テレビ東京系「ドラマ8」枠。10年ほど刑事ドラマを中心とした枠だったが、2023年より「ドラマ8」にリニューアルし、『弁護士ソドム』に続く2作目となった。『弁護士ソドム』は4月28日~6月18日で放送を終えていたが、今作は2ヶ月のブランクを開けて8月18日放送開始。
1話
かつて「困りごとがあればネバーランドの悪魔が助ける」と子供たちの間で噂になり、使われていない古い郵便ポストに困りごとを書いて出すと元凶となっている大人を制裁して救ってくれる「ネバーランドの悪魔」がいた。しかし10年前に姿を消した…。
10年前に郵便局を辞めて街を去り、ホスピスで働いていた力也(田中圭)の元に局長の江口(正名僕蔵)が訪ねてきてまた最近手紙が届き始めているという。これを受けて10年ぶりに局員に復帰した力也は、後輩の桃(志田未来)と働き始めるが…。街では「ネバーランドの悪魔」を名乗る連続殺人が起こり始めていた。
力也と桃は学校に配達の際にイジメ現場を目撃。いじめられていた和馬(寺田心)は母親を交通事故で亡くしており、犯人は笠原ダイナミックスの社長笠原(飯田基祐)。弁護士と結託した笠原はドラレコの映像は無いと言い張り、誰もいなかったはずの目撃証言を捏造して事故は和馬の母の信号無視が原因だとしていた。これに反発して目撃証言を集めようとした和馬は息子の勇樹(染谷隼生)と取り巻きにイジメられていた。状況を知った桃はなんとかしたいと言うが力也は出来ることは無い…と渋い表情。しかし持ち前の正義感と自殺を考えるほど和馬が追い込まれ「ネバーランドの悪魔」を頼ろうとしているのを目の当たりにして覚醒。「ネバーランドの悪魔」としての活動を再開する。
10年前の「ネバーランドの悪魔」の正体が露見したのは先輩だった郵便局員水野(小泉孝太郎)が子供を虐待をしていた父親を殺害して殺人犯として逮捕された事だった。この事にショックを受けて力也が辞めた事、江口も明らかに”知っている”様子だった事、力也が和馬のために活動を再開してすぐにホームレスの協力者マサ(三島ゆたか)に接触して馴染みの様子で力也に協力した事(協力というかむしろ潜入や証拠を盗むのに必要な指紋採取セット、監視カメラ、中継用の機材諸々など調査活動に必要なものは全部マサが取り揃えており、力也はそれらを駆使して実行を担っただけくらいの勢いだったぞ…)から当時の「ネバーランドの悪魔」活動は局長江口も公認で少なくとも江口・力也・水野の3人が共同で行っており、水野が暴走?冤罪?かは不明だがいずれにせよ殺人犯として逮捕される事態になった事から、行き過ぎた正義のダークヒーロー活動は辞めるべきと考えたのかなんなのか活動を辞めた…っぽい事がとりあえず示唆された。
協力者マサが有能すぎてあっさりドラレコ映像をゲットした力也は仮面姿の中継で笠原一家を脅迫して自首するように迫った。笠原と弁護士が不倫関係にあり、事故時も同乗していた事も暴かされて一巻の終わりとなったが、最後の力也からの確認電話に笠原が出なかったため、力也は逃げたと判断して、ドラレコ画像をネットにばらまいた。
しかし笠原は何者かからの電話に出ており、翌日惨殺死体で発見される。力也も驚愕。ネットに悪事がばらまかれたタイミングもピタリ合っていて全部ネバーランドの悪魔案件になってしまった。和馬も自分の責任だと発言し、手紙を出した自分も犯人もただの人殺しとカメラの前で発言。
英雄気取りだった今回の連続殺人の犯人で和馬の担任美術教師の妹尾(永田崇人)はこの発言に激怒し、和馬を消そうとする。
心配して配達途中に学校の前に来た力也は気絶した和馬を背負った妹尾の姿を外から偶然目撃したため、慌てて屋上に駆け付けると妹尾は犯行を自供。「お前はネバーランドの悪魔を名乗る資格はない」とまるで自分の名を汚されたかの如く激怒した力也は妹尾を気絶まで追い込むことに成功するが直後に背後から殴られ気絶。妹尾は真犯人に投げ落とされて死んでしまった。
