レンタルなんもしない人 1~8話

テレビ東京水曜深夜ドラマホリック!枠。

Twitterで2018年に「ごく簡単な受け答え以外は何もしないでただいるだけ」という条件で自分自身をレンタルするサービスを開始し、2019年にメディアで取り上げられ、本人により過去の依頼内容をまとめた書籍化もされ、クレジット上はその書籍「レンタルなんもしない人のなんもしなかった話」を原作、もう1冊の書籍「〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。」を原作協力としている。

厚めの服装から寒い時期から撮影が進んでいた事が伺え、順調に放送回数を重ねていたが8話終了時に9話以降が放送延期となる事が判明し、撮影完了前に収録中止になり力尽きていた事が判明した。




1話

レンタルさん(増田貴久)がレンタルなんもしない人を始めて数ヶ月程度のところから話がスタート。森山将太という名前もあるが、基本的に「レンタルなんもしない人」のアカウントでTwitterで活動しているため依頼者にも「レンタルさん」と呼ばれていて名前は出てこない。

雑誌編集のアシスタントとして上京して夢を叶えるために頑張ってきたものの契約切れになり失意のまま都落ち(帰郷)する事にした志田未来が東京最後の日の思い出として東京タワーについてきてほしいという依頼。友人だと名残惜しくなるというのがレンタルさんを利用した理由だったが、レンタルさん本当に「ごく簡単な受け答え以外は何もしないでただいるだけ」なので、東京での出来事をほとんどありたっけ回想シーンまでつけて語り続ける志田未来に対してほとんど無回答。

なかなか斬新な展開だったが下手に励ましたりアドバイスしたりするよりも逆に一方的に話し続ける事で志田未来としても気持ちの整理がついたり、忙しない日々を過ごしてきた中でなんもしないレンタルさんのあまりののんびりっぷりにどこか癒される効果があったようで満足して帰郷していった。

そして志田未来がいた会社のバリバリの営業マン神林(葉山奨之)がレンタルさんのTwitterを見つけてなんだこいつ?と反感を抱くという今後の伏線、なんもしない夫を優しく見守るレンタルさんの妻(比嘉愛未)と赤ちゃんも登場。

この時点では依頼もあまりない様子だったが、志田未来と別れた後レンタル報告をTwitterで済ませていたレンタルさんだったが最後にいた河川敷にずっといたので帰郷していく志田未来が電車内からその姿を見つけて撮影してレンタルさんに送り付け、そのエピソードを再度レンタルさんが投稿したところ、この模様がRT/いいねされまくるフィーバー状態となり、レンタルさんに依頼が殺到するようになった。東京で何も爪痕を残せなかったと言っていた志田未来も最後に残せた!とほほ笑む、という形で次回へ続く。

主人公がのほほんと佇んでいるだけ…ながら意外と面白かった。基本的にゲストが喋り倒してゲストの抱えている思いが少しでも晴れるという展開になるんだろうけど、これは意外と増田貴久の佇まいが当たっているかも。主題歌NEWSだったけどNEWSの他の3人ではこうはいかなかったと思うし、いい人選っぽい。

2話

仕事でミスをして会社に行くのが怖くなった岡山天音がレンタルさんに一緒についてきてほしい(会社の前まで)という依頼。事情を聞きながら会社の周囲をグルグル回り、同時に3年で会社を辞めたレンタルさんの当時の暗黒な様子も描かれた。無表情で主張しないところなど今とそんなに変わっていないといえば変わってないが目の死に具合がやはり違うのか。重なる部分もあるだけに簡単な受け答えの範囲を少し越えて会社を辞めた事や行きたくないなら行かなければいいという話、言ってくれる人が辞められたと語るレンタルさん。

岡山天音は一考した後にそれは自分にはできない、そちらの方が勇気がいる、と結論。別にレンタルさんを否定するでもなく、レンタルさんは勇者だと称え、自分は自分の勇気を振り絞り、その後失敗した仕事をなんとかかんとか乗り切ろうとしている様子が描かれた。また帰宅後、レンタルさんを救ったのは妻だった事も判明。この妻もなかなか強く、どうやら貯金のみで現在生活しているようだがのほほんとしており、明日が来なければいいというほど病んでいたレンタルさんが会社を辞める事より続けることの方が当時不安だったという。レンタルさん恵まれてんなぁ…。

