日テレ日曜22時30分枠。2015年に始まったこの枠は今作から読売テレビ制作に切り替わったらしい。
1話
かつては天才少女棋士として注目されたが10年前のとある事件をきっかけに弱気になってしまい近年はさえない棋士になってしまったレン(清野菜名)だったが、メンタリスト森島(横浜流星)の催眠により覚醒した際はパンダ風メイクと異様な身体能力により世の中のグレーゾーンを暴いて白黒ハッキリさせる動画を公開するミスパンダとして活躍していた、というかなり荒唐無稽な話。
理不尽な事件とそれをスカッと解決して成敗するという黄金パターンを現代風に色々脚色した結果なんだかとんでもない設定のドラマが出来上がったような…。主人公なのにレンがミスパンダの自覚が無い(完全に別人格状態で互いを認識してない)のも凄い。言うなればレンが眠っている間に派手に立ち回って事件を解決しているので派手に変装して派手にアクションする眠りの小五郎みたいなもんである。
またミスパンダにまつわる関係者全員が過去の事件による何らかの精神的な問題を抱えていて、レンと母親は10年前に何かあったらしく、レンの性格が変わったのもこれが原因で母親の方はもっと状態が悪いらしく入院したまま。森島も過去に警官だった父親(田中圭)が失踪の末に白骨死体で発見された事件を追っていて復讐を考えているようだし、森島に事件解決を依頼する大臣(佐藤二朗)に至っては言動が既に危ない状態な上に、自らを「Mr.ノーコンプライアンス」と名乗る始末。しかも佐藤二朗なのでなんかふざけているのか本気でやっているのか良く分からないという…。福田監督作品ではないのでふざけているのではなく本気で演技しているだけだとは思うが。
相当ぶっ飛んだ設定ではあるけど、適度な謎をふりまきながら面白くはなりそう。
1話のゲスト(被害者)があの真相一切不明のまま泥沼化している事でお馴染みのNGT騒動で知られる山口真帆で、役柄が整形美人なのは良かったが社長の歪んだ行為(本当は好きなんだけどブスだなんだと暴言を浴びせてよく触っていた)を苦痛として整形後に訴えようとしたら殺されたというなんだかどこか彷彿とさせるような設定の数々。ホワイト企業として知られていた社長に対してブラックだと言い放ってみたり、読売テレビ側がNGT事件の構造をトレースして反映させたかのようで何だか複雑だった。
2話
森島の大学で発生した不正入試騒動を暴く事件。やり玉に挙げられた学長と息子は不正入試を行っておらず副学長と不正入学請負人の元文部科学省事務次官が黒幕だったというのを森島とミスパンダが暴くという定型進行に加えて、ミスパンダをやらせるという森島の行動が早くもレンの10年前の事件に繋がるトラウマを呼び起こしたらしく異変が起こり始めていたり、死んだ姉妹の存在、母親は片方だけを溺愛して片方を檻に入れる虐待を行っていたことなども明らかに。加えてMr.ノーコンプライアンスが森島の彼女のあずさ(白石聖)だった事も判明。なんかどいつもこいつもトラウマ抱えまくりだな…。
3話
女子クライミングの日本代表秋元才加が何者かにケガをさせられる事件が発生。AKB48時代から体育会系キャラで途中から筋肉イメージ強すぎて徐々に知名度に反して非選抜になることも多かった秋元才加だけどますますアスリート感増したな…。秋元才加はレンの中学時代の同級生だった…という設定はそんなに意味が無かったが、実力2番手の竹内愛紗ではなく、付き合っていたはずのコーチ三浦貴大がライバル国のコーチと結託して事件を起こした犯人だったという展開上入院中の秋元才加が再起を決意して語る相手としてこの設定が必要だったのかも…。
事件展開自体は安定していたが、レンの過去はさらに明かされ、10年前に死んだのは双子の姉リコだった(なお秋元才加と親しかったのはリコの方だった)という事が明かされたが、森島の方はレンの恋心を煽ってこの話をさせて自分の父親が死んだことを明かして抱きしめるなどさらに過熱させるような行為に及び始めた。
レンとリコ果たしてどっちが死んだのか?という微妙な疑問も生まれており、ミスパンダの活動中にもふいに不安定になる場面が出てきた事で、森島は自身の教授でもありレンの主治医である門田(山崎樹範)にレンはレンではないのでは?と疑問をぶつけて次回へ続く。
