劇場版 BAD BOYS J-最後に守るもの-

2013年11月9日公開。

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2013年春クール日本テレビ系土曜深夜枠で全12話放送された連続ドラマ版の続編。原作は1988~1996年まで連載されていた田中宏による漫画。

1993~1998年までOVAで実写化されていた。その後はすっかり過去の作品となっていたが2011年『BADBOYS』のタイトルで三浦貴大主演で実写映画化されていた。この2011年版映画とは全く関係なく、2年後の2013年にジャニーズと乃木坂46をメインキャストにした連ドラが『BAD BOYS J』のタイトルで制作され、そのまま映画化されたため、『BADBOYS』からわずか2年で別設定の映画が再度制作される事となった。2011年『BADBOYS』の監督は窪田崇だったが、ジャニーズ×AKB48で制作されていた『私立バカレア学園』も窪田崇だった縁で今作でもそのまま起用されており、今作と無関係の2011年版と今作の監督は同じ窪田崇というややこしい事態となった。

基本的に連ドラレギュラー勢は全員続投。連ドラ版最終回ラストで陽二(岩本照)が飲食店でバイトを開始し、そこの店員役として初登場していた乃木坂46生駒里奈も引き続き出演。新たにジャニーズWESTとしてデビューする直前の時期の重岡大毅が参加、恋人役に乃木坂46白石麻衣が新たに参加した。

司(中島健人)が来る前の荒れていた頃の陽二(岩本照)がところかまわずケンカを売っていて恨みを買いって大勢に襲撃された際に当時の極楽蝶メンバーだった圭太(重岡大毅)が助けに登場するが相手が大勢すぎて2人揃ってやられてしまい、さらに警察の魔の手が迫る。足を負傷した圭太は身動きが取れずに陽二を先に逃がすが、圭太はそのまま少年院送りになってしまった。その圭太が出所してきたが、少年院上がりではまともに暮らせないとして新勢力「エデン」に加入。責任を感じていた陽二は圭太に借金があると嘘をつかれて協力のために「エデン」に加入して司たちを裏切るが…。

という事で新勢力が登場して広島最強を狙い、「極楽蝶」「ビイスト」「ナイツ」のなんだかんだ絶妙なバランスで均衡を保っていた広島のチーム勢力が再度揺らぐという連ドラ時代の終盤のエピソードと同じような展開に。エデンのリーダー聖人(柿澤勇人)の強さは本物で、陽二の攻撃はまともに当たりもしないほど戦闘力に差があり、「ナイツ」のヒロ(橋本良亮)は連ドラ時代に続いてまたも敗北病院送り、司も初戦では裏切った陽二の本気の攻撃を受けてダメージを喰らいまくっていたので一撃も加えられずに敗北してしまうほど。

1度負けた面々が再度奮戦して今度は勝利するという王道展開となり、仲間意識のない聖人に対して友情や仲間意識を力説した司が今度は奮戦して聖人を倒す…とどこまでも王道。過ちを犯した圭太の葛藤など連ドラには無い要素もあったものの…かなりのファンムービーだったなという印象ではある。

2013年当時連ドラを見て映画版はレンタルするつもりがそのまま忘れてしまい、『バカレア』は数年遅れで見たんだけど今作は結果的にCS放送でたまたま見かけた2023年まで10年遅れで見ることに。当時も広島の治安(笑)っていう感じで失笑気味の設定ではあったんだけど、10年経って観るにはますますしんどい内容だった。

圭太が少年院を出ている事からも一応「極楽蝶」「ビイスト」「ナイツ」は高校生くらいの10代設定だったんだろうけどどっちみち学校の描写は無い。連ドラ時代終盤の敵勢力もそうだったけど今回のエデンも20代半ば以上の大人の役者を起用しているので学生の不良仲間ではなく、大人の暴力集団(半グ〇)にしか見えない。2011年版の映画は広島市が協力を拒否したというエピソードも残されており、ジャニーズ×乃木坂46の組織力でこちらのシリーズはそのようなもめごとは報じられていないが、それでも地元がこんな治安の扱いされるのはやはり迷惑ではあるよなと改めて思った。

乃木坂46メンバーの棒読みは仕方ないにしても、唯一まともに主人公の相手役としてヒロインしている橋本奈々未は数年後に引退してしまった事からも最大級のヒロイン扱いとして貴重な記録にはなったかも。今作での白石麻衣は圭太の彼氏として冒頭の出所シーンから待っていて行動を共にするが、他の彼女勢が戦いの間は現場に参戦せずに「待ち」なのに対して、白石麻衣だけ戦闘シーンにもくっついてくるので、圭太が聖人に挑んだ際にも背景で見ているし、聖人によって圭太と陽二が戦闘不能に追い込まれて駆け付けた司と聖人が勝負を繰り広げている際もなんか 見 て い る というのはやや滑稽だった。

「ビイスト」トップの段野(二階堂高嗣)は最強設定は今回も崩していないが主役は司で司がボスを撃破する関係で出番が極端に少ない。そもそも「ビイスト」を狙う前に最終戦闘となったため、段野が自ら出て行く必要が無く、それでも加勢するために参戦。「エデン」の幹部をほぼノーダメージで撃破するという楽勝のシーンで圧倒感を醸し出していたものの圧勝過ぎて雑魚専みたいになってしまった感がある。ヒロをイケメンもどき扱いしたもう1人の幹部の方がキャラが立ってて因縁もあっての最終対決になっていただけに、あんまり目立ってない方の幹部に圧勝してもさ…っていう。

★★★☆☆

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