SUITS/スーツ Season2 全15話

2018年秋クール月9ドラマの続編。多くのレギュラーキャストが続投している。

月9史上最大話数(これまでの最大は13話のためそれ以上?)になると前宣伝もあり、他のドラマが放送延期になる中でも初回SP、2話も延長放送で堂々と放送していたがこれにてあっさりストック切れとなり、3話以降の放送は延期された。

6月には撮影は再開されていたが放送はそのまま夏クールへとスライド、7月20日に1話2話の合体総集編を放送して27日から3話が再開された。

1話

冒頭から幸村上杉事務所が検察の立ち入り捜査で危機?と思わせながら、甲斐(織田裕二)がクライアントの加藤ミリヤとの案件を解決するのを同時に描き、甲斐をサポートするために鈴木(中島裕翔)もボストンから緊急帰国。2人のコンビで案件を華麗に解決すると、実は捜査が入っていたのは甲斐の相手の弁護士の事務所の方だった、幸村上杉事務所は幸村チカ(鈴木保奈美)指示の下で事務所の模様替えしていただけだった…というフェイク

その後は鈴木が単独で任された玉城ティナの小説原案盗作訴えるぞ案件と、甲斐の反町隆史による会社の事業100億で売却しろ案件の同時進行。苦戦しながらもなんとか解決し双方和解までさせる人情路線な鈴木、そして100億どころか裏工作されまくって50億以下まで落とされた反町案件は甲斐が反町が隠していた事を暴いて逆にそれを生かした好条件の提案をした事で解決。反町は高額な顧問弁護士費用を払い続ける価値があるのか甲斐を試そうとしていたが、これにより甲斐が優位な立場となり反町も自ら進んで顧問継続をお願い。99年の『Over Time』以来の反町月9出演という事でも話題になっていたが…結果的にあまり動きのあるキャラでもなく出番もそんなに無かった…。

前作では幸村により事実上追放状態となったらしいという存在しか示唆されなかった「上杉」の病気の妻が亡くなったため、上杉が復帰するのではないかという事になり、幸村も甲斐も険しい表情。上杉(吉田鋼太郎)本人も登場し、私はあの頃とは変わったと改心を思わせる態度でいたが、2人とも相変わらず険しさ増すばかりで相当ヤバい人物らしい。性格的には上杉も甲斐も似ていると評する幸村に対して甲斐が「自分は絶対に(幸村を)裏切らない」と幸村に強めに宣言するなどこれまで以上に固い結束を醸し出すほどなのでよっぽどか…。

先回りして上杉が以前追放された時に使ったあの事を妻に言うぞ(内容は不明)という脅しを今度は娘(森七菜)に言うぞに変えて脅した甲斐だったが、上杉はむしろそれでその気になったと挑発的に復帰を宣言。幸村としては鈴木の経歴詐称の件がネックになるので鈴木をとっととクビにしたいが、甲斐は鈴木を認めている上にここでクビになんてしたら逆に怪しまれると告げ、結局今期も鈴木の経歴詐称が爆弾になるのは変わらないらしい。しかしシーズン1で関わったハッカーの人が大学の名簿の写真まで本物の鈴木大輔ことダイス・スズキの写真から鈴木の写真に変えてくれているし、まずもって堂々としてれば疑念持たれる事は無いような気が…。

一方で前作では三角関係で描いていた合間の鈴木の恋愛ストーリーだったが、なんと今作では遊星(磯村勇斗)、砂里(今田美桜)がきれいさっぱり消え去ってしまったので鈴木と真琴(新木優子)で一直線。ボストンにいた時も連絡は取りあっていたらしく、さっそく食事→鈴木が交際申し込みと急展開。過去を知るトラブルメイカーの遊星も消えた以上、そっち方面で危機に陥る展開は無さそうだけど、鈴木のプライベートなリラックスタイムは正体を知る砂里との間で生まれていたのでそれが無くなるのは少し残念…。しかし2年経ってないけど26歳になって中島裕翔も新木優子もだいぶ大人っぽくなったな。

2話

上杉が復帰して警戒する幸村・甲斐。甲斐は相当恨みがあるのかかなり敵視した態度を取るが、上杉は改心した人の好さげな態度を取り続けて甲斐・幸村以外のファームの空気は徐々に変わり始める。

そんな中、過去に上杉が担当していた病院の看護師(黒木瞳)が待遇改善を院長(佐戸井けん太)に要求している案件を甲斐が担当することに。どうやら上杉にいきなり大きな案件を担当させたくないという意向らしく、甲斐も若干意地になる上に、上杉は勝手に首を突っ込んでくるもんだからややこしくなってしまう。しかも甲斐の上杉への敵意は鈴木になんの説明もしてないので鈴木も上杉はいい人と思って上杉のアドバイスで解決案を独自に構築するなど上杉の思惑通りになっていってしまう。

例によって険しい顔で悩みまくっていた甲斐だったが今回は鈴木の手も借りず、さらに上杉が勝手に看護師を呼んでしまって自身の和解案を成立させるしかない状況に追い込むのを見越した上で、あえて看護師への解雇通告を行い、残業問題をクリーン化するという名目で院長の経理不正等を暴いて逆に院長が現場改善を行わざるを得ない状況に導いて解決。院長は雑誌に不正経理で購入した絵を飾った写真を公開してしまっていたため、甲斐に救われる形となり素直に条件を飲み、看護師も甲斐に感謝。上杉を出し抜いてなんとかキメる事に成功した。

一方で鈴木は真琴から正式に交際の返事をもらい付き合い始める事になり早速祖母を紹介するが祖母が「この子は嘘をつけない子で」という様子に経歴詐称を真琴に隠しているのが後ろめたくなってしまう。甲斐に相談したところ、自分で考えればいいと言われたが…。

それよりも祖母が「この子」「この子」としか鈴木を呼んでいなかったら良かったものの、いつ本名の大貴と呼んでしまうかにハラハラした。本当の事を話すか迷う前にいきなり何も考えずに祖母に会わせるなんてその危険性に気づかなかったのか。

また鈴木が何度か上杉を何故そんなに敵視するのか不思議そうにしているんだから甲斐ももう少し上杉を警戒すべき理由を鈴木にちゃんと説明すればいいのに…。鈴木の経歴が爆弾である以上は鈴木と上杉が近づきすぎないようにするのはマストだと思うが、変に警戒させると逆に怪しまれると考えてわざと何も説明せずに放置しているのだろうか。経歴問題に関しては完全に暗黙でわざわざ確認するまでもないし、それがバレるようなヘマは誰が相手だろうと鈴木は絶対にやらかさないというくらいの信頼はあるだろうし。

上杉から携帯録音機を送られた蟹江(小手伸也)の動向も気になるところ。2話にして早くも友人からの引き抜き話に乗ろうとしていたし、普段の態度が悪いからしょうがないとはいえ幸村も蟹江を軽視してテキトーに扱っているもんだからコロッと上杉の配下になりそうだしなぁ…。上杉を警戒しすぎるあまりに完全に他がおろそかになってそうだし、その間に上杉がファームで人望を得てしまい、甲斐・幸村が不利になる可能性とかも考慮して立ち振る舞ったほうがいいのでは。

