世にも奇妙な物語 ’22秋の特別編

2022年11月12日「土曜プレミアム」枠。2018年以降恒例の11月放送。

元カレと三角関係

土屋太鳳主演。

ミカ(土屋太鳳)はクールな茶髪彼氏アキラ(上杉柊平)の愛情を感じられない態度に不満を抱きつつあったがそんな中、謎の小さなロボットがやってきて元カレのジュン(CV:木村昴)だと名乗る。声はジュンのもので、話を聞けばバイクで事故って生死の境を彷徨い身動きできない状況で元カノのミカに会いたいと思ったところ、友人が脳波で操作できるロボットを開発していて貸してくれたという。今は回復してきているがカッコ悪い姿を見せたくないと言って病院は明かさないジュン。アキラと違い気遣いのできるジュンの態度に徐々に惹かれていくミカ、どうにも無関心というか好きにすればくらいのノリのアキラだったが、ミカがジュンに肩入れしすぎたためさすがのアキラも嘘なんじゃないかと気になってバイク事故をググってそれらしき記事を発見、搬送されたであろう病院にアタリをつけて調査に向かうという妙にキレのある行動に(ミカはバイク事故を調べもしなかった)。

入院している記録は無いと言われあきらめて帰ろうとする→謎のスーツ男が通されて行き社章がロボットと同じ→尾行という気づきの定番パターンはいいんだけど、アキラの尾行方法はどう見ても病院関係者に見えない茶髪のウィースな風貌でスーツ男と同じエレベーターに乗り込み、さほど距離も取らずに地下通路を堂々尾行…というか半分くらいはそのままついていっていると形容した方がいいのではないかというくらい展開の都合優先なムチャ描写。そこには案の定死にかけで繋がれたジュン(木村昴)の姿が。マジかよ…と驚いているアキラに向かって首を向けて目を見開くジュンが謎にホラー。てっきりここでスーツ男か医師が背後に立っていて説明をしてくるのかと思ったら全カット。

考えを変えたアキラはジュンの言っていた海辺で結婚式という希望を死に際の最後の願いと考えて全力で叶えてあげるいい人と化し、車やドレスを借りて2人の地元へ連れていって3人での観光、海辺での結婚式を全力サポート。一時期は一緒にいられるだけで(ミカは)幸せだと思ってるっしょ!くらいの軽薄発言もしていたのにメチャメチャいい人だった。道中でミカもアキラから見てきたことを伝えられていたが、アキラはちゃんと話を聞いてきたように語っていたのでやはり全カットされただけである程度の説明は受けたっぽい。

結婚式を行う頃にはジュンの反応が乏しくなってきており、ロボットが無反応になる時間も増えていたが、その頃病院ではいよいよご臨終間近で必死の救命活動が行われていた。なんとか感謝を告げたジュンだが以降は反応が無く…。すっかり夜になった帰り路、まだほかに行きたいところはあるかというアキラだったが、ロボットは無反応のままでミカもアキラもジュンが亡くなった事を悟って静かに悲しんで終了。ジュンが直接死んだ描写は無く、ロボットを使用しない状態でどこまで意識があったのかも明示されなかったが、目を見開いたのだけ怖すぎた。わざわざあんなホラーする意味がないから、全カットされたあの後はジュン本人がアキラに自身の状況を説明したということだろうか。

締めになる事が多い感動人情系が1発目は珍しい。ていうかジュン…お前…現ジャイアン&新桜木花道の中の人じゃないか…。

コンシェルジュ

観月ありさ主演。

夫の不倫で娘の七海(落井実結子)と2人で新居マンションに引っ越してきたシングルマザーの女優松久保真希(観月ありさ)。TVのセッティングも出来ずに困っていたところ、このマンションには1人1部屋コンシュルジュがつくとして大神マサテル(金子ノブアキ)が登場。全ての片づけを完璧にこなしてくれた。以後気を良くした松久保は色々な事をお願い、大神は全てを完璧にこなしてくれた。