3話

21歳の誕生日の瞬間を祝ってほしいという女子大生(福原遥)の依頼。いつも一緒の三人組の友人関係があったが、グループLINEの返信1つ取っても気を遣わなければいけない、ビミョーに価値観が合わない(旅先で写真ばかりで終わって観光しない)、クリスマス3人で過ごすと言うのでバイトも正月返上で休んだのに彼氏だスノボ帰り渋滞だで当日ドタキャンかまされた…などSNSの発達で深く繋がっているようで難しい疲れるという現代の人間関係を福原遥が語り、当時から特に友人もあまりいないレンタルさんが聞くという構図。特に否定も肯定もしないゆっくりした空気感が今回も良かった。誰にも話せなかった悩みを聞いてもらって福原遥も少しスッキリしたみたいで誕生日ケーキをアップしたSNSには友人からお祝いメッセージも届いて満足そうにしてたし。

その後自宅の妻とのシーンでは実はレンタルさんにとっては21歳の女性というのが自殺した姉が21歳だったというのと重なっていて思い出すところがあったことも判明したがその関係で福原遥の出番が思ったより早く終わってしまったのが残念

4話

離婚届を出すのに同行してほしいという化粧品会社の女性(山口紗弥加)が依頼人。夫(笠原秀幸)は回想のみで登場し、仕事先で知り合って仲良くなって結婚したが、女性の方が仕事優先しまくっていたので徐々についていけなくなって疲弊した事で離婚を切り出されてしまったというのがレンタルさんとの会話の中で描かれた。吹っ切れた様子を見せつつも自分の仕事優先の生き方がまずかった事や、そもそもレンタルさんに同行を頼んでいる時点で…という表には出さない寂しさや後悔が滲み出ているようなそんな話だった。パッと見なんか普通に終わった話ではあったけど一瞬の佇まいや間とかに寂しさがあふれているというか。自分は今、何点だと思うかと問われてレンタルさんが生きているだけで十分だと答えるのはらしかったし、双方の価値観の差が出ていて良かった。願わくば離婚して幸あれという感じではあったけど、変われなそうなところも含めての後味かな今回は。

5話

恒例の冒頭依頼が早く終わってしまって帰宅したら妻(比嘉愛未)の両親が来ていてレンタルさんが無職になっている事を知らせていなかったため隠そうとするが結局レンタルさんがあっさりバラしてしまったので無収入で子供もいてどうするんだと問題になる、という話。というわけで今回はメインのレンタルゲストはなし。

ごく当然の反応を見せる両親。しかしのほほんとしたレンタルさんでは話にならないので、結局妻が会社を辞めればいいといったのは自分でその後のレンタル業についても丁寧に説明

イマイチ納得しきれない両親だが(無収入なのだから当たり前だが…)、花見の場所取りの依頼をキャンセルしたレンタルさんのキャンセルされた人たちが花見を譲り合いして依頼人同士がオフ会状態で花見で盛り上がる事態へと発展していてその様子を動画で見た妻とレンタルさんは大喜び。この様子を見た両親も何故かまだ良くは分からないがレンタル業にも意義があるという事は分かった、何より2人が幸せそうだからいいやあっさり納得してしまい帰還していく…という。さすがにちょっと無理がありすぎる展開だったんじゃないかこれは。ここからマネタイズする方向性へ向かったりするとか、徹底的な節約術でも駆使しているならまだしも貯金切り崩しだけの状態を納得して帰る両親って。わざわざ子供生まれたばかりで無収入という問題に切り込んできたのだからもう少しこのドラマなりの答えを見せてくれるのかと思ったら、幸せそうだからいっか!って。現実のレンタルさんは当初交通費と飲食費だけで無償で引き受けていたのをTVで取り上げられてから1件1万円に切り替えたそうなので最終的には収入になるんだろうけど。

あともう長い事、上司役のイメージが強かった小木茂光がもう定年したお父さん役という事で、90年代後半~00年代に上司役でドラマ・映画で馴染んできた平田満とかに続いて小木茂光ももうそんな年になったのかぁ…と思ったらまだ50代だった。早期リタイアした設定だったのか?