というわけで勢いよく2話放送されたものの、あえなく放送停止。高嶋政宏や笹野高史など今後登場予定のゲストとのシーンも一瞬流れたのである程度までは撮影されているとは思われるが再開のメドは立たないだろうし、最速で6月となれば月9史上最大話数どころか最低話数になりそうな…。

また翌週以降が何故映画公開も未定になってしまった『コンフィデンスマンJP』なのかが意味不明。普通に今作のシーズン1を再放送したほうが自然じゃないのか。シーズン1は何故かDVD/Blu-ray化してないんだから需要もそれなりにあるだろうに。

3話

延期前の予告出ていた笹野高史は3話、高嶋政宏は4話登場なのが正式に判明。このため今回もまだ大半は寒い時期に撮影が済んでいたと思われる。

今回は上杉の登場・暗躍は無かったが、事務所代表を乗っ取るためにはシニアパートナーの投票が必要でその票集めのため、なるべく味方を増やしておきたい幸村の意向で企業再生部門の瀬川(笹野高史)が抱えている案件の手伝いを甲斐がする事に。瀬川は抱えている企業のビル建設話を潰せと指示してきたが、鈴木の協力の下で進めていくうちにうさん臭さを感じた甲斐は建設話を進める方向へと舵を切り始め瀬川と対立。

最終的に瀬川放置で企業を救ってしまったため瀬川は激怒、幸村もこれでは意味が無いと怒るが、甲斐はこの案件で瀬川が不正をしていた事も告発。これにより瀬川はクビになり、上杉の味方をするかもしれない1票を潰すという形で決着。改めて幸村への忠誠を示す甲斐。

そして蟹江は自身の横柄な態度がアソシエイトから不評で東大ロースクールの視察担当者(MEGUMI)から酷評されて落ち込んでいたが珍しく甲斐が励ましてくれたおかげで立ち直った。蟹江に関しては悪いところばかり描かれていたのでたまにはこのくらいないとな…。

一方で鈴木は真琴と交際開始して浮かれていたが、自身の経歴詐称を話すかについてが懸念事項。甲斐に渋い顔をされつつも甲斐が止めなかったので話すつもりだったが、交際を知った玉井(中村アン)がいつになく強い調子で甲斐の期待を裏切るなと警告した事で結局自ら別れを切り出す事に。この件で甲斐への恩義と不信感がせめぎ合う事になりそうでまた険しい展開が続きそうだなぁ…。

4話

甲斐を恨んでいる弁護士冨樫(高嶋政宏)が3年前に甲斐が勝利した自動車事故死の案件について自動車側に不備がある事を隠していた疑いがあるとやってきた。甲斐はそんな内部資料があると知らずに裁判に勝利していたが、調べていくうちに社長自らが隠ぺいに加担していたと判明。最終的に社長に謝罪させることで遺族とは和解したが、冨樫は甲斐単独を訴えると言い張り続け、ラストではついに上杉にもバレてファーム全体で戦うべきだと正論を言われてしまう。

一方で資料を探していた玉井は自らが判を押した例の内部資料があったのを発見してしまい…。

という事で険しい顔したばかりの連中の中で唯一明るく余裕ある秘書だった玉井まで沈痛な面持ちになってしまい、清涼剤皆無になってしまったドラマの行方はいかに…。

5話

玉井が発見した証拠資料は本人も覚えていないものだったが、まずすぎる証拠のため言い出せなくなってしまう。玉井の挙動がおかしいのに気づいた鈴木がいち早く切り込んで状況を掴むも玉井本人に甲斐に伝えさせるために静観することに。しかし上杉が連れてきた副島弁護士(清水ミチコ)は和解に向けて進めている上に、甲斐が被害者に直接会って謝罪するも被害者が全く許していないのでますます厄介な事態になってしまっていてドタバタしていたので言い出せず。

副島も甲斐を信用していないため本当に資料は無かったという念書にサインをさせようとしていたが、それをしてしまうと本格的にまずいので鈴木が甲斐に話して発覚したが追い詰められた玉井は既に証拠を抹消していた。正直にすべてを報告した甲斐だったが、結局これ以上手出しできなくなり、副島に任せるしかなくなる。自身で再度謝罪に向かうも、結局和解の条件に弁護士資格剥奪を盛り込まれてしまう。

このままどうなるか分からない状況の中、先に幸村により玉井の解雇が決定され、玉井が事務所を去ってしまう事になって重苦しいまま次回へ続く。

テニス少年(ジャニーズ後輩高橋優斗)のプロ契約を反対する父との縁切り裁判を任された鈴木のエピソードも並行していたが、プロモーター(田中要次)が影で操っていた事を見抜いた鈴木により阻止されて解決。正直そっちは頭に入ってこない衝撃展開であった。

玉井のがいなくなるとマジで堅苦しい顔&真面目&真面目&嫌味&疑心暗鬼まみれで全く余裕のない職場になりそう…。真夏にこの固さはキツくなってくるな。

6話

玉井が去ってやや元気が無い甲斐。自身の裁判の件も保留になったまま、クライアントのジュエリー会社の社長碓氷(博多華丸)がマカオでギャンブルに興じていると聞いて鈴木とマカオへ飛ぶが一足遅く、碓氷はギャンブルに負けて会社ごと持っていかれてしまっていた。取り返すためのギリギリの攻防を繰り広げる事になったが、やはり色々追い詰められているせいか、今回は鈴木が打開策を思いついて乗り切る場面が多かった。

そもそものギャンブルにイカサマ臭が漂っていて鈴木が防犯カメラ映像をチェックしていたのでイカサマの証拠を見つけて突破口を見出すのかと思いきや、最後は相手の肝心なところで勝負を降りる性格を見抜いた甲斐の捨て身のギャンブルアタックと脅しで解決してしまった。一応カメラ映像の入ったUSBをイカサマの証拠だ!とか突き付けていてビビッていたのでイカサマがあったのは事実っぽいが、どのようなイカサマがあったのかは気づく描写も無く、恐らく鈴木も見抜けておらずハッタリだったっぽいし、何だかハッキリしない攻防だったな…。

関東弁護士会の副会長で幸村の同期だった羽鳥(堀内敬子)は学生時代にレポートのデータを幸村に消されて脱落した事を恨んでいて甲斐の件で揺さぶりをかけてきたが、幸村はわざと寄付金を送って賄賂があったように見せかけて羽鳥を失脚させる奇策に出て羽鳥を悔しがらせる。甲斐もやりすぎというほどだったが、今回を通して幸村は副島をクビにして自ら甲斐を弁護する事を決意。

これ以外にも真琴と蟹江が組んで案件を片づける、この過程で上杉から蟹江にプレゼントされ蟹江が使っていたボイスレコーダーが真琴の元に渡っていてそれを鈴木が聞いたら鈴木と甲斐の会話の盗聴が消されずに残っていて上杉に甲斐が訴えられた件をチクったのは蟹江だと発覚。甲斐は蟹江を見逃す代わりに貸しだからいつか手を貸せと告げるというエピソードもあったが…。

