2025年冬クール読売テレビ制作・日本テレビ系「プラチナイト」木曜枠内「木曜ドラマ」枠(23:59~0:54)。
ヒロイン枠や2023年の『初恋、ざらり』でのW主演はあったが、小野花梨の単独初主演作。
1話
穏やかな日々を過ごしていた芽衣(小野花梨)は誕生日の夜に高校時代の友人莉奈(渋谷凪咲)と会って眠りについた2024年1月9日の深夜スマホが鳴っているのに手を伸ばすも…目覚めると1年後の2025年1月になっていて1年間の記憶が亡くなっていた。1ヶ月前に事故に遭って眠ったままだったそうで、傍らには心配そうに話しかけてくる外科医の西島(小池徹平)がいて半年前に出会った婚約者だという。さらに高校時代に亡くなったと思っていたもう1人の親友・翠(馬場ふみか)と再会していた事、フォトウェディング会社に転職していた事も判明。表面的には人生成功しているようだが実感がなく困り果てた芽衣だったが、西島の優しさを受け入れて結婚はする事に。
一方で記憶喪失の芽衣の世話係となった会社の相沢龍之介(兵頭功海)は表面的には普通に接しながらも芽衣を人殺しだと糾弾、さらに翠から再開した場所を聞かれた芽衣はその現地に出向くが謎のフラッシュバックで旧自宅には血まみれのシャツも発見され何が何だか分からないまま終了。
記憶喪失は1年分だが、直近1ヶ月は昏睡状態だったので実働は2024年1月9日~12月上旬までの11ヶ月分、そして転職や西島との出会い、翠との再会など全て半年ほど前。2024年6月~12月の間に怒涛の何かが起きたという事だろうか。初回は謎が謎呼ぶだけで判明したのは翠が西島ともカウンセリング担当の佐竹(渋谷謙人)とも繋がっていて著しく芽衣を恨んでいて暗躍しているっぽい事くらいで…。
2話
翠の暗躍に気づかずにむしろ翠に心許して騙されている間に芽衣が窮地に陥る話。業界が同じなので仕事で一緒になり、芽衣を慕っていた後輩の野村亜希子(山口まゆ)を騙して送信したメールを消す工作活動(確認メールを遅らせた後にフロアに誰もいない状態になった際に芽衣のデスクからパスワードメモ書き一覧を探し出して芽衣のPCにログインしてメールを消すという割と白昼堂々リスキーな犯行)を行い、亜希子を自分側に引き込んだ。さらに最後には正体を明かして復讐を語り、その原因が芽衣の高校時代の初彼氏であり、近年は翠と婚約していた相沢蒼馬(内藤秀一郎)の死であった。これに芽衣が関与していて人殺しと糾弾、相沢龍之介はどうやら蒼馬の弟のようで翠から蒼馬を殺したのは芽衣だと聞かされている模様。
兎にも角にも翠が周囲に吹き込んで工作活動をしているのでどこまでが真実でどこまでが誤解・勘違い・捏造なのかもさっぱり分からない。外注先の仕事仲間が芽衣はいつもムチャぶりばかりするから何人も部下が潰されたとか恨んでいるところも含めて芽衣が記憶の無い間に浮かれて芽衣ではなくなっていたようでもあるし、全て言いがかりでも無さそうなところが絶妙に怖いなこれ。
友人莉奈は記憶喪失になっている1年間は数回程度であまり会っていなかったらしく、翠の工作も及んでなさそうなので安心できそうだったが…。今回裏アカで理想の自分を演じて現実はズタボロ生活でそれを翠に見破られて軽視されており、芽衣の盗撮を佐竹に頼まれて(翠経由だとは知らない)やっているなど知らない間に利用されている残念な子と判明。主人公、四面楚歌すぎる…。
Tver限定の2.5話では翠の暗躍がもう少し描かれ、2ヶ月前に記憶喪失で目を覚ました一報を龍之介から電話で聞いており結託済み、佐竹との関係は不明だが佐武に金を渡して莉奈を抱けと命じている、西島にはストーカーLINEを送り付けている事が明示された。龍之介は一方的な情報を与えられているだけっぽいし、佐竹と西島には一方的に押しかけている感じなので(患者として出会ったのではないか)芽衣にとっては敵サイドというわけではなさそうだ。
3話
