15th 笑顔日和

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15th 笑顔日和

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05年3月9日
2005年2月7日にMIZUHO脱退の意向を受けて解散すると発表。公式には高校卒業を機に一度自分を見つめ直す時間を持ちたいとしてMIZUHOが脱退を表明、メンバー3人は1度は3人での活動継続を決意するもMIZUHO無しでは続けられないとして一転して解散を決定したとされていた。

前作以降夏のツアーを経てZONEの活動が無く、年末にMIYUソロ活動があったのはMIZUHO脱退に向けての協議でZONEの活動の見通しが立っていなかったためと思われるが、年末の時点では3人継続を決断していたとされる。これは高校1年生だったMIYU以外のMAIKO、TOMOKAは既に進学せずに卒業後はZONE1本で社会人としてやっていく事を決めていた事もあり、ZONEが無くなってしまったらどうするんだというのもあったと思う。実際に解散発表前には春ツアー「夏まで待てない!ZONE桜ツアー」開催を既に告知済みで、これをMIZUHO卒コンにするか新・新生ZONEとして3人でもやっていく決意を込めたツアーにするつもりだったかは分からないが、MIZUHO脱退で活動継続の判断は確かに1度は決定していた事が伺える。

毎年5月に開催されていた事務所ライブ「ランタイムさん祭」が1月に前倒しされていてこのリハで久々にMIZUHOも揃って演奏したところ4人でないとダメだと解散を決めてしまったようだ。当時のフェンダー社員だった方のブログではMIZUHOだけソロでの出番が無く一言も喋らない違和感のあるこのステージの数日後に解散が決定したという内々の話があったという(一般告知は2月8日)。一方でZONEを見守ってきた『ここから』の著者でもあるライター竹内美保が書き下ろした最新のコラムでは今作のジャケ写撮影がきっかけとされている。時期的にはほぼ同時期と見て間違いない。

この「ランタイムさん祭」でのMIZUHO様子おかしい案件ライブを見に行ったファンの間でもちょっと話題になっていて不穏な空気は漂い始めていたらしい。そこまで把握してなかったのとさほど気にしていなかったので2月8日は本当に驚いた。

MIZUHO脱退の真意はTAKAYO同様にほとんどはっきりした事は明かされていない。ただTAKAYO脱退の際にも書いたが2018年にMAIKOがテレビ東京「じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~」出演時に事務所が高校卒業後はZONE1本で行く事を要請して、進学を認めないスタンスだった事を明かしており、言及されていないがTAKAYO→MIZUHOと高校卒業のタイミングで2年連続同じように突如脱退したのは事務所ランタイムとの進学を巡って折り合いがつかなかった事が理由の1つにあったのではないか。短大卒業後にもう1度音楽と向き合ってソロ活動を始めていたTAKAYOの元にMIZUHOがしつこく連絡をし続けて交流を復活させてライブでの共演に至ったのはそれだけMIZUHOがTAKAYOに共鳴していた事でもあり、2人の脱退理由には通じるところがあったことが伺える。

MAIKO、TOMOKAは当然進学するつもりは無かったが解散により突如このままでは高卒無職が確定する事となり、相当焦ったようだ。実際TOMOKAは加入1年でのまさかの終了となりマジで焦ったようで1年バイトして資格を取るために専門学校へ進学したと後に振り返っていた。まだ高校1年生で直前にソロ活動をしていたMIYUも解散は相当堪えたようで実質引退状態となり、復帰に時間を要した(06年にMiyuとして渚のオールスターズの限定復活に参加して復帰を発表するも事務所ライブに出てくるくらいで本格ソロ再デビューはさらに1年後の07年)。

春ツアー「夏まで待てない!ZONE桜ツアー」は、解散により「夏まで待てない!ZONE桜ツアー 改め ZONE卒業コンサート」とそのまま改題され、ラスト4月1日に日本武道館公演が追加された。最終曲としてもう1度披露した「secret base~君がくれたもの~」はMステで生中継された。

というわけで解散発表から1ヶ月後ラストシングルとして発売されたのが今作となる。

初回盤はムービングカード封入。角度によって違う写真が見えてくるアレである。シングルとしては初めてマキシケースではなくアルバムと同じ10mmケースで発売された。

笑顔日和

作詞:MIYU(advised by aki)、作曲:町田紀彦、編曲:山原一浩
MIYUが初めて作詞ソロ活動で作詞したのでそこで得た部分をZONEに還元したという形で、いかにもR&B大人路線っぽいラブソングだったソロとは違ってZONEのMIYUとしての等身大のメッセージのような内容になっている。ただよく見ると作詞アドバイザーがクレジットされたりしているので完全に1人で書き上げたわけではなさそうだが…。

MIZUHO脱退の意向は12月にはメンバーに正式に伝えられていたそうなのでそこまでは確実に踏まえての歌詞と思われるが、その後の解散決定まで完全に踏まえて制作されたかは不明。解散を踏まえるとファンへのメッセージのようにも読めるが、ZONE継続を前提とした脱退するMIZUHOへ向けたメッセージソングと解釈した方がしっくり来る内容でもある。解散決定が急転直下だった事からもそっちなんじゃないかなと個人的には思っている。

