4代目。3代目から8年ぶりで、2013年1月にSP、2014年1月にSPを放送後、2014年夏クールで連ドラ化された。連ドラではタイトルが『金田一少年の事件簿N(neo)』に改題された。
金田一はHey! Say! JUMP山田涼介、美雪は川口春奈、佐木はHey! Say! JUMP有岡大貴。初代2代目と異なり佐木を演じたのがジュニアではなく、主演と同僚で同じHey! Say! JUMPのメンバーとなり、ほぼ相棒にまで格上げされた。佐木の格上げは5代目でも継続されており、これに伴って美雪、剣持の活躍が減った。今シリーズではSP2本では剣持が登場すらせず、連ドラ『N(neo)』でようやく山口智充演じる剣持が初登場した。他シリーズと異なり、初登場事件=初対面ではなく、連ドラ1話で剣持が初登場した時点で既に金田一と剣持は知り合いになっているどころか、剣持は金田一を「はじめ」と名前呼びするほど信頼関係を築いていた。ここまでの経緯は作中でも明かされていない。
また今シリーズのみ佐木は竜二となっていて竜太ではない。原作では竜太が登場してすぐに犠牲者になってしまったがビデオキャラが必要だったので見た目そっくりな中学生の弟として竜二を出していたが、初代ドラマ及びアニメでは不評だった竜太殺害エピソードを削除しており、竜太のまま生存していてわざわざ兄がいそうな名前の竜二として出す必要が無かったためと思われる。今シリーズのみ竜二だが1年後輩設定は竜太を引き継いでおり、たまには竜二にしてみるか程度のノリしか感じられない。なお後輩設定だが有岡大貴の方が山田涼介より2歳年上である。
今シリーズよりリアルタイム視聴を初代以来再開していて、SP2作目以降は2014年1月、2014年7~9月の過去日記にて感想も記録しているので再掲はしないが、SP1作目の『香港九龍財宝殺人事件』だけ見ていなかったので今回のHulu期間限定配信で視聴、これにてコンプリートとなった。
今シリーズではSP1作目(山田ソロ)、SP2作目(JUMP)、連ドラ(JUMP)でそれぞれ主題歌を起用。
映像化は当時からBlu-ray、DVDで発売されている。ただし何故かSP2本目『獄門塾殺人事件』のみ廃盤となっていて高騰している。2022年の初代と2代目のBlu-ray BOX化、初代映画と3代目の初映像化の流れの中でも再販される予定はないようだ。
なお原作者表記問題はこのシリーズでのドラマ化では金成陽三郎が参加していた原作が連ドラ1,2話の「銀幕の殺人鬼」1作しか無い(リアルタイムで金成陽三郎が表記された最後の原作で当時のコミックCase2上下巻のみ「原案:天樹征丸、脚本:金成陽三郎」だったが文庫化以降は原作連名表記に変更)ので、1,2話だけ原作連名表記となり、松本潤版の原案協力という独自クレジットから格上げされ、文庫版やコンビニコミック版など現行統一表記となった。
香港九龍財宝殺人事件
2013年1月12日2時間枠で放送。日本テレビ開局60年特別番組の第1弾という扱いでもあった。音楽担当に見岳章が初代以来の復帰。これに伴い初代の音楽も再使用されたほか、金田一の容姿をチョンマゲ姿という原作に最も似せた髪形にしている。とはいえ山田涼介の当時の髪の長さでは無理やりチョビチョンマゲが限界となっている上に、正直あまりイケているとも言い難かったためか、SP2作目以降はチョンマゲ再現は廃止された。主題歌は山田涼介ソロの「ミステリー ヴァージン」。JUMP内のソロ曲という扱いではなく、わざわざ今作でソロシングルデビューを飾った(ソロCDは今作のみ)。1年後のSP『獄門塾殺人事件』では直近12月にリリースされていたHey!Say!JUMPの新曲「Ride With Me」が主題歌に起用され、連ドラでは「ウィークエンダー」となった。
