レンタルなんもしない人 全12話

テレビ東京水曜深夜ドラマホリック!枠。

Twitterで2018年に「ごく簡単な受け答え以外は何もしないでただいるだけ」という条件で自分自身をレンタルするサービスを開始し、2019年にメディアで取り上げられ、本人により過去の依頼内容をまとめた書籍化もされ、クレジット上はその書籍「レンタルなんもしない人のなんもしなかった話」を原作、もう1冊の書籍「〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。」を原作協力としている。

厚めの服装から寒い時期から撮影が進んでいた事が伺え、順調に放送回数を重ねていたが8話終了時に9話以降が放送延期となる事が判明し、撮影完了前に収録中止になり力尽きていた事が判明した。

翌週以降は前々クールの『死役所』をフルで再放送して8月頭まで繋ぎ、8月に新撮影映像を少し加えたという(未見)1,3,7,8話を再放送、9月より放送を再開して、9月いっぱいで最終回を迎え、秋クールから同枠は通常営業に戻った。

主題歌はNEWS「ビューティフル」で放送開始時は手越も在籍していたため4人バージョンで普通に放送されていたが、放送休止中に手越が脱退となったため、再開後9話以降は3人での再録音バージョンに差し替えられていたと思われる。元々発売予定は発表されていなかったが、脱退や新コロが無ければ期間中に発売予定があったのかは不明。

1話

レンタルさん(増田貴久)がレンタルなんもしない人を始めて数ヶ月程度のところから話がスタート。森山将太という名前もあるが、基本的に「レンタルなんもしない人」のアカウントでTwitterで活動しているため依頼者にも「レンタルさん」と呼ばれていて名前は出てこない。

雑誌編集のアシスタントとして上京して夢を叶えるために頑張ってきたものの契約切れになり失意のまま都落ち(帰郷)する事にした志田未来が東京最後の日の思い出として東京タワーについてきてほしいという依頼。友人だと名残惜しくなるというのがレンタルさんを利用した理由だったが、レンタルさん本当に「ごく簡単な受け答え以外は何もしないでただいるだけ」なので、東京での出来事をほとんどありたっけ回想シーンまでつけて語り続ける志田未来に対してほとんど無回答。

なかなか斬新な展開だったが下手に励ましたりアドバイスしたりするよりも逆に一方的に話し続ける事で志田未来としても気持ちの整理がついたり、忙しない日々を過ごしてきた中でなんもしないレンタルさんのあまりののんびりっぷりにどこか癒される効果があったようで満足して帰郷していった。

そして志田未来がいた会社のバリバリの営業マン神林(葉山奨之)がレンタルさんのTwitterを見つけてなんだこいつ?と反感を抱くという今後の伏線、なんもしない夫を優しく見守るレンタルさんの妻(比嘉愛未)と赤ちゃんも登場。

この時点では依頼もあまりない様子だったが、志田未来と別れた後レンタル報告をTwitterで済ませていたレンタルさんだったが最後にいた河川敷にずっといたので帰郷していく志田未来が電車内からその姿を見つけて撮影してレンタルさんに送り付け、そのエピソードを再度レンタルさんが投稿したところ、この模様がRT/いいねされまくるフィーバー状態となり、レンタルさんに依頼が殺到するようになった。東京で何も爪痕を残せなかったと言っていた志田未来も最後に残せた!とほほ笑む、という形で次回へ続く。

主人公がのほほんと佇んでいるだけ…ながら意外と面白かった。基本的にゲストが喋り倒してゲストの抱えている思いが少しでも晴れるという展開になるんだろうけど、これは意外と増田貴久の佇まいが当たっているかも。主題歌NEWSだったけどNEWSの他の3人ではこうはいかなかったと思うし、いい人選っぽい。

