フォロワー
白石麻衣(乃木坂46)主演。
セレブな港区OLハルと偽装してフォロワー数稼ぎに躍起になっている冴えないOL白石麻衣が自分を慕うアカウント『ミミ子@ど田舎』に徐々に追い詰められていくホラー。ミミ子の声を担当していたのが竹達彩奈(姿は見せず声のみ)だったので声自体はカワイイ感じなのに、徐々にサイコちっくになっていくのが逆にもっと怖かった。最後はミミ子の正体も明らかにならずただひたすら追い詰められてのバッドエンド。
実際に港区OLハルのTwiiterアカウントを連動させるという現代らしい試みもあったが…。冒頭から白石麻衣がひたすらパッシャパッシャ偽装用の写真を撮りまくる姿ばかり流されていたのでこれどっちかというとインスタ映え的な方向なんじゃないかと思ったんだけど、あえてTwitterなのは制作側のSNS感覚が古いのか、インスタよりTwitterの方が構成上都合が良かった(ミミ子が迫りくるのにDM機能、リプライやブロックなどの見せ方をするのにインスタよりTwitterの方が都合が良かった)という諸事情なのか。最新なようでちょっと遅かったテーマだった気もする。
不倫警察
唐沢寿明主演。
世論が高まりすぎて不倫が犯罪となった世界で、唐沢寿明がひょんなことから不倫の疑いをかけられて追い込まれていく皮肉コメディ。裁判送りにされた挙句に、革命集団による襲撃で脱走に巻き込まれるも、革命集団の仲間割れに巻き込まれて銃撃の末に気を失った唐沢が目を覚ますと世界はさらに激変。不倫を取り締まっていた升毅や、妻の紺野まひるも何故かどこかへと連行されていき、東京が誰もいない荒廃したゴーストタウンと化していた唐沢が絶叫しておしまい。
「1度世間に疑われたら終わりだ!」とか「(当事者同士が許していても)世間が許さない」とか昨今の不倫に限らずな執拗な叩き文化をストレートに皮肉った挙句にゴーストタウン化して誰もいなくなり「世間なんてそんなのどこにもいないじゃないかぁぁぁぁぁ!!!」は、最早この閉塞した現状の中での魂の叫びのように響き渡った。なんでもかんでも気に入らない人がいれば規制規制でそれがエスカレートしたらこうなるという事だったんだろうけど、コメディだと思ってたら不倫ほとんど関係なかったし、メッセージ性がストレートに出すぎてオチも投げっぱなしになってしまったような。それほど訴えたかったのか。
明日へのワープ
三浦春馬主演。
芽の出ないまま30手前まで来てしまったアマチュア映画監督の三浦春馬は女優を目指している佐久間由衣とも年齢的な問題からこじれていき、追い込まれていた。不眠に陥った三浦は心療内科で医師の相島一之から新薬アイリウムを処方される。それは1錠飲んだらその後の24時間記憶が消えるという薬だった。
本人自体は通常の意思を持って行動しているが記憶が消えるため、本人の意識としては飲んだ直後に24時間後へワープする感覚になるという。辛い現実から目を背けるためワープを多用する三浦だったが、結局消えた24時間を任せるのは他ならぬ自分自身であるため、24時間後へワープしても何も変わらない。3錠では1週間飛ばせるというので、賭けていた映画コンペの締め切りまで待てずにとんだところ、速攻で落選が判明するだけだった。就職活動も今からではうまく行かない。ていうか中途採用の面接がものすごく志望者を見下す感じの圧迫面接風だったのが地味に重かったのはなんなのあれ(三浦の前の人とか何故か怒鳴られてるし、三浦も早くしろ!とか怒られるという)。
佐久間にも去られて絶望した三浦は薬を使い切ってしまい、次の診療時に相島一之が席を外した隙にアイリウムを大量に盗み、大量に服用して青春を終わらせてやるんだとほとんど自殺シーンみたいな感じに。
1錠で1日なのに3錠で1週間も飛ばせるという飲めば飲むほど効果が飛躍的に伸びるらしく大量服用を止められていた三浦だったが、盗んだアイリウムをほぼ全部食い尽くした結果、飛んだ先は15年後の未来。どういうわけか佐久間と復縁して幼い娘もいたが佐久間は3年前に病没。映画ではなくフリーライターとして今はなんとかやっているらしいが、映画自体でも2020年に賞を取っていたらしい。あの絶望からも2年間奮起して待望のプロへの道を掴んだにも関わらずそこで何故道を変えたのか、その全ての記憶が無く、共に過ごした佐久間もすでにいないため、空白の15年間に何があったのかさっぱり分からず、激しく後悔する三浦。辛くても記憶こそが未来を創ると痛感していると…。
そこで目が覚めるとアイリウムは最初の1錠を飲んだだけだった(24時間も飛んでいない)。アイリウムによって見た幻想体験により三浦は活力を取り戻して生きていく…。ということで結局アイリウムは記憶を24時間飛ばすのではなく、幻想体験をさせるのが本当の効能ってことだったのこれ…?
