CRISIS 公安機動捜査隊特捜班 全10話

テロリストに対して立ち向かう公安に新設された特捜班の活躍を描く硬派な刑事アクションドラマ。稲見(小栗旬)、田丸(西島秀俊)、吉永(田中哲司)、樫井(野間口徹)、大山(新木優子)の5人がチームで、局長の鍛冶(長塚京三)が、課長の青沼(飯田基祐)に指示を出して、班長の吉永がそれを受ける…といった構造。
5人はそれぞれ過去に何かしらのワケありで、鍛冶は優秀さを評価しながらもいざとなったら切り捨てる捨て駒のようにしか思ってない腹黒い一面も。

唯一の女性キャストで若手の新木以外はどこかで刑事役をやっていた印象の強い面々ばかり取り揃えていて、ベテラン的な雰囲気で違和感が無い。

1話

冒頭から新幹線での爆弾テロを防ぐという派手なアクションが繰り広げられ、メインは首輪爆弾を仕掛けられた青年を救うミッション。この青年が暴行魔だが政治家の親の権力でのうのうと生きていたクズ野郎という救う気の起きない相手で、仕事に徹してクールに解決。それだけでは後味が悪いだけだったが、犯人だった娘が暴行魔に襲われた自殺した警官のオッサンが計画の立案は自分じゃないと言い出す。「平成維新軍」を名乗る集団に指示され、自分は爆弾のスイッチを押すだけの役割だったと。

その後、平成維新軍が始動を高らかに宣言。平成維新軍が起こすテロ事件を解決していくという1つに繋がった一大展開になっていきそう。

あまり深く考えずになんとなく黒幕を匂わせていたが収拾がつかずに黒幕しょぼかったという刑事ドラマばかりだし、平成維新軍のやってる事が某探偵の孫に出てくる∞ループ犯罪プロデューサー(笑)に近いところは気になるが、雰囲気的にはもっとスリリングにやってくれそうな期待感がある。

2話

田丸(西島秀俊)の知り合いのフリージャーナリストが国家の危機を知らせに田丸に会いに来るが目の前で毒殺されてしまった。残された写真と「アリス」という言葉を辿っていく一行。今回は上からの指示ではなくチームが独断で動いていたが、やがて児童買春システムだったことが発覚。アリスというのは児童買春を行い、暴力的な顧客に植物状態にされてしまった少女の名前だった。アリスの仲間の少女にドロレス(原菜乃華)という子が出てきたがさすがにそこをクララにしてClariSかよ!というギャグにする作風じゃないわな…。

政治家御用達の組織だけにタブーであり、結局これ以上暴くことはできなくなってしまう。条件として鍛冶(長塚京三)はアリスを植物状態に追いやった人物に対してアリスの治療費を生涯払い続ける事を確約させたのと、この手の組織は現在他に13個もあり、全て潰しても次にもっと巧妙なものが出てきてしまうので監視できる現状がベストだとかなんとか。何もかもぶっ潰して解決するのではなく、妥協するしかないというシリアスなオチに。

ただ確約しておいてアリス暴行犯、アリスを亡き者にしようと病室へ刺客を送り込んできた。ジャーナリストを殺害し、ジャーナリストの家で証拠探しをして田丸、稲見(小栗旬)と格闘したエージェントと同じ奴だったが、過去の闇を見せた稲見の脅しでエージェントは撤退。

その後、鍛冶が見ていたTVでは今後を期待される政治家として石黒賢が登場。その側近として先ほどのエージェントがちゃっかり登場していたため、アリスを売春して暴行したのは石黒賢という事だろうか…。

3話

汚職疑惑の議員が3人組に暗殺される事件が発生。汚職疑惑でマスコミが自宅前に集結する街中で、車で走り出してマスコミから100メートルくらい離れたところをバイクと車で突っ込んできてカメラの前で射殺という大胆な犯行。一部始終を冷静に撮り続け、銃を向けられても動かないカメラマンがマジプロ。単なるワイドショーカメラマンのはずだが戦場カメラマンかよ。犯行声明は1話以来登場の「平成維新軍」。