白黒ハッキリさせてやるとか散々息巻いておいて、彼女持ち(あずさ)でレンをそそのかすのが一線越え始めた感じで最早お前が1番グレーゾーンじゃねーかよと、不倫にやけに厳しくなった世間がツッコミそうな展開になってきた。当初からレンの利用の仕方や、自信を飼育員さんと呼ばせるなど味方によってはキングオブ変態みたいな手法を横浜流星のイケメンっぷりでなんとなくごまかしていたけど、ここまでそそのかして二股状態となるとごまかしきれなくなってきたのでは…。
また森島は早くもディレクター神代(要潤)に正体をつかまれてしまった。仮装しているミスパンダと違って現場に堂々素顔で登場して活動しているのが原因で前も見た顔だとして神代に記憶されてしまい、あずさ不在の際に森島からの着信でスマホに表示されていた顔写真を神代が見た事でもう詰 ん だ 。メンタリストNを名乗ってTV出演もしているのに危機管理甘すぎるんじゃないのか。
4話
まだ4話なのに冒頭で早くも門田により、レンはレンではなく火事で死んだはずの双子の姉リコだった事が判明。幼い頃リコの方が好奇心旺盛な子供だったが母親(山口紗弥加)からは反抗的だと思われていたらしく、母親がリコだけ檻に閉じ込めて虐待するようになりレンだけかわいがるようになってしまった。門田のところに通っていたくらいなので母親は元から精神的に不安定だったものと思われるが、門田によれば途中からリコだけ連れてこなくなったという(虐待までは見抜いていなかった)。レンだけ溺愛してリコは愛されないままに10年前の火事が起きてレンが死亡。しかし母親は双子の区別がつかないのか、リコが死んだと思い込みたいのか運び込まれたリコをレンが助かって良かったとレンを連呼。主治医の門田もリコが死んだと聞かされて普通に信じていたが(そんなに区別つかないのこの双子…)、ほどなくしてリコから自分はリコだと知らされ、しかしレンであれば愛されるので自分をレンにしてくれと頼まれ、催眠をかけてリコをレンだと思いこませた…という。結局ここでまた便利な魔法催眠か
棋士の才能があったのは死んだレンの方だったわけだから、いくら思い込んでもリコでは強くなれないのではないかというのがあるけど、精神的な問題から勝てた勝負を捨てているという事なので完全にレンの棋士の才能も引き継いでレンになりきっているのかは不明。
そんな中で今回起こったのは天才美少女囲碁少女を自称してレンに勝負を挑み、ミスパンダのファンでもある楓(吉田美月喜)の中学で男子生徒が起こした立てこもり事件。ミスパンダを呼べ!とごねる立てこもり少年に対して、Mr.ノーコンプライアンスからは呼ばれたから出ていくのでは後々収拾がつかなくなると許可を出さなかったが森島が独断で出動。事件自体はスクールカウンセラーの谷村美月が暗躍していたというオチがついたが、それよりもMr.ノーコンプライアンスを無視して勝手に出動した事、3話での森島とレンが抱き合っている写真がかつてあずさを誘拐したコアラ男からあずさに送り付けられてくる、顔が売れてるくせに派手に動き回ったせいで早くも神代に正体を見破られて追いつめられる森島、森島の企みとミスパンダとして利用していることをほぼ察してどうにかしようと門田も動き出す…などそっちの方が気になる展開になってきた。
今回も森島は校内に潜入後、警備員相手に逃げ回りアクションを繰り広げながら素顔を晒しまくって行動していたが、メンタリストの割に割と自分の立ち回りを考えていないのか…?まあ今回ミスパンダ来れるの?で引っ張った都合上ミスパンダのアクションはお休みだったので、森島の逃げ回りアクションで持たせたかったっていう展開の都合もあるんだろうけど。
5話
神代に正体を見破られて追いつめられた森島だったがなんと神代が既に色々調べがついているのを察してしらばっくれるでもなく、あずさ誘拐犯にして父親殺しであるコアラ男の正体を先に暴いてくれればミスパンダの正体も明かすと堂々宣言。神代もその方が面白いとあっさりノッてくれたので交渉成立、お互い情報交換しようという斜め上の展開に。