2話

仕事でミスをして会社に行くのが怖くなった岡山天音がレンタルさんに一緒についてきてほしい(会社の前まで)という依頼。事情を聞きながら会社の周囲をグルグル回り、同時に3年で会社を辞めたレンタルさんの当時の暗黒な様子も描かれた。無表情で主張しないところなど今とそんなに変わっていないといえば変わってないが目の死に具合がやはり違うのか。重なる部分もあるだけに簡単な受け答えの範囲を少し越えて会社を辞めた事や行きたくないなら行かなければいいという話、言ってくれる人が辞められたと語るレンタルさん。

岡山天音は一考した後にそれは自分にはできない、そちらの方が勇気がいる、と結論。別にレンタルさんを否定するでもなく、レンタルさんは勇者だと称え、自分は自分の勇気を振り絞り、その後失敗した仕事をなんとかかんとか乗り切ろうとしている様子が描かれた。また帰宅後、レンタルさんを救ったのは妻だった事も判明。この妻もなかなか強く、どうやら貯金のみで現在生活しているようだがのほほんとしており、明日が来なければいいというほど病んでいたレンタルさんが会社を辞める事より続けることの方が当時不安だったという。レンタルさん恵まれてんなぁ…。

3話

21歳の誕生日の瞬間を祝ってほしいという女子大生(福原遥)の依頼。いつも一緒の三人組の友人関係があったが、グループLINEの返信1つ取っても気を遣わなければいけない、ビミョーに価値観が合わない(旅先で写真ばかりで終わって観光しない)、クリスマス3人で過ごすと言うのでバイトも正月返上で休んだのに彼氏だスノボ帰り渋滞だで当日ドタキャンかまされた…などSNSの発達で深く繋がっているようで難しい疲れるという現代の人間関係を福原遥が語り、当時から特に友人もあまりいないレンタルさんが聞くという構図。特に否定も肯定もしないゆっくりした空気感が今回も良かった。誰にも話せなかった悩みを聞いてもらって福原遥も少しスッキリしたみたいで誕生日ケーキをアップしたSNSには友人からお祝いメッセージも届いて満足そうにしてたし。

その後自宅の妻とのシーンでは実はレンタルさんにとっては21歳の女性というのが自殺した姉が21歳だったというのと重なっていて思い出すところがあったことも判明したがその関係で福原遥の出番が思ったより早く終わってしまったのが残念

4話

離婚届を出すのに同行してほしいという化粧品会社の女性(山口紗弥加)が依頼人。夫(笠原秀幸)は回想のみで登場し、仕事先で知り合って仲良くなって結婚したが、女性の方が仕事優先しまくっていたので徐々についていけなくなって疲弊した事で離婚を切り出されてしまったというのがレンタルさんとの会話の中で描かれた。吹っ切れた様子を見せつつも自分の仕事優先の生き方がまずかった事や、そもそもレンタルさんに同行を頼んでいる時点で…という表には出さない寂しさや後悔が滲み出ているようなそんな話だった。パッと見なんか普通に終わった話ではあったけど一瞬の佇まいや間とかに寂しさがあふれているというか。自分は今、何点だと思うかと問われてレンタルさんが生きているだけで十分だと答えるのはらしかったし、双方の価値観の差が出ていて良かった。願わくば離婚して幸あれという感じではあったけど、変われなそうなところも含めての後味かな今回は。

5話

恒例の冒頭依頼が早く終わってしまって帰宅したら妻(比嘉愛未)の両親が来ていてレンタルさんが無職になっている事を知らせていなかったため隠そうとするが結局レンタルさんがあっさりバラしてしまったので無収入で子供もいてどうするんだと問題になる、という話。というわけで今回はメインのレンタルゲストはなし。

ごく当然の反応を見せる両親。しかしのほほんとしたレンタルさんでは話にならないので、結局妻が会社を辞めればいいといったのは自分でその後のレンタル業についても丁寧に説明

