2022年9月23日テレビ東京系で昼の12~13時放送。
テレビ東京が群馬県高崎市の農業をPRする企画の一環で2020年9月にバラエティ番組『畑そのまんまレストランにする。in 高崎』を制作、21年10月には単発ドラマ『農家のミカタ』を制作しており、今作は前年に続くドラマで企画としては第3弾に位置づけられる。
『農家のミカタ』は犬飼貴丈主演で妻役に元乃木坂46松村沙友里が出演していたが、今作は元乃木坂46伊藤万理華が主演、制作陣は伊藤万理華が主演した『お耳に合いましたら。』、先日まで放送されていた現役乃木坂46与田祐希主演『量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-』だったりと何かと繋がりがある。
『農家のミカタ』で高崎市農林課の課長役でメインキャストとして出演していたマギーは今作では端役ながら同じ役で出演しており、特に言及は無いが世界観を共有している模様。
各地を放浪しながら旅をしているフードワゴン「旅するサンドイッチ屋」店主くるみ(伊藤万理華)と幼馴染のかえで(富田望生)は高崎市の山間部でガス欠を起こしたところ、通りがかった農家の青年裕樹
(遠藤雄弥)に見捨てられるが、市の職員大木(マギー)らに救われる。その後畑で倒れている農家の陽二(寺島進)を助けた2人は妻の美沙(宮崎美子)と共に暖かく迎え入れられ、そのまましばし滞在する事に。また陽二美沙の息子が裕樹だったが、陽二と裕樹の折り合いが悪く、山の向こう側で別々に農家をやっていてなかなか仲直りできずにいた。
自由奔放なくるみが最終的に2人の仲を取り持つことになるという暖かな話と自然風景の美しさ、くるみとかえでの仲良しコンビの掛け合いも微笑ましい雰囲気のいいドラマだった。ただ5歳の時に亡くなったくるみの父が「パンがあったら分けてあげなさい」と言っていたという理由でくるみが金をとらずに作った創作サンドイッチを全部無料で配ってしまい利益にならないという設定が謎に超徹底され過ぎてて最終的にはこの2人どうやって生きてんの?という無駄な疑問が生じてしまうほどだったのはやりすぎだったのでは…。
困っている人にあげるという冒頭はまだ良かったが、その後美沙に連れられてフルーツ街道の梨農園の駐車場にその場で一時出店させてもらった時も何故か観光客に全部無料配布してしまいこの辺りから営業方針には不自然さが漂い始めた。最終的には高崎ファームフェスタに出店させてもらい、陽二と裕樹の作っている野菜を一緒にしたサンドイッチという究極の1品で2人の仲を取り持った流れもいいんだけど、その際の一般客の大行列にもやはり無料配布している様子で料金を取っている描写が無い。高崎ファームフェスタがそういう農業PRでただで色々なものをお出しするイベントだったという事なのだろうか。2人は高崎の農家ではない特別枠での出店みたいな感じだったし、普通に有料でいいと思うんだが…。
改めてお礼を言おうとする家族にあえて何も言わずに記念写真を撮った後に黙って次の地へと出発してしまう2人だったが、これではサンドイッチ屋ではなく、サンドイッチを無料配布するだけの大散財の旅である。今回のように暖かな家族に巡り合えばその間の食費、宿泊費は無料になるとはいえ、到底成り立つ話ではない。配ってしまう設定はいいんだけど、取るべきところではちゃんとサンドイッチを売るところくらいは普通に描いて欲しかった。商売悪とか人情優先の考えが見えなくもないがファンタジーにしすぎ。
それを補っても伊藤万理華と富田望生の空気感が良かった。この2人は2017年の映画『あさひなぐ』で同級生チームメイトとして共演しており(チームメイトもライバルも乃木坂メンバーで固めていたがぽっちゃり体形の役だったので外部から富田望生が起用された)、以降も仲良かった(遊びに行く仲だったが新コロ以降は会っていなかったので2年ぶりくらいの再会ではあった)そうで、それが全面に出ていたせいなのかも。
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