歴史迷宮からの脱出~リアル脱出ゲーム×テレビ東京~ 全6話

2020年秋クールのテレビ東京「ドラマ25」枠。『女子グルメバーガー部』の後枠。サブタイトルにあるように「リアル脱出ゲーム」とのコラボとなっていて、毎回暗号が出題され、ドラマ内で謎を解くまでの間に視聴者もアプリ「SmartNews」にて謎解きに参加できる仕組み。アプリでは正解者上位から名前(HN)が公開されるため、参加者は回答順位を競い合うという要素もある。

通常の半分の全6話構成で1ヵ月で放送が終わり、秋クール残りは次の番組『猫』となり、「ドラマ25」枠の2020年は5本となった。




1話

歴史研究部の部室で暇を持て余している歴史に全く詳しくないギャルの純(福本莉子)、邪魔に思いながらも受験勉強に励む伶人(飯島寛騎)。そんな2人の前に変な格好をした謎の男が出現。男は2520年からタイムスリップしたビル・フジタ(要潤)と名乗り、500年後の未来で起きたサイバーテロによって歴史にバグが生じてしまい修正しきれないバグが定着する前に暗号化したバグを見つけてその暗号を解かねばならないと告げる。1人の人物が遡れる過去が500年が限度でフジタはこれ以上過去へは行けない。今回の案件は桶狭間の戦いが起きる前日の1560年のため、この時代の誰かに託すとなった時に直系の先祖である純を選んだと説明。このままバグが定着すると5年後には日本も荒廃してしまうと言うフジタ。てことはスタバが無くなると危機感を覚えた純は参加を決意。しかし純が全く歴史に詳しくないため、伶人も一緒に送り込まれることに。

1560年に飛んだ2人は早速織田信長(織田信成)を発見。暗号はこっそり回収したが呑気な純が写メを撮り始めたので信長に気づかれてしまい逃亡するハメとなる。短期で知られる信長を怒らせてどうするんだ!と怒る伶人だったが追いかけてきた信長に動じない純は殺そうと思えばできるのにしないから本当は優しいのではないかと指摘。信長は千代という手紙の主の女性のために早く戦を終わらせて天下を取ろうとしていた。

暗号は純の思い付きをヒントに伶人が解読してバグは修正された。本来の歴史通りにすれば信長が本能寺で死ぬのも確定のため純が反対する一幕もあったが信長はこの戦を終わらせてやると颯爽と去っていき2人も帰還。フジタも去っていった。

この枠、なかなか面白かったので今年は完走してみるかと続けて見たらまたかなり毛色の違うのが始まった。主演の2人が何故歴史研究部員同士なのかも分からない設定の飛びっぷりも凄いが、リアル脱出ゲームの暗号をそこに絡めてしまうのも凄い。そしていきなり信長役に末裔の織田信成という本人も驚きの人選。ほぼ初ドラマのためとりあえず大声出してごまかしている感じではあったが、かなり織田信成に寄せたちょっと頼りない感じにしていたので登場時の棒読み調のヤバさからすればだいぶ後半はマシだった。

信長に手紙を送ったという千代という名の女の子が誰なのかよく分からなかったがこの時代の千代という名の女性だと山内一豊の妻の千代?家臣の仙千代や後の家康である竹千代じゃ野郎だし。

暗号自体はなんか最近流行りな感じのやつ。リアル脱出ゲームは存在しか知らないが、TVではよく松丸亮吾辺りが余裕顔で出題しているようなあんなイメージ。

主演の福本莉子は東宝シンデレラグランプリ出身という事で随分ギャルい子を選んだんだなぁ…と思ったら役作りでギャルっているだけのようでインスタからしても元々黒髪だったようだ。ていうか『映像研』に出てた切り込み隊長やってた子か。

2話

またしてもフジタが現れ、新たなバグが発生し、3年後にはこうなると荒廃した東京の未来を出す。いや1話の5年後の荒廃した東京とどこが違うんだよ…。今回飛んだ過去は1830年、相手は葛飾北斎(渡辺哲)。葛飾北斎はスランプに陥っていたが、ハイテンションギャルな純とは意外とウマが合い盛り上がる。何故か部屋に入った途端に謎解きカウントダウンが始まってしまうが暗号が見当たらずどこだ?と困り果てる伶人。現代ではフジタが教師とコントのような応酬を繰り広げ、葛飾北斎の娘(田山由起)が登場して絵描きになりたいが女だからと反対する葛飾北斎、それにキレた純が女だからとかなんだ!と世の中を変えたいと言って絵を描いているくせに古い考えに縛られるなんて何事だと説教したので葛飾北斎も聞き入れて娘の好きなように生きろと認めるといういい話風に展開。

意味深にふすまが何度も長く映し出されるなどしていたがこの期に及んでも暗号が見つからないまま暗号解答受付が締め切られ、記念写真を撮ろうとした純がポーズを決めた際にふすまに描かれていた落書きに横線を入れると文字が浮かび上がることに気づき、伶人が「ふじさん」の文字が浮かび上がると答えを見出して解決。

