21stSg 哀しみの向こう側

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21st 哀しみの向こう側

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2000年11月15日
『Classics Two SEPIA 秋桜~more & more~』から2ヶ月でのリリース。史上最長ロングツアーとなっていたBreak5を10月末に終えた直後にリリースされた。今作ではDEENのロゴが和風っぽいフォントの「Deen」に変わった。この新ロゴは2001年のバラードベストでは使用されず、2002年前半の『和音』の際に再活用された。

表ジャケットは池森単独、歌詞カード内部も池森単独、裏ジャケにのみ3人で登場しているが(なんかこの3人でいる場所と前作の「恋人よ、夢も嘘もすべて」の簡易MVで歌ってた場所似てない?)、PVは池森単独。初回盤はスペシャルポスタープレゼント応募券付。

ここまでクラシックス以外はずっと4曲(2曲+カラオケ2曲)で、「Power of Love」はC/WがリミックスなのでC/Wのカラオケが無かったが代わりに「Memories」のライブ音源を収録したので4曲を堅持していた。今作はC/Wがライブ音源でそれ以外にC/Wが無いため、カラオケ含めて3トラックとなり、シングル最少収録曲数を更新した。

いわゆる声変わり前に位置づけられる最後のシングル。ただし前作と今作の時点でこれまでに比べるとこれまでより低めのキーに抑えられている感はある。

哀しみの向こう側

作詞:池森秀一、作曲:池森秀一&山根公路、編曲:DEEN
フジテレビ系(東海テレビ制作)昼ドラ『幸福の明日』主題歌。丸1年前の「MY LOVE」の時と全く同じ枠の主題歌を担当。何か縁があって今年もDEENに…となったのだろうか。2人が持っていたサビと平メロを組み合わせて制作されたため珍しい池森&山根の共作となっているが…このパターンでの共作は定着しなかった。2人になればいくら池森さんが作曲に乗り気じゃなくなっていても共作くらいはするようになると思っていたが全くやらないんだもんよ…。

オーソドックスなバ ラ ー ド …という以上の印象が発売当時から変わらず、どうにもこれまでのバラードの数々に及ばないような印象が拭えないまま。明らかにドラマー脱退でおとなしくなったバンドサウンドもそうだが、前作に続いて今作もあまり高いところまで行かない優しい響きを重視しているせいもあるだろうか。穏やか~な感じでシングルとしてはちょっとインパクトが弱めに感じてしまった。

しかし当時からやたらとファン人気は高く、登録サイト時代だった当時のヤフーにはいくつかのファンサイトも登録されていてそのファンサイトで「JUST ONE」「MY LOVE」と今作とどの曲が1番好きかアンケートを取ったところ今作がぶっちぎって指示されていた。おいおい嘘だろ…と思ったのを凄く覚えている。『Ballads in Blue』でもアルバム未収録の最新シングルだったというのはあるにしても堂々4位。『ALL TIME LIVE BEST』には選出されていないが(対象になっているフル披露音源がBreak5くらいしかなかった)、一時期は「JUST ONE」「MY LOVE」を凌ぐ圧倒人気だったのである。

「JUST ONE」「MY LOVE」が絶対的に君に対してのラブソングであるのに対して今作は2番はラブソングっぽくもなるんだけど、基本的に悲しんでいる相手を優しく包み込むような寄り添う歌詞になっているので多くの女性リスナーが自分に歌われているような気持ちになれる。ここが当時の女性ファンリスナー層に凄く響いたのかなと思う。デビュー~数年の間に10代で聞き始めていたファンも学生世代ではなくなってきていた時期で社会に揉まれていく中で”そんなに責めないで自分を 君が悪いわけじゃない”とか””泣きたけりゃ泣けばいい”とか”きっとそれでいいありのままで”とか優しく肯定してくれる歌詞は刺さるだろうなと。確かメンバーが後年振り返った時にライブで泣きながら聞いているファンがいたなんて話もしていたし、そこまで意識して書いた歌詞ではなかったのかもしれないけど、当時のファンの中心の年齢層にうまくハマったところはあったのかも。

前述のようにサウンド面ではかなりおとなしい印象でやはりドラマー脱退を強く感じる。あと1番終了後にバンドインする際にミヨ~~~~ンミョーミョミョミョッミョーと何故か打ち込みベースっぽい音色(?)が初期のようなミョンミョン音で食い込んでくるのが妙に気になる。

