まだ結婚できない男

2006年夏クールで放送された『結婚できない男』の13年ぶり続編。主人公桑野(阿部寛)以外にも家族である母親(草笛光子)、妹夫婦(三浦理恵子、尾美としのり)、建築士としての桑野の設計した家を担当する事の多い大工の棟梁(不破万作)、桑野のアシスタントで現在は共同経営者となった村上(塚本高史)は続投。夏川結衣、国仲涼子、高島礼子といった相手役の女性3名は全て交代となり、今作では吉田羊、深川麻衣、稲森いずみの3人が新たに参加。

金田(高知東生)は2016年に高知東生がクスリで逮捕されたため、高知東生本人は出てこないが金田の名前が毎回登場するなどかなりしつこく存在が示唆されまくった。

妹夫婦の娘は前作では子役時代の平岡映美が演じていて現在も引退せずに女優をしているが何故かこれだけ平祐奈に変更になった(平岡と平は年齢も同じどころか両者誕生日が6日違い程度しか差が無いほど年齢設定は合わせている)。Gyaoのチェインストーリーで子供の頃はかわいかったのに今は反抗期だみたいな回想をした時には前作の映像を出したのでちゃんと平岡映美がクレジットされた。平岡映美の現在と平祐奈でそんなに何か変わるわけでもないし、普通にきれいな女優さんに成長してたんだから交代しなくて良かったのに…。

前作では夏川結衣といい感じになり、最後は付き合っている事を示唆して終了していたが、今作でも夏川結衣の存在のみ“女医と付き合っていた”という話だけで登場し、設定上は愛想をつかされて別れた、作中では村上が「(桑野は)昔女医と付き合っていた」と発言し、仕事仲間の森山(咲妃みゆ)が、「その女医なら最近富豪と結婚した」と発言していた。また9話で腹痛で桑野が病院に運び込まれた際に「あの女医には知らせるな」と発言した事から勤務先も変わっていない模様。しかし何度か出た存在示唆は全て「女医」で一貫していた。

あと前作では国仲涼子の飼い犬として登場していて桑野が妙に気に入っていたパグ犬は、同種のそっくりのパグ犬が1話でペットショップにて桑野に発見されており、前作同様に桑野が異様に執着していたが2話では新たな隣人となった早紀(深川麻衣)が購入。前作の国仲涼子と同様のポジションとなった。

当初は前作と変わらない事をかなり意識していて、桑野の性格や言動はほぼそのまま。阿部寛の2000年代初期のようなHTMLの公式ホームページもそのままだが、ドラマ公式の桑野の人物紹介だけ阿部寛のホームページ仕様になっているなど芸が細かい。名前も無いような大工の棟梁のつるっぱげネタまで役者そのままで残しているので、大人の事情的な変更は女医とは別れたという前作ハッピーエンドの崩壊と妹夫婦の娘だけ同一人物で役者交代になってしまったところくらいか。

主題歌もELTの「スイミー」を持田香織ソロで「まだスイミー」。全面リアレンジと共に歌詞もちょいちょい変更し、当時夏だったので夏の季節を示していた歌詞は全て秋仕様に書き換え。雰囲気を損なわないバージョンアップとしては13年も経過しているのになかなか徹底している。逆に数年とか5,6年程度じゃないのが良かったのkさも。

前作終盤にかけての夏川結衣との関係性が大盛り上がりだっただけに、吉田羊でどこまで行けるかは正直あまり期待は出来ないが、少なくとも変わらぬ面白さは最低限期待できる。そんな始まりであり、毎回の桑野の笑える行動、振り回される周囲の人々、最後は意外といい人という期待通りの流れで話は展開。

しかしどうも今作は”桑野にこういう事やらせたら面白いしきっと13年経過した桑野ならこうするだろう”みたいな考え方で物語がその場その場で進行していく感じなので、微妙な違和感があちこちに生じてくるし、夏川結衣をトレースしたみたいなまどか(吉田羊)も一応桑野と言い争ったりしながらも一定の距離間のまま進行。

英治の結婚式で桑野がなんだかんだ結局は絆を感じさせる感動のスピーチをするとか前作との関連性からグッとくるようなところもあるにはあるんだけど、結婚相手自体は今作でパッと出のキャラで好感度もあまり高くないという…。この結婚相手の女性は桑野を嫌っていてやや自分勝手で英治を困らせるような性格で特に仕事面で重要な役割でも無ければ(事務所に仕事依頼を持ってくるポジションなんだけど稲森いずみのカフェを潰そうとしている依頼主の案件を持ってきたのがこの人だったりした)今作では最初から英治と付き合っている設定で始まったのに結婚に至るまでの物語も全く無い状態でいきなり結婚式が決まって次の会では即結婚式になってしまうなど、展開が急すぎた。

結局そのまま3人の誰とも大して距離が縮まらないまま、その場その場の桑野面白行動を繰り広げ続けたまま最終回直前になって、桑野が担当することになった離婚した男性の住む家を巡って別れた妻が土地の所有権を主張した裁判が始まり弁護士がまどかになり、2人が対立して法廷対決という形で最終回へ繋ぐも…。

当初法廷でまどかをやり込めた桑野だったが、結局夫婦関係を改善させるいい人っぷりを発揮してあっさり法廷問題は解決。これまでも何度か出ていたまどかが実家の母の弁護士事務所を引き継ぐという話が唐突に飛び出して事務所たたんで帰ると宣言。動揺した桑野は引き留める言葉を放ってまどかは感涙して帰るのを止める…が、桑野は噛んじゃったから今のはリハーサルでもう1回やり直そうと言い出し、まどかは激怒。最後は仲直りして映画を見に行くといううす~い展開でなんとなくいい感じにしてEND…。

いい事言うけどひっくり返すという前作の夏川パターンを踏襲したものの、今回の「今のリハだからもう1回やらせて」は前作の「でも結婚できないんですけどね!」からの「はぁぁぁぁ???」には到底及ばず、いくら桑野が変な人でもこれは無い…。

結局早紀(深川麻衣)に関しては一定以上距離を縮めることも無く終了。有希江(稲森いずみ)はみんなが桑野を否定する場面でも唯一肯定するなど桑野がいい人である事を早くから認めていて好感を抱いている様子だったが…。最終回手前での桑野とのもんじゃ焼きでもんじゃ道を散々並べ立てる桑野に対して上回るもんじゃ通っぷりを見せて桑野を上回り、最終的に楽しかったとコメントするまでは良かったが最終回になった途端に、まどかと桑野のケンカがいい感じに見えるからまどかをたきつけるためにわざと楽しかったと言ったがだったと言い出した。さらに自分が桑野と対等に話せるのは自分が桑野に合わせているからだなどと突如上から目線な事を言い出して本当は桑野さんみたいな人は無理みたいな事をのたまうという超脚本になってしまい、これまでわずかに積み重ねてきたキャラクター像をバッキバキにへし折る始末。

視聴率的にもパッとせずに終わってしまうなど終わってみればけっこう散々になってしまった。その場その場では確かに面白かったけど、桑野珍行動を単発で見せられるだけで連ドラとしての物語の連続性が割と致命的に無かった…。

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阿部寛, 吉田羊
ポニーキャニオン (2020-03-18)
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