イマイチ納得しきれない両親だが(無収入なのだから当たり前だが…)、花見の場所取りの依頼をキャンセルしたレンタルさんのキャンセルされた人たちが花見を譲り合いして依頼人同士がオフ会状態で花見で盛り上がる事態へと発展していてその様子を動画で見た妻とレンタルさんは大喜び。この様子を見た両親も何故かまだ良くは分からないがレンタル業にも意義があるという事は分かった、何より2人が幸せそうだからいいやあっさり納得してしまい帰還していく…という。さすがにちょっと無理がありすぎる展開だったんじゃないかこれは。ここからマネタイズする方向性へ向かったりするとか、徹底的な節約術でも駆使しているならまだしも貯金切り崩しだけの状態を納得して帰る両親って。わざわざ子供生まれたばかりで無収入という問題に切り込んできたのだからもう少しこのドラマなりの答えを見せてくれるのかと思ったら、幸せそうだからいっか!って。現実のレンタルさんは当初交通費と飲食費だけで無償で引き受けていたのをTVで取り上げられてから1件1万円に切り替えたそうなので最終的には収入になるんだろうけど。

あともう長い事、上司役のイメージが強かった小木茂光がもう定年したお父さん役という事で、90年代後半~00年代に上司役でドラマ・映画で馴染んできた平田満とかに続いて小木茂光ももうそんな年になったのかぁ…と思ったらまだ50代だった。早期リタイアした設定だったのか?

6話

9ヵ月の子供を連れてレストランについてきてほしいという主婦(徳永えり)の依頼。学生時代の仲間から夫からのプロポーズまで思い出の詰まったレストランだったが閉店するとの事で最後に何とか行きたいが、子連れで電車移動したり店に入るのが周囲への迷惑を考えすぎてしまって1人では心細いというものだった。外出は過去試みるもバス内で泣き出した子供の迷惑から途中で引き返した経験があり、今回もベビーカーから下ろして片づけて…とか遠慮しているうちにバスが満車になって1本逃したり、レストラン内で泣き出してしまい周囲の視線を気にして外に出たり…と特有の悩みが丁寧に描写された。

同じくらいの息子を持つレンタルさんも思うところがあったのかなんもしないというルールに従って当初は見ているだけだったが見ているだけでは気まずい事もあるとしてベビーカーを担ぐのを手伝ったり、子供をあやしに外に出ている間は食事を止めて待っていてあげたり、いつになく積極的に発言したりしたので徳永えりも癒され満足して去っていった。

全く気にしない図太いママさんとか確かに迷惑に感じる事もあるがたぶん大多数のこういう気にしすぎてしまうママさんはこの少子化&余裕のない時代に確かにしんどいだろうなぁ…と気にしすぎてしまうサイドの住人としては色々考えさせられる話だった。

レンタルさんと接点は無いが、1話の志田未来の会社のエース営業マンとして登場して以降、最近は彼女にフラれ、弟が医者の卵なので弟にばかり期待をかけていて自身の営業成績No.1など気にもかけてくれない父親に打ちのめされ…と回を追うごとに何かがおかしくて散々な神林(葉山奨之)だったが、今回はついに唯一の誇りであった仕事面でも営業以外の初歩的な発注ミスが発覚して上司に怒られるという散々っぷり。今のところ一方的にレンタルさんのアカウントを知っているだけの状態だが彼がピックアップされる回も近いのか。

7話

葬式の生前予約に付き添ってほしいという73歳(西岡徳馬)からの依頼。息子のフリをする事になるが嘘が苦手なので職員に聞かれて葬式に出ないと言い放ってしまったり相変わらずなレンタルさん。結局予約はせずに公園のブランコで身の上話となったが、今まではカウントアップだったのに平均寿命から言えばもう10年切ってるので人生がカウントダウンだとか、仕事一筋で単身赴任で頑張っている間に妻と娘の心が離れてしまい、定年後に熟年離婚する事になっただとか、娘と孫が1度も会いに来なくてぼっちだとか、寂しい話ばかりで哀愁が…。

