バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~ 全12話

2021年冬クールテレビ東京『ドラマ24』枠。

2017年冬クール『ドラマ24』枠「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」、2018年2~3月水曜22時台「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」に続くシリーズ第3弾。今作では1作目と同じ『ドラマ24』枠へ戻った。

前作途中で大杉漣が急死、残された素材と追加撮影で完成させたが、今作では遠藤憲一、田口トモロヲ、松重豊、光石研の4人が続投。前作をスケジュールの都合として参加しなかった寺島進は今回は説明も無く不参加となっており、やはり何らかの理由により降板(出演拒否)だった可能性が高まった。4人と同じくレギュラーのジャスミン役の北香那も続投、今作では舞台となるバイプレウッドの敷地内の食堂で働いている設定。大杉漣の元マネージャーと説明されているが、大杉漣がこの世界で存命なのか亡くなっているのかについては直接言及されていない(前作は存命の設定で最後まで描き切った)。

今回は山の中の撮影所“バイプレウッド”が舞台で、昨今の情勢(どういう情勢なのかは言及せず)により、都内の撮影所が満杯になり、この撮影所に各局や映画チームが集結し、それぞれの作品の撮影が進む中で起こる100日間の騒動を描く。ストーリーは2020年初夏頃から始まっていて全員夏服である。総勢100名が登場し、そのまま映画『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』に繋がるとされる。

1話

今回は4人が主役としてゲストと絡む話ではなく、各局の撮影の模様が1話ごとに描かれていくようで今回は7チャンの刑事ドラマ「チーム7」の撮影模様がぶっ飛んだ展開で描かれた。役所広司が主演で柄本時生、志田未来、杉野遥亮、勝村政信、渡辺いっけい、近藤芳正がレギュラー刑事として出演する予定だったが役所広司が海外での撮影が押して降板(本人は出演せず)というシリーズ定番の役所広司で始まるトラブルを踏襲しつつ、残ったメンバーで若手チームかベテランチームかどっちが主役かで揉めて、撮影が滅茶苦茶になっていくというギャグドラマが展開。濱田岳が1話ゲストの予定だったため、両チームの板挟みになって苦悩、その最中に遠藤憲一、田口トモロヲ、松重豊、光石研らの別撮影に遭遇して松重からアドバイスをもらうという形+全体ナレーション、騒動を振り返る現在視点の場面という限定的な出番となった。ジャスミンも食堂で出てきたものの4人との絡みは無し。

最後は各刑事ドラマのコスプレを柄本時生、志田未来、杉野遥亮、勝村政信、渡辺いっけい、近藤芳正が披露して揉める中でコナンの格好をした濱田岳が演説して主演をかっさらおうとしたが、6人が一致団結、全員主役にしようと納得したので7人全員が主役となり解決。さらに総理辞任の会見を全局生放送する中で安定のテレ東は「チーム7」を予定通り放送したため視聴者が集中して15.1%を獲得。大いに沸く中、期待されていた6チャン日曜9時の銀行ドラマ「大合併」が最低視聴率となって次回へ続く。

今回はゲストメインで回していくので、これまでと違ってゲストのキャラ設定の方が濃くなっていた印象。毎回違う展開になりそうなので面白そうではあるが、メインのおじさん達が同居してワチャワチャは破棄されているのでこれまでのシリーズとはだいぶ変わりそう。まあ6人→4人まで減って4人だけでやってもパワーダウンは否めないし、特に大杉漣で話を回している部分が多かっただけに大杉漣亡き今、残った4人のキャラ設定では話回らないしなぁ…。遠藤憲一は怖いけどカワイイ性格、田口トモロヲは変人、光石研はいい人に割と設定振っていてこの3人では話が進まないし、生真面目な松重豊で進行するしか…っていうところもあったので実際松重豊が締める役回りになっていた。つーか急にほぼ白髪のおじいいちゃんみたいになっててどうしたんだ松重豊(実際は4人の中で最年少)…。