使われていた銃が特殊なものだった事から、暴力団関連を調べたところ、その銃を取り扱っていた暴力団の組長が恐らく犯人の1人は自分の息子だと言い出す。少年院に入っていた息子は血の気の多い奴だったが出てきたらインテリ化しており、この国の未来が云々とか言っていたらしい。どうやら刑務所に維新軍のメンバーがいてめぼしい連中を洗脳教育していた模様。

犯人3人組は組長が所有するマンションの一室をアジトにしていたたため、あっさり居場所が割れ、2人は逃走したが組長息子は逮捕。組長自ら人を殺す前に捕まえてやってくれと頼んでいたので約束は果たされた。

残る2人は兄弟で本来の目的は汚職疑惑で自殺したことにされ秘書をやっていた実の父親の雇い主である政治家の殺害。先回りした一行の活躍で殺害に失敗し、追い詰められた2人だったが平成維新軍の洗脳は強かったらしくなんと2人で目くばせしただけで意思疎通して2人で「この国の未来のために!」と銃を撃ち合って自害してしまう。子供だと思ってビンタしたり、早めに銃を奪わずに手加減したのが響いたか、稲見(小栗旬)は特に悲痛な表情。今回も後味の悪い結末に…。

平成維新軍は3人を洗脳して駒にしていただけだった模様。また学生時代ハッカーだった大山(新木優子)は一時期あるグループに入っており、闇に葬られた今回自害した2人の少年の父親の事件の裏側などを追っていたらしいがついていけなくなって辞めたという。それが発展したのが平成維新軍ではないかと推測。彼らは明治維新関連の歴史上の人物をHNとして名乗っていたという。
ラストでは現役の高校生っぽい普通の少年が平成維新軍のトップメンバーであるような事が示唆されて次回へ続く!

大山が学生の頃のメンバーが発展したならトップメンバーは20代半ばくらいと思われるが、最後に出てきた高校生は坂本龍馬の名前を使っており、トップメンバーっぽい。交代になって継いだのかあの高校生は小中学生くらいの頃からこじらせていたのか…?

いずれにせよ「平成」を名乗っている以上、平成生まれで構成された若者の犯罪集団というところになるのだろうか。平成生まれといったって平成一桁世代はアラサーに突入し始めているので、今のところ10代っぽい描写が目立つがもう少し落ち着いた奴がいる方が自然だ。

果たして制作側にその意識があるかどうか…正体明かしてみたら20歳そこそこしかいませんでした…平成一桁世代はもう平成扱いされてませんでした…なんてことにならなきゃいいが…。

4話

大学教授(小市慢太郎)の護衛を任された特捜班。横柄な態度の教授だったが、そこに表向きは古本屋店主(?)と公務員の殺し屋2人が迫りくる。大学の研究室を爆破するといういきなりダイナミックな攻撃を仕掛けてきた殺し屋2名。屈強な方の殺し屋を稲見(小栗旬)がホールドアップするが相手もプロだったので反撃を喰らってしまい、なんとか一度倒したものの公務員殺し屋が駆け付けたので教授の安全重視で逃亡。ここで殺し屋2人を確保できなかったばかりか結果的に接触はこれっきりになってしまった。

教授は徐々に態度を軟化させていたが、大山(新木優子)を殴って逃走。同時に国家への反逆行為でマークされていた事が発覚し、特捜班は護衛の任務を解除されてしまう。国家と殺し屋の両方から追われることになった教授は某国へ助けを求めようとするが殺し屋に捕まってしまい、自宅で爆弾グルグル巻きに…。

駆け付けた稲見と樫井(野間口徹)が爆弾解除を試み、教授は自身の罪を告白。ハニートラップに引っかかり、機密情報を迫られた教授は公安に相談したところ、偽情報を流すように言われ協力していたがいつの間にかズブズブの関係になり、もう辞めたいと言ったら逆に公安に脅しをかけられてしまい板挟みに。こっそり情報を某国へ流して報酬を得るようになった教授だが、これがバレてしまい、国外逃亡を図ろうと画策したが、両方に裏切り行為をした事で国にも見捨てられてしまいにっちもさっちもいかなくなったとかなんとか。

