PERFECT ALBUMS+1 20th Anniversary

タイトル 区分 オリジナル発売日
DEEN 1stアルバム 1994年9月14日
I wish 2ndアルバム 1996年9月9日
The DAY 3rdアルバム 1998年12月16日
'need love 4thアルバム 2000年5月24日
pray 5thアルバム 2002年11月20日
UTOPIA 6thアルバム 2003年11月5日
ROAD CRUISIN' 7thアルバム 2004年8月18日
Diamonds 8thアルバム 2006年10月11日
DEEN NEXT STAGE 9thアルバム 2009年2月25日
LOVERS CONCERTO 10thアルバム 2009年12月2日
クロール 11thアルバム 2010年7月28日
Graduation 12thアルバム 2011年6月8日
PREMIUM DISC レア音源集 初出

リリースデータ

2013年1月1日 初登場186位 売上0.08万枚(300位集計) Ariola Japan

メンバー

Vocal 池森秀一
Keyboards 山根公路
Guitar 田川伸治

DEEN20周年アルバムBOX。2011年までに発売されたオリジナルアルバム12作をリマスターし、さらにレア音源集が付属する。最新作「マリアージュ」は未収録。ZARDのアルバムBOXと全く同じデザインとなっており、厚みも同じである。リマスターはZARD同様に島田勝弘が担当。パーフェクトと銘打っているもののベスト盤、カバーアルバムは除外されており、それらのみに収録されている曲は全て未収録(下記参照)。また『pray』の初回盤のみ収録だった「Christmas time<a capella>」はカットされている。「このまま君だけを奪い去りたい」のオリジナルバージョンは何故か1stアルバム『DEEN』と『PREMIUM DISC』に全く同じ音源で2度収録されている。全国のCDショップ共通予約特典として卓上カレンダーが付属。またSony Music Shopでは卓上カレンダーに加えてメンバーコメント入りポスターも付属する。

注意点
オリジナルアルバム未収録のシングルはフォローされていない。DEENの場合は特に初期の有名なシングル曲がことごとく今作に収録されていない。「翼を広げて」「未来のために」「君がいない夏」「夢であるように」「遠い空で」「遠い遠い未来へ」「哀しみの向こう側」「愛の鐘が世界に響きますように…」が未収録。Classicsシリーズ4作、カバーアルバム『和音』がBOXからはじかれたのでそこからのシングルである「見上げてごらん夜の星を」「夢で逢えたら」も未収録となる。またアルバムとして未収録なのはカバーアルバム『和音』以外にはベスト盤である『SINGLES+1』、『Ballads in Blue』、『The BEST キセキ』、『The BEST クラシックス』、『PERFECT SINGLES+』となり、これらのベスト盤全てにそこでしか聞けない楽曲が収録されている。

パッケージ
ZARDのアルバムBOXと同じ。1作ごとにLPサイズのジャケットに入っており、透明シートの中にLPサイズの丸い厚紙があってLPであればレーベル面に位置する部分にポツンとCDが入っている。ZARDに続いて2年連続で見ることになったけど、個人的には余白が全体の8割を占める勢いでデカすぎるのでついにウンザリしてきてしまった。そんなに好評だったのか、このデザイン。無駄な豪華っぷりとしか思えないんだけど。「PREMIUM DISC」ジャケットは1stアルバム『DEEN』の池森さん1人の横顔を再現したもの。これは色々残念な今作で唯一秀逸なアイデアだ。ただ「PREMIUM DISC」ではカラー写真になっているのだが、ブックレット表紙でも同じ写真を使用し、そちらでは白黒にしてしまっている。今作の表紙として各媒体に出ているのは下のAmazon写真のように白黒バージョンであるが、これではまるで遺影である。白黒にするくらいなら当時のセピアな色合いの再現に努力してほしかった。

ブックレット
ディスコグラフィーはあるが、解説やバイオグラフィーは無い。各アルバム3ページずつくらいの尺でズラッと歌詞が並んでいるのみで写真はカットされている。作詞作曲編曲表記はタイトル下に1曲ごとに記載されている。後半10数ページは写真となるが、使われているのは2nd、4th、9thのブックレット写真のみ。2nd写真では元ドラマーの宇津本含めて4人での写真が1枚だけ入っているが、裏表紙にある1stアルバム時の写真では宇津本はカットされている。現在のメンバー写真はソロ3枚、最終ページに3人揃ってのカットがある。ソロカットはモノクロでカラーは3人揃っての1枚のみ。スタッフ表記はマスタリング表記と現メンバー3人の名前と楽器、デザイン担当者のクレジットとビーイングへのスペシャルサンクスのみと質素。クレジットの確認のために行ったり来たりしなくていいだけZARDよりは見やすいものの、やはりLPサイズのブックレットなので無駄にデカいので、扱いにくい。真っ黒な裏表紙はすぐに指紋が残りまくるし、基本的には頻繁に見たり聞いたりすることよりも永久保存版として飾っておくのを前提にしたアイテムといえる。Z