あとベテランと若手の対立構造を描くのに勝村政信、渡辺いっけい、近藤芳正は還暦目前の50代終盤、杉野遥亮は25歳、志田未来は27歳だが、柄本時生と濱田岳はもう30代だったりして、若手もベテランも上の年齢にスライドしてきている高齢化社会を感じた…。30代になっても中堅扱いにならずに若手扱いになってくると20代前半以下はもう新人扱いになるのだろうか。40代後半でもベテランになれないどころか50代前半でも中堅かベテランか曖昧になってきそう。というか各役者のランクが10年~15年くらい前のイメージのまま変わってない気がする。

ワニが無かったことにされる中で”100日”をタイトルに採用するのはさすがテレ東…。もしワニが無かったことになっていたら「100日後に~」というもっと露骨なタイトルになっていたかもしれないが…。

2話

テレ東の「チーム7」が視聴率1位を獲得した一方で6チャン日曜9時の銀行ドラマ「大合併」が最低視聴率を記録してパニックに。主演の向井理に決め台詞を用意しようという話になり、急遽決め台詞をぶっこむが脇の大倉孝二、小沢仁志が放った珍台詞の方がバズってしまい…。その後立て直しを図った次の回でも津田寛治、六角精児の珍台詞がバズってしまい、視聴率はうなぎのぼりでヒット作になったものの脇の4人が相次いでバズる中で主演向井理だけ一向にバズらずに追い込まれていく…というシュール展開。

どんどん向井理が追い込まれていき、最後は押し押しの撮影でもう撮り直しが出来ない1発撮影の中で向井理が台詞を飛ばしてしまい全く喋れなくなり、必死に4人が取り繕うも最後まで一言も発せないという放送事故がそのままOAされてしまう。しかしあまりに喋らないため「#喋れ向井」が世界トレンド1位になり、ついにバズッたァァァァァァと歓喜して終了。

向井理を生真面目で向かい風に弱い設定にしたことで、脇の4人が話を回していく構成となり、今回もメイン4人はオマケ。田口トモロヲは「大合併」出演者の1人として現場にいて全く流行らなかった決め台詞の考案者だったともされていたものの、何故か「大合併」本編のシーンには一切登場せずに、撮影中に現場にいないか、スタッフ側と一緒に見守っているという結局貴方役者なのか演出家として来ているのかどっちの立場の人なの?状態の謎の立ち回り。松重豊は今回も総括の振り返りナレーション収録で今回はそれだけ。向井理にバイブレウッドの敷地内の森であって一緒に解決策を考える役回りは光石研にシフト(田口トモロヲはここにもいた)、遠藤憲一はフィリピンにいるという設定で最後にちょっと出ただけ。

しかし正直過去2作よりも話が振り切ってて面白い。

3話

8チャンの観月ありさ主演の医療ドラマ「ドクターZ・5」の撮影模様。シーズン5となる人気ドラマだったがレギュラー医師役だった岡田浩暉が1話で死亡降板すると新たに加わった滝藤賢一の過激なキャラ付けやその他お色気、銃撃なんでもありのトンデモ展開に路線変更になってしまい、視聴率は悪くなかったがコンプラ違反なのではないかという投書がスポンサー各所に送り込まれてしまった。問題視したプロデューサー陣は滝藤賢一を降板させて新たに寺島しのぶを召還。これに納得が行かない滝藤賢一は森下能幸、宇野祥平を使って寺島しのぶが演じる上司のセリフにも問題があるとコンプラ指摘。寺島しのぶが撃沈し、滝藤賢一が復帰するが、今度は寺島しのぶが宍戸美和公、ふせえりを使って滝藤賢一のコンプラ違反を指摘。全員がコンプラに振り回される中、滝藤・寺島が双方のコンプラ指摘をしていたことを謝罪、観月ありさはドラマの雰囲気が今シーズンから変わり過ぎて元の路線に戻したかった、最初の投書は実は自分だったと告白。結局コンプラを指摘していたのは自分たちだけだったというオチで元の人情医療ドラマに戻ってめでたしめでたし。