自伝を書いているという自慢話もレンタルさんが他人の自伝など興味ないとバッサリ切り捨ててしまうなどあんまりな対応だったが逆に目が覚めたのか、いつになるか分からないがレンタルさんに葬儀に出てほしいという依頼を了承されると満足して帰っていき、後日レンタルなんか成す人としての活動を開始したと自伝を封印して活力を取り戻した西岡徳馬で締め。

営業成績トップの座からも転落してやさぐれまっしぐらな神林はレンタルさんへクソリプ説教をぶちかますも軽くあしらわれてしまい苛立ちを募らせるが、レンタルアンチの連中と思われし人々から次々とフォローされたことでニンマリ。そうかこうしてアンチ集団というのは拡大していくのか…よくできている…。

また5話では呑気なものだったが、案の定レンタルさんの貯蓄はたかが知れていたようで、妻(比嘉愛未)が通帳を見て早くも残り10数万円で表情が曇っている様子も…。ここから有料制に向かっていってエンディングが規定パターンかなぁ。

8話

婚活に失敗し続ける結婚したい男性(松尾諭)がマッチングアプリで知り合った女性に告白するも2週間返事が無く、デートの検証をしたいから再現に付き合ってくれという依頼。この結婚できない男性、やや太めの体型で真面目すぎる部分はあるものの決定的にズレているわけでも社交性に著しく欠けるわけでもなく基本普通にいい奴だけに悲哀が妙にリアル。レンタルさんの不愛想、何考えてるのか分からないヘビーローテンションな社会性の無さでコロッと結婚できてしまっているとなれば嗚呼無常としか言いようがなく、正直レンタルさんとの相性も最悪に思われた。実際レンタルさんはどこがダメなのか聞かれても答えてはくれないし、ほぼ一方的に松尾諭がデート模様と恋愛観を説明しているだけだし、自分はどう思うかと聞けばようやく出た答えは「フツーです」。渾身のラブレター(メール)を見せれば文法の間違い指摘というズレた回答をした挙句に「良く分かりません」

しかもレンタルさん、聞かれて初めて明かした妻との馴れ初めはネット大喜利のオフ会で知り合ったというもので何故結婚したのかとかプロポーズとか覚えてないなどとのたまっていた上に、松尾諭にはこの直後に正式なお断わりメールが届いてフラれ決定という地獄絵図となり、さすがの松尾諭もコロッと結婚できたレンタルさんには自分の気持ちなど分からないと声を荒げ始めてしまう始末。これは松尾諭じゃなくても憤る。むしろこの段階でもまだ気を遣おうとする松尾諭の優しさが凄い

これ話が着地しねーだろと思ったら次の依頼の時間が差し迫っていてその次の依頼は神社で挙げる老夫婦の結婚式に偶然通りかかった感じで見守って微笑んでほしいというもの。時間が押してしまっていたため現地への移動まで付き合った松尾諭は結婚式を見守ってくれという概要しか説明されなかったのでこの直後にこの依頼って…とさすがに帰ろうとしたが、やってきた夫婦というのが若いカップルではなくかなり熟年のカップルだと気づくと戻ってきてどういう依頼なのかレンタルさんに概要を聞いて、想定外の状況になんだかんだ最後まで見守ることに。しかもレンタルさんのぎこちない笑顔に比べると本当にいい奴オーラ全開の笑顔で。

これを持って心が浄化されたのか、松尾諭の表情はスッキリしており、さらに優しさ以外に何が必要かという問いにレンタルさんが「優しさに優しさがプラスされている」「僕だったらフラれた直後にあんな笑顔になれない」と優しさを肯定する率直な感想を伝えるとよりスッキリして去っていった。優しさ以外の何かを得ようとするのではなく、前向きな自分自身で挑み続けるといううまい感じの着地点となり、ほっこりした感じで終了(その後、老夫婦からお礼に笑顔で笑っているレンタルさんと松尾諭の写真も送られてきてこれを新たなプロフィール写真にしようとしていた)。

