2020年秋クール日本テレビ系(読売テレビ制作)「日曜ドラマ」枠。おおのこうすけによる漫画原作。
1話
不死身の龍と呼ばれた最強最凶の伝説のヤクザ龍(玉木宏)は家事のできないキャリアウーマン美久(川口春奈)と結婚してスーパー専業主婦になっていた…という事だが2人の出会い等は描かれずいきなり一戸建てマイホームで既に小学生の娘向日葵(白鳥玉季)もいて幸せに暮らしているところからスタート。あまり各々の関係性や時間軸の詳細は明かされなかったが、今も江口(竹中直人)率いる天雀会に所属する元舎弟の雅(志尊淳)らは戻ってきてほしいと願っていて、特に雅は頻繁に家にも出入りしているらしく、美久や向日葵とは顔見知りのようだ。
基本的に龍の極道顔芸と極道×主婦のギャップ芸を延々繰り広げるコメディ路線で、中盤以降ライバルの組に乗り込んだ雅が病院送りになり、江口が組に戻ってほしいと呼びかけて龍が抗争の準備をしている…と思わせるミスリードも非常に分かりやすく別の準備しているっぽいのは明白。案の定、主婦仲間(MEGUMI)のパーティーの準備で、天雀会御一行と警察がズッコケてドタバタ終わり、ショックのあまり動き回った江口が逮捕されるシーンでは金八パロディ(中島みゆきの「世情」を一瞬流す)という昭和のギャグまで繰り出すドタバタっぷり。
思った以上に川口春奈の出番が無くて玉木宏の顔芸極道主婦芸ばかりでファミリー感や背景が見えずに微妙だったが、それ以上に娘の年齢が高すぎる矛盾は原作に無い娘を無理やりねじ込んだ弊害かと思ったがラストで龍の実の娘では無い事は明かされた。
ただそれにしたって川口春奈が25歳で白鳥玉季が10歳なのでヤンママすぎる。公式に年齢設定は明記されていないが「14才の母」状態だったのか、あの見た目で30代の設定なのか。むしろ龍の連れ子設定の方が自然なんだけど…。
2話
出所してきた虎二郎(滝藤賢一)も大物ヤクザっぽく描かれていたものの実際に動き出してみたらクレープ屋のおじさんになっていてと張り合いコントを繰り広げるというにぎやかしレギュラーが増えただけだった。隣町の婦人会とのバトルを中心に盛り上がりハイテンションなケンカコントが延々続いたが、なんと天雀会は先週の逮捕オチのせいで解散になっていた事が早くも発覚。しょうがないので組長の妻、雲雀(稲森いずみ)がパートする事になり、これがきっかけで婦人会同士のバトルを取り仕切る審判という謎な役回りに利用されるというぶっ飛び展開。ケンカの発端は出し物のクレープやたい焼きの材料が業者から買い占められた事でお互いの仕業だと思っていた事だったがオチとして虎二郎が買い占めていた事が発覚して仲直り。
というわけでほぼ全部ハイテンション極道コント。楽しい事は楽しいがこんなんで最後まで持つのかは心配…。
3話
ハロウィン回。向日葵(白鳥玉季)のクラスの男子の父親がTVにも出ている有名な主夫(鈴木浩介、妻役に鈴木亜美)という事で、ゲストなので人当たりのよさそうなこいつが実は裏の顔を…とかそういう展開なのかと思いきややや承認欲求の高さは目立ったものの最後まで裏も何もないただのオッサンで、龍が弟子入りして兄貴と呼ぶという主夫×ヤクザギャグ要員でしかなかった。
主軸は向日葵がいつも一緒にいる友人と別々に帰っているのと向日葵の元気が無い事を察した龍がハロウィンでサプライズで極道桃太郎を演じてその話の流れでちゃんと謝って仲直りしようというメッセージを込めるといものだった…。ハロウィンを分かってないのと世間ズレしているのが災いしてパーティーの中でも浮きまくり、引かれまくりだった中で、さらに極道桃太郎はただ龍が極道喋りしているだけでクソつまらなく(作中でもみんなポカーンとしていたのでなんかよう分からん…という設定だったと思われる)、向日葵のためにしてもあまりに回りくどい…。紛れ込んだ強盗犯まで出てきて、最後は襲い掛かってきた強盗犯にビビってフリーズした鈴木浩介の拳の位置に犯人が転ぶように龍が絶妙なサポートを仕掛けて倒させて華を持たせるなどゲストにしては妙に立てて終わるし…。最終的に向日葵は友人と仲直りできて龍にも感謝していた様子だったので良かったけど、まだこの家族の謎(美久と向日葵の年齢が近すぎる&龍の実の子ではない)が全く明かされてないからなぁ…。
