今年もやってきた、かつて少年少女たちは大人の世界への疑問をこの賞から抱き始めると言っても過言ではなく、現在の少年少女たちはついに見向きもしていないのではないかとささやかれていたが昨年のパプリカ大賞で少しはやるじゃんと見直されるも、紅白に比べて取り上げるサイト/ブログが無くなって久しい、発表時にTwitterでちょっと話題になっただけで12月30日まで話題になる事も無く、3年連続紅白発表にも先を越されてしまったデキレース・レコード大賞、略してデコ大の発表である(コピペ定型文改変)。
しかし今年はどうも様子がおかしく…。
前回のデコ大
どうせ3連覇と思われた乃木坂46を退け、幼いメンバーが大賞発表時に会場にいることができないのでないと思われた「パプリカ」がまさかの大賞。いやそもそも2018年の曲が何故ここ(2019)に!?という前提に疑問はあったが、久々に人々の賞賛の声に溢れた…がそれはそれで話題に乏しく、文句言われてる時の方が勢いがあるなんてデコ大ってなんだろうね?という虚しい後味も残したのだった!
優秀作品賞
・I’m Here/三浦大知
・愛をください~Don’t you cry~/純烈
・足跡/Little Glee Monster
・香水/瑛人
・世界中の隣人よ/乃木坂46
・猫~THE FIRST TAKE ver.~/DISH//
・離れていても/AKB48
・母/氷川きよし
・Fantasista~ファンタジスタ~/DA PUMP
・炎/LiSA
3組IN、3組OUT。欅坂46(終了)、活動してないFoolin(パプリカしかない)、普通に日向坂46が消え、瑛人、DISH//、LiSAが新たに入った。というかエイベックス(三浦大知/DA PUMP)、キングAKB48、クラウン純烈、コロムビア氷川きよしが据え置き、消えたのはソニー枠3組で入った3組は2組がソニー、瑛人だけ無所属(元旦の初CD(アルバム)でエイベックス)。ソニーがお戯れになっているだけではないですか。
「香水」「世界中の隣人よ」「猫~THE FIRST TAKE ver.~」「離れていても」とCDになっていない配信限定が4曲。ただし「香水」は元旦のアルバムでCD化予定。「猫~THE FIRST TAKE ver.~」も原曲「猫」はとうの昔のシングルC/Wが初出。
「猫~THE FIRST TAKE ver.~」はこのバージョンは今年を象徴するものだが思いっきり過去曲で2017年のシングル「僕たちがやりました」C/W。あいみょん提供といっても当時ブレイク前でファン以外には知られていなかったが、2019年11月から行われている一発撮りのパフォーマンスをYouTubeで公開する「THE FIRST TAKE」にボーカル北村匠海が参加して3月に投稿されたものが大爆発して同企画の中でも桁2つ3つ違う圧倒的な再生回数を記録した…が、これは北村匠海(DISH//)というソロ名義扱いで、その後新コロ直下で自宅録音による「THE HOME TAKE」という新企画が開始され、DISH//名義でのアコースティック演奏で6月に公開したのがDISH//名義の「猫~THE FIRST TAKE ver.~」。正直DISH//名義は大爆発した北村ソロ名義より桁1つ再生回数が少ないが、一応メンバー全員でやれるこっちで出るという事だと思われる。
「世界中の隣人よ」「離れていても」は共にコロナバラード。
隣人にそこにいろと呼びかける「世界中の隣人よ」はまだかなり遠回しで表現に気を遣っているが、「離れていても」は緊急事態宣言も解除された後だったのに何故かもっと直球でソーシャルディスタンスを押しまくりMVも周囲に人がいないのにマスク姿&距離!距離!距離!となんかやたら主張が強い代物だった。
共に支援チャリティソングだが、乃木坂46は次の「Route 246」をDL数で大幅に下回った。YouTube再生数は600万を越えたが、「しあわせの保護色」は985万、C/Wの「I see…」はそれを上回る1526万まで伸ばしていて通常のシングル表題を大幅に下回る。