幼馴染の担当刑事ひなた(高橋メアリージュン)には「妹尾と和馬が揉み合っているのが見えたので止めに入ったが殴られて気絶していた」と虚偽の証言をした力也。これ和馬と口裏合わせておかないとすぐ嘘バレるんだけど合わせたんかな…。和馬視点だと「美術室で豹変した妹尾に襲撃されて気絶、目を覚ましたら屋上でちょうど力也も気絶から起き上がっているっぽいところで声をかけてきた」って事になるのでそのまま話すと矛盾してしまう。ひなたには少し怪しまれつつもこれで偽の「ネバーランドの悪魔」はいなくなったはずだが…「ネバーランドの悪魔」を名乗る手紙が届いて次回へ続く。
肝心の主人公の過去が断片的にしか示唆されず、10年前の「ネバーランドの悪魔」活動を水野と力也が行い局長も知っていたっぽいのは示唆されたが、力也は水野が2年前に獄中死していた事は知らなかったり、殺人事件が起こる前に戻る事を決断しており、何故今戻ろうとしたのかも実は良く分かっていない。2番手キャストの後輩桃(志田未来)もあまりに出番が無さすぎ&「ネバーランドの悪魔」活動周りの事は知らないっぽいが蚊帳の外のままなのか何か知っているのか。
ツッコミどころとしては配達の仕事サボりすぎというのと、弁護士の尾行の一部を制服姿のままやっていたり、前述のホームレスのマサさん都合よく有能すぎ問題、痛快なはずの笠原の悪事を暴く見せ場がダッセェCG合成仮面でネバーランドの悪魔中継という絵的な破壊力が凄すぎたところとか、笠原息子が嫌がらせのために学校で動画をばらまいたんだけどその内容は「和馬の父が裸踊りさせられている情けない姿」というものでこれだけならまだしもそこには「それをやらせて御満悦の笠原」が堂々映っており、これでは「裸踊りさせられている和馬の父が情けない」よりも「大社長の笠原が堂々大人のイジメ加害者」なスキャンダル映像である。これでなんで「裸踊りの父が学校中の笑いもの」という状況になるのか。
などなどチョイチョイおかしな描写もあっただけに、最終的に用意されている真相が穴だらけという残念サスペンスになってしまう可能性もあるのか。そこは不安だな…。
ていうかここまで模倣犯まみれになって殺人も躊躇しない血みどろサイコ悪魔のイメージになってしまってはもう「ネバーランドの悪魔」の名前は放棄して救済活動続けたいなら別名でリセット始動した方がいいよね。
2話
商店街の青果店のおばあちゃん(田根楽子)が転落死する。近年は認知症で施設に入っていたというが息子夫婦によれば徘徊するほどボケてはいなかったという。さらに孫のあかり(浅田芭路)は思いつめた表情でネバーランドの悪魔への手紙を桃に渡してきた。桃が私たちが何とかしてあげないと!と執拗に主張し、郵便局員である自分たちには何もできない、手紙は読まずに警察にでも渡した方がいいという力也に一方的に怒りだして警察でもなんでも持って行けばいい!と力也に手紙を押し付けて去っていってしまう桃。
その後も事あるごとに乗り気ではない力也を焚きつけるような言動と怒りを連発した桃。あかりと直接話した力也は結局手紙を開封。ここまで完全に桃の作戦通りにしか見えな
手紙には転落事故当日、面会事件過ぎまで施設に居て眠ってしまったおばあちゃんが落とした毛玉を拾いにベッド下に潜り込んだところで、何者かがおばあちゃんを連れて行ったというけっこうな目撃証言だった。力也は早速配達を装いながら施設に突入、認知症老人専門で大変そうな施設だったがそこにはバスケ部自体の後輩坂上(遠藤雄弥)がいた。坂上がばあちゃんの死に責任を感じているような発言をした事から何か知っていると察する力也だったが…。
その後、もっとガラの悪い施設長梅下(三浦誠己)が登場。ひなたは1話の事件での最初の被害者となった複数の男性から金を騙し取っていた弓坂(片山萌美)について調べていた。ネバーランドの悪魔の仕業に見せかける死体遺棄の容疑は妹尾にかかっていたが、殺害もそうだったのかはまだ確定していなかったらしい。そういえば力也に犯行を告白した時も弓坂を殺したかは言ってなかったが省いただけかと思っていた。