しかし元夫から親権を主張されていなくなればいいのに…と大神の前で松久保がつぶやいたところ、元夫は刺殺されてしまう。その後もちょっとつぶやいた事を曲解したように願いを叶えてくる大神。元夫が殺された時点であれ?となりそうなものの仕事も取ってきてくれたので出来の悪いマネージャー(池谷のぶえ)はクビにして大神に一任するなど松久保は頼りっきり。しかし仕事と育児の両立が難しいと言ったら、なんと自ら俳優と化してすべての仕事を奪い去る行動に出てきたのでここに来てようやく勘の悪い松久保も大神の異常性に気づき警戒。

すっかり七海をほったらかしにして怒らせてしまうとすかさず大神がフォローに入り、七海が大神側についてしまったため七海ともみあいになり七海はテーブルの角に頭ガツン。死なせちゃったと思いきや割と普通に生きていたが、帰宅すると今度は棺桶が用意されており大神が中から出現。必要になるだろうから事前に用意しておいたと不気味な様子に危機を感じた松久保は七海の元へ向かおうと飛び出す。なんなりとォォォ!!なんなりとォォォ!!なんなりとォォォ!!なんなりとォォォ!!なんなりとォォォ!!と連呼しながら追いかけてくる異常な大神をなんとか振り切った松久保だがクビにしたマネージャー(池谷のぶえ)の恨みを買っており刺殺されてTHE END近所の気のいいおばちゃん役(最近だと『妖怪シェアハウス』の座敷童子)が多い池谷のぶえが殺人犯の役って珍しくないか。

用意された棺桶は七海ではなく松久保用のものだった。七海がクールにそれを見つめ、大神とチェスをする約束をしてすっかり七海が大神に懐いている様子でBAD END

大神が最後に示していた相関図では中心が七海に来るようになっており、本当の中心人物は七海だった…という感じに見せていたものの、それでも途中までは松久保の願いを聞いて行動していたので最初からという事ではない。大神の正体が何なのかも本当にこのマンションに1部屋1人コンシェルジュがつくサービスがあるのかも不明だったが、いずれにせよ彼の仕事が住人の要望を聞くというのであれば七海もまたこの部屋の住人であるため、七海の「ママがずっと家にいればいいのに」を最新のお願いとして受付したのだとすれば矛盾ではない。それでも棺桶まで用意して死なせる前提で動いていたのは謎。死んだ場合「ずっと家にいる」ではなくお墓に入る事になるので不履行では…。

今回唯一の恐怖系。しかしそれ以前に松久保も鈍すぎ。セオリーである元夫の死亡という1番お察しな案件が早く起きたという構成の都合があったにしても一切疑わず、棺桶のサイズを確認していたと大神が言っていて大神が入れるほどデカくて明らかに子供用棺桶ではない→長身の松久保用の棺桶である事が示されているのに、子供の七海の事だと勘違いするとか、けっこう明確に追い込まれて行くホラー話のはずなのに全く追い込まれがいが無いというか…最後まで事態を何一つ把握できないままに殺されてしまったような…。

わが様

沢村一樹主演。

家庭を顧みずに仕事最優先のデザイン会社社長友枝(沢村一樹)の実家の母が急死。幼い頃に父が出ていき女手1つで育ててくれた母の住んでいた実家に久々に帰省した友枝は離れの蔵で謎の少年に遭遇。子供の頃に母が言っていた「わが様」で母が言っていたのはほしいものをあげることができれば願いを叶えてくれるというものだった。信じている者しか見えないとかで友枝以外は見えない。家族そっちのけでプレゼント攻勢に挑む友枝だったが全て「違います」判定。しかもそのたびにプチ不幸が巻き起こる。ついには仕事でのパクリ疑惑発覚で息子を怒鳴り散らした友枝はここに来てようやくなんで妻や娘が自分に対して異様に委縮しまくっているのか、自身の何がいけないのか考え始め、息子の階段転落事故をきっかけに、自分が悪かったと改心。その後、部下の話をちゃんと聞いて仕事している様子も描かれた事から仕事でも家庭でも改心していたようだ。