翠に物凄い嫌われている事が分かってショックな芽衣。龍之介に改めて蒼馬が死んだ事や弟である事を確認すると龍之介はようやくそこですかとある程度教えてくれた。芽衣と蒼馬が付き合っていた高校時代に自宅に遊びに来た芽衣とは実は何度か会っていた事も判明(これは記憶喪失ではなく、覚えてはいたが”蒼馬の弟”と龍之介が一致していなかっただけ)、バイク事故で死んだ蒼馬の第一発見者が芽衣だった事と直前に会っていた、何らかの工作をして殺したと翠に聞いた…と案の定な翠の受け売り案件。実際の芽衣の様子と翠に聞かされていた芽衣像とが不一致を起こし始めたため、龍之介は早くも聞かされた情報に疑いを持ち始め、早くも味方反転フラグが。
ゲストで登場してきた結婚予定の高校時代からの付き合いだというさゆみ(堀未央奈)、慎吾(深澤嵐)のエピソードは撮影数日前からさゆみと連絡が取れなくなり、当日も来ないので慎吾はキャンセルをお願いするが裏切りに敏感になっていた芽衣は信じて待つとして結果大遅刻でやってきて無事に撮影は終わった。さゆみと2人になった際にさゆみは実は高校時代に別に好きな男子がいた事や、思い出の場所だというこの場所でいつも話をしていた時も上の空で別の事を考えていたなどと一途な慎吾とは裏腹にかなりドライだった事が判明。「覚悟を決めた」と結婚するのにちょっとした罰ゲーム執行を決断したかのような様子に改めて信頼と裏切りって何なんだろうと突きつけられる状態に…。
翠は西島に患者として迫り、色々と行動理由を説明。この過程でこれも案の定、西島と翠が知り合いだったのは蒼馬死亡時に自傷行為に至った翠の治療の際に親身になったというだけだったようだ。翠は高校時代に芽衣を導くような頼もしさを見せていた一方で家では支配的な父親から逃げ出したくて苦しい生活を送っており、最終的に母が放火するも母だけ死亡、翠も背中に火傷を負ったという。
龍之介と共に駆け付けた芽衣が友人として何も知らなかった事を謝罪して強い気持ちで向き合ったため、なんか思ってた方向性と違う事を察した翠は2人を追い出すと西島に襲われたと騒ぎ立てるというヘタな破壊工作だけして去っていった(西島曰くすぐに誤解も解けた、龍之介もそこまでするかと呆れ気味)。例の血まみれシャツは鑑定に出すまでもなく第一発見者である芽衣のものだとちゃんと説明し、翠との関係も説明し、こうして芽衣と西島の絆は深まった。しかし翠は芽衣の会社と業務提携で事実上の同僚として食い込んでくると芽衣の亡き父親(萩原聖人)も人殺しだと言い放ち、これからだとまだ何らかの逆恨み復讐行為を続けるつもりの模様。
なんか完全に頭のおかしな逆恨みヤバ女にストーキングされているみたいな状態になってきて、まだあまり狂気の様子を見ていない後輩の亜希子なんかはすっかり騙されているけど逆に龍之介はもう翠の方がヤバ女認定に切り替わってそうだし、気を張る必要はあるけど四面楚歌は回避か。翠のトラップって前回のメール工作といい襲われたフリといい、それ自体は注意してれば見破れそうなチープなのばかりだし。
4話
亡き父羽田潤(萩原聖人)も人殺しだと言われ、同行した龍之介と共に父が店長をしていたスーパーで同僚(しゅはまはるみ)に話を聞いた芽衣。同僚曰く1年前の1月にも芽衣に同じ話をしたという。当時夫の暴力で追い詰められていた翠の母の佐江(酒井美紀)は羽田のスーパーで万引きして捕まる。事情を察した羽田が穏便に済ませて買い物して休んでいってくれと優しくしたところ毎日のようにやってきてイートインスペースでバクバク食い続けるという奇行に走り始めた佐江。同僚がアイツやべぇ奴だから深入りしない方がいいと忠告するが人が良すぎる羽田は夫が来た!と恐れる佐江を逃がしつつ話を聞くようになり…どうも不倫に至ったらしいという(同僚判断)。
記憶の無い1年前同様にショックを受けた芽衣に職場と業務提携した翠は工作活動を継続。次の客である父の桐田正義(大鷹明良)と娘の彩名(佐藤めぐみ)の案件で妊娠を黙っているように言われたのを前と同じメール偽装工作でバラしてしまい、彩名を激怒させてしまう。翠の立ち回りにより完全に自分のせいにされてしまった挙句に、調子に乗った翠はPASSのメモを引き出しに安易にしまっておくものじゃないとネタバラシまでしてきたので思わず突き飛ばしてしまったところ、翠信者になってしまった後輩の亜希子に目撃されて、社長からも出社停止を言い渡されてしまう。