AKB48に至ってはO社配信チャートトップ30圏外(30位圏外でも集計加算はしているようなんだけど累計一般公開はしていなくて30位以内に入らなかったのでDL数が全く分からない)、ビルボード総合はトップ100圏外、DLチャートでも探さないと見つからないくらい下の方にひっそり(40位台だったとかなんとか)、YouTube再生数は通常時を下回る145万再生。「失恋、ありがとう」で199万、その前の去年のノミネート「サステナブル」が629万なので「失恋、ありがとう」の時点でコロナ直下で大激減していた事が分かるが、ハッキリ言って全くヒットしてないどころかファン以外知らない、さらにはファンすら敬遠したような曲だったといえる。正直こっちは1DL250円全額寄付したところでどれだけ寂しい金額になってしまったのか心配になるレベル。恐らくノミネート曲史上最も売上数値(DL数)が低い曲といえるし、O社基準の金額ベースで考えても最低金額を大幅に更新していると見て間違いない。つまりビルボード基準でのヒットもしてなければO社基準で金も生んでいないというノミネート的にはWでヤベェ今後たぶん2度とないであろうノミネート曲。
いずれも卒業生含めたフルメンバー投入の話題作だったが、明らかに避けられていて、他にほとんどどこも追従しなかった(ジャニーズがチャリティソングは出したがミスチル桜井が手掛けた曲の内容はコロナに全く関係ない落ち込んだファンを励ますためのものだった)。良く考えずとも当たり前で何で落ち込んでいる気分をダメ押しされるような曲を積極的に聞きに行くのか、ましてや美談のようにして共感・感動できるようなことではない、という事だったんだろう。
AKB48の場合はこの曲にすれば有名な卒業メンバーはほぼ参加しているので、指原始め、全盛期メンバー(前田敦子ら)が正式な参加メンバーとして呼べてスペシャル感も出せるというのもあるかもしれないが、そこまでしないと出れないなら紅白に続いてこっちも今年が最後かもしれない。
乃木坂46も実は曲中唯一のソロパートが歌い出しの白石→西野のリレー、他局アナウンサーになった卒業者(日テレとテレ朝)も参加しているが、こっちはそこまでしなくてもまだ現役メンバーだけで引っ張れるのかなという気はする。
そして曲には関係ないがDISH//もステイホーム直下のヒット曲、メンバー参加バージョンはステイホーム直下の自宅録音による「THE HOME TAKE」という点で間接的だし、ラインナップ全体にバラードばかり。氷川きよしも変わらず演歌のままだし、「炎」も消せない夢も♪から一転バラード系(「THE FIRST TAKE」にこの曲も参加している。)。「足跡」もNコン合唱系、「I’m Here」もバッキバキ系ではなく比較的おとなしめで明確にノリノリなのは「Fantasista~ファンタジスタ~」だけ。これだけがダザカナッバーダザカナッバー♪マンマミーア♪とかフルフルしながら明るく踊る曲なので場違いなまでに浮いてしまう事必至。
「愛をください~Don’t you cry~」は普通に歌謡曲でシリアス系ではないという程度。「香水」「猫~THE FIRST TAKE ver.~」はアコースティック演奏だし、これはもう明確に今年はそういうモード(コロナで厳かモード)のデコ大になって例年の華やかさは出さないという方針なんだろう。
その中で大ヒットした「鬼滅の刃」を称えてLiSAが大賞ならそこそこ面目躍如で締められるが、うっかり「世界中の隣人よ」で返り咲き3度目大賞なんてやっちまうと割と救われない。LiSAもソニーだし、LiSAで頼む。
新人賞
・真田ナオキ
・Novelbright
・豆柴の大群
・Rin音
ぞ、存じ上げない方ばかりに…。なんかクロちゃんが叩かれている番組企画で豆柴の大群だけかろうじて字面に記憶があるのと、Novelbrightは新鋭のバンドとして話題になりつつあるのをなんとなく把握しかけた頃に全員PCRトラップに引っかかってニュースになっていたのがこのバンドか。
真田ナオキは今年デビューの演歌歌謡系の正真正銘の新人。
Novelbrightは2014年頃から活動しているようだがメジャーデビューが今年でたぶんメジャー基準。
豆柴の大群は昨年に始まっていて19年12月にデビューだけどまあこれは2020年枠。
Rin音も以前から活動していたようだが全国流通もメジャー契約も今年な模様。
TBS番組タイアップ的には豆柴の大群だが、Novelbrightはタイアップ等王道的に売り出されていて順当感はある。何より10月に全員陽性出ているので12月30日までに再度PCRトラップにかかる可能性は低く、割と確実に元気に当日やってこれる可能性が最も高い。
特別賞
・Uru
・鬼滅の刃
・NiziU
・松田聖子
・米津玄師
なんか特別な事があったり、来てくれない人(米津)用。というわけで米津玄師は3年連続ここに。特別賞3連覇って初じゃね?