どうも視聴率が良くないせいか復讐編だのマカオだの新章突入!だの毎回言ってるんだけど予告詐欺になってるのが気になってきた。マカオなんて予告で大々的にやっていてマカオを舞台に移すかのようにやっていたのに、パスポート用意しろ!行くぞ!と言った後にマカオの夜景映像をインサートしただけであとは全部ギャンブル場のセット。しかも冒頭数分だけですぐ帰国という大マカオ詐欺っぷり。作中のギャンブルのイカサマの内容は一切明らかにならなかったがこっちの方がよほどイカサマであった。

復讐編というのも誰の復讐なのかよく分からないままで現状だと冨樫(高嶋政宏)が甲斐に復讐している感じではあるが甲斐を何で敵視しているのかは一切不明のままなので復讐という文字自体にピンと来ない。しかも続けて新章新章言っているのでどの話が復讐編だったのか、そして逆襲がいつ始まっているのかも良く分からない。

上杉の件にしても甲斐と幸村が一方的に警戒・毛嫌いしている描写ばかり。上杉が何か企んでいるならもう少し描写があってもいいもんなのに、復帰してから上杉が怪しい行動をしたのは蟹江にボイスレコーダーを渡したくらいしかなく、今は甲斐の問題を事務所一丸となってやるべきだ!と正論しか言ってない始末。1話2話ではそれなりに怪しい雰囲気を醸し出していたのに3話以降描写も無く、視聴者にまで紳士的な態度しか見せないままでは異様に警戒している幸村と甲斐が明かされてもいない過去のナニカにしがみついて引きずっているようにしか見えなくなってきてキツイ。

そして今回が「新章スタート」でマカオを煽っていたのにこの体たらく。なんと7話予告でも「いよいよ新章開幕!」と来たもんだからもうギャグとしか。それとも織田裕二主演だった『太陽と海の教室』の生徒死ぬ死ぬ詐欺(生徒の誰かが間もなく死ぬことを示唆しながら延々引っ張った)のセルフオマージュなのだろうか…。

7話

冨樫は甲斐の弁護士資格剥奪の条件を譲る気は無く、甲斐と幸村も裁判に突入する覚悟を決めた。上杉は事務所内でも甲斐を信用できない者もいるので1度模擬裁判を開くべきだと主張。蟹江が冨樫役に指名され、鈴木は蟹江と組んで甲斐を追い込む役回りとなる。実際の裁判で冨樫がどんな手を使ってくるか分からないため、心を鬼にしてキツイ質問を浴びせたり、事務所を去った玉井に来てもらうよう呼びかけたりする面々。

ようやく来てくれた玉井に蟹江は甲斐を愛していたのか?としつこく攻め込んでせっかく来てくれた玉井は逃げ出してしまうなどしんどい一幕もあったが、蟹江はいつになく苦悶の表情でやりたくてやっているんじゃないが甲斐のためにやっているんだ!と本音をぶちまける。どことなく余裕で皮肉ぶった態度を崩さない甲斐の姿勢に事務所内の見学者たちも甲斐への不信を募らせていく。

しかし模擬裁判最終日。幸村は甲斐が実は人情派である旨を過去の実例から演説。最早模擬裁判というより、甲斐の本当の人間性を事務所内の面々に訴えるといった目的に特化している感じになってしまったが、事務所内での甲斐への印象はだいぶ変わったようだ。

この事務所内のモチベーション以外に意味があったのか分からない模擬裁判で大半の時間を使用した後、冨樫が不服そうに甲斐に和解の条件から弁護士資格剥奪を削除したと言ってきた。どういうことかと聞くと冨樫はどうも脅された様子。

実は鈴木が冨樫の過去の仕事を洗って不正探しをしており、これに目を付けた上杉がその不正の証拠を突き付けて脅しをかけ、和解金の方は事務所の弁護士全員で分割して支払う事で和解交渉を取りまとめていた。その不正の内容とやらは上杉も鈴木も話さなかったので不明だが、鈴木は上杉がまとめたのは不満かもしれないがそれ以外のみんなも甲斐のために苦しんでるんだ!これでも嫌だというなら尊敬に値しない!とまで言い切ったため、最終的に甲斐も和解に同意

翌日会議で和解が決定したが、上杉は今回の件で幸村の判断力に疑問を抱いたとして幸村か私かどっちを選ぶか改めてシニアパートナー会議を招集して投票で決めたいと発言。一気に野心を全開にしてきて次回へ続く。

蟹江がいつになく熱い様子を見せるなど基本的にレギュラー陣が言いたくない追い込みをかけながら甲斐への思いが強く出た回になったものの、最後が人情話でお茶を濁されたというか模擬裁判は上杉が幸村と甲斐の印象を落とすためにやっていると見て上杉対策として甲斐の優しい一面を示すことで上杉の目論見を阻止するという決着になってしまい、これじゃ実際の裁判では敗色濃厚じゃね?っていうオチなのは正直どうなのか。必死なみんなに対していつまでもチャカした態度を崩さない甲斐も中盤過ぎからは場違いみたいになってたし、鈴木や蟹江が心を鬼にして冨樫ならここまでやるかもしれないと攻め込んでいたのも最後の幸村の演説で無駄にされてしまった感じだし、最後は甲斐がみんなの思いを汲んで意に反して和解に応じたのはいいけど、みんなの思いに対して途中まで態度が軽すぎる甲斐と本来の模擬裁判そっちのけで対上杉対策で話を展開させた幸村は確かに弁護士としてどうなんだと上杉が疑問を持つのも分からなくもない。

また冨樫が要求を呑むほどの脅しとは何だったのか。それ以前にこの裁判の被害者遺族(須藤理彩)の意向どうなってんの?裁判起こしているのって遺族の意向じゃないのか?前回までに甲斐が2回会っていて2度目は真実を話して謝罪までしていたが別にこれで遺族の気持ちが変わった様子ではなかったようだし(てっきり伏線かと思ったら何もなかった)、担当弁護士の冨樫が勝手に和解でOKしたり、資格剥奪の要件を無くして、遺族はOKしてんの?っていうその辺が全部すっ飛ばされて全部冨樫次第になってしまっているのは…。

そして今までほとんど出てこなかった上杉がいきなり野心全開に。今回は最初から最後まで終始不敵な笑みというか笑みのようなそうでないような企んでいるような微妙な表情を随所で見せていて一気に最重要警戒人物らしい風格になったがそれはそれで唐突に動きだしすぎ…。

8話

上杉が代表の座を奪おうと動き出した、という事は今なら勝てる段階に達したと踏んでいるからに違いない。甲斐は上杉と同時に辞めた尾形万智子(松本若菜)を探し出すように鈴木に命じると自らは何処へと列車で去っていく。

数年前の回想と現在が交互に描かれ、過去では甲斐が幸村から誰かが横領しているから調べてほしいと頼まれ昇進を交換条件に引き受け、玉井と共に調査を開始。

同時に当時の鈴木の様子も描かれ、Season2には出ていなかった遊星(磯村勇斗)と砂里(今田美桜)が再登場。鈴木が遊星との合コンで元カノの怜(吉谷彩子)と再会、しかし目的は鈴木の記憶能力を使って友人の千夏(堀田真由)の予備試験の替え玉をするというものだった…という今回の話とは関係の無い過去が描かれた(怜は後に再登場する模様)。

