あの頃、君を追いかけた

2018年10月公開。2011年の台湾映画のリメイク。山田裕貴主演、乃木坂46齋藤飛鳥がヒロイン。高校時代からの約10年ほど、00年代後半~2018年現在までが描かれている。




特に夢も目標は無いがその場限りでバカやって楽しく過ごしていた浩介(山田裕貴)はクラスメイトの男子4人、幼馴染の詩子(松本穂香)とその友人の真愛(齋藤飛鳥)との7人組で高校生活を謳歌していた。幼稚な浩介と真面目な優等生である真愛はお互い全く興味が無かったが、教科書を忘れた真愛を浩介が身代わりになって救った事で徐々に2人の距離が縮んでいく…。

という、淡い感じの青春ストーリーらしいという事なので、紆余曲折あって爽やかにハッピーエンドなのかと思っていたらなんていうかドラマティックな事は何一つ起こらない現実感溢れるリアル青春みたいな展開に…。グループ内でそれぞれの片思いとかはあったけどみんな片思いのままだし、主役2人はお互い好き合っていながら一歩が踏み出せずに終わってしまい正式に付き合う事なく破綻してしまうとは…。ラストシーンではもしパラレルワールドがあるならその世界では俺たちは付き合っていた…とする救いの世界の描写が逆になんともやりきれない。この過程で本編では起こさなかった浩介のIFの行動、そして本編では伏せられていた真愛の行動がいくつか明かされるが(卒業時に告白して来たら付き合うつもり→浩介しなかった、気球に思いっきり「好き」と書いた→浩介その時好きだと告白はしているが釣れない態度を素で受け取って自信を無くしてしまい「俺の事どう思ってる?」と聞くも答えを聞かずに止めてしまった)、あの時浩介が一押ししていれば…という悔いしか出てこないような真実が視聴者にのみ判明。浩介視点では悔やんでも悔やみきれない行動の数々になってしまったが、しかしこれら全て読んで真愛の思うように行動しろというのも難易度が高すぎであり、真愛側にももう少し後悔とか何かあっても良かったような…。まあタイトルもオチも「あの頃、君を追いかけた」なので相手(君)の方はわざとこんな感じのキャラクターにしているのはあるんだろうけど。

ある意味で容赦ない終わり方と、真愛が選んだTHIS IS 小太り中年な先輩医師の結婚相手というオチ。アイドル映画でこれをやるというのは齋藤飛鳥さんもいつかこんな感じで外から見ればなんだこいつと思うようなおっさんとあっさり結婚してしまうかもよ?というリアルあの頃、君を追いかけた的な現実が訪れる未来の可能性今齋藤飛鳥を追いかけているファンに向けて痛烈に突き付けてやろうという事だとすればなかなか攻めた映画だ。

何にせよフィクションの映画作品としては現実的すぎた。リアルにつかず離れずで終わってしまった初恋の記憶をお持ちの方々にはリアル共感を得られる側面もあるのかもしれないけど、単純に娯楽映画なんだからストレートなハッピーエンドが見たかった。メインのオチがそんなんなのに、登場人物は全員仕事で大成しているという超サクセスには現実感の無さとのコントラストが…。

謎だったのが開始1時間ほどで訪れる高校卒業周辺の時系列。どういうわけか卒業式を完全に終えたシーンの後に、思いっきり海に入って大はしゃぎる7人は夏服だし、どういうわけか卒業式後に受験に挑んだとナレーションベースでも説明しながら受験シーンはみんな薄着、そもそも卒業式の後にみんな受験?どんだけ卒業式早いのこの高校。そしてそれぞれが新生活で街を去っていくシーンも何故か完全に夏服。見た感じ6月頃に卒業して、7~8月頃に就活して9月から新生活開始みたいな流れになっている。

卒業周りの季節感と時系列が完全に狂っているし、付き合っても無い2人があれこれ台湾旅行?など台湾映画のリメイクを日本に置き換えずにそのまま素直にやってしまったかのようなシーンが中盤以降に目立ってちょっとついていけなかった。

90年生まれの山田裕貴にまだ高校生役って窪田正孝かよと思ったんだけど、山田裕貴は一貫していて良かった。齋藤飛鳥はかわいいんだけど完全に見た目だけというか、何よりキャラクターがイマイチだったのとそれに伴って演技もあまりうまく見えない(真面目キャラなのでテンションも上がりきらずに結果的に棒読みに見えたり表情に乏しく見えてしまうところがある)あまり役者としていい感じはしなかったかなぁ…。

★★★☆☆

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