と、コンプライアンスをネタにしたハイテンションな皮肉連発が痛快だったが、ついに遠藤憲一、田口トモロヲ、松重豊、光石研の4人全員が「ドクターZ・5」勢と絡まずに完全に独立した話で終わってしまった。前2回では森の中で思い悩んでいるところに撮影途中の4人の誰かがいて、会話するという形でわずかながらメインキャストとの繋がりシーンがあったのに今回は森の中で思い悩む滝藤賢一、観月ありさ、寺島しのぶの3人のシーンがあったものの4人は現れず。

結局途中で全く関係ないフィリピンの遠藤憲一が現地でホームレス寸前の生活を送る1シーンと、映画『アウトローの森』撮影途中の松重豊がコンプラでカーチェイスも銃撃戦もシーンカットになるというトンデモ展開に直面するというコンプラ繋がりのシーンがあったのみ。後は冒頭のナレーションがエンディング部分では松重豊から光石研に交代になる事が示唆されただけ、田口トモロヲは出番なし。

4話

4チャンの学園ドラマ「CTO」が舞台。長谷川京子とりょうがW主演の学園モノ。共演者の村田雄浩は生徒役の金子大地から憧れられていてスマホの待ち受けやグッズも村田雄浩と同じものにしていた。そんな村田雄浩に恋の相談をしていたのを長谷川京子とりょうが聞いてしまい、互いに自分の事だと勘違いするというドタバタ劇が繰り広げられる。しかも2人は金子大地のインスタを見て持っている物を真似してインスタで匂わせしているんだけど、金子大地が身に着けているものは全て憧れの村田雄浩と同じ物。つまり村田雄浩にしてみれば突如長谷川京子とりょうが自分の私物で匂わせしまくってくるので慌てふためくといった寸法。さらに文春記者と繋がっている共演者の石丸謙二郎がスキャンダルを使って視聴率アップを目論み、村田雄浩を取り合う長谷川京子とりょうの写真を撮らせようと画策して…。

オチは予想通りにもう1人体育教師役でヤンクミコスプレで出ていた安藤玉恵。金子大地の恋の相手は安藤玉恵で、2人がゴールインしてあまりのあけっぴろげっぷりに好感を呼んで視聴率アップというものだった。「GTO」パロディなのに4チャンだったのは安藤玉恵オチで安藤玉恵がヤンクミコスプレだったからという事か。

今回はナレーションが光石研に代わったが松重豊も引き続き同席。遠藤憲一は相変わらずフィリピンの単独1シーンのみなので、1発別撮りしたのを小出しにしているだけで最早共演というレベルじゃないのがバレバレ、田口トモロヲは2週連続出番なし…とメイン4人ほとんど参加してない

5話

5チャン「わたしの番です」が舞台。原作ありのサスペンスだが、原作を無視した展開となり、誰が次に殺されるのか出演者も知らないというサバイバルに出演陣がドタバタするお話。主役なので殺されるはずがないと1人だけテンションの高かった原田龍二が視聴者の予想を裏切るために中盤であっさり殺されて退場、犯人役の佐々木希が主演に変わってしまい、次に殺されるのは自分だと落ち込む田中要次、励ます高杉真宙、暗躍する尾美としのり、堀内敬子。原作で最後まで活躍する高杉真宙だったが、実は大河出演オファーが来ており早めに殺されたがっていた。実は殺されたい高杉真宙と殺されたくない残りの面々、最後は念願叶って殺された高杉真宙だったが原作を無視しすぎた超展開に炎上してしまい、過去からタイムスリップしてきて生き返った事にして高杉真宙の降板が無くなって大河をあきらめる事に。代わりに田中要次が殺されたが殺されたくないとゾンビの如く何度刺されても復活する怪演技を見せ(最後に佐々木希に遺棄されるシーンではゾンビメイクになっていた)、さらに田中要次に大河の話が舞い込んでしまい、高杉真宙がフリーズしておしまい。