横領の件は調査の結果、蟹江に行きつくが蟹江は真犯人による偽装で、何も知らされていない蟹江に人物名は伏せて横領概要だけ伝えて意見を伺ったところ、真犯人として浮かび合ったのはまさかの上杉。当時の幸村は上杉を信頼していて判断を保留しようとし、上杉を呼び出して話を聞けば病気の妻のために横領したというのでますます判断に困ってしまう。

当時から上杉が嫌いだった甲斐は玉井が掴んだ追加情報で尾形万智子と上杉の不倫を突き止め、不倫現場に乗り込んでいって脅しをかけ、無理やり辞めるように迫るというパワープレイで上杉を追い出していた事が判明した。

一方で現代では鈴木が尾形万智子を呼び出して不当解雇で訴えるべきだと謎の助言をしてそれを蟹江が目撃。蟹江から上杉にチクりが行き、上杉が幸村にブチ切れるが幸村は何も知らない。では甲斐なのか?とと考えるが甲斐は不在で、鈴木の元へ乗り込んできてみんなの前でいきなり尾形万智子をそそのかすなんてとクビを言い渡した幸村。鈴木は咄嗟に判断してみんなの前で上杉と尾形万智子が不倫していた事と横領で上杉が辞めた事を説明しながら反論。ニヤリ顔の幸村。

という事で最初から蟹江の行きつけの店で蟹江に目撃・密告させ、上杉相手には幸村は本当に知らない状態で素のリアクション。しかし咄嗟に計算して鈴木の元へ乗り込んでクビを宣言、意図を悟った鈴木が不倫と横領をバラすというその場その場の的確な判断が見込まれる即席連携プレイだったらしい。

尾形万智子はダシでしかなく、さらに思わせぶりだった甲斐がどこへ向かっているか?というのも、回想の最後で出世を望んでいた甲斐の父が亡くなった事が判明。甲斐が出世にこだわっていたのは大好きな父のため、要するに甲斐は父の墓参りで1日休暇取っていただけというオチ。高度な割になんだかなんでもないような話だったような…。

そして戻ってきたら幸村は喜んでいたので作戦通りにアシストできたと甲斐も嬉しそうで、もう1度上杉を追い出してやろうぜグフフフ…と最早どっちが悪役なのか分からない勢いで企みまくる甲斐・幸村。険しい表情の上杉…とここまで露骨だともうこれ確実に上杉にトップ持っていかれて幸村失脚、甲斐追い込まれる展開の前フリじゃん…。

幸村が上杉を信頼していて横領発覚後も切れずにいた事が判明した一方で甲斐は最初から上杉が嫌いで追い出す気満々で強引に不倫を暴いてまで辞めさせた、そして不倫を知ったからなのか幸村も態度を急変させて尾形万智子を信頼できないと一方的にクビにした…という事で思った以上に甲斐が押し切っていたんだなと。幸村の上杉への嫌悪っぷりは不倫発覚がトリガーになっていたのか?というくらい横領発覚時点までは判断下せないままで上杉への感謝の方が勝っていたのは意外だった。

9話

冒頭で玉井があっさり復帰。甲斐が「君が必要だ」とまで正直に告げたのが決定打となったが、わざわざ新秘書まで用意したのにあっさり切り捨てとなり、幸村も正直それどころじゃないのもあったのか自分でクビにしておいて甲斐が玉井を復帰させるのを容認。

キャスター浜崎(中村芝翫)が今シーズン好調の野球選手等々力(佳久創)の薬物使用疑惑を報じて訴えられ、浜崎側の弁護を担当する事になった甲斐・鈴木。浜崎は情報源は明かせないとしながら絶対に俺は正しいと横暴なまでに主張。しかし証拠も何もなくドーピング検査の結果も陰性だったので不利。しょうがないので資料映像からいるはずのない国外で活躍する選手の姿を確認した鈴木が彼が検査の替え玉だと推理。調べたところ等々力が彼を見出した恩人だったが良心の呵責に耐えかねて浜崎に情報を出したらしい。この件から等々力に薬物使用を認めさせた上、情報源を守ろうとしていた浜崎にもこれ以上追及させない事を条件に解決。

と、普通の案件の裏で幸村・上杉の決戦投票が迫る。そもそも既にファーム内での勢力は均衡していて前回の鈴木・幸村の横領疑惑噂流しで3票は流れたぞ…とグフフフしていたのに、今週は冒頭から3票は流れたが1人上杉に持っていかれた、そうなると…現状7:7じゃね?となり、焦り始める幸村と甲斐。噂流してなきゃ大敗確定だったのかよ、そりゃ上杉も投票提案してくるよ、人望失いすぎだろ幸村…。上杉も君はNo.2止まりだと挑発してきてもう本性隠さないし、最後の1票としてシニアパートナーへの昇格を条件にして蟹江を買収してきたので蟹江が最後のキーとなり蟹江争奪戦が始まった。

甲斐は渋々蟹江を褒めたり、上杉が横領の際に蟹江に罪をなすりつけようとしていた事を教えるが、蟹江は反発。それでも自身のオフィスを譲ってもいいとまで宣言する甲斐。そして幸村も自ら説得に向かうが、むしろ蟹江を冷遇し続けたのは幸村でありそれが全て返ってきている自業自得なのが現状。蟹江も幸村への恨みが強いので強気に出るが、幸村も開き直り、このままトップに居座れたらお前の居場所は無いと脅しをかける始末。

蟹江は上杉の元に横領の件を問いただしに行くが、上杉も上杉で開き直って押し付けやすかったら押し付けたとか正直な発言を連発。しかし同時に自分を過小評価するな、シニアパートナー昇格は最適だと思ったからだと実力を評価するコメントも添えてきたので蟹江は蟹江で板挟みで苦悩。そして運命の投票で最後の1票は上杉に入り、上杉がトップとなり、幸村失脚。蟹江裏切りやがったな…と信じられない目線を送る甲斐。

一方で突如近くに来たからと職場に立ち寄ってきた鈴木の祖母(田島令子)。鈴木は祖母と住む新居を探していて真琴の協力で物件も決めて驚かせようと準備をしていた。しかし施設の人に聞いたのと実際に薬を飲んでいるのを見ていた鈴木は祖母の心臓の状態が良くないらしいことも聞いて少し気にしていた…と突如フラグが立ったと思ったら、結局本人登場は職場に寄った時の姿が最後となり、ラストでは急死したと連絡が入るという急展開。新居で待ち合わせしていたので連絡が取れなくなっていた鈴木の元に事務所に連絡があったと真琴が直接やってきて知らせ、鈴木は泣き崩れるのだった。

色々と急展開。玉井復帰があっさりしすぎててクビは何だったのか?というのもあったが、まさか幸村失脚と祖母急死まで同時とは…。祖母は経歴詐称は知らないので最大の正体バレ懸念材料(鈴木は「大輔」に成りすましているが本名は「大貴」)だったのに結局終始「この子」「あの子」「孫」と呼ぶのを最期まで一貫していた。