弓坂の顧客リストにあったのが梅下だった。しかしひなたと部下が話を聞きに行くととんでもない態度の悪さと三倉課長(甲本雅裕)とは知り合いだからと強気な梅下。気になったので調べたら前科持ちの池本という男が履歴詐称で梅下を名乗っていた偽下と判明。三倉も偽下を知らない、知り合いではないと断固主張したので、偽下を任意で引っ張る事が決定。
その事が力也に伝えられ、力也は坂上に知っている事を話してほしくてこの事を告げてしまうが…。翌日偽下が殺されてしまう。逮捕されるのを知っていたのは警察とひなたが話した力也だけなので力也がひなたに疑われるが、力也はすぐに坂上だと気付く。坂上を呼び出すと本当に坂上が犯人だった。偽下にそそのかされて利用者の高級時計を半ば強引に盗まされ以後も偽下の部下として悪事を知りながら加担していた。おばあちゃんは家族に迷惑をかけたくないとして実際のレベルより重い認知症だと加納(平山浩行)に診断書を書いてもらっていたので、ぼけ老人ばかりの施設内においては聡明な人物で施設の闇を暴露しようと動いていた。偽下はおばあちゃんのボケを進行させる怪しげな薬を使おうとするが抵抗されて直接殺害。坂上は実行犯ではないが完全に共犯者であった。
逃げるように助言する坂上に対して偽下は「俺はこの町では絶対に捕まることは無い」と言い放つと全部坂上のせいにしようとしてきたのでキレた坂上が殺害。咄嗟にPCで遺書を打ち込み、坂上がおばあちゃんを運んだ防犯映像は「ゴミ箱」にドラッグ…っておい。今時「ゴミ箱」に入れただけって。せめて「ゴミ箱を空にする」まではやってくれ…。力也の説得で坂上は自首していったが、こんな緩い証拠隠滅では放っておいても数日以内に逮捕されてそう。しかし留置場にいた坂上の元に何者かが侵入、自殺に見せかけて坂上は殺されてしまった。
何故かあかりにはネバーランドの悪魔が力也だとバレていてお礼を言われていたがこれも若干謎。今回あちこちに怪しい意味深描写が多かった。
・桃が全体的に怪しげ。激怒したように見せかけてあかりからの手紙を力也に押し付けており、明らかに力也が動くように仕向けていたし、「力也と坂上の犯行告白の会話を全て外で盗み聞き」、「あかりが力也にお礼を言って力也が嬉しそうにしている背後で厳しい顔をして去っていく」など後半は踏み込んだところにまで平気で出てきていて最早”何も知らない後輩キャラ”ではない。
・偽下のやけに自分は捕まらない存在だと無敵の人主張していた自身満々な態度。
・偽下こと本名池本を知らないと言ったものの事件解決後に桃と同じような厳しい顔の三倉課長。
・施設再建を訴えながら「この施設はもう使えない」と部下に告げる佐伯(杉本哲太)市長。
・この町は変わってしまったと自主直前に意味深な坂上の言葉。
・おばあちゃんの認知症レベルを実際より深刻な虚偽の診断書を書いた加納。この事は力也にさらっと告げていて悪びれてもいなかったが、偽下がもらったという認知症を悪化させる効果のある謎注射をあげた医師とは誰なのか(現時点で出てきている医師は加納だけ)。
3話
ポストにおかあさんが笑わなくなったというネバーランドの悪魔宛のメッセージが届くが差出人も対象も不明。書かれていたチラシがあさひのニュータウンの起業家向けセミナーの広告であったため、桃と力也は付近まで郵便局の商品アピールに出向き、そこで出会ったコンサルの稲田(村田雄浩)から、「カフェはたの」を紹介される。
「カフェはたの」はシチューはおいしいのに異様にガラガラで店主の波多野(映美くらら)も浮かない顔をしており、店内では怪しげなダイエットサプリの営業をしまくる並木(内田慈)が営業していた。どうも逆らえない様子だが…。近所でボヤ騒動が起こり、波多野の娘ほのか(宝辺花帆美)はネバーランドの悪魔がやってくれたとつぶやいているのを力也が目撃。独自に調査を進めると更なる放火事件が発生し、並木の息子拓人(西山蓮都)が放火犯だと判明した。拓人は父の自殺を目撃した事で失語症になり、母が生きるために怪しげな商売をしている事に苦しんでいて、そんな中で似たような母子家庭で苦しんでいるほのかと知り合ってネバーランドの悪魔を名乗ってサプリを燃やす放火活動を行っていたらしい事が発覚。手紙を出したのもほのかではなく拓人だった。
