早すぎる探偵を描くコメディドラマ。
1話
早くに両親を亡くした女子大生の一華(広瀬アリス)は家政婦の橋田(水野美紀)に引き取られ、貧乏暮らしなのにテーブルマナー等を厳しく教育されていた。そんな中、一華に大陀羅一族の謎の魔の手が迫り、車にはねられた一華は重傷を負う。仕留め損ねた事で、大陀羅一族は失業したサラリーマンに目をつけて協力させ毒グモによる暗殺を企てる。
しかし毒グモ暗殺計画は失敗。サラリーマンの前には事前に犯罪を防ぐ早すぎる探偵、千曲川(滝藤賢一)が立ちふさがる。一華は大陀羅一族の次男にして先日亡くなった社長の娘(隠し子)で、5兆円の遺産は一華が相続するように設定されていたという。一華は何も知らされていなかったが、一族に結婚を反対され、母は自ら身を引く形で結婚を断念していたが既に一華を身ごもっていたようで早くに母が病死した事で一華父は一華の存在を知った。一族ががめつい連中ばかりなので一華の存在を一族に知られないため、一華父は秘書である橋田に施設送りになっていた一華を引き取って育てるように指示していたという。
生活レベルにそぐわない不自然な家政婦という状態に逆に何で今まで疑いを持たなかったのか謎だが、突如自身の境遇を知らされた一華はそんなことよりも今まで1度も会いに来なかった父に激怒。しかし一族はこぞって新たなる刺客を送り込んで暗殺を目論んでおり、事前に犯罪を防ぐ早すぎる探偵千曲川の存在は不可欠。物語が始まった!
面白かったけどちょっと予想外なドラマだった。事件モノなのでヒロインが1話の事件に関わっていてこの事件を解決したことで主人公と知り合い、そのまま仲間になるというよくある定番パターンだと思ってたら、毎回一族から暗殺犯の刺客が送り込まれてきてその暗殺トリックを主人公が防ぐという展開での連ドラになるのか。
2話
一華(広瀬アリス)は前回の交通事故によるギプスがまだ取れない中で周辺に肌荒れを起こしていて医師から塗り薬を処方される。この医師があからさまに新たな刺客として暗躍し、小麦粉アレルギーを誘発してショック死させようとしていることを見抜いた千曲川(滝藤賢一)は事前に事態を防ぐために暗躍。結果、大陀羅一族に本当に雇われていたのは看護師の方で、医師は不倫の事実を餌に看護師に脅されていただけだった。2人とも千曲川のトリック返しにより自身がアレルギー症状で負傷。
看護師が何故か車いす姿で登場して謎の謝罪を繰り返すのを見た一華は自身が狙われていたらしいことを察し、病院もまた安心できないと悟る。さらには自身の母の病死もまた大陀羅一族が1枚噛んでいたのではないかと考えると、遺産破棄を撤回。5兆円を相続して正式に千曲川と契約を交わすことを決意するのだった。
協力者レベルだろうと思ったら二重に雇われていたという事で医師と看護師が電話しているのもかなりこれみよがしに怪しくしてたけど、全部つながるようになっていたのか。一華が水泳をした途端に症状を引き起こすというミスリードに関しては単に病み上がりで息継ぎなしで無理しただけというオチは結局橋田(水野美紀)が飛び込んで救助しなかったら危険だったわけで、ドヤ顔で看護師相手に薬はすり替えた(から一華が溺れ死ぬ事は無い)!とか言ってた千曲川が滑稽な事に…。
3話
次なる刺客は長男の亜謄蛇(神保悟志)が送り込んできた一華(広瀬アリス)のゼミの担当である大学教授(相島一之)。論文の不正という弱みと資金援助を餌にヘリウムガスを利用した殺害計画を立案した教授はけっこうノリノリで計画を実行。過去2回の奴らよりサイコというか最近の相島一之ってなんかこんな悪党ばかりっていうか。
