2018年公開。2016年の『デッドプール』の続編。『X-MEN』シリーズのスピンオフ作品ではあるが、直接的なストーリーの接点は無く、メタ台詞でネタにしている点は前作と共通している。
前作で恋人ヴァネッサと結ばれたウェイド(デッドプール)は傭兵として悪党を殺害する日々を送っていたが取り逃がしたターゲットの逆襲を受け、ヴェネッサを殺されてしまった。自殺しても死ねない不死身の肉体を持つデッドプールは前作で共闘したコロッサスの迎えで学園へ招かれX-MENの一員として働くことになる。
最初の任務として炎を操るミュータント孤児のラッセルの保護に出向いたデッドプールだったが、この孤児院の校長がミュータントへの虐待を行っていることを察すると早速職員の1人を殺害。不殺主義のコロッサスに見捨てられ、デッドプールとラッセルはミュータント専用の刑務所「アイスボックス」に連行され、能力制御の首輪をつけられてしまう。元々末期がん患者であり、がんが治ったわけではなくミュータントとしての不死能力に目覚めた事でがんを抑制していたデッドプールは能力を制御されたことで病気が再発してしまう。静かに死を望むデッドプールはラッセルに冷たく当たるが、そこにラッセルを殺しに未来からの刺客ケーブルが急襲を仕掛けてきた。
ラッセルは虐待していた校長を殺害することで殺人鬼へと堕ち、ケーブルは未来の世界でデッドプールと同じような傭兵活動を行っていてラッセルをターゲットとしたが殺害に失敗。ラッセルはケーブルの妻と娘を焼き殺したため、過去へ戻ったケーブルはラッセルが殺人鬼へ堕ちる前に殺してしまおうとしていた。
激しい戦いの末にアイスボックスを脱走できたデッドプールはラッセルを守るために新たな仲間Xフォースを組織して奪還作戦を決行…するが、上空からの降下作戦は強風により着地失敗となり、不死身のデッドプールと「運の良さ」という能力を持つドミノ以外は全滅。さらにケーブルとの戦いや、ラッセル自身が復讐に堕ちて1度冷たくしてきたデッドプールへの信頼を無くして、ジャガーノートと組んでしまった。
ケーブルから協力要請を受けたデッドプールはラッセルの説得を条件に手を組む事にして、ドミノ、そしてX-MENのコロッサスに再度協力を要請してラッセルを止めて救うための戦いへ挑む…。
今回も15禁のため、ザクザクと人が死んでグロ描写が連発。その一方で物語の矛盾やシリーズ、他の映画作品にまでズケズケツッコミを入れまくる面白さは健在。むしろX-MENシリーズ本体よりも大ヒットした事で予算も増えたらしく、戦闘シーンの迫力も増した。家族をテーマにして締めるところはきちっと締める展開も含めて全てにおいて前作よりパワーアップした続編として面白かった。
X-MENへの踏み込みも大ヒットのおかげかパワーアップしていて冒頭からいきなり『LOGAN』のラストシーンの人形を出してメタネタにしたり、学園で他に生徒が全然いない、もう少し出てくれたっていいじゃないかとデッドプールが訴えかけている背後に『X-MEN:アポカリプス』の(たぶん続編の『ダーク・フェニックス』撮影中)面々が集合していて一瞬だけ出演したり、オチの一環としてついでに『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』でのウェイドの運命を修正しようとしたり(その過程で映像使い回しだが本物のローガンが出演)と、一応前作よりもサービスもあった。
ネガソニックの同性の”恋人”として新たにユキオが登場。このユキオは『ウルヴァリン:SAMURAI』のユキオとは別人で新たに忽那汐里が演じている(このためユキオだけ日本語吹き替えもそのまま忽那汐里が自分でやっている)。ただ思いのほか出番も台詞も少なかったのはちょっと残念だった。
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