池森単独出演のPVでは自然の雄大さでもって曲の雄大さを増幅させるような雰囲気のロケになっているが、何故か足場の悪い水辺での歌唱シーンが印象的。足元ビッチャビチャで1歩踏み出す方向を間違えたら深みにズブンしそうな湿原だったり、湖に芸術的に倒れ込んでいる波打つ水面でビッチャビチャに水被ってるんだけどギリギリで接岸している奇跡的なバランスの倒木の枝に座っていてこれまた少しでもバランス崩せばジャボンという地味に危険そうな何故そんなところで…というシーンが目立つんだよな…。

『幸福の明日』でOAされていたのもあってBreak5終盤になってライブで先行披露していたようでDVD『on&off>tour document of ‘need love』に当時の映像が収録されているものの、それっきりとなっていて『ALL TIME LIVE BEST』では投票対象がこれだけで前述のように選出されず。2008年以降日本武道館でのバラードメドレーになると演奏されやすくなった程度となっていたが、2012年にはTriangle Cover Versionが制作されており、B-Gram時代ばかりのセルフカバーの中では珍しい選出となった。2016年の武道館Ballad NightではオリジナルではなくTriangle Cover Versionで本編ラストを飾った。

なお今作はベスト盤にしか収録されておらず、ベスト盤には演奏クレジットがつかないのが慣例となっているので、ベースとドラムが誰なのかは不明である。タイミングからして今作まではそのままドラムは藤沼啓二だったんじゃないかとは思うが…。
★★★☆☆
2nd(1stバラード)ベスト『Ballads in Blue The greatest hits of DEEN
5thベスト『PERFECT SINGLES+
1stライブアルバム『DEEN at 武道館~15th Anniversary Greatest Singles Live~』(武道館 Special Ballad Medley、2008年武道館ライブ)
13thアルバム『マリアージュ』DISC-2『Triangle Cover Album』(Triangle Cover Version)
6thベスト『DEENAGE MEMORY
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~

C/W Soul inspiration<in Break 5>

アルバム『’need love』収録曲の先日まで行っていたツアーBreak5での最新ライブ音源。今作には何のクレジットも無いので、どの会場で収録された音源なのかは不明。後にDVD『on&off>tour document of ‘need love』で映像化されたのは渋谷公会堂でのライブ映像で、そちらでは間奏で池森がダンサーと共にダンスを披露したため、今作とは明確に違う音源だと確定している。

このツアーでは一貫してアンコールの1曲目に演奏。スタジオ音源とはイントロが長いのと最後のサビ突入前のCDでは”ジャン!ジャン!ジャン!ジャン!…時を越えてトテツモナイ”だった部分が”ジャン!ジャン!ジャン!ジャン!ジャーラッチャ!ジャーラッチャ!………時を越えてトテツモナイ”とシンセのフレーズとサビ突入前の間が足されてちょっとだけ長くなっているという違いがある。

ツアーの雰囲気を速攻でお伝えする…という事だったと思うんだけど、C/Wがライブ音源だけのシングルって今作のみだし、ツアー中で新曲制作の余裕が無い中で昼ドラタイアップでなんとか1曲作るのでギリギリだったのだろうか。
★★★☆☆
アルバム未収録&未映像化ライブ音源
4thアルバム『‘need love』(スタジオ音源)

コメント

  1. みじぃ より:

    こんにちは、いつも楽しみにして見ています

    この曲に関しては、「幸福の明日」を見ていると、ドラマの内容とめちゃくちゃマッチしていて、その点の相乗効果もあったのかなと思っています。
    曲としては、僕も「JUST ONE」「MY LOVE」の方が好きですが、一方で「哀しみの向こう側」ドラマを思い出すという意味では想い出になっているのかなと個人的には思っています。

  2. SVIN PRO98 より:

    いつも楽しく拝見させてもらっております。
    24歳DEENファンです。
    Soul inspirationの音源は大宮ソニックシティのLIVEという説を聞いたことがあります。

    あと、細かいですが間奏のあとですが「踏み出せばいいさ」ではなく「時を超えてとてつもない」だと思います。

    • moma-30thdeen より:

      ライブ音源大宮ソニック説は当時のファンサイトで見た記憶があります。しかし出所は不明で現在はその情報すら埋もれてしまっているので記載しませんでした。踏み出せばいいのは「YOU GOTTA KICK」でしたね。修正しました。

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