テレ朝土曜ナイト枠。同枠『アリバイ崩し承ります』、『M 愛すべき人がいて』に続く作品。元々この枠は話数が少なく遅れて放送開始になる事も多くその間は別の番組で繋いでいたため、今作に関しては新コロ延期は特に発表されずに最初の発表通りに放送開始となった。ただし『M 愛すべき人がいて』は中断を挟んでいるため、本来どのような予定だったかは不明。
1話
彼氏(柾木玲弥)に尽くし貢いで借金取りに追われた挙句に捨てられて行き倒れた澪(小芝風花)は伊和(松本まりか)に救われ神社の境内にあるシェアハウスで介抱される。話を聞いてやたらと怒り狂い復讐だと持ちかける伊和。そしてどこか怪しげな住人達。その夜、妖怪の姿になっているシェアハウス住人を偶然見てしまった澪は気絶。半信半疑のまま復讐計画に乗っかり、伊和が彼氏を誘い込むがこの間に伊和が再度妖怪化。お岩さんだったと判明、お岩さんに当てられた澪もお岩さん化して包丁片手に彼氏に迫るが、彼氏がこの恐怖の土壇場で意外とハッスルしてきしょうんだよ!重いんだよ!と捨て台詞を吐いたためお岩さんの方が精神ダメージを喰らってしまい、澪も正気に戻った。彼氏はさらにシェアハウス住人たちの妖怪化に散々びびらされて逃げ出し、妖怪化した住人たちに澪も逃げ出そうとするが戻ってきてお岩さんを励ます人の良さを見せる。
改めてここが妖怪シェアハウスである事を説明された澪。4人全員が妖怪であると同時に人間界では看護師、弁護士兼経営コンサルタント、オークション会社に勤務、シェアハウス管理人と人間形態での仕事も行っていた。弁護士でもあるぬらりひょん(大倉孝二)のバックアップで彼氏に貸した80数万への返却を請求した澪は、やり直そうと迫るクズ彼を激昂してスリッパアタックでひっぱたくガッツを見せると勢いで出版社への就職面接へ挑む。住む家が決まるまでシェアハウスに居候させてもらう事を決めて物語が始まった!
という事でおどろおどろしい部分もありつつコメディ妖怪モノ。昨年は単発ドラマでゾンビに追われていた小芝風花だが、ワタワタする巻き込まれ型(しかし決意すると強さを見せる)の役どころがハマっていて好印象。
シェアハウスがある神社の神主でもある水岡(味方良介)とシェアハウスの関係はまだ明かされなかったが、水岡が澪を見た際に妖気が溢れていた事、彼氏をひっぱたいた際にも妖気がほとばしっていた事から、既に影響は受けているようだ。
2話
神主でもある水岡はシェアハウスの大家的存在で陰陽師の末裔だが霊力が足りず結界を張っても効果が無く、住人達にはお手伝いとして使われるという弱い立場の存在だったことが判明。
こんじゃくプロダクションでの1週間のバイトが決まり、ブラックな社長の原島(大東駿介)にいきなり厳しい仕事を命じられた澪だったが、出入りしていたスター編集者の宗像(蕨野友也)に気に入られて仕事を頼まれる。しかしシェアハウスの面々は宗像を怪しいと言い、実際澪は危うく襲われそうなところで実は澪を心配して見に来た原島に間一髪で結果的に救われていた。
井戸から新たな妖怪(ゲスト)、お菊(佐津川愛美)も出現して宗像を調べた結果、やはり数々の女性にパワハラ・セクハラを繰り返してきたクズ野郎と判明。しかし澪は仕事がかかっているので単身出向いていき、今度は完全に襲われそうになったところでお菊の井戸が出現、シェアハウスへと瞬間移動すると妖怪化した面々によるお皿アタックが繰り広げられ、それでもなおクズ発言をする宗像に澪の怒りのラストお皿アタックがさく裂して成敗。
