1stCl Classics One WHITE Christmas time
1999年11月25日
「MY LOVE」から3週間で発売された。シングルリリース間隔としては最短。今作は通常シングルとは別カウントで、“DEENのアナザーサイドを見せる”というコンセプトで制作されたクラシックスシリーズの第1弾。初のMAXI SINGLEとも銘打たれ、アルバムと同じ12センチCDを採用し、このまま通常シングルでも8センチへ戻る事は無かった。
新曲2曲、過去のシングルのリメイク2曲、インスト3曲を挟んだ構成。曲番号はローマ数字で表記される。マキシシングルと言い張っていた事、O社基準歌入り4曲までを満たしていた事からチャートでもシングル扱いされた。3曲入りでミニアルバム扱いになった例も多かったのでもう少し前の時期だったらシングル扱いになっていたかビミョーだったかも。
初回盤は特殊ジャケット仕様。透明プラケースのCDトレイ、厚紙歌詞カード、シートのようなカバージャケットの3つがセパレートしており、トレイに歌詞カードとカバージャケットを巻き付けるように被せるという仕様。この仕様はマイナーチェンジしつつも以降もクラシックスシリーズ共通となった。写真が一切使用されていないが、封入特典としてメンバーのメッセージカードが封入されていてそこに4人の写真が掲載されている。これが宇津本直紀在籍時最後の4人での写真となった(FC会報などを除く)。通常盤は薄型のマキシケース。今作に関しては発売当時に初回盤が売り切れて通常盤も出回っていたように記憶している。
今作が宇津本直紀の最終参加作品となり、12月31日のカウントダウンライブが最後の活動だった。年明けにいきなりFC会員向けに脱退の一報が入ったとかで、当時は詳しい理由はイマイチ判然としていなかった。後年のインタビューでは多忙により精神的に余裕が無くなった事を語っているのでいわゆる心身の不調が原因ではないかと推測される。1998年のBreak2以降、ライブ活動が本格化し、1999年は春にBreak3をやって、9月から12月まで30公演を越えるロングツアーBreak4、Break4のスペシャル扱いで続けて横浜アリーナ、カウントダウンライブとみっちりライブを行っていた。スタジオワーク集中から一転してライブと制作が立て込んでいて多忙な状況であった。
また基本的に今作収録曲にはまともにドラムが入っておらず、コーラス以外にドラマーとしての参加はほぼ無く、前作「MY LOVE」が実質最後のドラミングだったのではないかと思われる。
前述のように初回盤が売り切れるくらいは好調で、初登場18位、5週ランクインながら5万枚を突破、1999年の4シングルで最大のヒットとなり、前年の「手ごたえのない愛」に匹敵する売上を記録した。
C/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best~』に収録されていたため、2024年3月10日以降今作の中から「The Room」だけが配信されている。
Ⅰ.CHRISTMAS TIME~morning light~
作曲:山根公路、編曲:池田大介
イントロダクション的なインスト曲。クリスマスの朝を迎えたイメージ。横浜アリーナでの演奏時はこの曲から「Christmas time」へ繋ぐ構成で披露された。映像化はされていないが、2010年の『ALL TIME LIVE BEST』で音源のみが収録された(表記は「Christmas time」のみだが続けて演奏されたので冒頭に入っている)。
2ndライブアルバム『ALL TIME LIVE BEST』(Live/1999年横浜アリーナ)
Ⅱ.Christmas time
作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN&池田大介
初の表題曲での山根公路単独作曲となるが、通常シングルではなくクラシックスだったためか、山根さん本人はなかなか表題曲に採用されなかったという旨のインタビューに手単独での作曲初採用は2002年(Birthday eve)と発言している。ピアノとオーケストラをバックに歌い上げるというイメージで制作されたため、ギターも間奏ソロのみの出番でドラムに至っては最後まで入ってこない。一応シャンシャン鳴ってたり、最後のサビ前とかシンバルみたいな音がシャララララーーンと響いているので部分的に宇津本さんが振ったり叩いたりしているっぽいけど…。これをライブでどう演奏したのか、映像で残されていないのが惜しい。
「JUST ONE」→「MY LOVE」から今作とバラード続きだが当時この3作ですっかり魅了され、来年高校生になったら全部買うぞ!と決意。本当にこの1998~1999年のセルフプロデュースに至っていく流れは無敵すぎた。しかしさっぱり売れなくなって『CDTV』見ててもトップ20入りがやっと、2週目以降急落、TVにも出なくなってしまったので一体どうなっているんだと世の中に対する疑念が…(中3だけど中2病的な…)。2番の”都会(まち)の暮らしでは冴えない僕だけど自慢できるものそこにはあるんだ”というフレーズはこれ俺の事だ!スキーの事だ!と思った記憶もある(思い込み激しい中2病的なお年頃)。
★★★★★
5thアルバム『pray』初回盤のみBonus Track(a capella)