樫井の活躍で爆弾が解除されるのかと思いきやまさかのタイムアップ。悔しい思いを抱えながら撤退を余儀なくされ、教授は2人に感謝し国を信用するなとだけ静かに告げる。教授は自宅もろとも吹っ飛んでしまい殺し屋2人は近くの屋上でビールパーティー。殺し屋大勝利で終了というとんでもないことに。結局こいつら誰だったんだ。

先週同様に暗黒な面持ちの稲見で締め…。まさかこんなダークな作風が続くとは…。

5話

いきなり檻の中にブチこまれている稲見(小栗旬)からスタート。暴力団への潜入捜査のため、交通違反で引っ張られていた組員の杉本哲太に接触するためだった。杉本哲太に気に入られた稲見は組長らの厳しいチェックを経て組員として採用された。

地味な導入部から潜入捜査員としての心の持ち方を田丸(西島秀俊)が話したりと地味で静かな場面が続く。吉永(田中哲司)、樫井(野間口徹)、大山(新木優子)らはサポートに徹して出番少なめ。吉永はタクシー運転手になったり、父親に化けて電話に出たりと色々やってたけど樫井と大山は今回ほぼ置物

やがて目的はこの暴力団が政治家をカネの問題で脅しているので証拠集めだと判明。その政治家は2話の少女売春事件で少女を植物状態に追い込んだ張本人と暗示されて最後に出てきていた石黒賢。今まで偉そうだった鍛治(長塚京三)が遥か年下の石黒賢に命令される立場になっていたが…。

なんだかんだ杉本哲太はいい人で稲見も情も沸き始めた頃、クスリの取引が行われた。安全な取引と思われたが、何故か絶好の逮捕チャンスを上はスルー。仕方ないので特捜班だけで現場へ向かうが謎の妨害に合ってしまい到着が遅れた。

その頃、取引場所に突如殺し屋2名が登場。一瞬で取引相手も含めて稲見以外の全員が殺害されてしまい、一瞬気づくのが早かった稲見だけが生存、反撃して殺し屋2人を確保したが、杉本哲太までもが死亡しての全滅という衝撃的展開に稲見は放心状態に。

仕組んでいたのは石黒賢で金のために暴力団を使ってクスリを売買させていたが、更なる金銭を要求し始めたので邪魔になって消した、と鍛冶に語る。今までなんでも知ってる風だった鍛冶もそんな私利私欲が理由だったと初めて知らされ、石黒賢への敵意をあらわにする黒~い事態に…。直後に稲見は鍛冶を問い詰めるが、鍛冶はこれまで出世のために特捜班を作って成果を上げるのだけが目的かと思われていたが、現状の体制を変えるためという割とちゃんとした信念があるようで、当初は捨て駒のように言っていた特捜班に対しても石黒賢には「部下が危うく殺されかけた」と怒りを見せるなど人間的な一面も見せた。

稲見は釈然とせず、鍛冶へついていくかの態度も保留したが、鍛冶は直後にどこかへ電話。すると翌日には2話の少女売春が暴かれており、石黒賢が逮捕されてしまった。まだ黒い大物として君臨するかと思いきやまさかの瞬殺退場。2話ラストと今回終盤までの圧倒的な黒い大物オーラはなんだったんだ…。鍛冶の方が先を行っていて石黒賢を潰すために着々と準備していたのか…。

6話

11年前に地下鉄爆破テロ事件を起こし、指名手配になっていた最後の1人里見(山口馬木也)が偶然発見される。コンビニで強盗事件が発生し、強盗は即時捕まえたがその際に客として巻き込まれて後ろでビックリしていたのが里見だったという超偶然。里見が新たなテロを起こすのを防ぐために特捜班は動き出す。

カルト教団のメンバーとしてテロを実行していた里見は実行犯として教団の残党と思われし謎のサラリーマン集団にかくまわれていた。先週逃げおおせた爆弾犯の1人も普通の公務員だったが、このドラマに出てくるリーマン怖ぇよ…