翌日、宗像は公園に全裸で浮いていてわいせつ容疑で逮捕されたとネットニュースになっていた。また原島により澪が正式採用されることも決定。態度は冷たかったが澪が原島に命じられて行っていたオカルト話の電話取材を受けたうちの1人が澪が親身に話を聞いてくれたとお礼の電話をかけてきた事が決め手になっていた模様。態度はブラックだが、宗像の魔の手から救いに来てくれたりけっこういい人…。
ゲストのお菊はやたらとギャルのようなノリのハイテンションで明るいお方だったが、佐津川愛美振り切れていたなぁ…。「がんばっていきまっしょい」とか「海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ」の頃のおとなしい清純派イメージが強かったけど、かれこれ15年くらい前になるのでもう30越えたと思うんだけどあのギャルテンションとはなかなか凄かった。たぶんあのままじゃ加齢と共にフェードアウトしかないような感じだったんだ家に主演級じゃなくてもピンポイントで今でもよく出てくるだけの事はあるな。
3話
故郷喜界島の大親友だった藍(松田るか)と久々に再開した澪は結婚を考えているという実業家の彼氏(渋谷謙人)を紹介される。しかしその場に居合わせて合コンをしていたシェアハウスの住人酒井(毎熊克哉)はその男に見覚えがあるという。
後日その男の素性を思い出した酒井はそいつが元ホストのなりすまし詐欺師であったことを突き止めシェアハウスの妖怪たちと情報を共有。澪の事ならともかく澪の友人の事までは面倒を見る義理は無いと考えるシェアハウス住人たちだったが、立ち聞きした澪は止めるために1人動き出す。しかし藍には通じず逆に縁切りされてしまう始末。
どうも大親友と言っていたものの、澪がそそっかしいので妹のようだとは藍も言っていたが、内心は子分レベル、格下の存在にしか考えていなかったっぽい感じが…。急に意見されてあっさり縁を切ろうとしてくるし…。
それでも住居の契約を止めるために再度乗り込んだ澪だが、不動産もグルだったため、つまみ出された挙句に縛られてゴミ箱に捨てられてしまい、結局卑怯な奴が許せない酒井が駆け付け救助。既に掴んでいた詐欺の証拠を次々と突き付け、ショックを受けた藍は気絶。開き直る詐欺師に酒井より先にブチ切れた澪は酒井の妖怪形態である酒呑童子に似たツノを生やして覚醒。いつものようにシェアハウスへワープした後の妖怪化した住人たちによる恐怖劇場では酒呑童子よりも凄みのある低音ボイスで叫び倒して詐欺師に噛みつくといった妖怪化した行動を見せて成敗。
藍は故郷に帰ると宣言して最後に謝罪と親友継続を確認して去っていったのは少し都合が良かったが(もう少し反省して謝れ)…。
冒頭ではこんじゃくプロダクションでの激務でやつれてヨレヨレになっていた澪は水岡の水晶透視では完全に貧乏神の妖怪化した姿に見えていたし、その次の透視ではツノが生えていて、実際に成敗の際にはツノを生やして鬼化。ギャグ的な描写も多いのでネタ的にやっているのか、妖怪と関わりすぎた事により妖怪化が進んでいるという事なのか。ラストで水岡が警告していたので後者っぽいがそんなシリアスになるとも思えないし…。
4話
水岡は神社の経営難でシェアハウス部分を駐車場にするかもしれないとして澪が疫病神のように災いをもたらしたと告げ、澪を追い出そうとする。資金確保のためにSNSでこれまで経験してきた話を妖怪部分をぼかしてまとめた澪だったが見事にバズる。書籍化の話も進む中で、アマビエ(片桐仁)が登場。澪の今後をいいことが続くがその後悪いことが起こり、そうなった際には私の似顔絵を描いて人々に見せろと予言。