そして幸村の人脈の無さよ…。蟹江には人格的な問題があったとはいえ蟹江を誰より冷遇し続けたのは事実で上杉が言うように確かにトップの器ではなく、No.2止まりだったのかもしれない。そもそも前回の回想では上杉追放の実行犯は甲斐の単独で、幸村は上杉に信頼を寄せ続けていたのに何故現在はこんなに嫌った態度に変わっていたのか、少しは協力しろや…というのもあった。一匹狼でファーム内で横の繋がりが無い甲斐とばかり密談していたのも印象が良くなかったと思われるし、最後はこれまでの積み重ねが祟っての自業自得な転落劇だった。とはいえ横領犯の上杉もいつの間にそんなに懐柔していたのか。

10話

投票で上杉がトップに返り咲き、幸村は失脚。そして甲斐も上杉が蟹江を使って容赦なく嫌がらせを仕掛けてきてオフィスを下の階に移され、雑務ばかりを押し付けられてしまう。7人は幸村に投票してるんだから7人引き連れてとっとと独立すべきだと言う甲斐に幸村は敗北してすぐに人生を決める即断をすべきではないと追い風待ちの判断を下すが、甲斐のストレスは溜まっていく。

祖母の死にショックを受ける鈴木だったが真琴以外には知らせず、無理に出勤していたが反抗的な態度を取ったため甲斐に帰れと言われて以降そのまま欠勤。葬儀は真琴の付き添いに加えて元カノの怜(吉谷彩子)が現代では初登場(8話の回想で出ていた)。2人の支えで葬儀の挨拶を立派に終えた鈴木だったが…何故にそんな超オープンスペースな丘の上で葬儀を…?元がアメリカのドラマなので雰囲気を合わせたのか(以前の甲斐の父の墓もド田舎まで向かったのに思いっきり洋風だったし)、祖母の葬儀なので参列者はエキストラの老人を大量に起用せねばならないが新コロ対策のために熱中症の危険と図りにかけて野外オープンスペースにしたのだろうか。

またその後の会話で怜が元カノというか中学時代の同級生で付き合っていたのもその頃だった事も判明。なので中学時代までは祖母とも交流があったものと思われるがそれでも8話の回想で再出演した遊星(磯村勇斗)と砂里(今田美桜)の兄妹、特に砂里はシーズン1では祖母との交流もあって鈴木の関係者では1番最近まで会っていたはずなのに何故遊星と砂里が葬儀には来ないのか。鈴木がショックで知らせていないにしてもそれは怜も条件は同じはずだし…。

なお怜は鈴木を名前フルで呼ばずに「ダイ」と呼んでいたので本名バレせずにセーフ。シーズン1では公式の表記も『鈴木大貴<大輔>』となっていたが、今作では大貴表記がプロフィールからも削除されて完全に「大輔」だけになっているので忘れがちだが、鈴木の過去を知る者にとって鈴木は「鈴木大貴」であり、うっかり職場の同僚の前で「大貴」と呼ばれればあれ?なんか名前違くね?となってヤバいのである…(まあみんな「鈴木先生」で呼んでるのでフルネームちゃんと把握してないかもしれないが)。

というわけで怜が思わせぶりなのと弱っていた鈴木は怜にキスをするが直後に結婚してたと言い出す怜。怜を追い出した鈴木だったが…なんと次のシーンでは急にボストンのビル群が映し出されたと思ったら鈴木はシーズン1~2の間に在住していたボストンの前の家(?)に戻っていて、そこに「ボストンにまで帰れとは言ってない」と甲斐が訪ねてくる超展開に。以前のマカオ詐欺と同じ外観だけ映して建物の中でやり取りした後に次のシーンでは即帰国しているという空港さえ出さない新コロ対応型海外演出。

ここでは腹を割って楽しそうに交流する2人が描かれ(鈴木が違法ドラッグに手を出していて甲斐が咎めるという危ないカットもあったが…)、いつになくテンションが高い甲斐の姿も垣間見れるなど貴重なシーンに。以前蟹江の酒を酢に入れ替えたという悪戯話からもう1度酢を仕込んでやろうぜ!と盛り上がると次のシーンでは即時帰国してオフィスにいる…という展開となったが、蟹江が何か仕掛けようとしているのを目撃。

悪戯どころではなくなり、上杉が蟹江を使って何かを仕込もうとしていた?と推理する真剣モードになった2人はあれよあれよと4~7話まで引っ張り、玉井が1度クビになる原因にもなった例の書類は上杉の偽造だったのでは?という推理に到達。調べると状況証拠がどんどん出てきて、冨樫を訪ねていくと例の書類は偽造だと発覚したから裁判を辞めたとだけ教えてくれた。上杉の事を邪魔だと思っているという点では甲斐と冨樫は同意見だった事からも、甲斐への恨みが強いので上杉の出してきたニセ書類を信じて甲斐を追い詰めようとしたが急に上杉がニセ書類だと言い出したので辞めざるを得なくなり振り回されて憤っていたという事だろう。

鈴木の持っていた違法ドラッグを甲斐が回収して懐に入れていたのを蟹江が嗅ぎ付け、上杉に報告。違法薬物疑惑で検査拒否した甲斐を会議を招集して追い込もうとしてくる上杉。まだ証拠が揃っていなかったがこれを好機ととらえた甲斐はわざと検査拒否して会議を開かせてその場で上杉にニセ書類だった推理を突き付けて逆に追い込みをかける。鈴木が相手の社長にサインさせようとしたのは失敗したが鈴木は社長が上杉と結託していたのを認めたと嘘をついてよく見ると自分の名前がサインされた書類を持って乱入。取り乱していた上杉はそれに気づかずにみんなの前では見せていなかったような凄みのある態度で言い逃れしようとし続けるが、甲斐のクビに手を挙げるものは誰もおらず、逆に幸村が上杉の解雇に賛成の者に拒否させたら全員挙手。蟹江も手を挙げざるを得なくなり、上杉の天下はわずか1話で終了

上杉は「これですべてが終わったわけじゃない」と捨て台詞を残して去っていった。

鈴木は勢い余って真琴にもキスをしていたが、怜を呼び出したら怜が普通にきてなんかそのままベッドインと不倫決め込む超展開となり、この不倫中にキスされてその気になった真琴が押しかけてきたので修羅場という三流メロドラマみたいになって次回へ続く。

祖母の死で天涯孤独、しかも表の身分は偽装という事で鈴木の孤独が強調されていたので誰かを求めたくなるというのは分からなくはないが、シーズン1の時は好き好きアプローチしまくってくる砂里の事は妹にしか見れないと1度もその気を起こさず、真琴とも爽やかな恋模様しか出てこなかっただけに急に肉食チャランポラン化したのは否めず違和感が…。まあ今回初回から付き合う事になってすぐに別れて…となってからは恋愛要素無かったので最後に向けてこれで盛り上げるのかな…。