老齢期の葛飾北斎の娘なのでさすがに若い子を起用するわけにも行かず、40代の役者を起用していて渡辺哲が70歳なので概ね現代の標準的な父と娘の年齢差くらいになっていた。

なんと2話にして暗号は何らかの文書が暗号に変わっているだけではない、暗号がどこにあるのかを探すところから暗号だという変則展開が炸裂。フジタが教師と繰り広げていたコントのような応酬も一応ヒントだった事になっていたがさすがにそれはずるい…。

それよりも教師が言っていた「歴史研究部は江畑1人のはずだ」という発言の方が気になった。部員が伶人しかいない事になっていたが、歴史に詳しくもないくせに入り浸っている純は何者なんだ…?

3話

何と早くも海外の偉人がバグの餌食になり、今回はエジソン(四方堂亘)。英語が出来ないという問題はフジタが持ってきたイヤホンマイクが相互翻訳機能付というホンヤクコンニャクみたいな代物という事にして強引に解決(ドラえもんみたいだという突っ込みも…)。さらに心なしかエジソンの顔つきまで日本人っぽいぞ…とメタでぶち込みまくり。

エジソンの蓄音機にバグが発生して数字のカウンターが暗号になっていたが、喋った言葉に反応しているという仕掛けの暗号。今回はとりあえず純が喋りまくりながら伶人がその法則を発見していって暗号を解読。

今回のバグでは文明の発達が遅れて伝染病で人類が死滅する世界になってしまうというものだったがエジソンの人生や功績には影響がないともされていて、最終的にこの日行こうとしていたがサボろうとしていた会合に自動車王フォードが来てそこで自動車の開発が進んでいったが行かなかったので自動車の発明が遅れるという事だった模様。

4話

今回は坂本龍馬が寺田屋事件で拳銃が無くて殺されてしまうというバグ。これにより日本の発展が大幅に遅れて現代でも江戸時代のままになるという…。前3回の未来予想図がほとんど使い回しみたいな荒廃都市映像だったので大きくリニューアルしてきたな…。

まさに寺田屋事件真っただ中にワープした2人。お龍(森田想)が飛び込んできて逃げてくださいというと間もなく刺客がやってきて龍馬(みっちー)は切られてしまう。そしてそこでコンティニュー画面が登場。お龍は龍馬を救うために既に何度も小判1枚課金してコンティニューを繰り返しているという。お龍と協力することにした2人だったがまたしてもコンティニュー。ヒントをもらうためには3小判必要で、残り4小判、ラストチャンスに賭けた面々の運命の行方は…。

と、今回は謎解きだけでなくお龍がループゲームに組み込まれている展開に(龍馬は自分がループしているのを知らない)。謎自体は過去最高に簡単で、解く気なしで何も考えずに見ていてもすぐに解き方が分かるくらいあからさま。最初に提示されていた「OP→」というだけではさすがによく分からないが背後の障子の模様が明らかにQRコード風の紋様になっていてその中でも特にある一角だけ確実にQRコード。意味深に何度もこのQRコードを大写しにしすぎていた上に、このドラマ自体が謎解き参加のためにQRコードが提示されているなど普段からQRコード駆使しているので、最初の時点でヒントも暗号も無視でとりあえずQRコードが答えになってんじゃね?と分かってしまうという。

そして3小判払って出たヒントはアルファベット表でOPに丸印がついてその横にQRST…と並んでいるというもの。つまりOPの横=QRというダメ押しの答え提示。これに純はともかく伶人まで土壇場まで気づかないって…。ていうか今回ほとんど純のおバカノリだけで解決してて伶人ほとんど活躍してないじゃないか。

龍馬を演じていたのがみっちーなのはみっちー=福山雅治モノマネ芸人=福山雅治が演じていた大河ドラマ『龍馬伝』のパロディという事で全力でモノマネしているのが笑えた。とはいえ『龍馬伝』も早10年前(2010年)。放送当時は飯島寛騎14歳、福本莉子9歳…。飯島寛騎はともかく福本莉子は子供の頃の遠い記憶か下手すりゃあまりピンと来なかったんだろうなぁ…と思うと遠い目に…。

5話

今回は「走れメロス」執筆直前の時期の太宰治(河相我聞)にバグが生じ、この時期は心中するような時期では無かったのに「走れメロス」の書き出しの一文が暗号化してしまい、意味不明な駄作を書いていたので才能が枯れたと妻と心中を図っていた。

終始「きらきら星」のオルゴールを鳴らしながらロマンティックに語る太宰の姿にこれまで歴史上の人物だろうとマイペースに振り回してきた純までもがうっとり洗脳されてしまい伶人が1人奮闘。

最終的に駄文と「きらきら星」のメロディーが一致していてタイトルになっていた「どれを読む」とは駄文とメロディーを重ねた時にドとレになる部分だけ抜き出すというものだった。最終的に純がドレミでの「きらきら星」のメロディーを覚えていたので答えにたどり着くヒントになったが、音階覚えてなかったら詰みじゃね…?