少年
倉科カナ主演。
倉科カナの前で起きたバイクと少年の事故。無事だった少年だが、違う名前を名乗ったり変な挙動をした後に倉科カナの前に現れる。不気味なその少年の様子から少年サイコホラーかと思われたが、少年は学生時代に事故死した彼氏の健太郎の生まれ変わりだった!というファンタジー。少年が事故に会ったことで一時的に前世の記憶を取り戻し、彼氏の死に責任を感じて以後10数年時の止まっていた倉科カナの心を動かして最後の挨拶をして消えていくという感動モノ。ベタではあったけど、逆にこの手の生まれ変わりネタって案外最近見てなかったので(小学生の頃なんかこういうネタ良く見た気がするんだけど)懐かしくもあった。
城後波駅
合間に出てきたショートストーリー(アバンストーリー)。ポンキッキーズを終えたガチャンピンとムックが都市伝説「城後波駅」へ向かうという動画を最後に失踪。上司に「戻ってこれなくなる」と言われながらも記者の岡田義徳が調査に向かう。ガチャンピンムックが最後にいた「久津々西駅」にて「城後波駅」への道が開けるという儀式(時刻表アプリで特定の設定で検索する)を行うと不気味な駅員によりやってきた謎の列車に強制的に乗せられてしまった。この土壇場で「城後波駅」=「しろごなみえき」=逆から読むと「みなごろし」だと気づいた岡田は助けてくれぇぇぇ!!と絶叫して前編終了。
しかしそのまま本編最後の『少年』も終わってしまい、いつものタモリの締めのトークも終わってエンディングテロップに突入。エンディング終了後にようやく後編がスタート。
暗黒世界「城後波駅」に下車すると、電車は走り去ってしまうがその電車の中にはガチャピンとムックの姿が。上司に「入れ替わるまで帰ってこれなくなる」といわれたことを思い出した岡田だったが、ゾンビと化していた駅員に襲撃されて殺されてしまう。
…と思ったら最初にやってきた「久津々西駅」に戻っていた。再び駅員に押されて強制連行されてしまう岡田。謎のループ展開となったが、その中で「久津々西駅」=「くつづにし」=逆にすると「しにつづく」=「死に続く」だったことに気づいて岡田が驚愕したまま終わり。
ガチャンピンとムックが後編でほぼ背景。そしてこの世界のシステムがなんだか良く分からないままに終了するという最後に投げっぱなしのオチは見終わった感触が非常によろしくない…。
「久津々西駅」で「城後波駅」へ向かう儀式をする→連行される→「城後波駅」に到着後に殺されるが殺された瞬間に「久津々西駅」に戻るが、直後に強制的に再び連行される→以下ループ
という無限ループ地獄に陥り、「入れ替わるまで帰ってこれなくなる」の言葉通りに、誰かが”「久津々西駅」で「城後波駅」へ向かう儀式をする”を発動させると無限ループから脱出して帰ってこれる。入れ替わりで行った者がまた誰かが儀式を行うまで無限ループ…っていう世界観でいいのか。
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