千曲川(滝藤賢一)によって事前に防がれ完全敗北した教授だったが、ヘリウムガス返しをくらったため悔しがる様子が全部ヘリウムボイスになるというシュールなオチに。またガスが入れ替えられていたとはいえ教授が狙っていたのは人違いで同じ服を着ていた一華の友人の未夏(南乃彩希)だったという致命的なミスはいかがなものか。元々教授が指導するから図書館の空き部屋を取っておけと一華に言っておいたのに一華が千曲川が消えた事で刺客が動き出したと察知して警戒態勢に突入したため図書館の部屋どころではなくなり、その間に何も知らない未夏が部屋を取ってしまった…ということなんだろうけど。
6話
※HDD突如のデータ消失により4,5話未見。
前回トリック返しにより全身包帯グルグル巻きの重傷を負ったラスボス朱鳥(片平なぎさ)の息子(桐山漣)。これにより千曲川(滝藤賢一)を狙う事にした朱鳥。そしてこれに乗じて交互に仕掛ける約束を反故にした亜謄蛇(神保悟志)も刺客を雇い、全方位から刺客が迫る展開に。
千曲川は捕まったと見せかけて騙していたオチで、刺客のうちの1人は雇われた殺し屋で、指示を受けていた橋田(水野美紀)が処理。なんともう1人がレギュラーキャラの城之内(佐藤寛太)。突然妹(優希美青)が出てきたと思ったら義理の父に酷い目に遭ってきて妹の医者になる夢をかなえるためには何でもする、そのために誘いに乗ったとして友人の一華(広瀬アリス)を殺そうとしたという。確かに彼は一華の間の悪さもあって、背後から近づいたら刺客と勘違いした一華から不意打ちを喰らったり、刺客を恐れる一華に近づくな!と強い口調で言われたりと毎度かわいそうな役回りではあったがまさか急に実行犯になってしまうとは…。
千曲川のトリック返しにより屋上から突き落とされそうになった城之内だったが、なんと自ら罪を懺悔して振り払って転落。意識不明の重体となってしまい、これにより真相を知った後でも一華は千曲川を許さず、千曲川もまた殺しはしないというポリシーを破られそうになって過去を思い出して険しい表情で次回へ続く。
7話
城之内(佐藤寛太)の意識が戻らない中、その妹の早苗(優希美青)も何者かに襲撃された。千曲川(滝藤賢一)にセットで守らせるために一華(広瀬アリス)は早苗と行動を共にすることになり自宅に呼び寄せる。そんな中で新たな刺客が迫るがこちらはいつものように千曲川が事前に処理。
しかし早苗の襲撃犯は不明のまま。襲撃犯の腕を思いっきり引っ掻いたと言っていた早苗だったが、一華は橋田(水野美紀)の腕に証言と同じような傷を発見。そして城之内が意識を取り戻して証言されると困るのでその前に消すと宣言した朱鳥(片平なぎさ)。意識を取り戻した城之内は失踪し、さらに一華は死んだはずの母(新山千春)を目撃するなど怒涛の展開を予感させながら次回へ続く。
千曲川が間に合わなかった過去の後悔から早すぎる探偵になったという話は橋田から語られ、視聴者には回想シーンで橋田や母(新山千春)の事件だと示されたが、一華にはその部分が説明されなかったので謎のまま。
8話
早苗(優希美青)襲撃の件で橋田(水野美紀)に疑念を抱いた一華(広瀬アリス)は母死亡時の病院関係者から母が死んだフリをして生き延びている可能性を聞かされる。そしてついに死んだはずの母(新山千春)が現れた。接触した母は橋田が刺客だと訴え、一華の幼少期の事も知っており一見何の疑いも無かったかに思われたが、違和感を消し去れなかった一華は切っていたGPSをスイッチオンして千曲川(滝藤賢一)に居場所を伝え、橋田ともそろって偽母だと暴くことに成功。DVで夫から逃げるために整形を目論んでいた女性が雇われて新山千春の顔に整形していたらしい。
殺し方が毒入りの煙を焚いて吸わせるというものでそれをトリック返ししたわけだけど、煙を喰らっている偽母のそのまま少し離れた後方に橋田と一華という立ち位置だったのは何故なのか。2人もそのまま毒煙浴びてるような位置取りだったけど、あれは至近距離じゃないと効果ないのだろうか。
