2021年6月26日放送。
2020年は春放送予定が新コロ延期により7月にズレ込んだが、2021年も春には放送されずに6月末放送となり、2年連続で「夏の特別編」となった。
またエンディングで既に秋に放送予定の4本の撮影が済んでいて予告映像が流れるのも前年同様となった。
あと15秒で死ぬ
吉瀬美智子主演。
薬剤師の三上(吉瀬美智子)がいきなり背後から銃殺されるところから始まり、倒れるより前の撃ち抜かれた瞬間に時が止まり、死神(梶裕貴)が出現。死神は三上に死を伝えにやってきたが手違いであと15秒残っている事が判明。15秒のカウントタイマーが出現し、このカウントは「スタート」の掛け声で動き、「ストップ」の掛け声で止める事が出来るという。ただし止めている間(通称走馬灯タイム)は身動きできず、視線を動かすなど顔の一部が動かせるのとひたすら思考する事が出来るのみ。
まずは犯人の顔を突き止めるべく振り向くのに最初の5秒ほどを使用。犯人は薬を届けていた頼子(赤間麻里子)の娘の佐奈(山口まゆ)だった。頼子は精神を患っており、娘にこれ以上負担をかけるまいとして自殺してしまったといい、これで恨まれるなんて許せないと復讐に燃えた三上は残りの時間をかけて佐奈を犯人と示すダイイングメッセージとついでに電気ショックを与えて佐奈を殺害する仕掛けを設置する事を計画。
計画が進む中で残り10秒弱が明かされずに三上の死後、佐奈が罠にはまって感電するまでと残り時間が交互に描かれる展開となり、徐々に真相が見えていく。頼子は人生に絶望して佐奈と心中するつもりで三上のカバンから睡眠薬を盗み、遺書と謝罪文を遺していた。しかし三上は薬が盗まれている事に気づいて慌てて頼子の家に向かい薬の中身を入れ替えて元に戻した。その様子を見て佐奈が不信感を抱き、母の死に三上が関与していると勘違いして逆恨みしたのが殺害動機だった。三上も盗まれたのがバレると立場上マズいので黙っていた事が仇となった。残り数秒の時点で死神の助言もあってそれに気づいた三上は電気ショックダメージを減らして死なないようにした上で真相を伝えるのに費やそうとするが、佐奈は外からの第二撃をお見舞いしてきていた。残り1秒を切る状態となってしまい計画が狂ったもののわずかな時間で頼子の遺書を掴んで握りしめて三上は絶命。
感電から目が覚めた佐奈はダイイングメッセージを隠滅して握りしめていた遺書を奪って逃走するが、帰宅後に母の遺書を読破し、真実に気づいて崩れ落ちる。そして事件現場では時間が足りずに書けなかった最後のダイイングメッセージが死神の謎のサービスで「サナ」と思いっきり残されていて犯人逮捕待ったなしな感じで終了。
開始早々に致命傷で残り15秒というのと真相判明が交互に描かれた事でなかなかスリリングな展開になった。とはいえ、ただの一般人が一撃キルできるようなライフルを入手して文字通りに背後から一撃で仕留め、10数秒動き回る姿に警戒して咄嗟に外に回り込んでトドメの二撃を必中させるってこの一般人殺し屋スキル高すぎないか。まあ相手からすれば死ぬ寸前のあんな一瞬でよくまあ感電トラップやらなんやら仕掛けまくれるなと驚愕していてお互い様ではあったけど。
そして結果的に死神の存在意義と立ち位置が良く分からなかった。連れていく役目…でもなく走馬灯タイムのプレゼンター的な存在だったのだろうか。
とりあえず声優の梶裕貴氏はどこへ向かっているのか。去年も『おカネの切れ目が恋のはじまり』でチョロっと出てきたけど今回なんか謎の死神特殊メイクで出てくるし。
三途の川アウトレットパーク
加藤シゲアキ主演。
三途の川を渡る前、生前に積んだ徳が現金となり来世用のアイテムを購入できるというシステムのアウトレットパークで木村(加藤シゲアキ)は目覚める。しかし徳によって得られる資金とは全くの無関係でまず福引のようなガラガラを回すという完全な運ゲーで来世に虫か動物か人間か何に生まれるかが決まるという。よって徳を積みまくった善人でも運が悪いと虫、悪人でも人間に生まれ変われるといい、徳を積みまくったオッサンが虫を引き当てて泣き崩れていた。
あっさり人間を引き当てつつも虚無な感じの木村はアウトレットパーク内で両親が自分の病気の治療費の件でもめているのに耐えかねて管を抜いて事実上の自殺をした少年を巡り合う。少年との交流を通して木村の過去も明かされていく。目つきが悪い事で昔から絡まれ、仕事もクビになってギリギリで生きていた木村が配送の仕事で病院にやってきた際に患者の芽生(島崎遥香)に好意を抱かれて声をかけられ、目つきが好きだよと言ってもらえて愛に目覚めるも芽生の両親が手術費を出せずにこれ以上治療が出来ない事を知ると、500万おろしたと言っている婦人から強奪。奪った500万円を手術費として匿名で寄付した直後に警察に追われて転落死した事が判明。