上杉がまさかたった1話で失脚するとは…。しかも散々引っ張って玉井のクビの原因にもなった書類が上杉の偽造でしたって酷すぎる…。あんだけ時間かけてみんな精神削っての模擬裁判までして苦労してたのにファーム全員+冨樫まで全員上杉の被害者じゃないか。こうなると玉井は完全に冤罪で復帰出来ていた事になるけど、何も解決してないうちからあっさり復帰したのは改めて不自然になってしまった。

残念だったのは蟹江で一応甲斐を本気で追い出そうとする上杉に対して嫌がらせだけで満足していた節はあって追い出すのまではそこまでするんですか?と反対していた感はあったものの、完全に上杉に乗っかってしまったので、今後の身の振り方を考えなければならなくなりラストは鈍重な表情。幸村には上杉に入れるなら居場所はなくなると思えとまで言われたのに上杉に投票しちゃったんだからそら今後が怖いわな。

それにしてもけっこう雑な証拠不十分な中での追い込みだったのに上杉に投票した8人全員があっさり追放賛成というのもみなさん空気を察するのに長けていらっしゃる…。

11話

交通事故死の案件で両親が交通事故で死んでいる鈴木が暴走しがちになる展開に。最終的に被害者の両親も不良息子であまり良く思ってなかったので本人が抱えていた借金+葬儀費用の200万円しか要求しないところ、鈴木が誠意を見せて上限1000万でサインさせるなどいい感じに終わりそうだったが、依頼人がドラッグをやっていたと示談直前で告白。こんなの間違っていると鈴木が暴走し始め…。

担当検事は前作最終回で新人として登場していた藤嶋春香(上白石萌音)が再登場。当初は甲斐を倒せると張り切っていたが、途中から弁護士へ転職を考えていると言い出し、この件をきっかけに甲斐に自らを売り込んでくるなど協力的に。甲斐は採用を保留していたが、鈴木の暴走を知って予定より早く示談を成立させ、藤嶋の採用を決定。これにてレギュラーキャラが1人増えた。鈴木は納得いかない様子ではあったが、依頼人を売ろうとしているのはどうかと藤嶋にも正論を言われてしまう。

まあ険しい顔した人たちばかりで明るいのが玉井しかいないのでもう1人華やかな人が増えるのは歓迎すべき事態ではあるが唐突だな…。

一方不倫問題は特に怜の背景が描かれる事も無く(夫について一言も無し)、通い妻状態となりかけていたが鈴木が別れようと言い出してあっさり終焉。置き土産にわざわざ真琴に会って鈴木と向き合えとおせっかいなアドバイスまでして出番終了。結局この人何だったんだよ…

また鈴木の言い訳を静止するように真琴まで「不倫経験くらい私もある」などと謎のカミングアウト。結局真琴は何か隠しているから付き合えないのではないかと改めて鈴木に詰め寄るが、鈴木は人生がかかっているからこれは言えないと告げ、真琴は去っていってしまう。

さらに蟹江が雇おうとしていた秘書がハーバード出身だったため、鈴木の顔バレを恐れた甲斐と幸村は採用取り消しを命令。理由を上杉が抜けた噂が広がってファーム全体に余裕が無いからとしたのに同時期に甲斐が藤嶋を採用したため蟹江も自暴自棄に…。まあ上杉にすり寄った自業自得ではあるが…。

ちょいちょい出てきていた本家アメリカ版の設定をそのまま採用して何だかおかしなことに…というのがますます加速してきたような…。不倫がやたら重罪になっている今の日本でこの軽~い扱いをそのままにしてしまうのも凄かったが、ドラッグの件で鈴木が怒りだすのも、前回ボストンに帰った際にドラッグを入手していた鈴木が言えた義理じゃないし、初回では真琴に経歴の事も言うつもりだったのにここまで来て人生がかかっているから言えないとかそこだけ冷静なのも色々大雑把だった。

分かりにくいので今回は冒頭に経歴詐称のところもダイジェストで描かれていたが、経歴詐称問題は

甲斐→ダイス・スズキ(本名:鈴木大輔)になれと指示した張本人。全部知ってる
玉井→鈴木に最初に会ったのは玉井だが甲斐と情報共有しているらしく玉井も甲斐と同程度知っている模様
幸村→途中までごまかせていたが、Season 1終盤で遊星が直接過去の鈴木の事件の新聞記事見せたのでバレた。
真琴→替え玉受験をやっていた事だけバレてる

という状況。ハーバードの卒業名簿のデータベースの顔写真はダイス・スズキのものからSeason1の6話に出てきたハッカーの子がお礼として鈴木の顔写真にハッキングで差し替えてくれたので、データベース上の詐称は完璧。経歴も鈴木の完全記憶で現地まで直接行って把握しているが、ダイス・スズキ本人の顔を知っている知り合いが出てくるとアウト。その点で今回出てきた秘書候補を切ったのは正解だった。

12話

クライアント離れが深刻化。甲斐が担当していたネット配信会社の五十嵐(粗品)も他に乗り換えようとしていた。さらにアソシエイトも続々と引き抜きにあっていて鈴木の元にも元同僚の松井(間宮祥太朗)が引き抜き話を持ってくる。…ってまるでシーズン1にレギュラーで出てたみたいな顔して出てきたけど初登場でしょこの人。他の面々と違って鈴木の弁護士人生はドラマと同じでシーズン1と2の間はボストンにいた事になってるんだから全く出てない人を弁護士の元同僚で出すのは…。

遅刻してきた鈴木に苛立ち、蟹江にも心底ガッカリしたと突き放す発言をするほど甲斐も荒れていたが、引き抜き話をしているブラットン法律事務所は副島(清水ミチコ)の事務所であり、5,6話で甲斐の弁護士としてこの人を連れてきたのは上杉。という事で上杉本人は一切登場せずに副島が再登場しただけながら上杉の復讐劇だった事が判明。

最終的には鈴木と去り際の蟹江が手伝って契約の罠を探し出した事で甲斐は五十嵐だけでなく、ブラットン法律事務所のクライアントまでまとめて奪い去る事に成功。勝ち誇る甲斐に副島はうちの事務所とは言うけど甲斐の名前が入った事務所じゃないと強烈なカウンターを放ち、甲斐は幸村に事務所の上杉の名前をいい加減外して自分の名前を入れろと進言。幸村は上杉に代表を譲り渡した際にすぐに出ていこうとしたり、上杉ショックからリハビリさせようとしていた蟹江を突き放したりと甲斐には感情ですぐ動くところがあるので今は代表には向いていないと告げる。

去ろうとしていた蟹江を甲斐が無言で引き留めて嬉しそうな蟹江で終了。とはいえ蟹江も確かに決定的な裏切りをした上に、この期に及んで副島に接触してシニアパートナーで転職させてくれとのたまって断られる…とか保身続きだからどうもなぁ…。ていうか副島に売り込む場面とか完全にいらなかったでしょあれ…。

鈴木の不倫問題は怜はもう出てこなかったが唐突に夫が初登場。「鈴木大だな!」と大声で本名呼びで待ち伏せしていたかと思うと暴行してきてボロボロにされてしまった。不倫バレてたんかい。というかもう終わった後にバレるってなんだ…。鈴木の帰還が遅れてビルに誰もいなかったから良かったもののあんな大声で久々に本名呼ばれるとはなかなかヤバかったな…。ていうか今期初めて本名で呼ばれたんじゃないか。死んだ祖母はあの子この子呼びだし、怜はダイ呼びだったし。