1度は稲見(小栗 旬)と田丸(西島秀俊)が追い詰め、リーマン集団との格闘戦を繰り広げるが、里見本人は逃走。その中で公安にいた田丸は当時里見が潜入捜査官だったのではないか?という噂話があったことを明かす。調べたところ、該当者が見つかり、ターゲットは当時の上司の乾(嶋田久作)と推測。間一髪で乾を救い、里見を確保した一行。里見はテロの前に情報をちゃんと伝えたのに仲間は一切助けに来なくてテロを実行するしかなくなったことなど当時の追い詰められた状況を激白。さらに答えはすぐに分かる…と告げ、実際に檻の中で首を吊って死んでいるという末路が。消されたのかこれ…。

今回も警察側の闇というダークな内容。しかも里見が色々語ったのに対して、当時実際にどうだったのか、乾がどういう意図で里見を放置し、結果テロ実行を阻止しなかったのかなどは全く明かされないのが不気味すぎる。

鍛治(長塚京三)はある程度事情を把握していたらしく、これは特捜班が成長するために必要なことだなどとのたまっていた始末だし、これ最終的に特捜班がテロリストに堕ちてもおかしくなくなってきたような…。

7話

平成維新軍が再び犯行声明を出してきた。これを防ぐ任務についた特捜班。以前、ハッカー時代(高校時代)に仲間と作った組織が維新軍の前身かもしれないと言っていた大山(新木優子)は、犯行声明に引用された一節が当時HN”坂本”に教えたものと同じだと指摘。”坂本”こそが維新軍のメンバーだと確信する。当時大山と”坂本”は素性も知らないネット上の付き合いだけで親睦を深めて計画を練り2人で銀行へのハッキングをして慈善団体への寄付を目論むも最終的には失敗に終わったことがあった。これらで打ち解けていた”坂本”はプライベートのメールアドレスを1回だけ使用しており、この記録を利用して調査したところ、”坂本”を名乗っていた高校生(今井悠貴)にあっさり行き着いた

なんとカッコよく犯行声明を出したのに、あっさりとリーダー格が捕まってしまった平成維新軍。消えた昔の仲間が捜査チームの最前線にいたという悪手だったので運が無かったとしか言いようがないとはいえ、実家住まいでネット利用もそれ用ではなく親の契約している自宅の回線という高校生らしさが響いたか。せめて1人暮らしなら自身の裁量でネットの契約とか色々出来ただろうに。

サブリーダーっぽい他のメンバーは即座に異変を察知するも計画の続行を指示。PC上でカタカタ計画練ってるだけの連中は以降姿を見せなかったが、5人の実行犯の若者たちは山中で射撃訓練に励んで明日の決行日に備えていた。サブリーダーらは”坂本”が捕まったかもしれないなどという情報は流さずにクールに決行をゴリ押し。脳筋っぽい実行犯の人たちはさほど疑いもせずにいるという早くも失敗フラグが。

大山が正体を明かしたことで”坂本”は自身の目的をようやく語りだすが、格差社会の深刻さを訴えるというもので、さぞ極貧なのかと思ったら両親の年収で500万程度の中流家庭だが大学に行くのもしんどい状況だから金持ちの連中とは格差だと主張。自分で普通の家庭だと言っていたが本当に普通。どうにもリアリティのないありふれた格差論を展開されて平等を訴えられても結局のところ言いたいのは金持ちと権力者は死ね!に集約されているだけじゃないか。高齢化社会で大人ばかりになるので若者が声をあげても数の暴力でどうにもならない時代になっているというのはごもっともだけど。

あと”坂本”は指先だけでやって実行しない奴という扱いになっていたが、その”坂本”の家からかつて防犯カメラに挑発行為を行ってきた際の仮面が出てきたのは何なんだろうか。直接的な犯行以外のそのくらいの行動は実行はしているということか。改めて明らかになった”坂本”の頭でっかちなこじらせ系の性格と仮面被ってわざわざ危険犯して現場に出てきて挑発する行動がちょっと結びつかない。