一方でミスパンダと飼育員の偽者が出現し、死刑囚を誘拐する案件が発生。ミスパンダの動画までパロっていたが、冒頭挨拶はミスパンダの音声コピペ、以降は「誘拐犯っぽい演出」を理由にして音声加工を施して声が違うのをごまかすという。
さらに前回門田と春男(升毅)が話し合っていてレンがミスパンダかもしれないという話をしていたが、その続きが明かされ、春男もリコだと知っている事が判明。門田は森島がミスパンダとして操っているからもう会わせないほうがいいと忠告したまでは良かったが、直後にもう少しで論文が完成する、完成すれば記憶封じ込めに成功した初の実例として学界では英雄だと息巻き唐突なクズ野郎化。実は実験台にしていただけだった事を聞いて唖然とする春男。レンリコ問題を把握している春男があまりにも唖然としている事からも今までそんな素振りは見せてなくてあくまで献身的な医師としての体裁を保ち続けていたと思われ、いくら何でもいきなり急変しすぎだろ…。焦った門田は再度森島に近づくな!と迫るが既に焦っているせいか態度がおかしくなっていてやたら偉そうだったり高笑いしだしたりしてマッドサイエンティスト状態の門田と森島ラブなレンは決裂。
ノーコンさんに今回もあまり関わらないように言われるも森島は勝手に動き出し、神代とも連携して情報交換をしながら事を運び、偽パンダと暴こうとするが偽者と格闘の末に偽者は逃げに転じ、凶器のナイフを投げ込んできた。そしてそこには死刑囚の死体。死体と凶器を持って逃げるミスパンダという構図が綺麗に映像付で残される失態となり、警察に追い込まれた森島とミスパンダは警察勢との格闘の末になんとか逃げ切るが死刑囚殺害犯として追われてしまう事態に。さらにどういうわけか門田も殺されて次回へ続く。既に偽者2人の正体が死刑囚が起こしたとされる事件で親族を殺された空手家の結木滉星と三倉茉奈らしきことは示されているが初の続きモノになったか。
ていうか凶器持ってきちゃったのがマズいみたいな流れだったけど、神代が遠目に見て飼育員があのTVに出てるメンタリスト(森島)だと気づいた時よりも遥かに近距離で素顔さらしまくって警察に顔見られてた森島の方がマズくない…?
6話
死刑囚殺害犯人にされてしまったミスパンダ。開始数分でノーコンさん、森島を見限ってあっさり他人宣言。ミスパンダは殺処分しろと言い放って関係を清算してしまうドライっぷりを見せる。
レンは門田が殺された心痛に加え、森島からのLINEで「もう会えない」といわれた直後にあずさが出現。取材インタビュー風に会話を開始して森島との密会風になっている盗撮写真を次々に繰り出してきて今度は自身のスマホの森島とのベッド写真を次々披露して「どうお考えですか?」とあくまでインタビュー風に森島は私の彼氏だから2度と近づくんじゃねー感を醸し出すド迫力のホラー彼女っぷりを披露。戦慄して謝罪しかできないレンにさらに食い下がる様子がホラーすぎる。しかも森島としてはこの事は全く念頭になくて単にミスパンダするには状況がマズいからひとまず「もう会わない」って送っただけだったのに、あずさのこの行動により、レンビジョンでは自動的に浮気バレしてマジシュラバ☆ラ☆バンバなので会えないと言っていたのか!と全ての状況が一致してしまうのがまた怖い。
そしてミスパンダを呼び出すためにレンと再会した森島。彼女がいた事をレンに言われ彼女がいた事がバレている事は察するもさすがにあずさがレンに対してシュラバ☆ラ☆バンバした事は知らないのと、どっちみちミスパンダへ誘導できればいいのでテキトーにあしらっていたがこれまたレンビジョンでは気まずすぎてたぶん何も言えないんだろうと解釈できてしまう偶然の一致がどこまでもシュラバ☆ラ☆バンバ。
やがて結木滉星と三倉茉奈があっさり逮捕され、森島は疑問に思い神代とも連携して調査を続行。そもそも殺された死刑囚が起こしたとされる爆破事件から疑う事にした結果、死刑囚は全くの無実で事件を起こしたのは警察官。直後に犯行を自白する遺書を書いて自殺していたが警察はそれをもみ消し、
先週出てきた刑事の高橋努、江口のりこのコンビが工作の実行犯、課長の高橋ジョージが指示を出していた。