その後さらにバズって有頂天になっていたが、澪の引っ越し記念パーティーの際に酒井との2ショットをアマビエに頼んだところ、アマビエが誤操作で写真をSNSにあげてしまったため、澪の素性がモロバレになり、出版社社員の自作自演だったと大炎上。何だか例のワニ騒動を思わせるような世間の掌返しっぷりだったが…。
ていうかアマビエお前のせいじゃないかという空気の中でアマビエは予言通りに自分の似顔絵を書けば何とかなると告げ、澪が書いた全然似てない簡易的なゆるふわアマビエのイラストをSNSに上げたところ癒し効果があるとして評価が一転。しかしこれではマッチポンプのようなアマビエ…。
こうして精神的なタフさを身に着けた澪は初回が嘘のように他人の評価なんてもう気にしない、炎上上等だと言い切るほどに逞しくなった。一方で水岡による経営難の話は澪を追い出すための嘘とシェアハウス住人たちにバレてしまい水岡はおしおきされてしまう。それでも澪がやばい存在になりつつあると確信する水岡は澪に鏡を見せ、その鏡に映る澪は3話に続いてツノが生えている上に霊気が漂っていた。
メディア展開の手際が良すぎて炎上したワニ騒動を思わせる炎上ネタだったが、人々の愚かさを描きつつもアマビエの魔力で解決方法は強引。これもまた世間の身勝手さか…。
5話
今昔出版の会長大滝(山路和弘)の後妻である鷲尾(幸田尚子)が創立100周年の社史編集を1ヵ月で仕上げろと無理難題を押し付けてきて澪がリーダーに任命される。頼られて張り切る澪だったが、来るはずの応援が来ない、来るはずの写真資料が来ない、締め切りだけ早めた挙句に社員2人を引き抜いて原島と澪だけで絶対に間に合わないように仕掛けてくる鷲尾。
実は原島は大滝の息子だったが鷲尾が後妻になってから関係が悪化していた。自身をクビにするためのあからさまな仕掛けだと気づいていた原島だったが、澪は無理すれば何とかなると1人でガンガン引き受けてしまったため結局一緒に奮闘するも澪が古い資料に触れていた事で天狗熱に感染してぶっ倒れてしまった。
天狗熱は水岡が祈祷した事により解除され回復。ぬらりひょんこと沼田(大倉孝二)がこの間に鷲尾の正体を暴いていて遺産目当ての後妻業屋だったことが発覚。原島が乗り込んで主張しても大滝に聞き入れられず、沼田は大滝をシェアハウスに拉致して鷲尾に倒れたと嘘をついて呼び出し、意識不明らしい姿を見せてパートナーに電話してもうすぐ死にそうだと言っている会話を澪が録音。証拠を突き付けて大滝の目を覚まさせることには成功したが、鷲尾は開き直ってくる。
ついに沼田がぬらりひょんの力を開放していつもの妖怪おしおきタイムかと思われたがぬらりひょんの呪いの指パッチンは何も起こらず不発。鷲尾はますます開き直って帰っていくが、キレた澪が以前より伸びたツノで妖怪覚醒モードになり、ぬらりひょんとWで指パッチン…もやはり何も起こらず。
会長である大滝に既に社内での権限が残ってないとかでかなりピンチで大滝が改心しただけという状況だったが、一応遅効性の呪いだったらしく、社長の解任を決定しようとする会議の場で鷲尾は狐に憑かれたように変な声が断続的に出るようになり、そこに何やら味方の古株社員(?)らを大勢従えた大滝がやってきて鷲尾を追放、離婚調停となり会社乗っ取りの危機は去ったらしい。
ラストでは澪がブログを応援してくれているSHIRAHAMAが原島ではないかと気づくと急に原島に恋に落ちてしまって次回へ続く。
ぬらりひょん本領発揮を滑らせるという外しでいつもとは違う展開となったが、澪のツノが伸びるなど気になる要素が…。良く見ると脚本担当の中に『ケイゾク』『SPEC』の西荻弓絵の名前があり、もしかして意外と深い話になるのか…?