結果的に3作連続、シングル最多5作のアレンジを担当した山原一浩は今回もいい仕事をしていて、これまでよりもロックバンド色が強い。バンド外の装飾音は控えめでギターで曲を引っ張っていくアレンジになっているので、ガールズバンドとしてのZONEもここに極まったような。キャッチコピーのZONE流Rockin’POP堂々完成は伊達じゃない。いやぁ…この路線もっと聞きたかった。早すぎる有終の美と言ってしまっていいのか。この先が見たかった。

ボーカル編成はド頭の歌いだし”ココロサク”はTOMOKAで、Aメロ前半と最後のサビはMIYU、Aメロ後半はMIZUHO→MIZUHO&MAIKO、BメロはTOMOKA。MAIKOだけソロパートが無い。MAIKOは前作でもそうだったがメインで歌う時も良かったけどZONEではコーラスで支えるところでけっこう重要な存在だった。”10年後の8月”以降どんどんメンバーがいなくなり、2人→1人となる中でメインボーカルが必然的にのしかかりまくってくる事になったがそれはZONEとしてはなんかやっぱ違うんだよな。

「卒業」ではギター触りたてでぎこちないギターソロパフォはあったが、「太陽のKiss」ではMIYUがリードギター、「glory colors~風のトビラ~」ではキーボード…となっていたTOMOKAが今作ではしっかりリードギターを担当して、ソロパートの演奏もしていた。1年での上達ぶり、本人はやれば何でもできると思ったと振り返っているが、相当な努力だったと思う。

MVは解散を意識した内容になっており、メンバーそれぞれのでかい写真が映し出された空間で円になってバンド演奏をしているというシンプルにロックバンド感を押し出した内容。解散を思わせる集大成的な演出が目立つ中で寂しくならずにいつもより笑顔増しで楽しそうに演奏しているのが印象的。ただしメイキングでは最後スタッフからプレゼントを渡されて全員号泣している。

Mステ最終出演時(解散ライブ中継が決まる前なので解散前ラスト出演扱いだった)の披露では最後のサビのソロでMIYUが泣いて歌えなくなる場面もあった。
★★★★★
1stベスト『E~Complete A side Singles~
トリビュート+3rdベスト『ZONEトリビュート~君がくれたもの~』DISC-2(期間限定生産盤)-original best side-

C/W Two Hearts

作詞:MIYU、作編曲:高見沢俊彦
漫画『NANA』のトリビュートアルバム『LOVE for NANA~Only 1 Tribute~』に参加した音源でアルバム発売の1週間前に先行収録された。というか『NANA』サイドはまさか解散するとは知らずに依頼していただろうし、ZONEサイドとしてはZONEの作品に収録するタイミングはもうここしかなかったと思われ

同作に単独で参加していたTHE ALFFEE高見沢俊彦の作編曲プロデュース。さすがに高見沢氏のギター演奏はすぐに気づく者が多いためなのか、現役時代のZONEでは唯一演奏クレジットが併記され、Produced & Guitar plyaed by T.Takamizawaとギターだけ実際の演奏者を明かしている。

MIYUが作詞しているので漫画『NANA』をそれなりに読み込んで書かれたと思われ、歌詞中でもNANAが出てくるが、結局『NANA』を知らないのと、高見沢氏の特徴溢れるド派手な曲調はいつものZONEとは違って最後にしてかなり異色な曲だなぁと。タイミングが悪すぎたのもあるがライブでも1度も演奏せずに終わっている。そもそも高見沢氏が弾き倒したギターが再現できなそう…

なお中島美嘉と宮崎あおいが主演した映画が公開されて大ヒットしたのはこの半年後である。
★★★☆☆
ZONEアルバム未収録
トリビュートアルバム『LOVE for NANA~Only 1 Tribute~』

C/W 愛花

作詞作曲:町田紀彦、編曲:genepool
MAIKOとMIYUのボーカル曲。あまりに切なすぎるMAIKOのボーカルが切なすぎてちょっとくどいっていう印象の1曲。MAIKOの表現力は年々高まっていたが今作ではちょっと行き過ぎた感がある。これもライブでは披露されないままに終わっている。MAIKO自身は好きな曲だったようで『ZONEトリビュート~君がくれたもの~』のoriginal best sideの自身選曲の枠でセレクトしていた。その割には”10年後の8月”でも”2人になりましたけど…NANIKA?”でも披露される事は無く、MAIKO1人のファイナルイベントでも披露せず、結局ライブ未披露のままと思われる。

何故かこの曲のみBackng Track(カラオケ)が未収録。シングルは全5曲(3曲+「笑顔日和」「Two Hearts」のカラオケ)であった。インディーズシングルは表題曲だけだったが、メジャーデビュー以降でカラオケが無かったシングル収録曲は4人のソロバージョンで収録した「H・A・N・A・B・I~君がいた夏~Ocean Version」のみで、これ以外は必ずC/Wまでカラオケ収録していたのに何故今作だけ未収録になったのかは不明。
★★★☆☆
2ndベスト『ura E~Complete B side Melodies~
トリビュート+3rdベスト『ZONEトリビュート~君がくれたもの~』DISC-2(期間限定生産盤)-original best side-

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