相変わらずゲスト役者のドタバタが面白い中で、ナレーション収録は光石研単独となり、ついに松重豊は退場して出番ゼロ。遠藤憲一は相変わらずフィリピンの単独1シーン挟むだけ、田口トモロヲはついに3週連続出番なし…。4人が出ているOP/ED映像が最早別の作品なんじゃないかという勢いになってきた。

6話

連ドラが中盤に差し掛かり、各局の役者同士の交流も深まって仲良くやっていたが、柄本時生が台本を無くしてしまい、7チャンの『チーム7』の真犯人が流出してしまう事件が発生。『チーム7』に途中から加わっていた西村まさ彦は犯人捜しをすると言いだして各局をめぐるが行く先々で失礼な言動を繰り返し、全局が疑心暗鬼になってしまう。自覚のない西村まさ彦だったが、メールの誤送信をしていたのが自分で犯人は自分ではないのかと焦り出し、謝罪するが実際は脚本家が流出させていたと発覚、各局結束が深まるというオチに。なお台本は酔った際に酒をこぼしてビシャビシャになったのでジャスミンに預けて乾かしてもらっていた。

西村まさ彦の役が古畑任三郎の今泉パロディ(柄本時生が古畑モノマネ)なのはいいとして、肝心の西村まさ彦の素のキャラが生真面目だが失礼な言動を平気で繰り返す真意も空気も読めない変な奴というので一貫していて何ともつかみどころが無く、笑えもしないという6話にして初のビミョーな回だった。古畑でのコミカルイメージが未だ根強いものの本来はシリアスで硬派な俳優というのが西村まさ彦の一般イメージだと思うが、生真面目さを前面に出しながらこんなKYな奴にされてしまうと変にリアルすぎて苦手意識が芽生えてしまうぞこれ…。

ナレーション収録は光石研単独だったがラストで田口トモロヲへの交代が示唆され、3週連続で出番のなかった田口トモロヲが2話以来の登場。対して松重豊は2週連続出番ゼロ。遠藤憲一は相変わらずフィリピンの単独1シーン挟むだけだが中盤での登場が序盤に変わった。

7話

バイプレウッドに1チャンの朝ドラ&大河ドラマがやってきた!?と重厚な雰囲気を出しながら高畑淳子と本田博太郎が不気味に登場。さらに各局の子役が消える事件が発生するが、子役たちをさらっていたのは高畑淳子と本田博太郎で…。

実は1チャンではなくEテレ(2チャン)の方で2人は新たな子供番組のおにいさんとおねえさんだった。しかし演技に厳しい2人はオーディションの子供に役者論を語り、説教を始めてしまい、全員に逃げられて子役が決まらない。困って各局に出ている子役を引き抜こうとしていた。しかしここでも同様に説教を始めてしまい子役は全員逃亡。

困った2人はオーディションを開催、各自抱えている連ドラを裏切って逃走の果てにオーディションにたどり着いた4人の中から津田寛治(6チャンの『大合併』を脱走して来た)が選ばれたが、実は着ぐるみの中の人だったというオチで、次こそ朝ドラ&大河が来る!というフリで終了。

高畑淳子と本田博太郎の怪演が怖かっ…。

ナレーションは田口トモロヲへ交代。光石研は出番がなくなり、松重豊は3週連続出番ゼロ。田口トモロヲがナレーターを担当していた『プロジェクトX』風でお願いと言われて本当に「地上の星」をかけながら始めるというパロディが炸裂した。一方で遠藤憲一は例によって1シーンだけの別出演。映画の予告含めてこれはオチのないままに遠藤は別撮り出演のまま終わりそうで、単に50音順にしていたタイトルクレジットでの4人の並びが田口→松重→三石→遠藤になっているのはこのせいなのか?