最終的に放火がバレ、まず波多野が覚醒し、もう並木には手を貸さないと宣言。波多野は力也の説得も無く自主的に覚醒していったが、並木の方は拓人が階段から落ちて病院送りになった際に力也が拓人の苦しみを解説説教して差し上げた事で改心。力也が渡したカメラ付ボールペンを駆使して大元である稲田に手を引くと宣言して稲田が本性を見せたところを撮影。セミナーで流し、自らも現場に出て行って告発する事でけじめをつけた。拓人は力也と並木に「ありがとうございました」と失語症からの回復の兆しを見せて去っていった。
稲田の上には市長佐伯(杉本哲太)がいたが、佐伯は自分を助けてくれないなら全て話すと共倒れ覚悟で訴えるがあっさり切られてしまい逃走。逃走間際に力也にはネバーランドの悪魔が背後にいる事をほのめかしたが、直後に駆け付けたひなたら警察も交わして逃走を続けたらしく、その後病院送りにされていた。
今回も後半から蚊帳の外だった桃だが、拓人やほのかが救われた事は把握しているらしく、改めてネバーランドの悪魔の正義とは何だったのかと力也に問う。力也も水野(小泉孝太郎)がネバーランドの悪魔として信念を持って活動していた事を説明し、逮捕されて発覚したのではなく最初から知っていたかのように話していたが、桃は水野は自分の兄だと告白して次回へ続く。
今回は殺人犯ではなく拓人が名乗っていたもののネバーランドの悪魔模倣犯多すぎ…。マジでもうこの「ネバーランドの悪魔」の名前は擦られ過ぎ、1人歩きしすぎで真犯人すらそろそろ名乗らない方がいいレベル。市長が既に力也をマークしているっぽいので、最終的にネバーランドの悪魔名義の殺人容疑全部力也に被せていくつもりなんだろうけど、あまり被せすぎると矛盾が出てきて被せきれなくなりそう…。
4話
さすがに一連の殺人事件現場や関係者周辺を動き回る力也を怪しんだひなたは独自に調査を開始。この際に消されたと思ったら生きて入院していた稲田の元を訪れたひなたは「こっち側」の人間ではないなら保護してくれれば知っている事を話すと稲田から取引を持ち掛けられる。
水野が兄だと明かした桃だったが、少し年の離れた兄妹で両親が育児放棄状態で兄と生きていたがある日児童相談所御一行が桃を保護しに来ると水野は逃走。それっきり会っていなかったという。親に虐待されていた事は水野が力也に明かしていたものの桃の事は話していなかったので力也は妹がいたなんて知らず、水野が何故逃走してそれっきり桃と再会しなかったのかは謎のまま。桃は水野逮捕時に警察が来てネバーランドの悪魔だった事を知り、保育士の仕事を辞めて水野と同じ郵便局員になったという。力也はネバーランドの悪魔活動開始のきっかけを明かす。例のポストに母親から虐待されていた幼女が読んでいた絵本ピーターパンをヒントにピーターパン宛に「ネバーランドへ連れて行ってほしい」という手紙を投函。それを目撃した力也が幼女と接して高熱があり虐待の跡も確認していたのに母親の元へ連れて行って強めにちゃんと食べさせてやれと言ったため、母親に抗議されてしまった。
江口(正名僕蔵)が抗議電話を受けたため江口のところで止めて“上”には言わないでおいた、というシーンがあったが江口って当時は局長じゃなかったってこと?局長より”上”があんの?様子を見ていた水野は間違った事はしていないがやり方はマズかったと述べる。嫌な予感通りに幼女は虐待死してしまい、力也はやり方次第で救えたと苦悩するが、水野は俺達でそんな子供たちを救おうと提案。幼女が遺したピーターパンから「ネバーランドの悪魔」を名乗っての活動を開始したという。
と、活動開始のきっかけが自分だとまでしか説明せず、なのに殺人を犯して逮捕されたのは水野で、何故そうなったのかという桃に「そうでもしないと救えなかった」としか力也が言わないため、それをなんで兄がやらなきゃいけなかったんだ(今さっき活動開始のきっかけは自分だと力也が言ったため)と桃が激怒してしまい過去話は強制終了。