あと社史編集のために届いた大量のホコリっぽい過去の資料を扱うためにマスクが用意され、ホコリ除けのためにマスク着用、澪が熱&咳でゴッホゴホという状況で天狗熱感染からの祈祷で天狗の模様解除と同時にスッキリ治る(病院全くいかず医療行為も全く行わず治癒させる)…と現実世界の大騒ぎっぷりを揶揄してんだかしてないんだか分からない描写もあったが、制作側にこの現状について何か思うところがあっての思いを滲ませた展開だったのかどうか。
6話
SHIRAHAMAが原島ではないかと気づいて原島に恋に落ちた澪。澪をコーディネートするためにゲスト妖怪山姥(長井短)が召喚される。現代の山姥はヤマンバギャルと化しており、渋谷の伝説のビューティーアドバイザーやまちょすとして活動していた。ハイテンションなやまちょすのノリに徐々に打ち解けていった澪はコーディネートで今までよりも綺麗めなファッションに生まれ変わり、ドタバタの末に告白へ向かうも、実は原島は結婚していた。しかし離婚を切り出されて困っていると言われた澪は原島を励ましつつも失恋。
水岡がフラグ立てながら澪を励ましつつも最後は全員ヤマンバメイクで踊り狂うというパーティー展開に。主題歌のmiwaは専用映像も無いエンディング付近の完全BGM使用で正直なんか奥で小さくかかっている程度でしかなかった。miwa側が思いっきり歌詞も合わせて妖怪ダンスまで取り入れてドラマにすり寄りまくってきているのにドラマサイドはそっけないBGM使用だったのでちょっと温度差が悲しいくらいだったが、今回はmiwaサイドの決死のすり寄りに応えるかのように最後のギャルダンスは主題歌をBGMにして主題歌に合わせてダンス…という形になっていた。
ラストでは水岡の父が修行から帰還して澪の妖怪化にも進展がある模様(今回失恋直後に鏡を見たらさらに妖怪化が進行していた)。
7話
結局原島は離婚が成立。気まずくなっていた澪だったが原島に自身の子供時代の話を童話風にまとめた原稿を褒められ児童小説のコンテスト応募を勧められて以前よりも親密になっていく。2人が一緒にいるのを通りがかりに見かけた別れた妻の梨沙(藤井美菜)だったが、その日から澪の周囲でポルターガイストが起きるようになった。水岡が部屋の隅で一瞬姿を見かけた事で生霊ではないかという事になり、ぬらりひょんは黄泉醜女(ヨモツシコメ)(峯村リエ)を呼び出す。…がコテコテの大阪のおばちゃんで、現代ではスーパー結婚コンサルタント兼凄腕の別れさせ屋をやっているという。
原島と梨沙を再度引き合わせ、澪も交えて4者面談を行いその場では穏やかな雰囲気だった梨沙だったが、その夜に出現した生霊は完全に梨沙の生霊で追い詰められた澪は妖怪化して反撃するが通じず、水岡の霊能力で動きを止めて妖怪たちが捕獲。黄泉醜女は梨沙の隠していた本音である本当は原島と別れたくなかったがプライドと世間体から素直にそのことが言いだせないままに寂しさから次の相手を見つけ出して自ら離婚を切り出すことで自分を傷つけないようにしていたが、原島が新人で才能がありそうな澪と仕事で仲良くしていることを把握すると澪への嫉妬が沸き出てきてその思いが溢れたのが生霊(なので梨沙本人は自覚が無い)だという。分かってもらえた生霊は何と意気投合してしまい、ドサクサのテンションでみんなでワイワイ盛り上がりついにはカラオケ大会まで開催。ひとしきり盛り上がったところで黄泉醜女は次の仕事が入り途中退席、生霊も満足して去っていき元の梨沙へと融合していって解決。
一方で修行から帰還した水岡の父である衛(福田転球)は澪のツノを確認するやいなやこのままでは妖怪化してしまう、防ぐには人間と結婚して夫婦となる事で結界を張るしかないと突拍子もないことを言い出す。さらに導き出された締切は小説の締切と同じ2週間後だった。
困り果てるもそうするしかないらしく相手を探さなくてはいけなくなった澪だったが、翌日水岡がずっと見守ってきて放っておけないから一生守る!とプロポーズ。突如の告白に放心状態だったが、出社すると今度は原島がSHIRAHAMAは自分だと正体を明かし、これからは陰ながら応援じゃなくて一緒に頑張ろう、一緒に住まないかと同棲を提案。同日に2人からプロポーズされてさらに困り果てて次回へ続く。
妖怪化、引っ張ってきた割に急展開の重ね掛けで一気に畳みにかかってきたな…。全8話しかない弊害か…。
8話
妖怪化を防ぐための結婚、候補者がいきなり2人となるも選択できず悩む澪を見かねた座敷童子(池谷のぶえ)は妖怪たちと天狗大王にお札を借りに向かう。このお札はパラレルワールドを実体験できるもので、水岡、原島それぞれを選んだ場合の結婚からその1年後までの生活が実際に送られた。