再度ノーコンに頭を下げて協力を取り付けた森島はミスパンダがノーコンこと大臣を誘拐した事にして高橋努、江口のりこを誘き出して捕獲、警察の悪事を暴いて世間に真相を知らしめる事に成功。しかしノーコンさん、高橋ジョージにはコアラ男事件での借りがあることを理由に証拠となる凶器を高橋ジョージに渡してしまいグレーのままでいい事もある…と、ノーコンさんの名に恥じまくりな迷言を放って不敵に微笑み、事件がどうなったのかは不明のまま。
逃走直前に火を見てしまったミスパンダは森島との待ち合わせ場所に現れず、森島が探し回っているとミスパンダの姿のままで「あなたは誰?」状態で発見され、自分はリコだと名乗って次回へ続く。
もみ消したはいいけどどこまでもみ消せるんだこれ。爆破犯の母の自供映像は神代が放送しちゃってるし、最悪高橋ジョージが逃げ切れる程度じゃないのか。高橋努、江口のりこごと証拠なしで無罪にして、誤認逮捕の結木滉星と三倉茉奈も誤認でしたすいませんでしたとかにすると死刑囚殺害犯人不在になってしまうので誰かに着せるしかない=高橋努、江口のりこが2人で全部仕組んだことにして消されるくらいのダークなオチしかつかないような…。
7話
リコの意識を取り戻したミスパンダ。森島曰く、レンを見た時に助けを求めているように見えたので催眠で呼び出したところモンスター(ミスパンダ)が出現してミスパンダと名付けたと言い、ミスパンダはリコがこうありたいと願っていた理想の人物像ではないかと言う。これによりここまで活動してきたミスパンダの人格と記憶は消失したようで、ここからはミスパンダとして活動していた記憶が無いリコ⇔レンという人格2つを森島が適宜入れ替えていく(相互入れ替えのための発動条件自体は同じ)スタイルに移行。リコの性格自体もレンとは異なるがミスパンダ寄りながらミスパンダほどはじけていないという中間寄りな性格になっていた。
リコは自分を消してほしいと頼んだが門田が殺害されたと聞いて最後に門田殺害犯を見つけてほしいとお願い。レンにはもう会わないと言ってしまったので、森島は再度リコを呼び出す際は久々に棋士として勝利したレンの控室の出前の蕎麦屋を装って潜入し、蕎麦の代わりにパンケーキを出してパンケーキシロップアタックをぶちかますというシュールな展開に…。前回はコーヒーにシロップたらしてOKだったので、とりあえず少しとろっとした液体をたらせばいいんじゃないのか。
人格がリコになっているのでいつもよりテンションにキレがないミスパンダ映像で犯人を誘き出した後は、犯人が母親の麻衣子(山口紗弥加)だった事が判明。門田の豹変(論文発表実験台宣言)により焦った加賀(升毅)が、麻衣子にレンではなくリコだった事をバラして受け止めるしかないんだ!とかもう明らかに混乱したトチ狂った説得を試みた事で麻衣子が門田の元へ暴走。加賀は門田が殺されたと知った時点で既に自分が教えた事で麻衣子がやらかした事を悟っていたようで妻(椿鬼奴)に何か隠していると言われてその事を告げる。
さすがの門田も10年間良心の呵責があった、論文発表後はリコにリコの人生を生きさせるべきだから催眠を解く、と割と真っ当な事も言っていたが麻衣子的にはこれが決定的な殺害動機となってしまった。死ぬ間際までの門田、ことごとく失言連発で自業自得すぎる…。加賀相手には論文発表実験台宣言だけしてリコのことなど触れもしなかったのでコイツマジでやべぇマッドサイエンティストだった…と思わせてしまい、麻衣子にはリコの事を考えてとか言い出しちゃうのなんかどう考えても相手逆だったし、むしろ導き方次第じゃ双方喜んで協力してくれただろうに…。精神科医なのにそんなことも読めなかったのか。
ミスパンダの扮装を解いたリコは正体を明かすもクズ親麻衣子はさらに10年前の放火事件はリコを殺すために自分が放火したと告白。殺す前に思いっきり灯油撒いてたし10年前よく捕まらなかったなコイツ双子が生まれて嬉しかったがやがて苦労しかなくてどっちかだけでいいと考えるようになって虐待を繰り返した末に殺そうとしたといい、全く悪びれない始末。今更だけど麻衣子40歳(容疑者としても(40)と表記された)でレン/リコ23歳なので17歳の時に産んでシングルマザーだったのか…。