6話

9ヵ月の子供を連れてレストランについてきてほしいという主婦(徳永えり)の依頼。学生時代の仲間から夫からのプロポーズまで思い出の詰まったレストランだったが閉店するとの事で最後に何とか行きたいが、子連れで電車移動したり店に入るのが周囲への迷惑を考えすぎてしまって1人では心細いというものだった。外出は過去試みるもバス内で泣き出した子供の迷惑から途中で引き返した経験があり、今回もベビーカーから下ろして片づけて…とか遠慮しているうちにバスが満車になって1本逃したり、レストラン内で泣き出してしまい周囲の視線を気にして外に出たり…と特有の悩みが丁寧に描写された。

同じくらいの息子を持つレンタルさんも思うところがあったのかなんもしないというルールに従って当初は見ているだけだったが見ているだけでは気まずい事もあるとしてベビーカーを担ぐのを手伝ったり、子供をあやしに外に出ている間は食事を止めて待っていてあげたり、いつになく積極的に発言したりしたので徳永えりも癒され満足して去っていった。

全く気にしない図太いママさんとか確かに迷惑に感じる事もあるがたぶん大多数のこういう気にしすぎてしまうママさんはこの少子化&余裕のない時代に確かにしんどいだろうなぁ…と気にしすぎてしまうサイドの住人としては色々考えさせられる話だった。

レンタルさんと接点は無いが、1話の志田未来の会社のエース営業マンとして登場して以降、最近は彼女にフラれ、弟が医者の卵なので弟にばかり期待をかけていて自身の営業成績No.1など気にもかけてくれない父親に打ちのめされ…と回を追うごとに何かがおかしくて散々な神林(葉山奨之)だったが、今回はついに唯一の誇りであった仕事面でも営業以外の初歩的な発注ミスが発覚して上司に怒られるという散々っぷり。今のところ一方的にレンタルさんのアカウントを知っているだけの状態だが彼がピックアップされる回も近いのか。

7話

葬式の生前予約に付き添ってほしいという73歳(西岡徳馬)からの依頼。息子のフリをする事になるが嘘が苦手なので職員に聞かれて葬式に出ないと言い放ってしまったり相変わらずなレンタルさん。結局予約はせずに公園のブランコで身の上話となったが、今まではカウントアップだったのに平均寿命から言えばもう10年切ってるので人生がカウントダウンだとか、仕事一筋で単身赴任で頑張っている間に妻と娘の心が離れてしまい、定年後に熟年離婚する事になっただとか、娘と孫が1度も会いに来なくてぼっちだとか、寂しい話ばかりで哀愁が…。

自伝を書いているという自慢話もレンタルさんが他人の自伝など興味ないとバッサリ切り捨ててしまうなどあんまりな対応だったが逆に目が覚めたのか、いつになるか分からないがレンタルさんに葬儀に出てほしいという依頼を了承されると満足して帰っていき、後日レンタルなんか成す人としての活動を開始したと自伝を封印して活力を取り戻した西岡徳馬で締め。

営業成績トップの座からも転落してやさぐれまっしぐらな神林はレンタルさんへクソリプ説教をぶちかますも軽くあしらわれてしまい苛立ちを募らせるが、レンタルアンチの連中と思われし人々から次々とフォローされたことでニンマリ。そうかこうしてアンチ集団というのは拡大していくのか…よくできている…。

また5話では呑気なものだったが、案の定レンタルさんの貯蓄はたかが知れていたようで、妻(比嘉愛未)が通帳を見て早くも残り10数万円で表情が曇っている様子も…。ここから有料制に向かっていってエンディングが規定パターンかなぁ。