次週予告で流れたのはほとんど前回流れた予告と同じ。つまり先週の予告はほとんどが来週以降の予告だったわけで、獄中の蟹江(?)はともかく先週採用した藤嶋春香(上白石萌音)がやってくるのまでもが来週だったらしい。まさか出てこないとは…。

13話

藤嶋(上白石萌音)が就任。もしかして潰れかけてます?といきなり突っ込むほど事務所は辞めまくっているらしく、前回はアソシエイト数名が引き抜きにあっているとかその程度の話だったはずがここ数週間の間に8人のパートナー、6人のアソシエイト、11人のパラリーガルが辞めたと具体的な数字が出てきて思ったよりも大量離職していた事が判明。以前出てきた代表を変える会議での投票権を持つシニアパートナーが引き抜かれているかは不明だが、上杉にしてみれば自身の追放に全員残らず賛成した裏切り者どもになるだろうからシニアの引き抜きはしていないのかな…。

12話で大口案件の契約継続&さらにもう1件追加したのも焼け石に水なのか、顧客離れの深刻化もまるで変わってない様子で、逆転の機を探る幸村は財界の大物である蓮見(伊東四朗)が会長のフォルサム食品の女性社員の昇進差別訴訟を引き継ぐと甲斐に告げる。フォルサムは相手弁護士を真琴の父である敬一郎(竹中直人)に変更。1期7話以来の再登場となり、同じ相手には2度負けないと宣言する敬一郎は容赦なく先手を打ってくる。

真琴も直接この案件に関わり父を倒したいと熱望するが訴訟を起こした井口(安達祐実)は1人でも戦う覚悟を見せるも全く協力者が現れずに追い詰められていく。一時はあきらめかけるも甲斐、鈴木、真琴に加えて藤嶋が持ってきた資料も少し役に立って協力してもらうのではなく、昇進が見送られた際の評価表を決して名前を出さないように回収することに成功。どいつもこいつも会社にバレないか恐れていたがその割には鈴木も真琴も会社の近くで通勤中の社員に思いっきり声をかけまくったり、協力者を募集するビラ配りをしたり、しまいには票の回収も全く隠れずに職場周辺で行っていたのでこんだけ動き回ってたらもうこれバレバレなんじゃないか…。

結局評価票は女性社員126名分と対象者全員分が集まり、神経質」「気が弱い」「攻撃的」など限られた単語の組み合わせで減点対象にしていた事、昇進試験の点数に女性だけ小数点以下で採点されていて逆算すると0.7をかけていた事が判明。不当評価の手口がかなり手抜きで機械的だったことが仇となり、敬一郎に迫る鈴木・甲斐。さらに真琴が井口を始め126名全員をその場に連れてきてこれだけ証拠がそろったのでみんな立ち上がってくれたと迫るとさすがに敗色濃厚に。

幸村が大々的に会見を開いて世論を味方にするという作戦に乗ろうとする中、敬一郎は真琴との親子関係は修復されたものの、それとこれとは別でこの裁判は徹底的に戦う意向であることを伝え、自身は手を引くが上杉が引き継いだと告げ、ついに追放以来姿を見せていなかった上杉の再登場が示唆されて最終対決が始まった。

藤嶋はいきなり個室を与えらる特別待遇で一応立場上は甲斐が雇ったアソシエイトのはずが蟹江といがみ合うなどほとんど2人でコントのような嫌がらせの応酬合戦をしているばかり。ついには甲斐の許可を取ったとはいえ、蟹江の爪切りセットをスーツのあちこちに仕込んで、凶器所持で蟹江を逮捕させて檻にぶち込むという暴挙に出た。予告で2週も前から出ていた獄中の蟹江というのはこんなくだらないケンカの延長だったというオチがついたが、これいくらなんでもポッと出の藤嶋がやりすぎていて凄いストーリー…。さすがにこんなの日本独自で考えたとも思えないのでアメリカ版のノリでそのままやってダダ滑りしたって事なんだろうけど、このアメリカの大雑把なノリを大してアレンジせずにやって奇妙な感じになるの今期は目立つなぁ。

14話

幸村が大々的に会見を開くもフォルサムの新たな弁護士として再登場した上杉は不倫相手だった尾形万智子(松本若菜)を金で釣って協力させ、当時の不当解雇で訴え、女性差別でフォルサムを訴えている事務所のトップが女性差別をしていただの女帝だの週刊誌ネタも流しまくってやりたい放題。上杉が去り際に秘密保持契約を結んでいたため、上杉の横領と不倫を直接使って戦えず、ファームはそちらの準備にまで追われる事態に。

丸々1話かけて団結した一行の調査能力で不倫関係が浮かび上がってきたという形で秘密をバラさずに不倫を暴き、そこは認めさせるもこんなのは時間稼ぎのお遊びだ、本編の訴訟で勝ち目はないと高笑いする上杉。甲斐はおかげで団結できたと言い放ち、さらに鈴木がたびたび尾形万智子に接触し、良心に訴えるように働きかけていたのが最後の最後で効いて尾形万智子自ら訴えを取り下げる事にはなったが、フォルサムの件は全く進まずに最終回へ続く…。

真琴が今回も東大ロースクールに不合格に。蟹江はかつて秘書採用の際に鈴木の秘密がバレるのを恐れた幸村によって強制採用取り消しにした際にそのメンツを紹介したのがロースクール採用担当である麻子(MEGUMI)だったため個人的感情で落としたと決めつけて麻子を問い詰めるがそんなわけないだろうと一蹴されてしまう。しかし真琴にはこのせいで落とされたと告げる蟹江。これはそれでも麻子のせいだと思っているのか気を遣ったのか…。今回は一時期尾形万智子が蟹江にセクハラされていたことにしようとするなどまたも利用されそうになるも、それを知らされるやいなや情報を集めて上杉が尾形万智子を金で釣っていた証拠を突き止めて怒りを露わにするなど久々に堂々と活躍する蟹江も出てきた。

鈴木や甲斐もそれぞれ頑張っている中で、株下げまくりなのが幸村。尾形万智子の件は和解にすべきだという甲斐の意見を聞かずに自分と上杉の戦いだから完全に潰すと言い張り、策は全部丸投げ。既にファームの一部フロアは売り渡さなきゃいけないほど資金繰りが厳しい事を黙っていたりと醜態ではないんだけど基本な~んもしないで策も練らないで部下任せという悪いところが全部出たような無能っぷりが浮き彫りに…。これ最終回も最後に勝ち誇るだけでなんもしないまま終わる気じゃないよな…。

15話

フォルサムへの女性差別訴訟は劣勢を極めており、上杉との最終対決も含めて最後の攻防が繰り広げられる…と思われたが…?