原作は04~11年まで年1で連載していた長編が終了し、再度リセットして2012年~2013年にかけて「20周年記念シリーズ」と銘打った連載を開始。長編3作のうちの2作目、2012年連載20周年シリーズの2,3巻収録。
香港が舞台でそのまま海外ロケを敢行。初代のラスト映画以来の海外でありかなり気合の入った内容になっている。同時にかなり攻めた原作選びをしており、新キャストでの1作目だというのに美雪が即誘拐されて行方不明という事件のため、冒頭でちょっと出ただけで美雪がいなくなってしまう。直後に美雪そっくりでそのまま川口春奈演じる現地のモデル楊蘭(元々この人がいなくなったのでソックリな美雪が現地でのファッションショーをやる事になったという設定)と遭遇。事情を聴いた楊蘭は金田一と佐木に協力して美雪のフリをしてショーに出演しながら事件を追おうとするがさらに殺人事件が発生して…。
という事で、これまでのシリーズで影が薄かった佐木が完全に金田一の相棒となり、終始共に行動。正直この話での出ずっぱりだけで初代2代目の佐木の出演時間に匹敵したのではないかという勢い。
川口春奈は初回にして美雪ではなく別人役をメインで演じる上に、犯人役でもあるという超絶な役どころに。この事件が選択された時点で誰でもこうなっていたとはいえ初回で美雪をほとんど演じずに別人の犯人を演じるというのが凄い。3代目のように今作ポッキリで終わっていたら、美雪役なのに美雪を演じたのがOP/EDの一瞬だけという珍記録を打ち立てるところであった。
気になったのは現地の李刑事(ウー・ズン)。完全にあちらの人なので日本語が喋れず、彼が現地の人(あと現地の言葉が母国語なビビアン・スー)と会話しているシーンは全て生声で字幕が出るんだけど、金田一ら日本人と日本語で会話する際は声優の浪川大輔による吹き替え音声に自動で切り替わる。口の動きが合わない上に1人だけ洋画吹き替えみたいな特有の台詞回しになる挙句に、その状態で自然と会話が成立。作中の設定としては李が日本語も喋れて使い分けしている設定なのか、不自然上等で言語が違うけどお互い会話が成立している設定なのか…。
この“注:李刑事にはホンヤクコンニャクを食べてもらっています”状態なのがどうにも違和感だった。しかもこの人、何故か明智の代役で1年後の『獄門塾』にも再登場した際に吹き替え声優が浪川大輔から東地宏樹に交代になったもんだから明らかに声が別人に…。違う味のホンヤクコンニャク食べてもらったんだなきっと
山田涼介の金田一はスケベっぷりが復活して歴代最高におちゃらけつつ、締める時は締めるスタイル。これまでと違う金田一という方向性から原点回帰、歴代を意識せず金田一らしい金田一を山田涼介の金田一として表現するという自然なところに回帰している印象で好印象。美雪も同様で、佐木は…ジャニーズ案件化したよねやっぱり。初代2代目はJr.だったけど今回は同僚だし露骨にここまで扱い変わるとは。
あと今作では全く設定すらされている様子が無いが、1年後のSP『獄門塾殺人事件』で高遠が初登場した際に、今作の事件が高遠プロデュースだった事、事件を解いた金田一に一目置くようになり、『獄門塾』では直接接触、ここでも事件を解かれて追い込まれたため本格的にライバル視するようになるという設定でこのシリーズでは因縁が描かれている。原作では『魔術列車』で自身主犯の事件を解かれて逮捕され脱走して以降金田一にちょっかいを出してくるようになっていたが、『魔術列車』と『露西亜人形』は松本潤版でドラマ化済、高遠プロデュース部分は削除されていたが『速水玲香誘拐』も松本潤版でドラマ化していたため、残っている原作ストックから新たな因縁を設定したものと思われ、1年後のSP時点でもう高遠を『N(ネオ)』の軸にしようと制作側が考えていた事が分かる。
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