それでもめげずにサポートで復帰を嘆願。彩名は激怒していたが、正義が多めに見て信頼してくれさらに父の経験から芽衣だけが彩名以上に入院を控えているという正義の体調が良くない事に気づいたのでさらに正義の信頼を得て具体的な演出プランのアイデアも直接聞く事ができた。そうとは知らない翠は亜希子と一緒に聞いた彩名の言っていた演出のNGリストとOKリストの項目を亜希子が芽衣に知らせる際に共有フォルダに入れた際に共有フォルダにアクセスしてごっそりリストを入れ替える破壊工作を実行。
当日NGのはずの桜演出に再度激怒した彩名。いつものように芽衣何やってんだムードを作ろうとした翠だったが、芽衣は正義から直接依頼されているので動じず、正義が自ら説明。彩名は母が死んだ事を思い出すから父は桜が嫌いだと思っていたが、正義はそこを乗り越えて幸せになってくれと願っており一気に感動ムードに。その裏では社長と亜希子が翠の破壊工作を見破っていて翠に契約解除を言い渡していた。
亜希子は以前の事も翠の破壊工作だったと気付いたとして芽衣に謝罪。洗脳されているようだったと語り、翠が「貴方の味方だから」とダメ押しで言ってきた事で逆にこれ洗脳されてるんじゃないかと異変に気付き、翠を監視したところ白昼堂々共有フォルダのデータをごっそり入れ替えている犯行の瞬間を目撃。社長に報告、速やかに翠は契約解除の対処となった模様。当日まで泳がせてその場で追い出すのは確かに最善かも。
一方で父と重なる正義の様子から記憶の一部を取り戻した芽衣は1年前に不倫疑惑を知った際にすぐに父の遺品を漁り、書いてすぐに意識不明のまま死んだため出せなかった佐江への手紙を発見。すっかりその気にさせてしまった事を謝罪しつつ、受け止める事も考えたが病が発覚したので守る事はできないという謝罪の手紙だった。翠に会って手紙を渡した芽衣だったが翠はその場で破り捨てて母をその気にさせた事は変わりないと姿勢を変えない事を宣言。翠はもう見たとは言っていなかったので1年前に発見した際は翠に見せなかったのだろうか。
しかしここまでの様子から龍之介は翠に嫌がらせをしている人物は別にいるのではないかと進言、芽衣だと言い張る翠にもうついていけないと決別宣言。そして件の翠の暴力父健次郎(石黒賢)が登場。会社にやってきたが翠は既に追い出されておりニアミスに終わったが、翠の自宅には父からの花束が届き、翠は一転して居場所がバレたとパニックに。慌てて佐竹に助けを求めるが佐竹の本当の雇い主は健次郎だった…と一気に芽衣ではなく翠が追い込まれてきて次回へ続く。
思ったよりあっさり破壊工作がバレ、黒幕らしき風格で健次郎が登場。そして健次郎の支配により親娘揃ってサイコさん化という篠原家の人格崩壊っぷりが凄い。
佐竹がワルイ奴だなぁ…。結果的に芽衣・莉奈・翠の3人全員に関わっているじゃないか。
5話
健次郎(石黒賢)の出現に恐怖する翠だったが、遠回しな破壊工作は継続。今回は直接的な攻撃はしてこなくて芽衣と莉奈との関係をギクシャクさせようとして無駄に手の込んだ行動を連発。芽衣は莉奈に憧れててSNSをくまなくチェックしていたと話してさりげなく裏アカのカリナをこっそり知っていてもおかしくないという思考に誘導しつつ、パーティーの話をして芽衣を誘うよう仕向け、パーティーに来る西島の後輩医者を1人押さえておいて西島の話をして盛り上げつつカリナアカウントをバラしてイジってあげてくれと指示。これにより莉奈の方から芽衣へ怨みを募らせるように仕向けた(莉奈→芽衣の最新の相関図が「不信感」になってしまった…)。…高度すぎて翠じゃなくて佐竹立案の心理作戦だろコレ…。翠は実は親同士の再婚で芽衣が妹になるかもしれないからあ優しくしていて破綻後も芽衣の姉のような存在になりたいと思っていた本心を明かしたが、佐竹が芽衣を恨むようにめっちゃ洗脳してたし…。
芽衣はもう関わりたくないので西島との時間を大事にしようとするが、西島は手術で助けられなかった交通事故の兄弟を助かったと嘘をついていた。パーティーの場で後輩医師から本当の事を聞いた芽衣は慌てて帰宅して西島に寄り添い、絆は深まったかに見えたが…。ラストシーンでは佐竹に指示をして記憶が戻らないようにしていたのは西島だったと判明。一気に真っ黒に…。