4話
美久の両親がガサ入れに登場や夫婦の過去が明かされることが予告で示唆されていたが予告詐欺。しかし作風に変化が…という回。
美久の両親(正名僕蔵、YOU)は冒頭で家にやってきたがノリのいい夫婦で特に問題も起きず。母が美久に改めていい旦那に出会えてよかったねと伝える場面があり、これが過去回想に繋がるのかと思われたが…。確かに本人は振り返っていたが、予告に出ていた豪雨の中で向き合う2人以外の回想は出ないという予告詐欺だった。
これまで全く出てこなかった美久の職場が出てきて、美久が仕事している場面も多めに出てきたが上司(今野浩喜)は元ヤクザが夫なのをクライアントを気にしてよく思っておらず、美久のデザインが新たなビックプロジェクトに採用されたのも元ヤクザが旦那というのがバレたら話が消えると信じ込んでいて苦言を言い出す始末。これに美久がナーバスになってしまい、さらに美久の忘れ物の設計図を筒状のカバンに入れて届けにいった龍がいつものように警官にライフルと勘違いされて止められる→押し切ってやってくる→警察と見かけた元天雀会一行がぞろぞろくっついてきてビルの中で騒ぐ→美久の資料でした、というこれまでは全方位ギャグで投げっぱなしのオチでも成立していた展開だったのが、警察も謝罪もせずに帰るもんだから美久と会社サイドではシリアスになってしまうという新展開に。
これが原因で美久は会社に寝泊まりするようになり、主婦会、元天雀会は離婚寸前だと早合点してヤクザ復帰を巡って揉め始め、大城山組もやられる前にやってしまえと準備を始めるというほとんどギャグみたいな三つ巴抗争に…。大騒ぎしている連中が100%ギャグなのに全くギャグになっていない美久の上司は弁当を届けに来た龍に元ヤクザだから仕事がダメになるかもしれないだのなんで結婚したんだだの美久の将来を考えれば別れた方がいいだのと1人シリアスに暴言を言いまくる。ていうか踏み込みすぎだろ。この上司何気に凄い度胸だな…。龍は落ち込んでいる中で思いっきり交通事故に遭って吹っ飛ばされてしまい…。龍に連絡が取れず向日葵からまだ帰って無い事を知らされた美久は家に走るが…。予告ではどういうわけか家に連絡が行かずに龍は行方不明扱いになる模様。
という事で初の続き展開&シリアス。これまで極道ギャグで振り切ってきていて元ヤクザに本気でビビる登場人物はいなかったのに美久の職場が出た途端に急にシリアス。しかも役者が揃いも揃ってお笑いに走っているこのドラマでギャグの通じないシリアスをやっている上司役が元キングオブコメディのボケ担当だった今野浩喜というのは狙ってやっているのか、すっかり役者になってしまったのか。
主婦会のMEGUMI、元天雀会の竹中直人辺りがどんどんギャグ色強めでアドリブみたいに飛ばしまくっているのでギャグ一辺倒でも濃すぎて辛いが、唐突なシリアスとのバランスが全く取れてなくてかなり異様になってきた。
5話
龍がいなくなったというシリアス展開に持っていくためにかなり強引な良く分からない展開に。前回、元極道である事を美久の上司(今野浩喜)に言われて龍が気にして落ち込んでいる帰り道で交通事故に遭って吹っ飛ばされたところからどう展開するのかと思いきや龍はちょっと血を流してフラついているだけで事故を起こしたお姉さん(?)(りんごちゃん)の制止も聞かずに去ってしまった。そのままフラついて家に帰らないので、いつもの面々が大騒ぎして、江口(竹中直人)は天雀会に戻すために本格的に別れさそうと画策、それを知った主婦友の田中(MEGUMI)は怒り、両者コントのようなケンカを繰り広げるドッタバタ。
肝心の龍が何故帰らないのかは良く分からないままどうやら何かを準備している様子(いつものパターン)。これを極道に戻るための儀式と勘違いしたコント勢がさらに大騒ぎする中、美久の回想でようやく2人の出会いが描かれた。原作では描かれていないのでドラマオリジナルらしい。