“坂本”のPCが解析できれば標的が分かるかもしれないと解析に精を出す大山だが全く作業が進まない。ギリギリになって最初に話したときに”坂本”が、2人で銀行ハッキングの計画を練っているときが1番楽しかったと語っていたのを思い出した大山は2人のHNの頭文字と決行日時を打ち込んだところ解析できた。意外とセンチメンタルだった”坂本”。維新軍として規模を拡大した今よりも中学生当時の無血テロであるハッキングの時が1番楽しかったというのもそれはそれで虚しい…。

ターゲットは政治家の大学生の子供たちと判明。大学生なのは実行犯が20歳前後の若者たちなので大学構内で忍び込みやすいため。ただ5人とも1話でターゲットにしたようなクズ男ではないようで、悪しき世襲を断つという目的で選ばれただけらしい。標的にされた5人はどこかお坊ちゃま感はあっても普通の今どきの大学生、中には真面目に部活や勉強に励んでいる者もいたがこれ殺しちゃったらさすがに正義の主張通らなくならない?

特捜班5人が1人ずつギリギリで片づけて確保。テロは防がれたが、手錠をかけられながらも維新軍はまだ終わらない、同じような若者がたくさん出てくる!と不敵に笑う”坂本”。匿名掲示板では維新軍指示の書き込みが大量に溢れ返っており、まだまだ維新軍の脅威は終わらなさそうなところで終了。

政治家本人ではなくその子供である罪のない大学生をいきなり襲おうとしたテロが明らかになったところで、強い支持が集まるとは到底思えない。最後の猛烈な維新軍指示の書き込みラッシュが残党メンバーの決死のサクラ行為にしか見えなくなってしまったが、さすがに見苦しくないか維新軍。

8話

田丸(西島秀俊)の手引きで公安の潜入捜査で“神の光教団”に潜入している林(眞島秀和)。その妻の千種(石田ゆり子)と田丸は相思相愛になりつつあるという複雑な関係が1話から小出しにされていたがこの話に片をつける回に。

林はテロの情報を掴んで情報と引き換えに潜入を解除してくれとお願い。青沼(飯田基祐)の許可も出て、まずはテロを阻止しようとした特捜班だったが、テロの計画は教団が潜入捜査員をあぶりだすための罠だったらしくスカに終わり、潜入がバレた林は拷問部屋送りにされてしまう。

田丸は改めて稲見(小栗旬)に林は潜入捜査をさせるには借金などもあり都合が良く、何より千種が美しかった…などとマジな顔してけっこうアレな事を語りだす。関テレ制作なので言わなかったが、フジ制作なら間違いなく「ゲス不倫」という単語が飛び交っていたであろう案件である。

実際に夫に2年も置いていかれた千種は田丸にかなり傾いており、半ば田丸の思い通りになってしまっている。とはいえこのまま林消えてくれれば万事解決というわけにもいかず、田丸は単身教団に乗り込んで救出する事を決意。辞表を出して覚悟を決めていたが、いつの間にかチームワーク抜群になっていた特捜班も現地集合して協力。

大量の信者を片っ端からぶちのめしながら教団の本拠地に真っ向勝負で突入。なんとか林を救出に成功し、青沼も救援に駆け付け、このドラマにしては珍しく犠牲者を出さずに事態が収拾。結果、千種と林は海外へ逃がすことになり、千種と田丸は別れざるを得なくなってしまったが、そんな傷心の田丸の元に謎の男が…。教団の人だっけこれ?というところで次回へ続く。

このドラマの事だから林が死ぬか、千種が死ぬんじゃないかと思ったが、生真面目な田丸にも酷い一面があった事が改めて明かされるも最後は自分の思いより人命優先で行動。これでなんとなくチャラになったぽっい感じに。1話から引っ張ってきた話にしてはちょっとあっさり終わった気はするけど、維新軍も割とあっさりだったし、必要以上に煽った結果黒幕が雑魚だったとかなるよりはマシか。