ただ後輩医師から西島への評判は普通にいいものだったようで、翠から指示されていた盛り上げ役医師も話を誘導するように仕向けただけのようなので、翠の指示がない他の後輩も含めて西島が後輩の間で評判がいいのは嘘では無さそう。しかもこの指示を受けていた医師も友人をフォローするためという名目を信じていて、破壊工作のつもりでは全くない様子。西島が黒幕なのか、守るために記憶を封印させているかはまだ判定微妙か。
一方で龍之介は翠に脅迫状を送っていた第3者の存在を疑い1人で調査を継続。健次郎と接触して問い詰めるが、佐竹を調べろと言われてクチコミを見たら概ね評判のいい精神科医だが人殺しだと評価している★1の投稿を発見。DMして連絡を取ったところ、洗脳のようなことをされて親族が死んだと聞かされる。翠が洗脳されているのではないか、目的は…?と考えていたところ、芽衣も佐竹クリニックに通っていると知り、慌てて留守電で注意喚起をするなど、今回1人積極的に真相に迫っていった。頑張れ。
6話
佐竹が怪しいという話が龍之介から伝えられ、佐竹を紹介したのが西島と判明すると龍之介が西島も関係しているのではと疑ったので芽衣は反発。龍之介、初期の頃に翠に言われるがままに芽衣に人殺しと迫ったのが少し効いてしまったな…。龍之介はさらに直接佐竹に接触してカマをかけるも腐っても精神科医、ぼろを出さずにむしろ何もないと納得させられてしまう。一方の芽衣もなんだかんだ気にして、芽衣が1ヶ月意識不明の間に職場に挨拶に来た西島が何故か記憶喪失と判明前に「迷惑をかけると思いますが」と言っていたという話を亜希子から聞いて不審に思い、さらに西島との海外写真の1枚が合成と気づいて不審に思い、西島のスマホに佐竹から着信があったのを見て不審に思う。西島は調べられて困る事は無いと語り、記憶を取り戻さないように佐竹にお願いしていた事を話す。理由は辛い思いをもう1度してほしくないから。そして合成写真はそもそも忙しくて新婚旅行に行けないので芽衣と一緒にいる時に西島がその場で作ったもので、それを聞いた芽衣も思い出したので本当の事だった。
というわけで芽衣は安心、龍之介からも佐竹に不審な点は無かったので考えすぎだったと謝罪されたが…。
一方の翠は健次郎(石黒賢)の接近と変わらぬ支配的な姿勢に恐怖していたが、逆に利用。議員としての講演で喋ってほしいと頼まれたのをこれが最後と条件を付けて参加して、わざと健次郎が嫌う赤の下着をちらつかせて激怒させ(不自然なまでにシャツずらして下着の肩紐見せてたし…)、裏に連れて行って怒鳴り散らして土下座させている音声をリアルタイム配信という堂々のトラップを仕掛けて健次郎を失脚させた。これはブルブル震えていた翠に佐竹があきらめるか抗うかの2択しかないと策略というより精神科医として回答したのが佐竹が思った以上に効いちゃった感じか…。ていうか盗聴配信の工作をした協力者の男(運転手として迎えに来ていた佐竹ではない別の男)がちらっと出てきたけど、工作完了後盗聴器一式受け取るだけで無言で去っていくというプロの犯行っぷり、翠この手の駒男どんだけ抱えてんだよ…。
龍之介がいじっていたカメラのメモリーカードを見た芽衣はメモリーカードを奪われそうになって転落した事を思い出す。慌てて自宅に戻ってどこかに隠したはずだと部屋を探していたら西島が何故か帰宅。出て行こうとしたら突如西島がキレてコップを投げつける音が聞こえたので隠れると部屋にやってきてそのまま物色し、どこにあるんだ!とキレ散らかし、佐竹に電話して証拠のメモリーカードはあの時自分が奪って処分したはずだ!芽衣がまだ隠しているというのは本当なのか!と凄んでいたのでこれで芽衣は西島にメモリーカードを奪われた勢いで転落していた事まで思い出した。なんとか逃げ出した芽衣は龍之介と合流。西島が黒幕だった事を告げて泣き崩れ、龍之介はここから始まりだと協力して真相に迫ろうと告げるのだった。