10年前に妊娠し、母(YOU)に産むと宣言して認めてもらっていた。そして生まれてだいぶ経過した2年前、美久はシングルマザーとして就活しながらファミレスで働いていた(後輩店員役に大原優乃)。ある日、雅(志尊淳)と共に客としてやってきた龍は常連になってやたらと「姉ちゃん!」と来るたびに美久を呼んで注文していた。さらに「子持ちも好きだ」とか「結婚について聞きたい」と話しかけてくるため、大原優乃からもあの人は美久に気があるのではないかと言われ、美久も少し気になる存在になっていた。
という美久視点での出会いが描かれた後は、意を決した美久が取引先のプレゼンの際に旦那が元極道だと自ら告白、慌てる上司を一喝して全てを話してスッキリ帰ろうとしたが相手の会社は常識人で「我々は貴方のプレゼンを聞きに来た」と気にしない対応をしてくれた。
そしてついに龍が帰還。龍はケジメとして結婚式の準備をしており、結婚式を開催。勘違いコント御一行は最終的に一致団結してヤクザに戻るのを止めるために乗り込んできたが、扉を開けた瞬間に珍しく全てを悟り、「サプラ~イズ!」と言い出してサプライズでお祝いに来たそぶりでごまかし、和やかに結婚式が行われて終了。
最後は綺麗にまとまったが、偶然の勘違いの連鎖を無理やりまとめた感じで…しかも龍ビジョンで描かれた美久との出会いも勘違いの重ね掛けで美久が思っていたものとは違っていた(さすがに龍も気づいたようだがそこは黙っていた)。
やたらと「姉ちゃん!」と来るたびに美久を呼んで注文していたのは他の店員も大原優乃もヤクザを怖がって目を伏せていたが美久だけは読んだらスッと対応してくれたので以後呼びやすい美久を呼んでいただけだった、子持ちも好きだというのは当然美久が子持ちなのを見抜けるわけないので頼んだ料理の魚が子持ちだったのを言っただけ、結婚についてはパフェの苺のシロップが血痕みたいになっていたので「血痕」について聞いただけだった。
と、この時点で美久へ全く気持ちが無かったことが判明。美久の回想では何を話したかは描かれなかったその後で外で偶然会って話をした時が龍が初めて意識した時だったようで、龍ビジョンでこの際の会話内容が判明。美久は大学時代にシングルマザーになったことを告白し、子供への愛を語ると同時に気持ちは嬉しいけど付き合うとかは無いと宣言していた。龍がどう思ったかは不明だがたくましく生きる姿に惚れたのか、守りたい者が出来たと江口に足を洗う事を宣言し、ケジメとしてライバルの組を1つ潰し、その足でプロポーズに出向いていた(前回出てきた雨の中のシーン)、という事でお互い意識したタイミングが違って勘違いがきっかけだったらしい。なんかこのドラマ自体が毎回勘違いオチばかりだけど、2人の出会いまで勘違いオチで良かったのか。しかもオリジナル話で…。
美久の年齢は明かされなかったが、10年前に子供を産んだこと、さらに龍に「大学時代に子供が出来たが相手は逃げた」とシングルマザーになった時期と経緯は語ったので、大学生18~22歳の10年後となる28~32歳設定である事は判明した。
6話
雅(志尊淳)が喫茶店のゆかり(玉城ティナ)に恋をしたのをみんなで応援するという完全オリジナル回(ゆかり自体がドラマオリジナルキャストなので)。例によってドッタバタ大騒ぎしながら雅がゆかりとのデートに奮闘し、張り切った美久主導で龍や江口夫婦もサポートするが何故かことごとく用意した仕掛けが変なものになっていて…。またゆかりとやり直したいという謎のトラック野郎タケシ(柳俊太郎)が登場。タケシを引きずるゆかりに結局後押しするような事をしてしまい失恋。そして冒頭で雅の恋バナと聞いた瞬間から終始機嫌悪かった向日葵の様子に龍だけが途中で気づいていた。実は向日葵は雅が好きだったようで面白くなくて妨害工作をしていた(龍が用意したネックレスがメリケンサックになっていたり、江口夫婦が用意したBGMや刀も別のものにすり替えられていた)。雅がゆかりを好きなのは微塵も気づいていなかったのにしっかり父親している龍でホッコリ…。
と、終わるのかと思いきやタケシが不穏な電話をしていて恋愛感情など無い、稼がせてもらうなどとどこかへゆかりを売り飛ばそうとしているかのような事を言っていたのを通りがかって聞いた雅はトラックを追いかけて激走。決死の思いでたどり着いた怪しい地下空間では…