例のポストにまた新たな投函があったのを桃が目撃。結局ネバーランドの悪魔として何をするのか見せてくれと力也に手紙が託され、またしても活動する事になってしまう。しかし同時進行で市長佐伯がネバーランドの悪魔が諸悪の根源だからなんとかしろと警察上層部(三倉も含む)に圧力をかけ、捜査方針変更でいつもウロウロしている力也にロックオンされてしまっていた。
そうとは知らずに監視カメラもある中、堂々と調査活動を行う力也。父親(浜田学)が重病で入院しており、高校生の年齢(高校は行ってない)息子の智輝(佐藤遙灯)が幼い弟(依頼人)の世話をしていたが、父親の入院先の病院で見るからに悪徳そうな院長(酒向芳)に何か取引を持ち掛けられていた。拒絶されて情報を聞き出せなかった力也だったが、加納から病院の黒い噂(とさらっと稲田入院の事実も)を聞かされた力也は違法臓器売買と突き止めて智輝を説得して止める。
今回メインの事件にあまり時間を割いていないのでかなりテキトーに智輝が弟の元に帰って桃が手料理振舞っててニコニコワイワイでいい話風に終わってしまったが正直何も解決してない。悪徳院長が父親の病気を長引かせて仕向けているのかと思ったら何も無く、普通に父親死にそうだし、治療費払えないし(治療費のために違法臓器売買に手を出そうとしていた)、智輝と弟は保護案件だろうけど父親が治療できなくなって死ぬのはあきらめろコース一直線になってるじゃないか…。
ついでに稲田に会いに行った力也だが拒絶されてしまい、ネバーランドの悪魔活動では何も救えないと言われてしまう。バックの黒幕が全くつかめず「お前は巨大な渦の中にいる」と言われてもチンプンカンプンで狙われている危機感が皆無の力也。そのまま防犯カメラに映り込んだまま退出していき、直後に取引に応じようとひなたがやってきた時は稲田は殺害されていたのでそのまま稲田殺人犯として逮捕状が出てしまった。
そうとは知らず、いつの間にか親しくなっていたフリーライターの風間(金澤美穂)から過去の新聞記事から院長に安楽死をやっていた疑惑があった事を教えてもらっていた。ネバーランドの悪魔の調査してて力也に(桃にも)邪険にされていたのにいつの間に情報提供してもらうほど風間と仲良くなってんの…?そして記事の中に奥さんを安楽死させた共犯疑惑として加納の名前もあった事から加納の元へ乗り込んだ力也はどういう意図で仕向けたんだと迫る。もう仕掛けた罠は発動済みで力也逮捕が確定しているせいか懐かしい写真だなぁと余裕顔の加納で次回へ続く。
どうもドラマ開始以来ずっと「ネバーランドの悪魔」を利用され、終始黒幕に振り回されている感が強かった力也だが、今回はさすがに危機感が無さすぎた。ひなたが局長に話を聞きに来ているところは目撃していたので自身に捜査の目が向いている事くらいは察せられるだろうに呑気に活動を続行していたり、稲田に会いに行ってしまったり、会いに行った割には何一つ要領を得た回答を得られず(そもそも稲田に会って何を聞くべきなのかも分かっていない)自身が置かれている危険な立ち位置を自覚できないまま知らない間に逮捕状って。しかもまだ気づていないで呑気に加納の元へって…。さすがに次回は「逃走中」確定だが、もう少し攻めの姿勢で逆転していってほしいぜ…。
5話
力也に逮捕状が出て江口や桃が困惑している中、力也はそうとは知らずに加納の元を訪れてお前が犯人だったのかと問い詰めていた。加納は開始数分であっさり犯行を自供すると1話の妹尾、2話の坂上、3~4話の稲田を殺したダイジェスト回想メドレーも展開。御丁寧に力也に逮捕状が出ている事も教えてくれた。加納に襲い掛かった力也だったが、前回臓器売買していたのに成敗されずに放置したまま終わっていた悪徳院長が救援に駆け付けてきて力也は捕獲されてしまう。その後の話し合いではある程度崇高な目的を掲げる可能と金儲けしか考えてない悪徳院長の間では利害は一致せず、空き病棟を監禁場所に提供しただけで院長は去ってしまった。