西島の協力者である佐竹だったが詳細は全く聞かされていないらしく、西島にも「詮索しないのがお前のいいところだ」と言われていたが、何故言う事を聞いているのかは不明。しかしさすがに激ヤバさん案件だと思ったのか、父親を片付けて後は芽衣だ、西島から引き離してやるとメーター振り切ってハイテンションな翠に西島は手に負える男ではない、やめた方がいいあいつはイカレていると警告。崖から落ちたのも恐らく西島のせいでそれで何食わぬ顔で結婚にこぎつけたとだいぶ真相に迫る情報を提供するが、ハイテンション翠は面白がって利用してやると西島を呼び出して何らかの計画を持ち掛けて次回へ続く。
守るために記憶を封印しているかもしれないと思わせて実際そうでした!からの本当は黒幕だったという揺さぶってくるスゴイ展開に。という事は中盤で疑われた際の西島は咄嗟のアドリブ芸で乗り切ってた?合成写真の方は本当の話だったのでうまく話が進んで内心ラッキーだった?事前に起こりうる状況を想像していつでも対応できるように準備していたにしても演技派すぎる。
佐竹との会話を録音していた龍之介が録音を聞き返して変な感覚になり、レコードをかけた後の佐竹との記憶映像がジリジリと歪んだのはレコードを使って暗示をかけているという演出?それに気づいた龍之介が改めて目が覚めた様子だったのは自身も余計な事をしないという暗示をかけられたのに気づいたからか。
7話
西島が芽衣を突き落とした真犯人だと判明し、だいぶ記憶も戻ってきたが西島が何を隠していて芽衣が何を掴んだかにまではたどり着けない。龍之介と結託して探っていくため、これまで通り過ごそうとした芽衣だがその過程で記憶を失う前の自分が同じ事をしていた事に気づく場面が何度か訪れる。どうやら過去の芽衣は蒼馬の解剖を必要なしと判断した西島を疑い自ら探るために近づいて自分から告白したりプロポーズしたりしていて西島は普通に芽衣を受け入れていたようだが…。
佐竹は以前龍之介が調べた患者を死なせた件をもみ消すために西島に動いてもらった過去から逆らえないでいると判明。葛藤しつつも指示通りに動いてしまう。これまた歪んだ莉奈を使って芽衣と龍之介の密会写真を撮りまくり、不倫を演出する材料を揃えさせた。芽衣と龍之介は翠にマインドコントロールされていると伝えて説得を試みるも佐竹に確認したところ今年の3月からだと言われたので、芽衣を恨んでいるのはもっと前からだったからという理由で破壊活動を継続。芽衣を海外旅行へ連れて行こうとすると西島を止めに現れた龍之介を不倫ネット中継して2人を職場からも追い出されるよう仕向け、西島と芽衣を離れられなくさせてしまう。絶望のまま次回へ続く。
蒼馬の事故当時に西島の同僚だった岸本(酒井貴浩)は西島の完璧主義がしんどくて追い出されるように辞めた、当日の西島は普段かかない汗をかいていたと証言したり、事故の真相は謎のままだが、翠は芽衣の仕業だという証拠があると自信満々。この辺りちゃんと思い出して説明できる状況になるか、その証拠とやらを提示してもらわなければ翠に協力を求めるのは無理筋な話だった。
8話
西島はここに来て何故か余裕の態度。芽衣が出て行こうとしても3日で戻ってくると自信満々だった。芽衣は龍之介と共に自主退職を余儀なくされてしまい、その分だけ調査に時間を費やす。盗撮していた莉奈を龍之介が捕まえて芽衣と改めて話した際、莉奈はこれまでの疎外感を初めて吐露するが同時に記憶が無くなった1年前の電話の主が莉奈だった事も教えてくれた。この電話で莉奈から翠を見かけたという友人の目撃情報を聞いた芽衣はかつて父の羽田潤(萩原聖人)が入院し、その後火事で翠が入院した地元の病院に出向いたという。
当時の行動をトレースして病院で出会った当時は父死亡時に新人だった看護師(大西礼芳)に話を聞き、父が手術直後に芽衣の姉を名乗る翠がやってきて翠が去った後に父が死亡したという殺人疑惑話をし、新人なので言い出せなかったというあんまりな態度に激昂。翠もまた龍之介にその時の事を話しており、羽田潤が父親になって母と自分を助けてくれると信じていた翠は自身の病気が分かったら無視して逃げた羽田潤に初対面。しかしあまりにも間の悪い手術直後で意識朦朧としていた羽田潤は芽衣だと勘違いして返答したため翠が一方的にブチ切れて首を絞めて心肺停止にさせたというものだった。酷ェ。