4th(クラシックス)ベスト『The Best クラシックス』
2ndライブアルバム『ALL TIME LIVE BEST』(Live/1999年横浜アリーナ)
6thベスト『DEENAGE MEMORY』
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~』
20thアルバム『シュプール』(spur style)
Ⅲ.The Room
作詞:池森秀一、作曲:宇津本直紀、編曲:DEEN
宇津本直紀在籍時最後の作曲となっているが、思いっきり打ち込みリズム。さすがにこの音色はドラム叩いて出る音ではないし、叩いた音をここまで加工するんだったら最初から打ち込んだ方が早いだろうし、ドラムの演奏はしていないと思う。ドラムパートの打ち込みを担当していたりはするのかもしれないが…。
表題曲とは真逆の失恋1人っきりのホーリーナイを描いた切なすぎるクリスマスソング。雰囲気は抜群だし、メロディーの強さもあって異色の打ち込みアレンジながらもけっこう印象的。改めてメロディーメイカーとしての宇津本直紀の唐突な脱退は大きかった。山根・宇津本コンビの作曲でもいいものが多かったし、4人の中では筆頭級のソングライターとしてもっと活躍してほしかったよなぁ…。
歌詞が切なすぎるせいか、クリスマス付近でも「永遠をあずけてくれ」「Christmas time」が優先されるし、ライブではたぶん1度も演奏していないんじゃないかなこれ…。
★★★★☆
4th(クラシックス)ベスト『The Best クラシックス』
1stC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best~』
Ⅳ.CHRISTMAS TIME~twilight breeze~
作曲:山根公路、編曲:池田大介
新曲とセルフカバーの間を繋ぐインスト。タイトル通りクリスマスの日が暮れていくイメージ。
Ⅴ.このまま君だけを奪い去りたい~Acoustic Version~
作詞:上杉昇、作曲:織田哲郎、編曲:DEEN
1stシングルのセルフカバー。過去曲のセルフカバーはデビュー7年にして初。完全提供プロデュースされていた当時の楽曲が“編曲:DEEN”となり、時を経て自分たちの曲として消化したような形には感慨深いものがあった。といってもこのバージョン、間奏でヴァイオリンソロが入ってくるがほぼ池森+田川の2人編成で演奏されていてほぼアコースティックギターしか聞こえない。キーを1つ下げて余裕のある歌唱になっている事もあり、シンプルに歌の良さが伝わってくる好アレンジ。最後のサビの歌い回しを変えたりもしているが、以後のライブで歌いにくくなってどんだけアレンジ歌唱していてもセルフカバーを録音する際はアレンジ歌唱しないのを徹底しているので、今作の最後のサビを少し変えて歌っているのはスタジオ音源では唯一のアレンジ歌唱じゃないだろうか。
なお良く考えずとも今作だけクリスマス関係ない。
当時は収録されたっきりだったが、キーボード演奏を加え、間奏のヴァイオリンソロをアコースティックギターのソロに置き換える形で2007年の47都道府県ツアー以降で再活用され、3人だけの演奏時には今作の改変バージョンを演奏する事が多かった。今作当時のPVはメドレー形式でほぼ視聴映像(今作に関しては雪景色のイメージ映像のみ)という簡易仕様だったが、『The Best クラシックス』ではリード曲扱いとなり、2007年の47都道府県ツアーのドキュメント映像で新たなMVを制作。しかし2007年時点では声が変わっていたので映像と声が合っていない感じがして違和感が…。
★★★★☆
4th(クラシックス)ベスト『The Best クラシックス』
BOX『PERFECT ALBUMS+1 20th Anniversary』PREMIUM DISC
Ⅵ.永遠をあずけてくれ~Millennium a capella Version~
作詞:川島だりあ、作曲:栗林誠一郎、編曲:DEEN&時乗浩一郎
4thシングルのセルフカバー。『The DAY』収録曲「A day in my life」に続くアカペラ編成で1コーラスのみになっている。今回も時乗浩一郎がアレンジに参加しているので、当時はこの時乗って人はアカペラ担当のアレンジャーなのか?と思っていた(実際はディレクター、セルフ以降は共同プロデューサー的ポジションの人だった)。クリスマスのシングルなので満を持しての登場ともいえるがアカペラアレンジが非常に良くハマる。4人全員ボーカルを担当しているものと思われ、ドラムは全くないものの宇津本直紀が声で参加しての最終レコーディング曲という事になるはず。1コーラスというのもあるが、オリジナルはかったるくなってくる時もあるので、このバージョンの方が好き。
★★★★☆
4th(クラシックス)ベスト『The Best クラシックス』
Ⅶ.CHRISTMAS TIME~evening snow~
作曲:山根公路、編曲:池田大介
エピローグ的なインスト。クリスマスの夜が静かに更けていく…というイメージ。毎年クリスマスが終わっていくタイミングでこのインストを聞くとなんかいよいよ今年最後の1週間だなという気分になる。
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