なんかタケシがDJやっててゆかりがラッパーとして登場。実はHIP HOPユニットを組んでいたタケシとゆかりは仲違いして解散していたが、このたび再結成したという。やり直したいというのはユニット活動のことであり、そもそもこの2人に恋愛感情は無かった。あまりのトンデモオチにツッコミもついていけず、ゆかりがノリノリでラップバトルを挑んできて巻き込まれるも乗り切れずにいいところなしの雅。そこにライブに誘われていた龍が登場。雅を励ましたかと思うとマイクを奪い取って自分がラップを開始してしまい、そのままラッパーとしてデビュー。TVでそれを見ていた美久は「来週には無かった事になってる」とメタ発言してぶっ飛びまくったまま終了。
当初ヤクザ相手にもあまりビビらずハッキリ言ったり、周囲にもあまり関心なくてスマホいじってたりとクールな現代っ子みたいな感じだったゆかりだったが、オリジナルキャラで全く定まっていなかったのか、掘り下げてみたら意外と普通に明るい子に。雅との距離感もなんだかつかず離れずな感じで、そもそもそんな親しくなってたっけ?というくらい友達くらいにはいつの間にかなってるし、最後はラッパーになっちゃうし。雅がほとんどラップせずに龍が持っていってしまったというのは、ラップはやっていなかったとはいえ玉木宏が10年位前までは歌手活動していた名残か。
7話
美久が大好きなアニメネオポリスガールのフィギュアを龍が掃除中にうっかり落としてバラバラにしてしまい、慌てて庭に埋めて隠蔽。鈍い美久が気づかないのでその日はやり過ごすが早めに弁償しようとおもちゃ屋へ出向くとまさかの定価20万円。慌ててバイトして資金を貯めるのに奔走する龍。また20万円はボッタクリじゃないかと店で揉めていたのが通報されて駆けつけたいつもの警官コンビのうち酒井(古川雄大)もこのアニメの大ファンで探し求めていた事が判明。警官はバイト禁止なので食費を極限まで減らして浮いた金で20万円を貯めようとしていた。程なくして同時に20万円をクリアして店に向かうが売り切れになってしまい、2人は共同戦線を張って幻のショップの噂を辿ってフィギュアを探し求めていく。
が、ここまでの怪しい行動が周囲に不審がられ、町内会御一行(MEGUMIら)からは黒田家の家計が火の車だと誤解され、元天雀会御一行(稲森いずみ、竹中直人、志尊淳)からは龍が病気になったと勘違いされ、それらが美久にも伝わって不安が募っていく。また警官コンビ佐渡島(安井順平)は酒井が龍と組んでクスリの闇取引をしているのではないかと睨んで所長と一緒につけまわす…と勘違いギャグの連鎖で話は展開。
最後は幻のフィギュア販売店を求めてアニメの聖地巡りをしていた2人がアニメと同じシチュエーションでリアル闇取引に遭遇。龍から勇気をもらった酒井が奮戦して銃を向けられながらも不意打ちで犯人を攻撃して逮捕することに成功。今回の件でこれまで距離があったというか龍を誤解ばかりしていた酒井が龍を見直して終了。最後は埋めたフィギュアを告白する前にバレてしまい龍が美久に締め上げられておしまい。
という事でドタバタ勘違い劇で前回の玉城ティナに続いて警官勘違いギャグしかやっていなかった酒井がピックアップされなんかイメージ崩壊級の一面を見せるというのは共通していたが…。
ていうか20万円もするのにちょっと落としただけであんな中央から真っ二つ&細部もバラバラになるとかどんだけ繊細なんだあの人形…。
8話
人気スイーツチェーン店ちぇりーぱふぇぱふぇが街にやってきて既存の喫茶店などが壊滅状態に。ちぇりーぱふぇぱふぇのオーナーリサ(馬場ふみか)は街を乗っ取ろうとしているという黒い噂も飛び交い、龍は田中(MEGUMI)から地域を取り仕切る影の顔が集まる組織八竜会を紹介され、会長にして甘味王と呼ばれる福田(石田ひかり)の元でスイーツ修行を行った後に自身の店を開店して対抗するが…。
相変わらずのドタバタで、どうせ町乗っ取り系の話はいつもの勘違いだろうと思ったら、リサが母に捨てられ、母が住むこの街を乗っ取ろうとしているのはマジらしい事が判明。龍はリサのパフェと福田から教わったスイーツの素材に共通点を見出し、対決のフリをして親娘の再会を後押しする…。