神林は彼女への復縁を迫ろうとするが直後に新彼氏登場で撃沈。やさぐれまくってレンタルさんへの誹謗中傷を書き込むといいねがたくさんついて暗黒に微笑むというTwitterのダークサイドへと堕ちていく…。

また冒頭ではレンタルさんが雑誌の取材を受けて最後には記事が掲載されていた。そして7話終盤で通帳残高の厳しさが示され、8話ラストでは1食275円を掲げてかなり節約している様子も出てきたので(レンタルさんは気づいていない)、神林らアンチ集団の問題や、根本的な収入枯渇問題がラストへ向けての展開と思われたが…。

けっこう服装が厚着で風景も冬っぽかったので撮影終ってるのかとも思ったけど、さすがに3月までの撮影で全撮りはできていなかったようで(どのドラマも軒並み緊急事態宣言前に止まってるっぽい)ついに力尽き8話でストップと明かされた。来週以降は「死役所」の再放送になってしまった。よりによってこの暗いご時世に「死役所」って…と思ったけどそもそもこのドラマホリック!枠は「死役所」で始まったばかりだから、まだ「死役所」と前クールの「僕はどこから」の2本しか無かった…。

9話

3ヵ月以上ぶりの放送再開という事で最早ほとんど2期放送開始の勢い。服装がだいぶ薄着になっていたものの、真夏よりは背景の木々がまだ新緑の色合いを残しているっぽくもあり、緊急事態宣言開けで比較的早い段階で撮影再開になっていたようにも見えたが…ここまで放送延期になったのは枠の区切りが中途半端になるため、夏クールを飛ばして『死役所』と再放送で引っ張り、10月から次のドラマ開始にして正常に戻す事にした都合っぽい。

同姓の恋人との惚気を聞いてほしいという女性(土村芳)の依頼。話していない友人にはなかなか話せないので思いっきり惚気たいという事で、彼女(古川琴音)のかわいい話を聞かされるという依頼だったが自宅に立ち寄って実際に会わせる段階で彼女が酔っぱらっていたためにゲロ砲を浴びるという大惨事になってしまい、そのまま依頼は終了。翌日彼女が失踪したと連絡が入り、再依頼で話を聞くことになるという珍しい2回続きのパターンに(探すのではなく話を聞くだけ)。

結局、彼女は普通に帰ってきて、依頼者の女性がレンタルさんに話したように自分も愛を叫びたくなったとして東京の中心(の公園)で愛を叫んでその様子を動画で撮影してきただけだったという。彼女が自由気ままな猫みたいな感じで確かにかわいい感じに描かれていて、レンタルさんも最初は渋っていた「かわいいですね」を繰り出すくらいだった。今後も惚気をDMしてもいいですか?という事でこれっきりではなくいつになく少し継続的な話でまとまった。

一方で神林はレンタルさんに批判リプしてつくいいね!に酔いしれていたが先日のミスの件で部署飛ばしの憂い目に合いさらにヤケに。彼女(古川琴音)の動画を撮影したという通りすがりの人というのも実は神林だった事が示され(レンタルさんはそもそも神林知らない)、お互い叫びたかったのでお互い撮影し合ったという。神林はみんなバカにしやがって!と叫びまくり、彼女を若干引かせていたが叫び終わると笑顔で大丈夫ですよと切り返してきたため、彼女曰く「闇が深そうな人だった」という。

レンタルさんが雑誌に出たので冒頭で金田(古舘寛治)が雑誌を売るのに本人としてボード持たせて立たせた時は道行く人は無関心だったが、今回の依頼人の彼女はレンタルさんを知っていたという少し有名になってきているのが最終回への伏線になるのかな。

ラストではいつもいる金田がいなくて…。

10話

今回はいつもの冒頭依頼人パターンが復活。筋肉を応援してほしいというボディビルダーの男(オードリー春日俊彰)のほとんど1発ギャグの大連発みたいになっていたがレンタルさん終始無表情、鬼瓦!とか持ちギャグまで繰り出しても無表情なので最早滑り倒している春日にしか見えないというなかなかインパクトのある場面だった…。