8話

1チャンとの第2幕朝ドラ編。明かされていなかった朝ドラのヒロイン降板が判明し、オビトラダムスと化した尾美としのりが姉御肌・経験豊か・キュート・癒し系の4要素を備えた者が次期朝ドラヒロインだと予言、4つの要素をそれぞれ持つ吉田羊、芳根京子、本田望結、富田望生の誰かが朝ドラのヒロインになるとして当初は撮影の合間にサバゲーに興じるほど仲良しだった4人が露骨なアピール合戦を繰り広げるというドタバタ。富田望生っていつから癒し系になったんだぽっちゃり愛嬌系だろと思ったらなんかいつの間にか癒し系になってた。ぽっちゃり系を要求された『あさひなぐ』とか『3年A組』のイメージが強かったが元々役作りで10キロレベルでの増減を繰り返しているらしく今はだいぶシュッとしていた。

ドタバタの末に4人全員でヒロインに決定した…がまさかの序盤で浜野謙太が最近何かあった女優といえばと降板したヒロインが誰なのかニュースから探ろうした際に腰痛悪化で入院が報じられていた池谷のぶえがマジでヒロインだったことと復帰したというのぶえオチでおしまい。

1チャンネタは結局フェイクでEテレ、朝ドラ、大河で3週ぶち抜きか。

光石研は2週連続、松重豊は4週連続出番ゼロ。ナレーションの田口トモロヲがそろそろ次のナレーションは遠藤憲一だけどどうするんだと言い出し、今シリーズでは食堂の店員としてレギュラー出演しているジャスミン(北香那)が現地に向かったという設定でフィリピンの遠藤憲一を説得する様子が最後に登場。結局ジャスミンが1番出てないか今シリーズ

9話

2
1チャン大河ドラマの話。これまでは民放も絡んでいたので前も出ていた役者が別の組み合わせだったりで再登場することも多かったが、今回はなんと新登場の役者を大量投入。

大河ドラマ『宮本武蔵』の前期主演(後期は北村一輝とされたが名前のみで映画版で出てくる模様)に抜擢された岡山天音が主役。伊武雅刀、六平直政、田中泯といったベテラン勢に囲まれて緊張しながらもなんとかやっていけそうな空気を感じ取っていたが…。7チャンのSPドラマ『刑事曲者~Ditectivess Weird~』の連ドラ化が決まり、出演者の1人だった岡山天音は掛け持ちを宣言。共演の前田敦子が1人心配する中で、野間口徹、渋川清彦、木下ほうか、松尾貴史らベテラン勢の白熱する演技論に突き合わされて疲労困憊になり追い詰められていく岡山天音…。

ついには『刑事曲者』の方は岡山天音をとっとと殺してしまおうという話になり、ブチ切れた岡山天音は本音をぶちまけるが同時に名演技を披露。実はスケジュールに無理がある岡山天音を大河に集中させるためにベテラン勢が仕組んでわざと空気を悪く見せかけていたという。吹っ切れた岡山天音は大河でも名演を見せて大ベテラン勢に一皮むけたと絶賛される。

しかし大河に新たな共演キャストとして登場したのは岡山天音の掛け持ちを心配していた前田敦子だった。AKB48時代に激務を経験したおかげで役者となった今は多数の仕事を同時にこなすことに定評があった前田敦子はプライベートの子育てと多数の掛け持ち出演をケロッとこなしていたのだった…という前田敦子が超人だったオチで終了。主婦とか夫の話を出さずに子育てを強調していたのはまあ色々お察し…。