リコはこれで消える、自分は誰からも必要とされないと告げるも、潜在意識であるミスパンダの人気と何より森島自身がリコがまだ必要だと説いた事で、レンを幸せにすることを条件にミスパンダとして復讐完遂まで森島に協力すると約束。
結局麻衣子は自首したものの、リコと記憶を共有していないので門田殺された→森島に遊ばれた→お母さん門田殺した、とトリプルコンボ決められたレンは崩れ落ち…(加賀夫妻は真実を共有しているが言えないので殺害理由も良く分からないとしか言えない状態)。
そしてニュースではコアラ男が森島の父(田中圭)だった遺書が発見されたと報じられ、森島が発狂して次回へ続く。
8話
ノーコンさんこと佐島から神代に森島父がコアラ男だったとリークがあり報道されてしまった。最近調査担当として有能だった神代だが、佐島に嘘くさい遺書コピーを渡されただけで真実を掴んだ気になって森島に挑発的な態度をとるなど今回は捨て鉢な役割で出番なし。ノーコンさんに至っては森島に暴いてみればいいと挑発してきた。
森島はあずさに利用していただけだ、君の父親(ノーコン)が真犯人だから絶対暴くと冷たく告げるがあずさの方が森島にベタ惚れで勝手に何でも協力すると言ってきたのでノーコンさんの部屋に潜入させてあらかじめ怪しいと目をつけていた箇所を探らせたところ有力な位置情報をゲット。そのうちの1つに埋められていたのは森島父がミスターパンダとして警察とは別に悪事を暴いていた活動記録だった。
森島父は一歩間違うと完全に強盗犯みたいな顔マスク(パンダ柄)をかばってヒーローごっこをしていたらしい。そのセンスがほぼそのまま息子の森島に受け継がれてミスパンダになっているところがとっても血筋…。
レンを呼び出してリコの事は告げずにミスターパンダとして利用していた事を教えた森島はもう1度力を貸してほしいとお願い。リコが呼び出されてミスパンダとして誘き出し動画を配信。ただ今回は森島が1人で決着をつけたいという意向で翌日配信を予告しながら翌日配信を放置したのでミスパンダもここで出番終了。森島の元に佐島がやってきて森島父が遺していた証拠写真を突き付けたところ、佐島は自作自演を暴かれたので殺したと回想シーン付で説明。
回想シーンでは地下駐車場で突如強盗犯風ミスターパンダが降ってきて俺は今までも色々暴いてきたと以前の事件を告げなながら迫っていたがあの佐島でさえ若干引き気味になっていた上に、証拠を突き付けた途端に拳銃で容赦なく殺害というかなり雑な説明だった。大臣が何で普通に拳銃所持してんだよ…。
佐島がノーコンを名乗ったのは罪の意識からミスターパンダの活動を引き継いでいたという理由で最終的に森島に裁いてほしかったような事を言い出して森島に自分を殺させるようにけしかけてきた。逆上した森島は殺害手前まで行くが得意のメンタリズムが土壇場で発動して佐島の目の動きに「何か隠しているな!」と気づく。それを指摘するとノーコンさん自殺を図ってしまった。
既に佐島の自白動画が別の番組に送られて報道され、神代が呆然としている中、謎のコアラ男が出現してレンを誘拐。そして森島はノーコンから取り返した父の警察手帳の中に3つの言葉が書かれているのを発見。これは父が遺した3つの動画のうち、PASS不明で見ることができなかった最後の1本のPASSにも繋がっていて(写真の言葉が「直輝へ」でPASSが「Tonaoki」だったがもっと複雑な単語ならまだしもtonaokiくらいの単語なら可能性として気づけよ得意のメンタリズムで…と思わなくもない)、そこに驚愕のメッセージが!というところで次回へ続く。
改めて森島の罪な男っぷりが凄いな…。結果的にあずさが潜入してくれなければ真相を暴けなかったわけだから、あずさが自分にベタ惚れなのを分かってて突き放すような態度を取ることで逆に協力が強固になると考えてやったのだとしたら恐るべきメンタリズムだし、レンを幸せにしろと言われたのでレンに気を遣って優しく接しながらも、リコにはリコが必要だと言い放ったり、イケメンの利を生かしてやりたい放題。
9話