これにより芽衣は翠について調査したところ蒼馬と付き合っているのを知り、翠に人殺しメッセージなど嫌がらせを開始していた事が判明。さらに海外輸入コンビニ受け取り通販で睡眠薬を購入して事故直前の蒼馬に会っていた事も発覚。翠は喫茶店の店員に芽衣が睡眠薬を持って店先に立っていたという目撃情報を聞き出した事から芽衣が睡眠薬を使って蒼馬を事故死させたと確信、された嫌がらせとセットで復讐を行っていたという。
芽衣本人も「私の知らない私がいた」と自分が殺したと知りショックを受けて次回へ続く。ただし人殺しメッセージは実際に制作印刷している様子を思い出していたが、睡眠薬を盛ったところや事故に至る流れはまだ思い出しておらず、絶妙に次が気になる引き。後はちゃんと回収できるかが心配になってきた…。
あと佐竹が翠だけ救おうとするあまりに、莉奈を利用していたと莉奈の前であっさりバラしたかと思えば莉奈には異様に冷たい態度を取りまくったため、莉奈は屋上で飛び降り体制になってしまった。かつて患者を追い込んで自殺させてしまった佐竹としては絶対に繰り返してはいけないNG行動・発言のハイパーオンパレードにしか見えなかったが何故あそこまでいきなり冷たく出来るのか。
9話
前回異様に冷たかった佐竹だったが案の定自殺した患者の事を思い出すと慌てて探しまわっており、自殺しようとしていた莉奈の呼び出しに応じて佐竹が駆け付けて少しは救いの気配も。
芽衣は結局肝心な蒼馬と何を話したかの部分を思い出せないまま周辺記憶だけ思い出し、今回は前回判明した事の補足くらいしか新たな事は判明しなかった。翠が父親を殺したと知った芽衣は独自に調査して翠に嫌がらせ&近づくために転職を決意した事が補足説明され、西島は睡眠薬片手に待ち合わせに向かう芽衣を車で通りがかった時に目撃していたので病院に来た時にこの子がやったのではないかと確信、しかしどこか守ってあげたくなったために解剖の必要はないと警察に言って勝手に共犯者となり、芽衣が近づいてきた時は嬉しかった…とかなりサイコな純粋な愛を語る始末。これに関しては母(朝加真由美)が何でも思い通りに進めようとする支配的な性格だったのが影響していたらしく、最後には母にブチ切れていたが芽衣にはあくまで純粋な愛情を持っている様子。
龍之介はここまで判明した事を知らされるも殺せるはずがないし、まだ肝心な記憶が戻ってないと主張。蒼馬が芽衣を嘘がつけない人と称していた事からも、最後まで信じると決意。改めて芽衣を励ますが、芽衣は1人姿を消して次回へ続く。
翠も特に睡眠薬の購入履歴くらいまでしか新たな証拠は持っていないらしく、芽衣と蒼馬の会話という戻ってない最後の記憶がキーになってきた。
10話
莉奈は火事で入院していた際の翠から芽衣に会いたいと伝えてくれと頼まれていたのを無視した事を双方に謝罪。何があったかは知らないが2人は話し合うべきだとして芽衣はその気になって翠に連絡したが翠は拒絶して西島を送り込んできた。この段階では自分が睡眠薬で殺したと思い込んでいたので芽衣は翠に謝罪するつもりだったが肝心の記憶は抜け落ちたままでもし会っていてもただ誤解が膨らむだけの大惨事であった…。
佐竹はもう借りは返したと言って西島への協力を拒否するがこの際に西島が激昂して車の件を口走り、心当たりのなかった佐竹は訪ねてきた龍之介に知っている事は全て話して車を気にしていたと伝える。知っている事というか命じられて記憶を封印していただけでその中身は知らないし、封じるのに使っていたクラシックのレコードが芽衣にだけやたら効く理由も西島の指定なのでほとんどな~んも知らんかった…。佐竹はほぼメインの出番は終了か。
龍之介は芽衣から以前聞いた写真を見て驚いていたという言葉から改めて一緒に写っていた当時の同僚医師を尋ね、同僚医師との2ショットのバックにあった車が昨年6月に売られた事を突き止め、中古会社ディーラーを調べまくって西島の車だったと思われる中古車を発見。さらに後から妻を名乗る人物(=芽衣)がドライブレコーダーだけ回収した事まで把握。