このジムに神林が仕事で来ていてレンタルさんを発見し、尾行。家までストーキングして自宅を特定し、500RTで家を晒します!とついに一線を踏み越え始めた。

一方で今回の依頼者滝口(磯村勇斗)は「自分以外の生物がいる状態の自分を確認したい」と謎の依頼を。行ってみると締め切られた部屋で滝口はレンタルさんに料理と酒を振る舞うと自分は殺人犯で少年院にいたと過去を語り始めた。

中学時代に不良3人組に目をつけられていた滝口。親友が1人いたが親友もターゲットにされてしまい、2人一緒にイジメられるようになり、親友は不良3人のどっちかが突き飛ばせという命令に乗っかり、滝口を突き飛ばし、祖母からもらったお小遣いを強奪。これにブチ切れた滝口は4人を追いかけ、迫りくるトラックに向けて親友を突き飛ばして一撃キルしていた。

と、『死役所』をフル再放送していた影響なのかは分からないが、『死役所』の回想シーンみたいな重~い話に…。弁護士の奮闘で殺意は無かったという扱いになったがあの時確かに殺意はあったと後悔を語る滝口。最終的に親友から借りたままの漫画の8巻、その続きの話をレンタルさんが聞かせ、少しスッキリした様子の滝口は今回の事もそのままTwitterに投稿してくれて構わない、同じような言えない悩みを抱えていて救われる人はいるはずだから、という。レンタルさんも何を思ったか例の8巻だけ借りて去っていった。

この日も金田はいなくなっていて、かつて注意していた警察官の人も通りがかってどこにいったのかと心配していた。

そして神林の500RTで自宅晒しの件は1桁しかRTされておらず、それはやりすぎ、個人情報だろと正当なリプが大量にくっついていた。逆上して自宅晒しを投稿しようとする神林だったが直前で父から実家の病院で弟の手伝いをしろと命令されてセーフ。良かったな、お前の方が個人特定されて勤め先晒しからのクビからの実家の病院にも被害が及んで縁切り転落一直線で人生終わるところだったぞ。そういう意味では1プッシュの直前に電話してきた父の防衛能力は高いのかもしれない。

あとレンタルさんに妻が言い出せなかった貯金残高の件、最後に残り10数万が映し出されていたが、これ7話のラストと残高変わってなくね?ドラマの世界では地続きとはいえ、いよいよ10万切ったとかじゃなくてあれから引き落としもされてないってことになるが…。

11話

神林が担当する若者が夢を語る「夢コンクール」の審査員を探す話し合いの中で、レンタルさんの話が出てTwitter上で絡みがあるとアピールしたところ、じゃあ呼べと言われてしまう。当然審査は何かする事になるので断るレンタルさんだったが、上司に簡単にあきらめるのかと言われて焦る神林は審査員と言っても座っているだけでいいと嘘をついて了承を取ってしまう。

だまし討ちのような状態でポスターまで作って引き返せない状況を作っておいた当日、リハーサルを経てやはりこれは場違いだし何かしていることになるとして本番直前にブッチして帰ろうとする怖いもの知らずなレンタルさん。神林の決死のお願いも効果が無く、神林もついにブチ切れて逃げているだけだのなんでそんなんで結婚できているんだのそんなん絶対認めねぇだのと叫び倒してレンタルさんの人生を全否定。しかしレンタルさんは能面ダンマリを決め込んだのちに「それでいいと思います」と相変わらずの能面で告げる。ここまで来るとレンタルさんの無感情っぷりがホラーだし、神林も別にそんなに間違った事も言ってない…。