そして49日で再度実家へ戻った友枝だったがわが様は出現しなかった。しかし古いアルバムを見て少年時代の自分がわが様だった事に気づき驚愕。母がわが様を「彼女」と呼んでいた事を思い出し、ここに来て対象者の子供の頃の姿の投影が「わが様」だったと気付いた友枝。分かった上でもう1度わが様の元へ訪れ、当時欲しかったもの=家族3人での食事という事を提示した友枝はわが様を連れ出すことに成功。他のみんなには見えていなかったが息子と妻と仲良く食事を楽しむ姿を見せる事でわが様は「これです」判定で消え去っていった。

ホラー風味のいい話。序盤から友枝が他人に冷たすぎるのは明示されまくっていただけにこれに気づかないままに的外れなプレゼント攻勢、しかもわざわざネット購入して受け取って持っていくという行動を実の息子放置で延々続けるシーンが無駄に長すぎた感じはあった。

しかし相変わらず沢村一樹は若々しい。妻役の荻野友里が40歳になったばかり、子役が7歳という事を考えるととても55歳とは思えない。15歳差の夫婦に見えないし、20歳越えの子供がいても不思議じゃないのに年齢一桁の子供であまり不自然になってないし…。

ちょっと待った!

渡辺翔太(Snow Man)主演。

広川(渡辺翔太)は同僚の里奈(高田里穂)に告白しようとするがやけに早くトイレから戻ってきた里奈は「ちょっと待った!」と被せ気味に告白を阻止して帰れと言い出す。そこに里奈が戻ってきてよく見ると「ちょっと待った!」と言ってきた様子の異なる里奈は少々見た目の様子も異なって老けていた。こちらの里奈は未来から来た10年後の里奈だと告げ、結婚が失敗だったとまくし立てる。そこに「ちょっと待った!」と15年後の降広川が登場し結婚すべきだと言い出し、25年後の成金化した里奈が独立した広川の会社が最初は苦しいが一挙大当たりでセレブになれるから結婚すべきと言いだし、今度はさらに未来の壮年期の広川がこいつは同僚と不倫していると言い出し、同僚も連れてきて証言させるが同僚は広川も悪いと言い出して3人ずつ+同僚でてんやわんやに。

とりあえずお帰りいただいてこういう未来があるとはね…と告白を辞めて帰ろうとする2人に一部始終を見ていたという若い兄妹が声をかけてきて今の2人の気持ちを大切にすべきだと進言。これを聞いた2人は付き合うとうか最早プロポーズまで行っちゃって将来の仲を約束するのだった。

その様子を見て安堵する先ほどの兄妹。ここで2人が付き合わないと自分たちが生まれなくなるところで危なかったと言っているこの2人は将来の広川(渡辺翔太)と里奈の子供だった。ラブラブな2人が海外旅行している未来の父からのメールが届き、こんな予定は無かった、未来を知った事で2人の親密さが変わった事が示唆されてハッピーエンド。

4つ目はやや短めで駆け足という最近のパターン通りに、速攻で物語の本筋に突入し、老けメイクの連発で畳みかける未来コメディ。未来の子供2人でオチをつけたところはベタだけど良かった。

Snow Manはデビュー遅い組も含まれてて既に3人がOVER 30’s WORLD突入でその1人。初めて見たと思っていたけど2012年の『劇場版 私立バカレア高校』の敵役の高校のメンバーの1人、2013年乃木坂46と共演の『BAD BOYS J』で主演中島健人にくっついていた3人の仲間のうちの1人として出ていたらしい。同じく出ていた岩本照は覚えていたが渡辺翔太と深澤辰哉はその他大勢ジャニーズの認識で覚えてなかったなぁ…。『私立バカレア高校』『BAD BOYS J』で主演級の配下にいた面々って現Snow Manの宝庫だったんだな。

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