冒頭で森島父のメッセージが明かされたが何らかの真相を語ったようなものではなく、これを見てているという事はもしかしてもう自分はこの世にいないということだろうけどだとしても復讐はせずに自分の人生を生きてくれというものだった。単にもしもの時用に残しておいただけ、それゆえPASSも「Tonaoki」と個人的なものだったんだろうけど、結果的に復讐の最終段階まで踏み込んでから今更これが出てくるのは悪手だったな…。PASS無しで残しておけば…。
コアラ男が復活してレンを誘拐。あずさがかつて誘拐されたのと全く同じ場所でここに来いと脅迫動画を送り付けてきた。あずさに同行して現地へ向かった森島だったが今度は自宅へとたらいまわしにされその道中でコアラ部下集団にあずさが拉致されてしまい、さらにたらいまわしにされた最終決戦の地ではレンとあずさのどちらかを殺せと命じられる。選ばなかったところ、あずさが撃たれてしまい、今度はレンか森島自身どちらかを殺せと迫るコアラ男。レンを選んで隙が生じた瞬間に森島は照明用に置かれていたロウソクからロウがたら~っと垂れるのをパンケーキシロップアタックに見立ててリコを呼び出す。リコは拘束されたままコアラ男に反撃し、突如人が変わって反撃してきたのに焦ったコアラ男は決定打を打てずにやられてしまい、森島もコアラ部下集団を撃破。コアラ男の正体はあずさの兄にして佐島の秘書をしていた一郎(きづき)だった。一郎は森島父を殺したのも自分だと告白すると速攻拳銃自殺してしまった。全容を悟った森島は撃たれて死んだはずのあずさにいつまでそうしてるんだ?と声をかける。コアラ男集団がそれに反応して起き上がると颯爽と全員逃げ出していったのが絵的にシュールすぎる中で平然と起き上がったあずさは森島への歪んだ愛情を語りながら真相を告白。というわけで今回はミスパンダメイクなしなのでレンもリコも同じ姿のままだった。
一方で森島父犯人説を流してしまった神代は冒頭で森島に律儀に謝罪し、森島から佐島は誰かをかばっていると言われると独自で調査を開始。既に局に居場所は無く番組も打ち切りまっしぐらだったが、入院していた佐島の元を訪れて自殺を阻止すると佐島もまた同時進行で真相を語り出した。
多忙で子供たちにかまってくれない事に不満を抱いた中学時代のあずさはお兄ちゃんお願いおねだりアタックで一郎をシスコン道へオトすと一郎と協力しての狂言誘拐を実行。しかし思ったより大騒動になってしまったので慌てて計画を打ち切った。当時は佐島にも一切バレていなかったが、ミスターパンダこと森島父が兄妹が誘拐現場で仲良く昼食カップ麺としゃれこんでいる無防備な姿を近隣住民が撮影していた写真を入手しており、佐島の元にシロクロつけに出現。
前回の佐島の回想では森島父が見せたのは佐島が取引しているような写真でそれを見せられた佐島自身が森島父を銃殺していたが、あれは捏造回想だった。実際には佐島は青天の霹靂すぎて激しく動揺。ミスターパンダに頼み込んで一旦持ち帰らせてもらい一郎あずさに本当なのか聞いたところ自白したので謝罪会見を開くと宣言。責任を取ろうという姿勢でミスターパンダに再度会いに行きそのことを伝え、子を思う親の姿に自身を重ね合わせた森島父は素顔を晒して佐島の決断を認めて去ろうとしていたが、そこにあずさに頼まれた一郎が登場して森島父を射殺してしまった。森島父の懐から警察手帳と幼き森島との親子写真を発見した佐島は慟哭。結局は隠蔽したものの、最近になって森島が現れた際に覚悟を決めたが子供たちは守ろうとして真実に細工をして自分が首謀者であるように見せかけたという。
神代の前で魂抜けちゃってる親である佐島に対して、元凶であるあずさ本人は兄が自害したにもも関わらず大して動じずに感謝を述べると森島への愛を語り、森島父だと分かっていたら殺さなかったと語ると(順序が逆なのでどうしようもないが)過去を振り返ってもしょうがないから一緒に生きていこうと愛を迫るサイコさんっぷりを見せ、森島の怒りを買う。少年口調に戻ってしまい、亡きパパ相手に復讐するなと言っても無理だからやっちゃうけど分かってくれるよね的な1人会話パパ芸を繰り広げて様子がヤバくなった森島はあずさ相手にナイフで一直線に特攻するが、リコが間に入って刺されてしまって次回へ続く。