翠に代わって西島が現れた事で例のカフェを出てついてくる西島を振り切って記憶を整理した芽衣は西島を疑っていた調査していた事はほぼ全部思い出した。睡眠薬は翠への嫌がらせで精神的に疲弊して不眠となった挙句に最早お守り替わりになっていたというもので(眠れない時以外でもちょっと不安な時は日常的に睡眠薬の袋を取り出して握りしめるという“すがった”状態)、さらに西島の車にクラクションを鳴らされたのは蒼馬と会って一緒に店を出て蒼馬が去った後だった。直後に事故が起き、駆け付けて病院まで同行した中で外に例の車を見つけたり、西島の挙動に不信感を抱いた芽衣は調査のために取り入り、婚約者になってまで証拠探しを続けてついにドラレコ映像という決定的な証拠を発見(回収したドラレコにさすがに映像は残っていなかったが復元業者に頼んでデータを復活させていた)。
しかし例のカフェで見ている時に西島がやってきたので咄嗟に逃亡。PC置いて逃げて思いっきりPCに映像が残っていたため西島も事態を把握。夕方から夜に及ぶ周辺山中の鬼ごっこの末に奪われて崖から落ちて記憶喪失という事だった。今回もまた西島が逃げ惑い、この際に緑の証拠動画を送っていた事も思い出したがどうやら電場状態が悪く送られていなかったらしい(龍之介へのLINE経由で翠にも話が行ったが翠はそんなメールが来た記憶はない)。今度はしっかり送信し、翠が受け取って驚愕する中で芽衣もまた改めて動画を見て驚愕、直後西島に見つかり殴られて気絶して運ばれながら次回へ続く。
動画の内容は西島の煽り運転で蒼馬が転倒。直後は生きていたがそれを見た西島はわざわざ倒れている蒼馬の頭を地面に撃ちつけてトドメを刺していたという衝撃SATSUGAI映像であった。守らなきゃいけないと思ったのは「誰よりも完璧な俺の人生」という事でサイコ西島によるサイコ劇場とその終焉が最終回になるか。
この期に及んでもまだ蒼馬との会話のところだけ思い出していないのでそこも思い出しての翠との和解含めて何とか着地点は見えたので変な事にはならなそう。
けっこう頻繁に歩いてホイホイ来れるようなところにあるはずのこの山の中、夕暮れ~夜まで付近を延々逃げ回っても下山できないほど彷徨えまくる…ってここの地理どうなってんだよ…っていうのはまあ…。近くにいるはずの龍之介も全く合流できないままだったし。
11話
西島は気絶させた芽衣を自宅まで運んで龍之介は付近を彷徨ったままとうとう発見できずに帰還かよ…再度例の音楽を使って記憶を封じ込めようとするがそもそも専門外で無理&ここまで記憶戻った段階で無理という事で抵抗されて失敗。とはいえ芽衣もかなりキツそうで振り払うために自らの手に思いっきりフォークを突き立てて意識を保とうとするなど全く効果が無かったわけではない模様。またこの間に空白になっていた蒼馬との会話部分の記憶が戻った。蒼馬は記者をやっていてこの手の調査は得意なので翠への嫌がらせ犯が芽衣だと気付いた上で呼び出していてその事を示唆。言葉が返せない芽衣を1度も責めずに優しく語り掛けて、芽衣の父の死の際は首を締めようとしたものの直前に容体が急変していた事、担当医にも裏を取った事を説明して本心を聞き出していた。適当なホラつきやがってあの(当時新人)看護師ェ…。
西島は事故の日、弟が起業家として表彰された事で母親があっさり掌を返して弟を称賛した事に腹を立てて運転が荒くなっており、結果煽り運転で事故を起こしてしまったらしい。結局終始調査のために近づいてきた芽衣にそこまでベタ惚れしていた理由は不明だったが(芽衣が本心で西島を信頼していたのって記憶喪失後の一時期だけだし)、鋭く疑いの目を向けてくるのが母と違って良いとか言ってたのでサイコ的視点でサイコ的な理由があったのだろう。
翠が龍之介の説得で送られてきていたドライブレコーダー映像を警察に提出したため、自宅に龍之介と警察が助けに入り、拘束されていた芽衣は救助された。それを察した西島は一足先に逃走しておりそのまま逃亡犯となり潜伏。莉奈に背中を押されて改めて翠と話し合うことにした芽衣はまず謝罪した後に思いをぶつけあって和解。翠の方が母親譲りの思い込みの強さで「芽衣の父が母と自分を助け出して再婚してくれるので芽衣が妹になる」とか勝手に妄想&同級生なのに妹扱いで下に見ていたのが怨みに繋がる原因になっていただけに、この終盤になって芽衣も勘違い(父殺し)で翠を恨んで嫌がらせしていた、どっちもどっちでどっちも悪くない、話し合えば和解できるという感じにはなっていたものの…翠の方がマイナスポイントが多いのは否めない。思い込みの度を越え過ぎてて「妹になるかもしれない」は想定不可能だし、芽衣の父を殺そうとしたのは事実(たまたま手をかける直前に急変しただけ)だからなぁ…。