Uruは2018、2019年に「プロローグ」が配信(DL)チャートで年間20位前後に2年連続食い込んでいて、正直miletが紅白ならまだこっちの方を予想していた人も多かったのでは。今年さらに伸びたのかどうかは把握していないが、TBS系日曜劇場『テセウスの船』主題歌「あなたがいることで」を担当していてその縁が強そう。
「鬼滅の刃」はなんと作品名ぶち込み。LiSAは単独で優秀作品賞に入っているんだけどなんだこれは。一応定義に”現象”が含まれており、2016年に「君の名は。」「シン・ゴジラ」が入ったことはあったがそれでもあくまで音楽賞なので、RADWIMPSや鷺巣詩郎・伊福部昭と音楽担当者の名前も併記されていたが、今回は作品名のみ。結局LiSAがこの枠で「紅蓮華」も歌う、くらいしかやることない(アニメエンディングの「from the edge」もあるが、「紅蓮華」スルーでこっちだけとかありえないし、LiSA1人で3曲も歌うのもどうかと思うので結局「紅蓮華」1択になるのでは)。
NiziUはプレデビュー作品からリード曲「Make you happy」がストリーミングで成績を残しているので新人賞でも何なら優秀作品賞でも良かったのにあれはプレデビューで12月のシングルがデビューだと主張していて既に紅白関連の記事でもその前提、目下12月デビューとして絶賛プロモーション中なので、新人賞や優秀作品賞を与えてしまうとデビュー前で受賞したとしておかしなことになってしまうので結局特別扱いするしかなくなった感じ。
松田聖子は40周年おめでとうございます枠。
特別国際音楽賞
・BTS
突如新設された謎の賞。K-POPをどう扱うのかは情勢によって変化していて昨年はTWICEが優秀作品賞から消えてK-POP一掃かと思いきや、企画賞にジェジェンが出したカバーアルバムをノミネートするなどしていた。今回はBTSを出すために急遽作った感が…。
特別功労賞
・梓みちよ
・小林信吾
・ジャッキー吉川
・筒美京平
・服部克久
・弘田三枝子
・前田俊明
・丸山雅仁
今年亡くなった人枠。筒美京平がやはり最大級の大物で、かなり大規模な追悼特集が組まれるものと思われる。
最優秀歌唱賞
・福田こうへい
松田聖子、鈴木雅之、天童よしみ、MISIA、市川由紀乃と来て今年は福田こうへい。大御所に与える傾向が続いていたが、MISIA以降比較的若い人が続くようになった。2年連続演歌歌謡系となったが…掲載位置のトリが亡くなった人枠の特別功労賞ではなく突如これになったのは何故…?
大量に消えてしまった賞たち
最優秀アルバム賞、優秀アルバム賞
アルバムは最初から最優秀まで決まっていたが消え去った。
作曲賞、作詩賞、編曲賞
作詞、作曲、編曲それぞれに送るのも消え去った。
企画賞
カバーなどの企画シングル、アルバムに送っていたのも消え去った。
日本作曲家協会選奨
日本作曲家協会も今年は選奨しない模様。
功労賞
生きていて節目や周年を迎えたベテランに送っていたが、生きている人はどうでもよくなったのだろうか。
その年だけ無理やり作った1発賞みたいなのや、1度消えてから復活する賞などもあるが、今年は毎年やっていたのに消えた賞が大量出現。全部コロナのせいにしておくのが無難な理由と思われるが、放送時間は変わらないため、相当過去映像まみれになるのか(既に過去映像まみれなのに)、筒美京平特集にかなりの時間をかけるつもりなのか。
そういえばTVに積極的かつTBSドラマヒットもCDTVでの単独SPライブもやっていてTBSとの縁も深いOfficial髭男dismが特別枠含めて一切出てきてないという事は、ラストラム&ポニーキャニオンが完全拒否しているのだろうか。
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