レン誘拐の時点でレンを恨んでいるのは現状1度サイコさん化したあずさしかいなかったのと、途中でミスパンダがレンだと全く知らずにコアラ集団が動いている事が判明した時点で今更新キャラが出てきて私が犯人ですは無い流れになっていたので、一郎あずさ犯人というのは割と伏線張られていたか。モブ兄貴かと思われた一郎が重度のシスコンで実行犯かつあずさはあずさでサイコ的な妹力(?)で兄を操り続ける病みっぷりがなかなかホラーだった。一郎の一切言い訳せずに自白だけして速攻自殺っぷりも相当なものだったが、お兄ちゃんお願いだけで拳銃用意してくるのとかシスコンが過ぎる。あとコアラ男集団は結局どこで集めた人員だったのあれ。
10話
幼児退行して仮想父を勝手に納得させて父の敵たるあずさへナイフで特攻した森島だったがリコが阻止して腹にナイフが突き刺さってしまう。直後にリコが意識不明で入院していて森島がすっかり魂抜けちゃった状態に飛んでしまい、あずさが放置されてしまっていたが、後に佐島の回想であずさその後が判明。
どうやら森島がリコを連れて病院に行ってしまったので放置されたあずさはそのまま佐島の病室へ直行、森島が自分殺そうとしてきたからもういっそ森島を私の視界から消してくれ、兄がいなくなっちゃったから頼めるのが父しかいないなどとサイコ度5割増しで訴えかけ、これには抜け殻状態だった佐島もビックリ。いなくなったとはどういうことだと聞くと死んだとか言い出すので、今度こそ一緒に自首しようと抱きしめ、あずさの出番は終了。その後も佐島は引き続き入院中なので拘留されていないようだったが真相が報道されている様子が出てきたのであずさは逮捕されたようだ。
ていうかあずさ、こんな自分大好きサイコさんな性格でよく報道番組の下っ端ADなんてやってられたなぁ…。自らがスポットライトを浴びるタレントやってたなら分かるけどよりによって裏方の下っ端ADとか性格的に1番我慢できなそうじゃない?
1ヶ月目を覚まさないリコに無気力な森島は春男(升毅)と佳恵(椿鬼奴)を訪ねて謝罪するが春男はお前さえ現れなければ!と激怒。しかし春男はリコだった事を知ってて黙っていた門田の半分共犯者みたいなもんであり、さらに門田は森島が現れようと現れなかろうと論文を発表してレンの意識を消し去ろうとしていたので、むしろ森島がいなかったらレンは完全に消されていたのでは…?春男はレンとして10年接してきたのでレンの方が最早思い入れが強いんだろうけど、作られた人格だと知ってて最後までレンに感情移入しすぎだったな。
佐島は罪を背負って生きていくと森島に告げ、神代はミスパンダの正体どころではなさげな無気力な森島に佐島家にとっては厄病神か死神かなどと軽率な発言をして、ますます森島は自殺する方向へ向かっていく。
飛び降りる直前にパンダチャンネルの配信が開始され、ミスパンダはこれからは1人で自由にやると宣言。神代が誘拐拘束されていて神代に暴行した後にエキストラ部隊まで登場してたからかな活動開始を宣言するミスパンダ。
世間が騒然とする中、ミスパンダの扮装のまま春男と佳恵を訪れリコとして正式な再会を果たす。春男は知っていた事を謝るが、ここでもやはりレンの人格との付き合いが長いせいなのか、ここでリコに戻って生きる道を提案できないのがなんだかなぁ…。
実は早い段階で目を覚ましていたリコは病室に忍び込んできた神代に正体を見破られるも神代自身が迷いを抱えていて公表しない方向に傾いていたため協力してもらっていた(エキストラ部隊も神代の手配)。神代が厄病神か死神かなどと森島に言っていた時も既にリコと協力体制で森島が自殺するかもしれないので様子を見張るように頼まれて接触していたらしい。「ありゃー自殺するつもりかもな」などと報告していたが、厄病神だの死神だの言って自殺願望助長したの神代じゃねーか…。協力する前じゃなかったのかよあの発言。
さらにリコは森島が来ている時だけ寝ているフリをしていたので、この間に刑務所で母とも面会。以前と違いリコにしおらしく謝罪の意を示してリコに生まれてありがとうと告げる母の姿に母に認めてもらいたい悲願が叶ったリコはもう思い残すことは無く、森島をミスパンダのアジトへ誘き出して挑発的な態度で襲い掛かって自殺を止め、自身は無理やり消してもらおうとしていたようだが、森島がすぐに気づいたので説得に切り替え。
