりもしたが、没後数作のリメイク以外はそれら未発表音源をビートルズアンソロジーのような形でリリースされることは全くない。未完成のまま出されたのは「Demo-2(composed by IZUMI SAKAI)」と「さらば青春の影よ Demo(IZUMI SAKAI on vocal)」くらいである。このくらいの音源なら大量に眠っていそうだし、SARD UNDERGROUNDではノートに残された未発表詞に新たにメロディーをつけて新曲として発表するなど、見方によっては未発表音源よりもそこまでやっていいのかというけっこうな事にまで踏み込んでいるのに、未発表音源の公開は一向にやらないというのは、ここについては長戸大幸氏による独自の線引きがあるのかもしれない。

大昔に公開していたものを破棄して2021.7~9新規執筆

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Demo-2(composed by IZUMI SAKAI)

作曲:坂井泉水
現時点でリメイク以外で最後に発表された楽曲06年の「君へのブルース」発表時にもう1曲自作があると語っていて、これがその曲ではないかと言われている。「Demo-2」なのも1が「君へのブルース」になったのではないかと推測される。

…が、思った以上にあまりに未完成のデモすぎてこれだけではまだどうなのか判断しかねるくらいにデモ。もし「君へのブルース」と同時期だったのであれば時間的にもこれ以上作業を進める余裕が無く、「君へのブルース」が選択されてそっちの制作に向かった時点でデモのまま放置されていたのだろうか。
★★☆☆☆
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