そこに神林弟が登場し兄の仕事ぶりを見に来たというのでレンタルさんは「トラブルが起きた時も楽しそうに仕事していた」とあれだけ言われたのに淡々と神林を褒める。これに氷解した神林は改めてレンタルさんに自分がアンチだと告げるとなんとレンタルさんは知っていて面白くなりそうだからと依頼を受けたという。正直面白くなりそうだからと受けられて勝手に帰られるとか神林の立場がますます悪化してもおかしくないわけでそこも計算して復讐しているならとんでもねぇサイコさんだし、神林もこの発言で面白くなりそうで帰るとかふざけんじゃねぇよ!とさらにブチ切れてもいいような色々な可能性を含んだアンチだと知ってた発言&面白くなりそうだから引き受けた発言だったが…。どうもそれ以上に意味は無いらしく神林もスッキリした表情で、直接言ってはいないけどそこまで貫くなら天晴、あんたには負けたよとでも言いたげな空気。結局今の仕事を続けると父に電話。9話の依頼人の彼女(古川琴音)が感じ取った「闇が深そう」な闇は晴れたっぽい。重ね重ね神林が救われたのは住所晒しの最後の1プッシュを電話で止めた父のファインプレーであった…。

とはいえレンタル依頼をブッチして交通費ももらわずに帰ってきたのも事実で、帰宅すると妻はフリマで服を売ろうとしていたがその販売価格1500円は受け取らなかった交通費と同じだった。この無神経な発言にさすがに疲れを隠せない妻にだったら何もしなければいいのにと重ねて無神経な発言をするレンタルさん。さすがに今までニコニコ見守っていた妻も何もしない人がいてもいいけど、何かする、しなきゃいけない人がいるのは分かってくれていると思っていた…とガッカリし、その勢いで貯金が間もなく尽きるのでこのままではいられない、考える時期が来ていると告げる。

終始黙ったままで何も答えられないレンタルさん。息子を風呂に入れて妻が戻ってくると深夜の依頼があったとメールを残してレンタルさんはいなくなっていた。今度は交通費もちゃんと受け取る、とか書いてあったがこれまた無神経な…。

いよいよ深刻化した無報酬・無収入による金銭問題。結局金の切れ目が縁の切れ目になってしまうのではなく有料化決断となるのだろうけど…。それにしても痛いところを突かれると能面ダンマリになってしまうのは悪い癖にしても、妻への感謝はもう少し当たり前に持ち合わせているのかと思ったらここに来て発言がノー天気&無神経すぎる。ここまで我慢できた妻が凄い。そもそも会社員時代の妻が辞めた方がいいと提言するほどやつれていたレンタルさんとそれ以前の妻と知り合った時のありのままのレンタルさん、そして今の無感情能面レンタルさんはそれぞれどれくらい違うキャラだったんだろうか。あまりに今のレンタルさんの感情が無さすぎて想像できない。

12話

収入問題で夫婦間に若干の溝が生じてしまったレンタルさん。一方で呑気にフォロワーにもうすぐ貯金が尽きるが何も考えてないなどと返信するなど相変わらずのマイペースっぷり。それでもさすがに家には帰りにくいのか夜通しの依頼の末に帰宅直前で思い悩んだタイミングで次の依頼が来たので帰らずにそのまま次の依頼へ。

依頼者(松本若菜)は最近好きだった人が自殺してしまい気持ちの整理をつけたいので彼がいつも被っていた帽子を被って彼が勧めていた行けなかった店のチーズケーキを一緒に食べてほしいというもの。回想の形で自殺してしまった彼(前原滉)との出会い、いつも明るく○(マル)を探していた彼に5歳年下なので遠慮して気持ちを伝えなかったことを悔やむ彼女。

10話に続いて死が絡んだ重いエピソードとなり、しかも今回は依頼者も何故彼が自殺したのか皆目見当がつかず、彼女の回想の中の彼の姿しか出てこないのでマジで1mmも回想で描かれた彼が自殺するようには見えないというやりきれなすぎる展開。俳優の自殺が相次ぐ昨今ともリンクしすぎていて怖い。