最終的にリコはレンの意識へと戻り、森島の記憶を削除(ミスパンダをやっていたと聞かされた記憶含む)された。森島は自身の記憶をレンから消したことを春男夫婦に告げた後に、今度は自身を鏡越しにシロップアタックをしてレン・リコ・ミスパンダの記憶を削除。
それぞれの日々を送る中で、あのパンケーキ屋で偶然同じものを頼んで偶然シロップをかけているところでお互いに気づいて見つめあう2人で終了。
全部終わっての感想
当初ミスパンダの設定についていけなくなりそうだったが、いい感じに謎を振りまいて明かしていく展開もあって意外と面白くなっていった。ただ催眠はこれ催眠っていうか完全に魔術でしかなかったし、発動のスイッチとなるパンケーキアタックとかほとんどギャグだった。しかも作中でも森島がレン・リコ・ミスターパンダを3者区別して語っていたように1人の女性に3人格、この扱いが個人的に最後になってちょっとズレてきたというかどいつもこいつもレンに感情移入しすぎになってて変な着地になってしまったような。
レンとはつまり10年前の火事で死んでいて記憶を元に門田が人格を植え付けた存在。いわば死者の亡霊であり、自分をレンだと思っているだけのレン本人ではない偽者…であるはずなのに、森島も最初から知っていた春男もレンを主人格のように扱いすぎだった。
ミスパンダは森島が催眠により発動した新たな人格だが、身体能力が高いなど基本的に潜在能力や潜在意識が発現している状態だった…らしい。しかしリコの覚醒と共にミスパンダの記憶と意識はレンにもリコにも引き継がれずに物語中盤で完全消失してしまったので結局ミスパンダが何だったのかはよく分からない。
リコは主人格。門田によって完全に意識を封じられていたため目覚めた際にもミスパンダ・レン双方の記憶を引き継いでいないウラシマ状態だったが、身体能力のみミスパンダを引き継いでいるという感じ。母に愛されない&レンが死んだが母は自分をレンだと勘違いしているという哀しい理由からレンに完全になりきり自身は”死ぬ”決断をした…というわけでむしろこれ救うべきはリコじゃないのかと。なんで森島も春男もそこでリコに本来のリコで生きていいんだと言えないのか…。
本人なのに作られた亡霊でしかないレンに意識を譲り渡してもう1度”死ぬ”とかちょっとなんでこういう結末になってしまったのか。どうも物語の性質としてレンが死者であり作られた人格だという意識が希薄すぎたのと本人なのにリコが消える事が美徳みたいな価値観がズレているなと思った。死んだレンの本物の魂を召喚しているので作られたのではなく憑依であり、つまりあれは本物のレンだと思っている…くらいの感覚で話が進んでいたような。レンが再度目覚める際にはレンの夢の中にリコが出てきて別れの挨拶をするみたいな夢のシーンが出てきたけどこの辺りがまさにそれでレンが完全に”本物”として描写されていた。
平然とレンの人格は消してリコに戻すと言い放った門田が悪者のように描かれていたけど、門田は死んだのはレンで生きているのはリコなんだからリコには死んだレンではなくリコとして生きてもらいたいという考えはちゃんと持っていたっぽいし(論文論文言いつつもリコを”消した”ことには罪の意識があったような事も言ってたし)、門田の方が正しい判断していたんじゃないかと思った。森島や春男、特にリコとも交流があってレンが作られた存在だと知っている春男がリコが消えようとするのを止めないのは逆に酷すぎるくらいだった。
というかここまで「催眠」で魔法のようになんでも消したり作ったりできるんだったら全人格の融合や全記憶の融合くらいさらっとやって、主人格リコのままレンとミスパンダの記憶も引き継いで融合させてハッピーエンドの方が良かったんじゃないかと思う。終わってみてもリコが不憫すぎた。
あとHulu商法での5年後の話はそういった点を補足したりするものではなく特に無くても問題ないような意味のない話だった。
TCエンタテインメント (2020-07-22)
TCエンタテインメント (2020-07-22)
Anchor Records (2020-03-18)
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