一方で冒頭、純が発見した謎の配信者ハーデスはどう見ても伶人だったのでフジタと純が笑いものにしていたが、ラストで突きつけたところ伶人は自分じゃない誰だ?と言い出し、伶人の顔をしたハーデスが何者なのかというところで最終回へ続く!

…ってまさかの1クールじゃなくて半クールのドラマだったのこれ。秋クール2本だったとは…。

6話

伶人そっくりの謎の男ハーデスが動画サイトに出現する中で、現代のあちこちが暗号化。遅れてやってきたフジタによるとこれまで修正してきたバグが新たなバグを呼んでしまったという。何もかもな世界となり、伶人はモテモテ、純は仲良しグループからハブにされて体育倉庫に閉じ込められてしまい、2人は分断されてしまうがそこにハーデスがホログラムで登場。ハーデスは伶人の子孫で味方だと言い、謎解きが得意な者を集めたと言ってZOOMしている一般視聴者を大量に映し出す。

…が、展開の都合上と一般視聴者は単にZOOMしている映像を使用させてもらっただけのようなので全くドラマの展開に合った動きをしておらずそれぞれがこっち見てるだけ。純がよろしくね!と挨拶しても無反応だし、ハーデスが誰か解けた者はいないのか!と問いかけても無反応というすさまじいまでのオールガン無視状態で、結局ハーデスもこれまで解いてきた君しかいない!と純に丸投げするという視聴者役立たずすぎな無理のある展開に…。これきっとこれまでの視聴者参加の上位者特典とかだったんだろうけど、どうなんだこんな役立たず扱いの特典…。

結局純が解決への大きなヒントを自分で思い付き、駆けつけるもバグの影響なのか伶人のキレが悪かった中でもZOOM一般視聴者の1人の画面がひっくり返っていた事から11月6日→9月11日に見え911といえば911テロと気づく→フジタがそれを受けてワールドトレードセンターの略称WTCが答えだと気づくという連携でクリア。

しかしハーデスは世界を滅ぼそうとしていてこれまでのサイバーテロによる歴史のバグもハーデスの仕業だった。謎を解いた途端に人類消滅が始まってしまう。勝ち誇るハーデスは伶人も同じように他人を面倒だと思っているだろうと告げるが、純は伶人は自分を好きになったから変わった!と言い放ち、いよいよ消える目前には伶人も勇気を出して告白。純がOKして2人が結ばれる運命になったことで、別の女性と結婚した先の子孫であるハーデスの存在が無かった事になりハーデスが消滅。ハーデスが消滅したことでサイバーテロが無くなりすべての危機が消滅。

と、ここまではハッピーエンド風だったが、純と伶人が結ばれた事でハーデスが生まれなくなるという事は純の子孫であるフジタにもそれが適用され、フジタも消滅。さらにダメ押しでフジタもサイバーテロも無かった事になれば1話以降全ての出来事も無かった事になったため、忘れたくない!と抵抗するも虚しくすべてが巻き戻って1話冒頭に戻ってしまい終了。一応1話当初よりも純が部室を訪れた際の伶人の反応が悪くなく(ひとめぼれっぽい)、今後2人がいい感じになりそうな気配を漂わせて終了。

ストーリーはある程度軽めに処理するかと思っていたので、まさかハーデスを消すための理屈を2人が結婚する事になって別の相手との間に生まれるはずだった子孫のハーデスが消えるという形で歴史を変えるってことはこうなって、そうなるとこれもこうなって…というのを重ねていった結果全部無かった事になるというのはある意味斬新だった。なんだかんだ積み重ねてきたドラマ全部無かった事になるのってけっこう虚しいところがあるし、そこをやるとは…。

まあそれ以前に人は全員結婚して子供生まれる前提に立ちすぎてて、人類滅亡をたくらむハーデスがお前だって一緒のはずだ!と言ってくるくらい人嫌いの伶人の血筋がそんな500年も先の子孫まで血を繋いでいくような事になるのか、そもそもそんなこじらせてたなら伶人が生涯独身で終了なのではないかという矛盾はあるが…。

謎解きと歴史を織り交ぜた展開は深夜枠ならではの軽さもあってけっこう面白かった。そんなに解く気で見ていなかったので、それでもあかさらますぎてわかってしまうくらいイージーな回と全然分からん回で随分差が激しかったようにも思うが…。

主役コンビ2人も良かったけど、飯島寛騎は普段もっとストレートなイケメン爽やか若手俳優みたいだし、福本莉子は今作が初ギャル、初茶髪というくらいこれまで黒髪清楚系の2016年東宝シンデレラ女優だし、各自SNSで上げている写真は今作の面影はほぼ皆無。次に他のドラマで見てもキャスト名見るまでは分からなそう。

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