9話

田丸(西島秀俊)が謎の男にスカウトされていたが特に新たな展開は無し。稲見(小栗旬)の自衛隊時代の同僚の結城(金子ノブアキ)が失踪したと鍛治(長塚京三)から連絡が。間もなく結城は稲見に接触してきて国家へたてつくから協力しろとスカウトしてくる。また分かりやすく悪堕ちした世界を変えてやる系テロリスト出てきたなぁ…。

この時点での結城は大々的に追われているわけではなく、表向き休暇から戻らずそのまま失踪したので捜索しているという段階だったので、静かに潜っていればいいのに何故か通りがかった警官を撃って逃亡するという罪が残るような真似をしたので普通に追われる身に。結城は3日後の約束の場所と自分から指定していた場所には現れなかったが、近くの屋上から去っていく特捜班の顔を確認。一般人として張り込んでいた特捜班だったが、結城が現れなかったから油断したのか、ザ・俺たち仲間です!みたいにセットで揃って場を去っていくもんだから外から見てりゃこいつらが仲間だと分かっちゃうという…。

さらに結城は大胆に特捜班の職場に出現。少し早く出勤してきた大山(新木優子)を脅して閣僚の個人情報を入手。大山が密かに吉永(田中哲司)にメッセージを送っていたので特捜班が駆け付けるが大山を盾にした結城は爆弾を置き土産にして堂々逃亡。死にはしなかったが特捜班の部屋(の隣に稲見が爆弾を持ち去ったっぽい)はズッドーン爆裂して部屋はグチャグチャ、特捜班全員気絶して次回へ続く!

稲見の過去が!?とか煽っていたのにこれまでと同じ自衛官時代に命乞いする同僚らしき男を射殺した以外の回想は出てこなくてほとんど煽り詐欺。回想に出てきた事も無い結城が突如出てきて結城がテロに転じた理由も次回へ持ち越しになったので結局何も分かってないっていう。わざわざ2年も会ってなかった稲見をそんなに魅力ある言葉や理想も語らずにスカウトしようとしたり、逃げるのに無駄に警官撃ったり、特捜班の部屋に乗り込んできたりとここまで挑発してくるのもちょっと尋常じゃない勢いだった。ていうか警察の入口ザルだなぁ…。

10話

結城(金子ノブアキ)の爆弾によって特捜班のフロアは吹っ飛んだが全員無傷で生還。無傷で助かる設定にしてはあまりに部屋を吹っ飛ばしすぎたのでは…。また大山(新木優子)のPCも無事に生還しており、結城のUSBに仕込んでいたウイルスで結城のPCを乗っ取り居場所を特定。即座に5人そろって出向くが、迷いのある稲見(小栗旬)が車で突進してくる結城を撃てずに逃亡されてしまう。

結城の動機はカフェの爆発で恋人が死んだことだった。この爆破犯はテロリストにそそのかされてテロを起こそうとした総理(竜雷太)のバカ息子。本当の爆破場所は違うところだったが怖くなって事前に入っていたカフェに爆弾を置いて逃げてしまったのでカフェが吹っ飛び多数の死者を出す惨事となり、犯行がバレた総理息子は国家の体裁を守るために、海外へ飛ばされ無罪放免、事件は事故として処理されたというなかなかに酷い話が判明。

結城は弓矢で総理を病院送りにして、息子が見舞いのために帰国するよう促し、息子を本当の標的としていた。特捜班は息子の護衛任務という正直やりたくない任務をすることに。結城の襲撃により、またしても爆弾が置かれて処理が間に合わずに田丸(西島秀俊)が吹っ飛んで気絶。これまで稲見と並んで戦ってきた戦闘要員が1番最初に離脱し、大山は一撃で気絶。樫井(野間口徹)は人質にされてしまうが、ガッツを見せて反撃。しかし撃たれて気絶(偶然工具に当たっていて助かった)。吉永(田中哲司)も格闘能力の差で敗北。

