2021年10月公開。
2019年夏クール、2020年秋クールにフジテレビ木曜劇場枠(22時~)枠で2シーズン放送されたドラマの続編。
視聴率は当初から低迷し常に一桁街道、シーズン2ではさらに数字を落として最終回翌週の特別編ではついに5%を割り込む事態となったが、既に映画への伏線と謎を残して映画へ続くとして告知しており、そのまま映画が制作された。結果的にシーズン2からほぼ1年後の映画公開となった。
海外の架空の国を舞台としているが、例によって例の如く海外ロケをする予算も余裕もない御時世真っ只中(2020~2021年)の撮影となり、『コンフィデンスマンJP』と同じように海外に見せかけた国内撮影で全て乗り切っている模様。
レギュラー陣は全員続投。今作でブレイクした祖母役のどんぐりは2021年3月に本名の竹原芳子へ名前を変更。これに伴い今作では“どんぐり(竹原芳子)”とクレジットされている。
Lの一族の廃業を決めた尊(渡部篤郎)は最後の仕事として偽者を掴まされた王冠の本物奪還のために動き出す。しかしそこには連ドラ時代終盤で明らかにされたもう1人の元Lの一族、玲(観月ありさ)が絡んでいた。華(深田恭子)の本当の母親である事が匂わされていた玲の過去と目的が明らかになり、一族は最大の危機を迎えながらも渉(栗原類)が開発したタイムマシンを使って相変わらずの茶番ドタバタ劇を繰り広げていく…。
と、連ドラ時代と変わらないミュージカルを挟んだ茶番劇とシリアスを行ったり来たりしながら全く変わらぬノリで進行。今回は華がウジウジ悩んでいる暇もないほどドタバタ忙しなく動き回るので連ドラ時代ほど主人公にイライラさせられることが無くなっていたのは見やすかった。玲は回想シーン以外はピエロメイクの復讐鬼と化しており、尊の妹、つまりマツ(どんぐり(竹原芳子))と巌(麿赤兒)の実の娘であるもののあまり家族っぽさを感じさせないまま最後の方まで進行。華も実の母であってもほとんど情を見せることなく、この辺りは難しいところではあったが一応最後の最後に駆け寄ったのはマツと巌だったり、母と呼ばずとも当時亡くなった父が渡すはずだったクリスマスプレゼントを受け取って感謝を告げる場面などしっかり描いていたし、祖父を殺されて復讐を決めていた美雲(橋本環奈)もこの様子を見て同じ事の繰り返しになる事から復讐を止め、寄り添った渉(栗原類)に少しチャンスが芽生える…と綺麗にまとまっていた。連ドラ時代に振りまいておいた伏線は回収し、これで綺麗に完結と言う事ですっきり終わった感じ。
映画にまでする必要があったのかとそもそも需要があったのかはかなり謎だったがブレずに独自の茶番的作風を最後まで貫いたので少ないながらも支持者は確実にいたのだろう。そんな映画まで見ようという熱意がある人が見ればまず外さない安心の1作だった。
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