大童澄瞳による漫画原作。先にNHKで2020年1~3月に全12話でアニメ版が放映され、その後5月に実写映画化されることが発表されていたが、映画の前に毎日放送月曜深夜、TBS水曜深夜の「ドラマイズム」30分枠でドラマ版が放送されることが発表された。
この枠ではドラマ版→映画と繋ぐ作品が過去にもいくつかあり、ちょうど1年前の「賭ケグルイ」でも全5話→映画と繋いでいた。
このため全て撮影は終了しており他の撮影途中の春ドラマのように放送延期や途中停止にはならずに予定通りに放送されたが、ドラマから即座に繋ぐはずだった映画の方は公開延期時期未定という事態となった。
その後9月に公開が決定、メンバー3人による普段は出演しないような番組に出ても番宣ラッシュも虚しく、大方の予想通りの大コケとなった。
1話
人見知りでアニメ制作を夢見る浅草みどり(齋藤飛鳥)、友人で金が大好きな金森さやか(梅澤美波)が高校入学後、読者モデルとして有名だが本当はアニメーターになりたい水崎ツバメ(山下美月)が出会って物語が始まった!
という感じの序章的展開。確かにこれを映画で冒頭やると時間浪費するだけなので連ドラで途中まで進めておいて映画でおいしいところをガツンと時間かけて展開するのは得策かもしれない。
乃木坂46は主要3人のみで色々変な部活が大量に出てきたリ、派手な妄想SF展開があったりと、全体にアニメちっくで、特にみどりのキャラは完全にアニメキャラ。他の2人は素の声で喋っているのに齋藤飛鳥だけ聞い事も無いようなアニかわ声(アニメかわいい声)で、見た事ないような純朴オタク少女ハイテンションキャラ演じているのでなんか飛鳥ちゃんすげぇ頑張ってんなぁ…飛鳥ちゃん役者してんなぁ…と思った。
2話
3人でアニメを作ろうとなったが、いっそ3人で同好会を作ろうという事に。この独特な世界観の高校では大量の細かい部活が存在し、認可が大変だったが金森のでまかせ演説で映像研として活動を開始する事に。顧問を見つけ1週間以内に資料を用意しなくてはならないが、部室としてあれがわれた最果ての廃工場ではしゃぎまわるだけなので2人が使い物にならず、ここでも金森が奮闘。浅草が壊れた手すりから派手に転落するも無傷で生還した事故を撮影していて投稿番組に送り付け、TV放送をもって資料とした。これにて2ヶ月以内の実績を期限とした映像研(仮)が爆誕した。
モブキャストたちの細かい部活ギャグとオタクテンションで盛り上がる浅草水崎+話を動かす金森、という独特すぎる世界観がどうも馴染めない…。今のところ“どこから声出してるの状態の飛鳥ちゃん”くらいしか見どころが…。
3話
相変わらず珍妙な部活ネタと遊んでばかりで話を進めない浅草水崎+話を進めようとする金森というグダグダ展開。最後はいつもの妄想CG劇で作ろうとするアニメのふわっとした構想は出来てきた。予告で金森が「こいつらいつアニメ作るんだと思ってますよね」とセルフツッコミしていたくらいなので自覚はあるらしい。確かにこんなグダグダを映画に持ち込むわけにはいかないから先にドラマである程度やっておく必要あるわな…。
4話
冒頭で生徒会の審議を見ていて白目を剥いた浅草が失踪。焦った金森・水崎は浅草を探すが見つからない…という展開の間に相変わらずの珍妙な部活ネタコントと今回は中学時代の浅草と金森の出会いの過去も描かれた。乃木坂初期が斎藤飛鳥のリアル中学時代なわけでMVでも当時の映像残っているだけにさすがに中学生やるのは厳しくな
浅草が授業には出ているという証言も出てきたけどそれにしてもこのドラマの世界観が120%部活だけで生活している感じなので剥離している感が否めない…。授業には出ているのに浅草が見つからないって。しかも始まってもないのにメンバー失踪展開って…。
結局死を覚悟していた2人をあざ笑うように浅草は「未来少年コナン」にはまっていただけであっさり発見され、そこからは一気にアニメ作りが進行。しかし審査が1ヶ月も早まる事が決定してしまい、今度は金森が白目剥いて次回へ続く。
5話
審査前倒しのショックとまともに作業を進めない浅草・水崎の態度に苦心していた金森は気絶したまま風邪で寝込んでしまう。今度こそ奮闘したかに見えた浅草・水崎、LINEで報告を聞いていた金森も安心していたが…。5日後に復帰した金森が作業の進捗を確認したら全く進んでいなかった。聞けば金森に毎日届けていた牛乳を得るために笹を探して銭湯に売ってその金で牛乳を送り届けていたという。激怒する金森。ただでさえこの2人のせいで話が進まないのにこんなバカやられたら見てる方も怒りの限度越えてくるわ…。