その頃、西島は母の呼び出しで待ち合わせ場所に出向くが母はとっくに警察に協力していた。この時、同じ15時指定の設定にして翠がまた西島に芽衣との待ち合わせ場所を密告したかのようなミスリードは今更余計だった。和解後、芽衣と翠は別れた直後に最後の記憶が戻り、去り際の蒼馬に芽衣はいつか翠を心から祝福できるようになったら会いに行くと伝えてほしい、必ずその時は来ることを約束していた。この事を伝えようとしたところ、絶望の西島がこれまでと一転して芽衣にナイフ特攻で殺しにかかってくるのが見えたたため翠が飛びついて刺されてしまう。
西島は更なる逃亡の末、報道で自身が完全な犯罪者/逃亡犯となっている事を悟ると終わりじゃない完璧な人生をやり直すんだと橋の上から自殺して出番終了。最後の記憶の話は結局翠に伝えるのではなく病院に駆け付けた龍之介に聞かせるのみとなり、後日目を覚ました翠は記憶喪失になっていて芽衣に対して「あなた誰ですか?」と言い、芽衣が何とも言えない表情のまま手を握り締める唐突END。
Hulu11.5話へ続く!
と、これまで無料配信TVerを散々宣伝していたのに日テレらしいHulu商法が唐突に炸裂したのだった。
全部終わっての感想
終盤やや無理はあったものの、大きな破綻なくまとまっていたし、主人公が落ち度皆無の善人ではないっていうのも見ごたえはあった。終わってみると思い込み激しすぎる翠とその母もそうだが、翠が芽衣の父を殺したと思うなどとホラ吹いた挙動不審なあの当時新人だったという看護師が今作随一の戦犯だった気がしてきた。あれが無ければ芽衣が翠を恨むには至らないだろうし、嫌がらせが無ければ蒼馬とあのタイミングでの芽衣との再会も無く、そうなると西島と遭遇せず蒼馬が死なないので翠が芽衣を恨むことも無く…とほとんどの出来事が回避できたはず。あの看護師こそが諸悪の根源だった。
西島はサイコさん化してあっさり退場してしまい、少々雑だった気もしなくもないけど一貫して壊れた人だったので自殺まで終始自分本位で速度緩めずに爆走していった感じか。爽やか青年だった小池徹平、アラフォーになって最近こういう悪役づいてきたらしいけどそれこそ『シバトラ』の頃のイメージだと斬新だった。
本編11話だけだと半ばギャグみたいな世にも奇妙的ホラーENDでスッキリしない。11.5話は翠が記憶を失った半年後、徐々に記憶が戻るも蒼馬と幸せだった頃までで記憶が止まり、芽衣による嫌がらせや芽衣へ怨みを抱いて行動を開始して以降の記憶がすっぽり抜けているので芽衣とは親友だと思っているというきこりから出てきたみたいな”きれいな翠”が記憶を取り戻すまでのエピローグ的な話が15分程度。
Hulu商法の溜めの餌である翠の記憶喪失ネタ抜きにすれば本来数分本編に付け足せば済むような主要人物のその後(失職した芽衣が次に何の仕事をしようとしているのか、莉奈と佐竹のその後等)を多少補完したエピローグといった装い。本編にこれがあればちゃんと物語が終わっていたのに。これはちょっと”商売”過ぎたなぁ…。
あと「ハートモーメント」を辞める事になってからはハートモーメント勢の出番がバックナンバーでも削除されたらしいけど、これは後輩男性役で出ていた上村謙信が香港で逮捕されて契約解除になった影響。元々終盤に出番はあったのかは気になる。後輩の亜希子(山口まゆ)辺りは気にしてそうなところで最後になってしまったし、芽衣が厳しすぎて関連会社社員が何人か辞める事になったって言うのも芽衣が翠への嫌がらせを開始して心労でおかしくなっていたせいとして回想で説明しそうな伏線だったし。
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