千曲川はもっと早く気付いて対策を練っていたとはいえ一華も途中で偽物だと気づいていてドラマ終盤らしいキレを見せたのは良かった。また橋田が早苗を襲撃したのは本当で、一華と千曲川との関係が悪化していたので早苗とセットで守らせる形でつなぎとめようとしたという。実際には全く襲っておらず、眼前で奇妙な舞いをしていただけだったが、思いのほか早苗がアグレッシブに抵抗してきたのでカッターが早苗の服を引っ掻き、早苗が橋田の腕を引っ掻く事になったという。なんだそれ。城之内(佐藤寛太)が失踪したままで、早苗も実家に帰ったという形で出てこなくなったので揃ってグルかとも思ったがそうでもないのか…?ていうか優希美青が自身のインスタで先週の部屋の中の衣装とシーンをバックにして花束抱えてクランクアップの報告してるので出番もう終わったっぽい。
自分たちが当時関わっていたことは伏せながらも母が一族により殺された事も正式に一華に伝えられ、偽母含めて一族に利用されるある意味で犠牲者が増えるのも耐えられなくなった一華は一族と直接対決してぶっ潰すことを宣言。その頃、一族も全員で手を組んで一華を抹殺すると野望に燃えて最終展開へ続く。
9話
最終決戦を決意した一華(広瀬アリス)は一族に父の百箇日に法要を行いたいと告げ、一族が集う別荘での刺客ラッシュに挑む事に。橋田(水野美紀)、千曲川(滝藤賢一)と共に出向いた一華だったが、まず何度もやられている壬流古(桐山漣)が早速仕掛けてきてトリック返し。
続けて麻百合(結城モエ)が仕掛けてきたが、失踪していた城之内(佐藤寛太)が千曲川に雇われて協力しておりトリック返し。連発で防いだものの、壬流古がヤケクソになって自ら特攻を仕掛けてきたため、応戦した橋田が壬流古を倒しながらも自身も刺されて負傷してしまい最終回へ続く。
本来シリアスなはずが、隙間での掛け合いがほとんどアドリブみたいになっている上に、広瀬アリスの顔芸がエスカレートしてて別の方向で面白くなってきた。
10話
壬流古(桐山漣)の襲撃を防いだ橋田(水野美紀)だったが、刺されてしまう。千曲川(滝藤賢一)の応急処置で回復した橋田はかつて千曲川と一緒に探偵をしていて、探偵として一華(広瀬アリス)の母の事件に関わって救えなかった事から責任を感じて一華を引き取って育てた事を告白。父親側の秘書かなにかかと思っていたけど、千曲川の同僚だったのか…。
亜謄蛇(神保悟志)の仕掛けてきた攻撃を防ぎ、朱鳥(片平なぎさ)が部下を使って連続で仕掛けていた罠も全て防いだ千曲川だったが、朱鳥は屋敷全体を倒壊寸前に追い込み、跡取りとしてついに顔面全面包帯になってしまった壬流古だけ連れて亜謄蛇や娘の麻百合(結城モエ)もろとも屋敷ごと潰して葬り去ろうとしてきた。
これはさすがにピンチだったが、亜謄蛇、麻百合を置き去りにして脱出に成功。さらに包帯グルグルだった壬流古は4話で出てきた貴人(前田公輝)と入れ替わっており、利用されて朱鳥を恨んでいた貴人は朱鳥に銃を向ける。
この隙に3人そろって離脱し、拳銃の弾は抜いておいたが反撃しようとした朱鳥が動いたのがきっかけで屋敷は崩壊。なぜか全員重傷ながら無事だったらしいが、朱鳥は辞任に追い込まれて遺産は無事相続されて終了。
ちょっとあっけない感じではあったけどまあ丸く収まった。城之内(佐藤寛太)が中途半端で結局橋田が刺されてそれどころじゃなくなってしまっている間に手紙だけ残して去ってしまったのと、一華の友人2名との日常が最後に描かれずに終わってしまったところだけ惜しかった。
名脇役の印象が強かった滝藤賢一の主人公としてのノリの良さ、広瀬アリスの猛烈な顔芸、水野美紀の変人っぷりとしっかりアクション性を生かしたキャラクターのトライアングルは軽快で面白かった。
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