幸村は勝ち目なしと悟ると世界三大ファームの1つとされる『ダービー総合法律事務所』と話をつけて合併を視野に入れた協力の話を取り付ける。やってきた担当者は甲斐の後輩で元恋人の綿貫(観月ありさ)。甲斐は異様に合併に拒絶反応を示し、綿貫によれば『ダービー・幸村・甲斐・綿貫法律事務所』という名称にするという代表待遇での合併だという話にも耳を貸さない。

最終回だというのに最早フォルサムそっちのけ合併嫌だと甲斐が頑なに拒絶し続ける謎展開となり、幸村とまで対立。フォルサムとの戦いに勝つにはダービーの組織力が必要だという算段で、幸村は5日後にダービーが来日するからそれまでが期限だと言いそれまでに解決するなら考え直すと相変わらずの丸投げの他力本願無茶ぶり。しかも何の策も練られないままに来日が早まり、ついには甲斐は自身の不正疑惑をでっちあげて綿貫に告発するフリして渡せ、調査の間に時間稼ぎになる、と鈴木に託す。幸村もそれを読んでいて鈴木を待ち伏せ、経歴詐称の点で鈴木に脅迫めいて迫り、鈴木も板挟みになり、それでも渡せという甲斐の命令を最終的に聞けずに帰還。

合併話は無事に進んでしまい、合併するなら辞める!とまで言い切っていた甲斐は宣言通りに辞職(幸村に鈴木と最近雇った藤嶋はちゃんと残すように約束)。

このドサクサで鈴木がショックを受けている中で先週蟹江が真琴にロースクール落ちたのは自分のせいというのはやっぱり嘘だったのをようやく伝えていて(直接伝えるシーンはカット)、知ってて黙っていた鈴木が真琴にキレられ、鈴木はついに自身が資格を持っていない事を告白。詳細は話すと長くなるのでカットされていたが真琴は話してほしかっただけなので即受け入れてくれたらしく、抱き合いながら「すべて話す」と言っていたので鈴木は自身の経歴は全て真琴に伝え、真琴も受け入れた模様(秘密の詳細を知る者は甲斐・玉井・幸村に続いてファーム内に4人目)。ていうかアメリカ版に合わせて“経歴詐称”としか言ってないけど、実際は別人(鈴木大輔)に成りすましてるという日本版はもっと悪質で厄介な設定なんだけど…真琴もホイホイ受け入れすぎじゃないか…。なんだかんだ2期に及ぶ積み重ねでが効いたのか。

甲斐が去った後、ようやくフォルサム案件が進行。ダービー陣営が全く出てこない中、ついには鈴木・蟹江・藤嶋の3人だけで特に鈴木が甲斐の過去の強引なやり方をトレースして、警備員を脅してフォルサム社長(伊東四朗)のオフィスに侵入(藤嶋は正気なのかと呆れながら同行)、掴んだメールデータを証拠として読んで聞かせ、社長が認める発言をしたのを蟹江が録音(上杉にもらった録音機)。メールデータは実は白紙でカマをかけていただけだという事にして自白させるという甲斐のやり方で(過去の甲斐の回想シーン付)追い込んだ後に、甲斐が綿貫と登場。さらにトドメを刺しにかかってきて完全勝利。綿貫は合併の際に帳簿を見せ合いし、その中で上杉の過去の横領の事実を掴んでいて、上杉もまた秘密保持契約を破ったな!と言ってしまったので認めた形になってしまい自爆。散々引っ張ったフォルサム案件は自爆誘爆の2連発で幕を閉じた。

綿貫が甲斐の意向を尊重したのかどうかは分からないが、上杉の過去の横領の形跡がネックとなり、合併話は流れてしまった。結果的に綿貫は残念そうではあったが甲斐が満足気なのでそれで良しという感じで爽やかにお別れ。

無能幸村は辞めるのも作戦だったのかと完全にしてやられたにも関わらず、過去の上杉の横領で合併が破産になるとは思わなかったと相変わらず偉そうに強がり、辞めるという甲斐を以前ずっと守ると言ったのだからそっちの約束を守れと残留させつつ代表にはさせず。最後は主要キャスト勢のみ(甲斐・鈴木・幸村・玉井・真琴・藤嶋)で上杉の文字を破壊して「幸村法律事務所」になっておしまい。

ていうか結局ダービーの手あんまり借りてなくない?全面協力してたらどう戦ってたんだ?

全部終わっての感想

大失速したなぁ…というのが正直なところ。視聴率も一桁行進(前作より概ね2%下げ)、最終回が延長にもならず、蟹江が真琴に謝罪するシーン、鈴木が真琴と向き合うシーンなど省略、短縮されたと思われる箇所もチラホラ…。

序盤は前作同様にスタイリッシュに始まって色々な予感を感じさせたが、コロって色々と規模縮小を余儀なくされたのか、中盤からは予告詐欺のような状態が続き、予告だけド派手に煽るも本編はシオシオという展開が続き、終盤は一気にグッダグダに…。ダービー本人(外人役者)が出てこないとか、マカオ詐欺ボストン詐欺辺りは明らかにコロナのせいだったと思われるが…。

初期の含みのある全く悪さを見せない上杉が突如テンプレ悪役化してしまい最後は小物化してしまうのは別人のようだったが、それ以上に終盤にかけての幸村の異様な無能&他力本願っぷりは悪目立ちしまくりだった。元々偉そうにしているだけでのトップではあったんだけど、今回は事務所自体が危機に陥ったため、決断力の無さと最早人任せではなく自分が前に出ていかなければならない重要局面でも全く動かずに偉そうに「クライアントが去ったわ」「職員が去ったわ」とか言ってるだけで、策も考えずに全て甲斐任せ、甲斐でも無理そうだと悟るととっとと海外に助けを求めるという終始他力本願。もう少し自身が奔走するような場面があっても良かったのに一切無い始末。上杉が幸村を器じゃないと挑発していたが、この点において上杉は正しかったのかもしれない。

それこそ甲斐がいなきゃ上杉の横領にも気づかなかったっぽいし、甲斐が横領を暴いた際の回想の幸村は最後まで上杉信じてたし。ていうか回想で描かれたのは甲斐が1人で強引に上杉に追い込みをかけて辞めさせただけで、幸村は信じられない!とか言ってるシーンしかない始末。2人で追い出した事になってたけどその時も幸村なんもしてないんじゃん…っていう。とにかく何もしない偉そうにしているだけの幸村が後半浮き彫りになってしまったのはかなりきつかった…。

そんな幸村に見ている方もさじを投げたくなる状態なのに最終回になって甲斐が合併に異様に反対したり、この事務所にこだわり続ける理由もイマイチよく見えてこない。アメリカ版がそうなんだからそうなんだ、という事なのかもしれないけどそれは日本版への変換がうまくいってなかったっていう事なのでは。

引っ張った鈴木と真琴の問題もあっさり片づけたところからして『3』はなし、これで完結という事になると思うけど、タイミングも悪かったかなぁ…。持ち直すなら続編も見たいし、藤嶋加入後は一気に明るい場面も増えたので、藤嶋がいて、真琴が鈴木を受け入れていて事務所内の人間関係がスムーズに、毎回の訴訟案件が中心で進む続編なら面白くなりそうではあるんだよな。でもこれ以上グダるならこれで終わっておいた方がいいかもしれない。織田裕二の次の役もそろそろ見たいし。

コメント

タイトルとURLをコピーしました