しかし芽生とアウトレットパークで再開してしまう。手術しなかったのかと思いきやどうも手術はしたが失敗したらしい(芽生の口ぶりだと死んでいるのでたぶんそうなんだろうという感じで手術はしたらしい)馬鹿な事をしたのを咎められながらも来世への希望を抱いた木村は生まれ変わってもう1度木村と会いたいとして徳を全てお守り代に費やした芽生と野球選手を目指したいという少年と来世へ向かおうとするが…。少年の持っていた家族写真を見た木村は強盗した相手が少年の母と知り、少年を殺したのは実質自分だと知ってしまう。
罪を償うため、徳を積みまくった善人だが運が悪く虫を引き当てていたオッサンに人間の権利を売り、得た資金で芽生には自身の目を、少年には一流野球選手スキルをプレゼントするのだった。
冒頭で出ていたあるカップルの自宅に飛来して殺されかけた虫=木村だった。カップルの女性は顔は別人になっているが芽生で(顔つきがなんか違和感あったのは加藤シゲアキの目を合成していたから?)、虫に何かを感じて殺さずに優しく逃がしてあげる、そしてTVで活躍している野球選手は少年の生まれ変わりである事を示唆して終了。
これやっぱりシステムとして肝心の生まれ変わって何になるのかが徳無関係でなんでくじ引きなんだよっていうのが最大のツッコミどころだし、そういうナンセンスなところも含めてツッコミ系のコメディなのかと思ったら純愛シリアス悲劇からの感動モノで感情が色々ゴチャゴチャになった。
デジャヴ
上白石萌歌主演。
朝目覚めると幾度となくデジャヴに襲われたひかり(上白石萌歌)。やがて父の書斎に強盗が侵入しており母が先にやられ自身もやられてしまい…。この繰り返しの中で脳科学者の父、正隆(鶴見辰吾)は犯人を突き止めるために記憶を繰り返してもらっていると告げる。しかし何度繰り返しても犯人の顔が分からない。やがて父から説明を受けている目覚めた後の世界だと思っていた世界でもデジャヴが発生。
実はひかりは意識不明で眠り続けていて、正隆は記憶を繰り返して映像として投影できるシステムを開発していてそれを使って犯人を探り出そうとしていた。同僚で催眠療法を行える亜紀(玄理)に催眠療法を同時並行で行うも事態は進まず、亜紀はこれ以上は危険だと訴えるが…。
繰り返しの中で父としての正隆の後悔の念を知ったひかりは接続が外されているのに再度自らトライ。結局犯人の顔はのっぺらぼうで見えなかったが、意識空間の中で何故会った事のない亜紀の姿が分かるのかに疑念を抱き、さらに犯人と亜紀がしているブレスレットが同一である事に気づき(記憶空間では見ていないものは白紙)、犯人が亜紀だという推理に至る。
瞬間的に正隆殺害に走る亜紀、現実と意識の狭間の中で無意識に正隆へとアシストをして正隆が亜紀へ反撃して捉える事に成功。
しかしその後もひかりは意識不明のままで、境界の世界で家族3人でもう1度誕生日を迎えたいと願ったひかりはついに意識を取り戻して正隆と再会。母も登場してハッピーエンド…と思いきや母の登場でデジャヴが発動して不穏な後味を残して終了。
登場人物が限られていたので犯人が亜紀しかいないのは割と早いうちに読めたが、母への言及が一切無く、父の様子からしても母は死亡したと十分に解釈できる流れだったが、最後のデジャヴは怖すぎる…。デジャヴっていうよりトラウマだよ。
成る
又吉直樹主演。
プロ棋士の岩屋(又吉直樹)はAIとの対戦中にこれまでの人生を示すキーワードが駒として次々出演、次々と過去と向き合う羽目になり追い込まれていく。しかし母との思い出、棋士を目指した初心に帰った岩屋は反撃に転じてAIを撃破。
煙を上げて敗北宣言をしたAIだがなんと岩屋に向かって倒壊してきて押しつぶされた岩屋は意識を喪失して…。
10年後、料理屋に岩屋は転職していた。10年前対局中に脳出血で倒れていてその時の記憶は曖昧でAIとの対戦がどこまで本当だったのかも分からないという。ひっくり返したお好み焼きにまたキーワードが浮かび、浮気相手の女性の名前?と示唆されたところで終了。
将棋ネタとのからめ方が分かりにくく、脳出血により死の淵を彷徨った走馬灯タイムの亜種みたいなものだったというオチこそデジャヴであり…となんか今回のエッセンスを織り交ぜたような…。最後のオチもなんだか良く分からないし、これだけイマイチだったな。
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