8話

婚活に失敗し続ける結婚したい男性(松尾諭)がマッチングアプリで知り合った女性に告白するも2週間返事が無く、デートの検証をしたいから再現に付き合ってくれという依頼。この結婚できない男性、やや太めの体型で真面目すぎる部分はあるものの決定的にズレているわけでも社交性に著しく欠けるわけでもなく基本普通にいい奴だけに悲哀が妙にリアル。レンタルさんの不愛想、何考えてるのか分からないヘビーローテンションな社会性の無さでコロッと結婚できてしまっているとなれば嗚呼無常としか言いようがなく、正直レンタルさんとの相性も最悪に思われた。実際レンタルさんはどこがダメなのか聞かれても答えてはくれないし、ほぼ一方的に松尾諭がデート模様と恋愛観を説明しているだけだし、自分はどう思うかと聞けばようやく出た答えは「フツーです」。渾身のラブレター(メール)を見せれば文法の間違い指摘というズレた回答をした挙句に「良く分かりません」

しかもレンタルさん、聞かれて初めて明かした妻との馴れ初めはネット大喜利のオフ会で知り合ったというもので何故結婚したのかとかプロポーズとか覚えてないなどとのたまっていた上に、松尾諭にはこの直後に正式なお断わりメールが届いてフラれ決定という地獄絵図となり、さすがの松尾諭もコロッと結婚できたレンタルさんには自分の気持ちなど分からないと声を荒げ始めてしまう始末。これは松尾諭じゃなくても憤る。むしろこの段階でもまだ気を遣おうとする松尾諭の優しさが凄い

これ話が着地しねーだろと思ったら次の依頼の時間が差し迫っていてその次の依頼は神社で挙げる老夫婦の結婚式に偶然通りかかった感じで見守って微笑んでほしいというもの。時間が押してしまっていたため現地への移動まで付き合った松尾諭は結婚式を見守ってくれという概要しか説明されなかったのでこの直後にこの依頼って…とさすがに帰ろうとしたが、やってきた夫婦というのが若いカップルではなくかなり熟年のカップルだと気づくと戻ってきてどういう依頼なのかレンタルさんに概要を聞いて、想定外の状況になんだかんだ最後まで見守ることに。しかもレンタルさんのぎこちない笑顔に比べると本当にいい奴オーラ全開の笑顔で。

これを持って心が浄化されたのか、松尾諭の表情はスッキリしており、さらに優しさ以外に何が必要かという問いにレンタルさんが「優しさに優しさがプラスされている」「僕だったらフラれた直後にあんな笑顔になれない」と優しさを肯定する率直な感想を伝えるとよりスッキリして去っていった。優しさ以外の何かを得ようとするのではなく、前向きな自分自身で挑み続けるといううまい感じの着地点となり、ほっこりした感じで終了(その後、老夫婦からお礼に笑顔で笑っているレンタルさんと松尾諭の写真も送られてきてこれを新たなプロフィール写真にしようとしていた)。

神林は彼女への復縁を迫ろうとするが直後に新彼氏登場で撃沈。やさぐれまくってレンタルさんへの誹謗中傷を書き込むといいねがたくさんついて暗黒に微笑むというTwitterのダークサイドへと堕ちていく…。

また冒頭ではレンタルさんが雑誌の取材を受けて最後には記事が掲載されていた。そして7話終盤で通帳残高の厳しさが示され、8話ラストでは1食275円を掲げてかなり節約している様子も出てきたので(レンタルさんは気づいていない)、神林らアンチ集団の問題や、根本的な収入枯渇問題がラストへ向けての展開と思われたが…。

けっこう服装が厚着で風景も冬っぽかったので撮影終ってるのかとも思ったけど、さすがに3月までの撮影で全撮りはできていなかったようで(どのドラマも軒並み緊急事態宣言前に止まってるっぽい)ついに力尽き8話でストップと明かされた。来週以降は「死役所」の再放送になってしまった。よりによってこの暗いご時世に「死役所」って…と思ったけどそもそもこのドラマホリック!枠は「死役所」で始まったばかりだから、まだ「死役所」と前クールの「僕はどこから」の2本しか無かった…。

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