光石研は3週連続、松重豊は5週連続出番ゼロ。ナレーション現場に毎回1人見学に来る人(今回は前田敦子)以外と最早一切絡みの無いナレーション担当の田口トモロヲは今回久々にナレーション以外でも登場し、岡山天音と偶然出くわしてアドバイスを送る1シーンがあった。遠藤憲一のフィリピンの1シーンはいつもより短くて一気に適当になった。

10話

フィリピン芸を1シーン繰り広げるだけだった遠藤憲一が唐突に帰国していてナレーション収録スタジオに登場。これまで並行して撮影が進んでいた映画 アウトローの森』のスポンサー離脱による資金難からのクラファンがうまくいっておらず、出演者たちがYouTuberになってバズらせようと各自奮闘していた。その中でも相島一之が様々な企画を感がるが誰かと被っていてボツになり、発狂しまくるというドタバタが展開。これまで出ていた『アウトローの森』出演陣に加えて橋本じゅん、甲本雅裕、速水もこみち、今野浩喜らも登場する中で、何故か先週まででナレーション役が終わった田口トモロヲは出番なし、光石研は4週連続、松重豊は6週連続出番ゼロ。

最後はフィリピンで過去に少し有名だったという相島一之が遠藤憲一のフィリピンでの動画に映っていた男性が当時の知り合いで現地では有名なインフルエンサーだったことに気づき、彼に連絡を取り、相島の演奏に合わせた遠藤のこれまでのフィリピン動画をドキュメント映像風にまとめて彼に現地で拡散してもらったところ一気にクラファンの目標額を突破するという超展開に。

相島一之を事実上メインにして話を回すとはなかなか…。

11話

ついに松重豊、光石研、田口トモロヲ、遠藤憲一の4人も勢ぞろいし、『アウトローの森』の撮影が再開されたと思ったらネット大手アマゾネクスが権利を押さえていて海外役者で撮影するから日本版の撮影は中止せよと通達が出てしまう。海外版の出演者には1人だけ日本人がいた。その名はかつて4人と暮らしていたこともある寺島進。『アウトローの森』は数年前から準備していたため最初期は寺島進もメンバーの1人だったという。このため寺島進が売ったのではないかと疑う田口トモロヲだったが、結局アマゾネクスに権利を売ってしまっていたのは数年前にあちこちに売り込みをしていた時に田口トモロヲが英語が読めずにテキトーにOKしてテキトーにサインしていた事が発覚。しょうがないのでグリーンバックでラストシーンだけ撮影して出資者に送り、出資者の中の有志にCG合成してもらおうという事になった。

その撮影の途中にアマゾネクスの撮影を抜け出してきた寺島進本人が登場し、再会を喜び合う5人。ひとしきり撮影に参加してみんなとの時間を楽しみ、差し入れにきたジャスミンとの再会も果たした寺島進は再度アマゾネクスへと帰っていった。

結局「小さいオジサン」のブームにより有志によるCG合成は小さいオジサンのネタ映像としてネット流出してしまうが、予想外のバズりっぷりだったのでこれはこれでちゃんと続けようとなって終了。随分スケールダウンしたな…。

という事で予告でも煽っていた「あの男が帰ってくる」というのは寺島進の事だった。一応遠藤憲一のフィリピン展開があったので帰ってくるのは遠藤憲一とミスリードさせていたが、そもそも遠藤憲一は先週帰ってきていたのでそうなるとこのドラマで帰ってこれて存命なのは寺島進しかいなかったわけだけどまさか本当に出るとは…。