5秒しかできていないアニメーション。クオリティよりもとにかく最低1分なんとかしなきゃダメだから短時間でできる派手な場面を急いで作れと主張する金森にクリエイター魂を見せて細かいディティールにこだわりたいと作品性重視して派手な場面を作るのを拒否する2人(特に水崎)。この期に及んで事態を理解できていない残念な2人だったが、付き合いの長い浅草は金森の意図を汲んで5秒の映像の背景や素材の組み合わせを生かして47秒まで引き延ばす編集技術を披露。水崎のみがクリエイター魂を主張して反抗し続けるが、金森がストーリーである必要が無い、時間もないから予告編のような映像にまとめておいしい場面だけ作って繋げばいいと主張。予告編という言葉で納得したのか逆に水崎が超絶乗り気になって浅草が戸惑いつつ方針が固まって最終回へ続く。
一方で審査が早まったのは水崎が偶然居合わせたかつて野球部だったが内野部と外野部の対立を解決して野球部へと戻したことにあったため、巻き添えで早まった他の部が映像研を潰そうと画策し始めている様子も…。映画を前にどこまで片づけて映画に続くのか。そもそも映画まで見る気力がもう無…
6話
話がまとまったはずが浅草がまたしても我儘を言い出して作り直すことになったのでてんやわんやとなった。浅草・水崎がギリギリまでアニメ予告編制作に奮闘する中、少しでも時間を稼ぎたい金森は暗躍組織ゲバラに協力を依頼して審議委員会を何とか乗り切ろうとする…。
ということでこれまで出てきた部活が大挙して登場。主に下水道・上水道の手引きで放課後時間外の部室への潜入を協力してもらい、当日も本来出番がある時間にゲバラによる工作活動で他の部活が委員会に続々やってきて暴れまわるというしっちゃかめっちゃか状態にして(トドメは電報で「エイゾウケンニハテヲダスナ」)と少しでも時間稼ぎして何とか到着を間に合わせた。
しかしゲバラには金森より先に5話終盤~6話冒頭にかけて映像研に恨みを持つ集団が映像研を潰すための工作活動を依頼していて審議委員にはこれまで映像研が起こした騒動を問題視する資料が集められていた。生徒会はこれを理由に作品も見ずに活動を終了させようとする。反論する金森だったが押し切られそうになったところでついに他人が苦手な浅草がブチ切れて何言っているのか良く分からないべらんめぇ調の演説をぶちかまし、「要するにゴチャゴチャ言わずに作品を見ろ」ということで完成した作品を見てもらえることに。
圧倒的な映像美にアニ研とどう違うんだと言っていた面々も言葉を失い感嘆。一瞬で生徒会や集っていた部活の面々も全員魅了した映像研は活動を正式に認められ映画へ続く!
ゲバラの要求したそれ相応の報酬というのが後になって明かされ、水崎との2ショットを撮らせろ!だった事でそういえば人気モデル設定だったのを思い出した。ED映像ではゲバラだけでなく実質協力として時間稼ぎに現れた部活の面々と水崎が写った写真も出てきたのでちゃんとお支払いしたらしい。
全部終わっての感想
けっこうしんどいドラマだった。斎藤飛鳥のショートカットが新鮮なのと、普段と全く違う喋り声が飛鳥ちゃん頑張ってんなぁ…という以外は浅草はイライラさせられる漫画アニメ的キャラで実写では面倒なだけだし、水崎もアホだし、話を引っ張る金森の苦労話みたいなストーリー展開と謎の組織化された部活中心の人々という奇異な学校世界観が最後まで馴染めなかった。部活ネタギャグも最初はシュールで面白かったけど彼らが出てきて部活ギャグするだけ話が一切進まないし別に仲間にもならないでそれぞれ独立してシュール提供するだけなんだもんよ…。最終回ではそれまで個々に存在しているか他部活同士で争っているだけだった部活同士の横の繋がりとか、バラバラな彼らを全員魅了する映像研の作品という構図になった事で役には立ったけど…。
生徒会の会長より目立つさかき・ソワンデ(グレイス・エマ)は率先して映像研を潰そうとしているのか助けようとしているのか、1人で金森の前に現れて牽制しているのか助言しているのか、何だか良く分からない行動が目立った。最終回でも金森の言い訳を聞かずに潰そうとしたかと思えば浅草の何言っているのか分からない演説を他の誰もが意味不明な中で端的に「要するに作品を見ろって事だな」と通訳して後押ししてくれてるし。別に潰そうとしているわけではなく冷静なブレーンなだけ(むしろちょっと気にかけている)という事なのか。
映画公開が飛んでしまって結局9月になったが、映画見に行く気力はやはりないかなぁ…。作風が独特すぎて3人のファンと原作好き以外はきついでしょこれ…。レンタルで出てしばらくして忘れてなかったら…。
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