上からの力也の処分をどうするかの決定が下されていないステイ指示だったため、ここからは加納が安楽死用の薬液をセッティングした状態で注射針をちらつかせているだけの場面が延々と続くという若干珍妙な光景が展開。この間に水野を処理したのも加納だという事や妻を安楽死させた経験から闇堕ちした事は示唆された。
注射針をちらつかせている間に、ひなたは疑いの目を力也から加納へと移して後輩の長谷と共に加納が殺人犯である証拠をかき集めていた。最終的に課長を説得した際には一連の殺人事件と関連事件死者の検視を1人残らず加納が行っていた事、病院の防犯カメラに勤務の予定が無いのに稲田殺害前後に映り込んでいた事が挙げられ、課長らはあっさりと加納逮捕へと傾いていった。なんか力也に比べると加納殺人犯にするには証拠弱くない…?課長たちは不自然に顔を見合わせながらもひなたの言う通りに捜査方針変更の指示を出していくがこれはどっちだろう…。佐伯の指示で力也か加納か自然な方を逮捕するように見極めていたのか、正義の判断をしているだけなのか。
力也救出の際は桃が力也に仕込んでいたGPSが役に立ち、この過程で桃はひなたを信頼して水野が兄だと明かし、この流れで水野と力也がネバーランドの悪魔活動をコンビで行っていた事もひなたが知るところとなった(ただし力也はこの事を知らず、ひなたもその後あえて問わなかった)。
結局注射針をちらつかせているだけで正式に力也殺害中止命令が下り、加納は逃走。桃が力也を発見し、ひなたの追跡をかわした加納だったが力也と桃の前に倒れ込んでくるように再登場。首に注射針があり、何者かに安楽死用の注射を刺されてしまったらしく、力也にネバーランドの悪魔は終わらないと警告して死んでしまった。
捜査本部は解散、ひなたは本部で飛ばされる(表向きは功績で栄転)事になってしまう。それまでの間に少しでも黒幕を探ろうと風間を使って独自調査を開始。風間は今回も加納の過去(安楽死で奥さんを死なせた、その後安楽死合法化に向けて動いていたが医師会から排除されてこの町に拾ってもらっていた)という事を昔の新聞記事を見せながらドヤ顔で語っていたが、なんかこう…昔の記事漁る以外に独自の聞き込み取材資料とかないのか…?
市長の佐伯としてはネバーランドの悪魔として罪を被って消えてもらえれば力也でも実行犯の加納でも構わなかったらしく、力也はひとまずターゲットから外されたらしい。加納を殺した悪徳院長は佐伯から有力な支持者を臓器売買からの移植で死なせないようにする特命を受けており、前回の智輝を再度狙おうとするが力也に阻止され、ひなたの指示で探っていた長谷に臓器売買の容疑で警察へ連行となった。…が、佐伯の市長パワーで即釈放。釈放させたのは例の支持者の臓器移植の件だからなとしつこく忠告されていたが次は誰を狙うのか…。
前回スルーだった智輝と死にそうな父親だったが、力也の紹介でホスピスに移動して残りの時間を家族3人で過ごすとの事で、放置せずにきっちりと説明された。
智輝が院長が清掃員にヘコヘコしているのを見たと聞いた力也は1話以来の登場となるハイテク諜報員浮浪者のマサさんに調査を依頼。怪しい清掃会社が見つかり、これまでの事件関係が全て市からの援助を受けている事も掴んだ。力也はようやく佐伯が黒幕ではないかとにらんで桃にも説明。単身で佐伯に接触しようと動き出したがその直前に例の清掃会社のバンが行く手を塞いだ。降りてきた運転手の男は死んだはずの水野で驚愕して最終回へ続く。
回想では水野が殺人犯になるきっかけになった事件も断片的に出てきて力也が杉原(波岡一喜)に追い詰められていたのを助けるために背後から刺殺したっぽい事、その後逮捕される前にネバーランドの悪魔活動はもう辞めて自分の人生を生きるように言われていた事も明かされたが…佐伯より上の権力者はもう出てこないと思うので佐伯は権力上のラスボスとはいえ最後はあっさり逮捕で片づけても問題なく、説得を要するという意味でのラスボスは水野になるのだろうか。
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