どこまで真実だったかは分からないが前作での不自然なスケジュールの都合による降板劇と今作でも最初からいなかったような扱いからして、やはり都合ではなく本人が出たくない、出演NGを出したというのがなんとなく視聴者の間でも薄々思われていた事であり、そこのところも踏まえたような扱い方だった。これまで以上に時間をかけてのあくまでVIPなSPゲスト的な扱いで、5人のシーンはほぼアドリブのように長く見せていたし、和気あいあいとした仲の良さを見せながらも寺島進が「俺も色々あってさ」と言ってみたり照れくさそうにしているのも印象的だった。まあ今作はメイン勢がほとんど出ずに大量のゲストで回していく構成だったので、それでもなお寺島進が頑なに出ないとなるともうスケジュールの都合は使えないし、ますます出演NG説、関係がこじれて離脱した説が信憑性を増してイメージが悪くなるだろうから出るしかなくなったところもなくはないかも。

12話

テレビ東京開局57周年記念新春ドラマスペシャル『冤罪』にはテレ東に滅多に出てこない宮沢りえ主演で『チーム7』を終えた志田未来も参加していた。そこに現れた新人女優はジャスミン(北香那)だった。

現場ではこれまでの怖いもの知らずな態度が別人のように委縮してしまいNGを連発してクビにされてしまうなど散々だったジャスミン。実は今作の間に役者を目指すようになっていたという事が前回に続いて揃った4人によって明かされ、これまでの各局のドラマで起きた諸問題が解決した際に実は現場にいて一緒に喜んでいたことや、これらの出来事で役者に魅力を感じて実は『CTO』の生徒役のオーディションに合格して4話の『CTO』で最後屋上でドタバタしている時の生徒たちの中にひっそり紛れ込んでいた事、『わたしの番です』でも死体役で出ていた事、見切れて腕しか映っていなかったが大河『宮本武蔵』のエキストラにも出ていた。黙っていたジャスミンだが長い付き合いの4人は全部知っていてこっそり見守っていたという(揃って知って他風なニコニコ顔してたけど遠藤憲一は大半フィリピンにいたから知らんだろ)

宮沢りえに再度励まされて撮影に復帰したジャスミンだったが結局代役の子との争いに負けて採用されず。4人は新たな共演仕事のオーディションを紹介するが失意のジャスミンは断り、食堂も辞めて去ってしまう。しかし出ていくバスの中で小さいオジサンの4人を馬鹿にする一般人に激怒して大杉、寺島も含めたメイン6人のこれまでを振り返りながら彼らの凄さを熱弁したジャスミンは役者を目指すことを再度決断。バスの運転手(ED担当の竹原ピストル)にも後押しされて4人の元に戻ったジャスミンで終了。

という事で1期からのレギュラー出演者で唯一本人ではない(そもそも北香那は中国人でもなくカタコト日本語は演技)ジャスミンがついに主役に。1期では中国のアシスタントプロデューサーとして登場するも実際は大杉連の行きつけのパブのホステスだったことが判明し、2期ではそのまま大杉連の付き人兼マネージャーとなり、今作では食堂で働いている形となったが、メインの4人が全く登場しない回が多数あった中で、食堂は毎回出てきてジャスミンも毎回必ず出ていたので結果今作では1番出ているのがダントツでジャスミン、ついには主役回で一気にプッシュしてきたが、実は役者を目指していたと今回だけで急に後付けしてきたので、シリアスな姿も初見せとなり、随所に今まで通りの強気なジャスミンも出ていたとはいえ、急にこの人誰?状態で別人のようになってしまった感も。やるならやるでもう少し伏線として真面目なジャスミンの姿も出していれば…。

全部終わっての感想

続く映画にはあまり期待が持てない(まあレンタルでいいや程度)が、前作よりは面白かったと思う。前作は大杉蓮の急死もあったとはいえかなりなぁなぁになってしまっていてグダっている感じだったし、今回はメイン4人をほとんど出さずに主演級キャストまでドカドカ投入してナンセンスなドタバタを見せるという事で新しい感じにはなった。一方でバイプレトーク的なやり取りが無くなってしまったのはさみしくもあり、なんだかんだ寺島進も復帰した11話での5人でのアドリブ連発のやり取りや最終回で4人揃ってワイワイしている姿はこれこそ今作だよなという感じでもあった。

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