天狗大王はCGだったがクレジットを見たら声担当が水岡の父と同じ福田転球。大切なものと引き換えにという事でお岩さんが旦那から初めてプレゼントされたかんざし、酒呑童子が愛用の金棒…とここまではその妖怪に深く関係するアイテムだったが、ぬらりひょんは初めて繁栄させた人間の家のそろばん、座敷童子は世話になった人間の家のドアノブ…とマジ顔でネタに走ったので、天狗大王もそ、そろばん!?、ド、ドアノブ!?と間抜けな声を出す始末。
水岡との結婚生活は順調ではあったが小説を書きたいという夢が後回しで後継ぎを期待される事にどこか違和感を、原島との結婚生活は水岡よりもテンションが高く書きたい小説がヒット、映画化して作家として成功するというサクセスだったが、書きたいものを書くのと売れるものを書くギャップに違和感を覚えてしまい、結局どっちも何か不満が残る結果に。
また水岡との結婚シーンのみ(原島の時は不在)、巫女として主題歌を歌うmiwaが特別出演。盃を「DAITANにどうぞ」と主題歌にひっかけて渡すという不自然な台詞を放った。主題歌もプロモーションもかなりドラマにすり寄りまくっていたmiwa、ついにドラマ出演までしてきたが、すり寄った割には意外とドラマサイドが淡白でOP映像では別のテーマ曲(インスト)を使っていたので不使用、終盤でドラマのBGMでかかっている程度でそこまで音量がデカくも無いので(ドラマ進行してるから)、肝心の主題歌としての印象が非常に弱くてドラマを見ていてもなんかかかってる程度、ドラマを見ていないとドラマにすり寄りすぎて近寄りがたい曲になってしまったので結局初動0.3万枚まで沈むという厳しい結果になってしまい割と散々だった…。
コンテスト応募用の小説の締切が近かったので、一心不乱に完成させ、書きたいように書いて満足した澪。テンションが上がっているこの状態でも妖怪化が発動していた事から、怒りだけでなく、楽しい時も発動する、妖怪化は忌むべきものではなく開放を意味する、と妖怪化ウェルカムな結論に到達した澪は2人に感謝を告げつつ私はこうしたいと主張して2人のプロポーズを断ってしまう。
そして水岡の神社のツテを使って全国の神社で修験道を実体験して能力を会得する体験レポを書くとして修行の旅に出てシェアハウスを去るという旅立ちENDに。期限があったはずの妖怪化は結局決定的に発動したわけではなかったようで、去っていく澪は人間状態だったがお岩さんからはツノが生えても隠せるようにと帽子が送られた。
1年後、原島の元に自身を主人公にした小説「妖怪シェアハウス」が送られてくる。物語の中の主人公はイラストで表現され、途中で完全に翼を生やした異形のコウモリやモモンガ型の妖怪に変化していたが、実際に映し出された澪は雑踏の中でいつものツノとキバ程度の妖怪化を見せている程度で終了。
自分の人生を自分で決めるようにDAITANに生まれ変わった澪、という事で一気に振り切った結末になったが、常識に縛られるのが嫌だとか結婚できなくて何が悪い!とか既存の考えに捕らわれない新たな価値観を提供してくるのは『私の家政夫ナギサさん』にも通じるところがあり、流行りなのか…?
水岡はほとんど親しくなる過程も無く好意も一方的だったけど、原島の方はちょっと雑といえば雑だった。編集のひよっこでしかない澪が小説家を意識したのはドラマ終盤でまだ書いてもない状態で書きたいものを書きたいとか生意気言い出すのは早すぎる気がしなくもない。まあそれゆえにパラレルワールドを実体験できる=想像ではなく実際に1年後には成功はするがストレスになる、という設定ではあったんだけどやはりちょっと結末ありきでワガママすぎたかなぁ…。キャラ変がDAITANすぎた。
全体にはけっこうはじけたノリで面白かった。西荻弓絵脚本で堤監督×植田Pがつかないとギャグやノリのさじ加減がやりすぎなくてちょうどいい塩梅になるんだなぁと改めて思った。つまりあの2人だと暴走しすぎるわけで、恐らく堤監督だったら天狗大王の時にそろばんとドアノブでふいにクスリと笑いを取りにくるところもクドクドやって滑り倒していたんじゃないかと。
小芝風花はいよいよついに本格ブレイク来るんじゃないかという勢いがあった。映画『魔女の宅急便』主演が2014年だったものの、以後は高校・大学の学生の年齢の間は脇役続きで連ドラ主演が2019年の『トクサツガガガ』と5年もかかり、NHK以外の連ドラでは今作がようやく最初…と妙に時間がかかったけど逆に学生イメージが無いので若手社会人の役ですんなりハマるだろうし、少し前の高畑充希くらいの存在感になれる…かもしれない。
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