稲見と息子は建物内に逃走し、稲見と結城は激しい格闘を繰り広げる。稲見やや劣勢だったが、バカ息子が落ちた銃を拾って結城に向けるという火に油注ぐ真似を。結局稲見も銃を拾って銃の向け合いに。さっさと撃てばいいのに結城は長々と恋人が死んだ話を語りだした

そもそもこの事件、結城の目的は極めて個人的なもので総理の息子への復讐だったので、粛々と目的のためだけに動けば正直特捜班が出てくる前にとっくにやれていたはずである。結城がやればよかったのは総理襲撃からの息子が帰国するよう仕向けて殺すだけ、もしくはどこにいるのか調べて海外へ殺しに行くのでも良かったはず。仲間にするなら同じ爆破で死んだ遺族で組めば目的も一致して最強集団になっていたはずである。結城がそうだったように大切な人を失って自暴自棄と復讐心だけで生きる屍と化し、自身の死を厭わない玉砕覚悟の特攻に走るスピリットの持ち主で構成された最恐集団を結成していれば息子はおろか総理もろとも殺れたはず

なのに稲見の前に現れて本当の目的を隠したまま、俺たちの手でこの国を変えようぜ!などとスカウトしたのはなんだったのか。復讐目的なのに目的を崇高なものにすり替えて稲見を誘った挙句に断られたら警官を撃って逃亡したり、特捜班のとこ乗り込んで爆破仕掛けてきたりわざとケンカ売るような真似をしてきたのは何故だったのか。ス ト ー リ ー 崩 壊と言ってしまえばそれまでだが、この土壇場で息子を殺さずに、稲見に理由を語ったところからして、本当は誰かに分かってほしかった、という事だったのだろうか。

結局モタモタしているので目を覚ました特捜班4人も駆け付け、稲見が逆転。しかし稲見は殺さずに銃を壁に向かって撃ち、1度死んだから生まれ変わってやり直せ的な事を言って逮捕で終結させようとする。

しかし、鍛冶(長塚京三)が総理から受けていた指令は実は結城は危険そうだから絶対抹殺。しかもそのための囮として息子を「提供」しようと言い放ち、息子は2人いるので最悪1人いなくなっても構わないというものだった。総理ダークすぎ。これそのまま放置でストーリー終了は夢も希望も無さすぎ。そして竜雷太、先日の『貴族探偵』ゲスト出演時は声がヤバいことになっていて体調が心配されたがあの出し切れてないような変な声は変な役作りなだけだったようで、このドラマでは普通に喋っていたのでその点では安心した。

外に出た結城は即刻射殺。去っていく鍛冶の姿に特捜班5人は自分たちはこのための駒にされたと気づくのだった…。

鍛冶によれば稲見が迷いを吹っ切って結城を殺せばもっと丸く収まったはずだったと言う。中盤頃は組織を変えるための巨大な権力を手にするために必要な悪もある…くらいの考えかと思っていたけど最後に考えのズレが。やっぱ黒いだけの人だった。

樫井は警視庁爆破のための図面を書き始め、大山の元には維新軍の残党(?)からのチャットが入り、田丸は謎の組織の男(神の光教団の残党?)の元へ出向き、吉永はなんか偉くて悪そうな権力者に認められていて、稲見は自室で暗闇の中で苦悩したまま終了。稲見の癒しとなっていたバーで知り合った女性も救いにはなれずに登場せず(電話できず)。全員がテロリスト堕ちするのを示唆するかのような後味の悪い状態で幕を閉じてしまった。

全部終わっての感想

本格的なアクションと後味の悪い事件の結末が続くかなりハードなドラマで、最近の温めのドラマの雰囲気に90年代以前とはまた違う現代で出来る範囲での過激さを持ち込んだような攻めのドラマだった。

なんだかんだ5人がいいチームワークになっていくなど安心できる部分もあったけど、最後の最後で鍛冶が判断を誤った結果、全員が国家不信不可避な状況になってしまったのはいかんともしがたい。続編があっても主人公がテロリストになるような勢い。バトロワ2かよ。それはそれでバトロワ2よりも動機が鮮明で面白い事にはなりそうだけど。

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