レンタルさんはいつも以上に無表情無言を貫き、依頼者が言葉に詰まるとしばらく無音が続くという放送事故のような状態に。しかも彼の帽子を被って歩いてみないと分からないと言い放ち、不審者状態で店内をうろついた挙句に発した感想は自分の帽子とは違うというもの。レンタルさんの帽子はつばがあってこれで視界を狭めて世間の目を気にしないようにしているが、彼のハンチング帽は視野が広く色々な事を見ようとしている人だという。この分析で逆に依頼者の後悔が深まってしまうという逆効果。結局話を聞いてもらって少しはスッキリという程度で視聴者も置いてけぼりのままこのエピソードは終了。

帰り際交通費だけは悪いので、と彼と出会ったバドミントンサークルのイベントで当てたという1万円分の旅行券を渡されてあっさり受け取るレンタルさん。依頼者もあまりにあっさり受け取るので驚いていたし、後に語られたように妻もレンタルさんは無料にこだわっていると思っていたらしいが別にそんなことはなかったらしい。

しばらく行方不明になっていた金田(古舘寛治)が北海道旅行から帰ってくる中、前回氷解した神林がレンタルさんの元に駆け付け、マネタイズ計画をプレゼンしてくれた。オンラインサロンの会員制にすればいいと提案する神林にそんな面倒な事をするなら直接金を取ればいいという金田。金額をどうしようかという神林に、レンタルさんは先ほど旅券1万円をもらったので1万円と発言。高過ぎね?という神林の意見もスルーして、金田がいつ会えなくなるか分からないとかいう話をし出したので、急に妻を想ったレンタルさんは爆走。神林、結局ほとんど話聞いてもらってないじゃん…。レンタルさんが失礼すぎるのもあるけど…。

妻の元へ急いで帰ったレンタルさんは続けるために有料化すると宣言。有料化は思っていたけど無料にこだわっていると思ってたという妻はそれでいいじゃんと前面賛同、やれ私たちは新しい夫婦の形だと言っていたが今期(春・夏)のドラマこの新しい家族の形締め多くね?

最後は有料化を告知したレンタルさんの元に頼みやすくなったという賛同の意見が大量に届き、1話の依頼人(志田未来)が再度上京して小さな出版社に勤めていてレンタルさんの本を出したいとDMしてきて(志田未来は声のみ出演)、概ね現実通りに着地。

ラストのゲスト依頼人は謎に唐沢寿明だったが、こういう事で増田が初主演するときは俺も出ると唐沢が言っていたという個人的な約束だったらしい。

全部終わっての感想

依頼人視点では何もしないレンタルさんに話を聞いてもらったり、ただいてもらうだけで心が軽くなる…といういい話だったけど、レンタルさんを主役として見た場合は無感情・無表情・無反応すぎて何考えているのかも分からなくて不気味な奴だったというのが正直なところ。妻相手だったらもう少し感情を見せるのかと思いきやそうでもなくて、妻が好意を抱いたという出会った時のレンタルさん、つまり素のレンタルさんというのはこの無表情・無感情・無反応がデフォという事だったらしい。最初は会社員生活で精神的にやられて無表情・無感情になってしまい、リハビリの一環としてレンタルさんを始めて少しずつ回復しつつある状態でドラマが始まっていたのかと思いきやむしろ回を追うごとに無感情・無表情っぷりがマシマシになっていったようにも思う。

どうにも不気味なレンタルさんになったのはここでようやく初主演というくらい演技経験がそんなにない増田の演技力不足ではなく、ひねりない有料化END+書籍化まで匂わせて終わるという予定調和っぷりから単に忠実に映像化したらこうなったのか。ドラマ用にこんな脚色する必要も無いし。依頼人もレンタルさんの無表情っぷりに様子を伺うようにしたり、行動・言動にうわっ…って引きつつも笑顔で取り繕うみたいな瞬間もけっこう散見されたし、依頼人の視点に立って見るのが正しいドラマだったのかも。

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