というなんだかよく分からない展開でリサと福田が親娘だった事が判明、最後は仲良くなって終わっていたが、リサを見ても全く気付いてないっぽかった福田がどういう経緯でリサを捨てるに至る過去があったのかも良く分からず…。馬場ふみかが今更ギャルっぽい役回りというのも含めてなんだか違和感が…。
9話
向日葵が龍が本当の父親ではない事でクラスメイト男子にイジメられたためやり返してケガをさせる事案が発生。向日葵を叱らずに甘い龍に向日葵もどこか距離があり、2人の距離を縮めるために美久は雅と共にレギュラー陣を巻き込んで狂言誘拐を企み、ドタバタコントが繰り広げられる…。
かつて龍が滅ぼした渡瀬一家が絡んでいるという設定にしたところ、本当に渡瀬一家が街にやってきているとの情報が錯綜し、龍が本気にしてしまったため、慌てた2人は真相を話そうと向日葵を連れていくが、雅が背後から襲撃され向日葵が車ごとさらわれてしまい、本当に誘拐されたと焦って最終回へ続く…という初の続きモノ。しかしこの件が最終回序盤でとっとと片付くらしい事は予告で判明していて最終回のメイン話は別の勘違い話になる模様。最初から最後まで勘違いギャグと大声ハイテンションコントで乗り切るんだな…。
10話
向日葵誘拐事件は向日葵の冷めた態度を見かねた江口夫妻が重ね掛けで(美久や雅に内緒で)狂言誘拐を引き起こしていたもので、龍の本音が聞けて本当の親子になれた感を出してこのドラマとしてはMAXレベルにいい雰囲気で序盤に終結。意外とこれまでのこのドラマ、いい話風にまとめてても龍の行動や意図と周囲の理解がズレてるのでそれでドタバタ大騒ぎして最後はうまく収まったみたいなテンプレが多かったので、双方の思いがしっかり通じ合って龍がちゃんと家族愛を言葉にするのも無かった。正直ここでドラマを締めにしても良かったかも。
最終回のメインは龍の余命3ヵ月勘違いドタバタ。風邪をひいて寝込んだ際に1日で治ったものの、美久がデスドリンク(冷蔵庫の中身を片っ端からミキサーした怪しげ液体)を無理やり与えたせいで腹痛に陥り、病院で診察を受けた後に医師が「持って3ヵ月か」と言っているのを田中(MEGUMI)が聞いてしまいレギュラー陣に拡散、最後にやりたいことをやらせてあげようと各自もてなすという茶番に。
龍が重病だと勘違いするのは7話でも田中がやったばかりで被ってるし…。一応視聴者にも真相を隠していたが病気じゃないのなんてバレバレすぎて、いい話風BGMかけたり、笑いながら悲しみに耐える龍以外のレギュラー陣とか割としんどかった…。その真相も普通に龍が医師に持ってきた手土産の賞味期限が来年の3月だったのを見て発した言葉、というひねりすぎて不自然なグダグダなオチ…。
最後はクリスマスで割とナチュラルに勘違いに気づいて安堵する美久、向日葵もくっついてきて3人家族愛。そして後日レギュラー陣を集めて舞台上で着物姿の龍、美久、向日葵が登場。勘違いさせていた事を軽く謝った後に(むしろ田中お前が謝れ)来年への希望のメッセージを龍が送るという謎展開。この台詞は最早物語ではなく視聴者への来年へ向けての希望のメッセージになっていた。
全部終わっての感想
最早原作漫画は設定の一部を借りただけでドラマは別物だったっぽいが(原作にいない向日葵やゆかり(玉城ティナ)がメインで動く回なんか確認せんでも完全オリジナルだし)、基本的にハイテンションギャグで笑いを巻き起こしながら進んでいくその場限りのコント展開で、物語は正直ほぼ無かった。ノリが楽しいので最後まで面白く見れたものの、連ドラとしての展開や登場人物たちの変化とかはあまりなくて、後半ほどハイテンションでふざけ倒しているだけの場面が目立った。肝心の土台となる龍と美久の出会いもオリジナルで描くも結局きっかけが良く分からないし、ここも勘違いネタぶち込んで結婚させてしまったので、龍と美久と向日葵の家族愛がちゃんと勘違いもおふざけなしで描かれたのが最終回だけ。そういったところも含めて勘違い&極道ギャグで話を転がすにしても締めるところはもう少ししっかりさせてほしかった。
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