CD全体の印象
マスタリングがZARDと同じ島田勝弘なので期待通りのサウンドに仕上がっている。

『DEEN』→原盤が94年でやや音が小さかったこともあり、音がでかくなったという意味では1番分かりやすい。サウンドもハッキリした感じだが、元々がシンセポップが多いためか、思ったほどは劇的に変わった印象はなし。

『I wish』→これも一応音量が持ち上がった感じで、音も良くなったように聞こえるが、やはりそこまで明確に変わった印象はなし。

『The DAY』→音量だけなら既に原盤の時点で十分だったが、ロック調の曲が多いせいか、埋もれていたような音が聞こえてきて全体的に音がクリアになっているように聞こえた。DEEN史上最もハードロックな「手ごたえのない愛」のリマスターはこうやるんだと『PERFECT SINGLES+』で極端に音をのっぺらさせた担当者に突き付けてやりたいレベル。

『'need love』→さほど大きな変化は感じなかったが、「起き上がれよBOY」などのガシャガシャしていた曲はかなりクリアになったように思う。

『pray』最もリマスター効果を感じるのがこのアルバム。原盤は最初から音が大きく迫力があったが、今回は各楽器の音がはっきりと聞こえる。原盤は音圧を上げすぎてかなり細かい音が潰されてしまっていたようだ。特にシングルでもある「Birthday eve」は元から打ち込みのベース音がブイブイいいすぎており、『PERFECT SINGLES+』ではリミックスしたかのようにベース音を極端に抑える措置が取られたが、今回は元の音源を綺麗に仕上げ直した印象。『PERFECT SINGLES+』担当者にリマスターってのはこうやるんだと突きつ(略)

『UTOPIA』『ROAD CRUISIN'』『Diamonds』→個人的にはDEENのアルバムの中では、特に迫力が無いわけでもなく、過度に大きすぎるわけでもなく、これといった問題が無かったのがこの時期だと思う。特に『UTOPIA』はシングルのミックスを海外でやり直すなど他の作品よりも音にこだわっていたと思うので元から音の抜けも良かったし、そこまで違いは感じなかった。

『DEEN NEXT STAGE』→この作品の頃は『PERFECT SINGLES+』の余波で、この時期のCDとしては音量が少し小さく、かとって音質が優れているとも言い難い単純に迫力不足で抑え込まれたような音質が続いていた。この傾向は07年末の『The BEST クラシックス』から始まり、『PERFECT SINGLES+』で音量の小ささ、音の悪さのピークを迎えて、『クロール』辺りまででじわじわと元に戻っていったような印象がある。そんなわけでその余波を最も大きく受けていた印象の今作はかなり音が持ちあがり、迫力が増しつつもクリアーなサウンドに進化。『pray』に続いて大きなサウンドの向上を感じる。最初こんな音のアルバムだったっけ?とまで思ったのは『pray』と今作だけ。

『LOVERS CONCERTO』→前作同様に元の音源がやや迫力不足だったので迫力が増したように聞こえる。

『クロール』→ここまで来るとかなり最近なので大きな変化は感じない。

『Graduation』→原盤では前年までの傾向から一転して、音量が元に戻るどころか、ボリュームを下げたくなるほどに突如でかくなった。迫力不足が解消されたので個人的にはようやく元に戻ったと感じたものだった。それにしてもDEENのマスタリング担当者はクレジットによれば毎回固定では無かったにしても迷走しすぎだろ…。リマスターとはいえこれ1年前の作品なのでさすがにほとんど違いは感じない。

低音を持ち上げつつも、00年代に流行ったリマスターみたいに迫力が増しすぎて、音圧で他の音が潰される事無く、今まで聞こえなかった音もクリアーに聞こえる印象。特に原盤は後半にかけては急に音が小さくなって迫力不足になったり、迷走したような状況だったのが、島田勝弘が1人で担当した事でグッと統一された。これを機にもう少しマスタリング面でも(今まで特にDEENのサウンドに慣れた人というわけでもなくレコード会社にお任せコースっぽいし)こだわりを持って制作してほしいなと思った。

PREMIUM DISCはありえないほど残念な内容だが、個人的にはリマスターが期待以上だった。当初は初期のアルバムの音が良くなったのが分かる程度だろうと思っていたのだが、最新作に至るまで音質の向上を実感できるとは思っていなかった(同時にいかにこの5年くらい迷走していたかが分かった)。オリジナルアルバムのサウンドが綺麗に統一されたのでそれだけで値段分の元は取れたと思う。

B009GN79V0

印象度★★★★★

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