旅の記録 諏訪峡~棚下不動の滝

11月も半ばを迎えようという頃、雪が降る前に昔よく行っていた水上の焼きカレーを久々に食べるぞ!という事で出発。

道中は水上ICに差し掛かる直前まで雲が無いレベルの快晴だったのだが、水上の予報だけ雨になっており、予報通りに急に暗雲が…。「道の駅みなかみ水紀行館」に到着するとシトシト小雨が降り注ぐ悪天候になってしまった。

微妙に行けなくもない降り具合で、実際に傘無しで散策している人たちもそこそこいたのでとりあえず諏訪峡の紅葉を見に出てみる。

早速虹が出現。奥は谷川岳(その向こうは新潟県)方面になるが厚い雲の空模様に反してなんだか薄日が差しているようにも見えるが、反対側はこんな感じ。

なんかちょっと晴れ間が垣間見える。実際に少しでも南に行くと快晴のままで、この辺りが天気の境目になっていたようで、薄日が差しているのに小雨が降り続けて虹が出ているという摩訶不思議な天候になっていた。紅葉自体は終わりかけというか、色づいてない葉がある割に散り切った枝だけの木も多くてピークを迎えないまま散ってしまったようなビミョーな感じ。

精一杯の紅葉がこれであった。

という事で焼きカレーの店カフェレストラン亜詩麻へ移動。

サラダが来て…。

焼きカレー登場。何年振りか。10年は経っていないと思うが、いやしかしそのくらい経っているのかもしれない。安定のうまさだったが、記憶よりも焼き感が無くてカレードリアっぽく感じたのは気のせいか。

セットの珈琲とJAF特典のアイス。珈琲が飲めるようになったのが2010年を過ぎた頃、ブラックしか飲まなくなったのがここ4,5年の事で、前は砂糖ミルクドバドバした記憶があるのでやっぱ10年くらい経ってるのかも…。

その後は最近まで知らなかった渋川…と言っても赤城IC寄りにある棚下不動の滝へ行ってみる。

駐車場から車道をグッと登っていき(現在は駐車場時点で通行止め)、不動堂のある地点へ到達。そこからさらに登っていくとたどり着ける…のだが、入口にあるこの地図は2010年以前のルートを示したもの。しかも滝と川と建物群の位置の離れ具合がかなり誇張されて書かれており、実際には不動堂からはもっと川沿いでこんな離れてない。そして階段と雌滝の間にあるでっかいイラストは何なんだこれ

現在は川の右側(対岸)にルートが新設されており、不動堂の横の橋で対岸に渡ってからは右ルートを進むことになる。

何故左が右に変わったのか、その答えは2011年3月11日の東日本大震災にある。

この岩はあの大地震で駐車場まで落石してきたもので入口のすぐ横にある。当時しばらくそのまま置いてあったが(落下してきた当時の形はWikipediaにもある。またよじ登って記念写真を撮っている様子も2010年代前半頃に更新されている個人ブログ等で確認できる)、これを掘って仕上げたものだという。2010年代の大半が作業中の状態だったようだが、2019年に完成したのがこの姿であるようだ。

こんな大岩が落下してくるくらいこの地は崩壊したらしく、元の左ルートはあの地震で崩壊してしまったという。それを理由に表向き、渋川市の案内としては長年立ち入り禁止となっていた。先のWikiにあるように左ルートはあきらめて右ルートを新設して2019年3月にようやく完成するも作ったばかりの右ルートが大雨で即崩壊(当時の記事。ダメだこれ…っていうレベルで完全崩壊)、2019年末付で上記の碑が設置されたものの、通行止めのまま世界変異に突入し緊急事態宣言でそれどころじゃなくなり、開けた2020年夏にようやく現在の形でのルートがオープンしたらしい。

という事で車道っぽいところを登っていくとたどり着く不動堂。少し下にはトイレ棟もある。

この建物の左側に閉鎖された元ルートがあった。後述のように実際には2011年以降崩壊斜面を突き進んで開拓した先駆者たちによって踏み固められて非公式ルートになっていたようだが、現地ではどう見ても崩壊して通行不能になった昔の旧道にしか見えなかったので直接の写真を撮っていない。

現在のルートはこの不動堂の下にある橋を渡った対岸にある。

また対岸を滝の向こうに進まずにそのまま奥の山へ進むルートもあったが完全閉鎖されていた(後述)。

先の記事の写真にあるようにこの階段は開通即豪雨で1度崩壊して再建設された2代目であるようだ。奥に滝が見えるが…なんか奥から男性の悲鳴が聞こえる…?

ぎょえええ!!きょええええ!!ぎえええええ!!!

などと奇声が滝の方から聞こえてきて、これは今期被害が相次いでいるK・U・M・A-Bear-がこの地にも降りてきているのかと一瞬焦ったが襲われたり格闘している感じの声ではない。一応いつでも後退できるように先を見ながら登る事にする。ていうか階段あったの見えている最初の部分だけで後はなんか無理やり斜面に道を作っただけみたいな。

思ったよりキツイ急斜面を登り切ってついに到達。

今年は紅葉が遅いのか、色づきは少なくて緑多めだったが、しかし圧巻の光景だ。横から見てもけっこう凄い。そして裏側の空洞へ立ち入る。

空洞部分、穴もあったがこのように塞がっており、若干水が漏れてポタポタしていたり、上を流れる水の音が不思議な反響をしていて異空間のようだった。

滝 の 裏 に い る

凄いぞこの空間。

そして反対側へ回る。

ここからぐるっと滝つぼに降りていけるようになっている。というか元ルートは左岸から進んでくるので滝つぼに到達して左脇を登って裏側に回る通り道だったと思われる。先ほどの男性2人の悲鳴はどうやら2人が滝行に挑んだ悲鳴だったようだ。小さな着替え小屋もあったが既に荒れ果てており、木の板も土まみれで役に立たず、落ち葉や土砂で汚い状態になっていて現在は使用していないっぽかった。駐車場で見かけたガイドっぽい風格の女性が帰り際に外国人女性2名を連れて上がってきたが3人とも既に滝行スタイルに着替えており準備万端の状態になってたし。

滝直後は意外と小さな川として下へ流れていく。

現地にいる時はなんか道っぽいけど勝手に進んだ冒険者向きの道かなと思っていて何気に写真を撮っただけだったがこれが元の左ルートにして右ルート開通まで非公式に使用されていた崩壊ルートの出口と思われる。

下山後、最初に登ってきた閉鎖された車道部分に登れる場所を2ヶ所見つけた。1ヵ所は閉鎖されていた(登ってきた場合はカーブを曲がって左側の方)。少し前まで閉鎖されていなかったようで上がるとどこまでもギリギリの稜線を進んでいけるが特に終わりも無く恐怖を感じたり行き詰って引き返したという過去のレポートがネット上でいくつか転がっている。危険なので閉鎖したのだろうか。

もう1個の方(登ってきた場合はカーブ直前の右側の岩)もそれなりに怖い場所だったが絶景スポットになっていた。なんでもタイミングが合えばSLと川と山を一気に撮影できる場所として界隈では有名らしい。SLどころか電車も通らなかったがそれ抜きでもこれは素晴らしい。さっきまでの水上の雨が嘘のようだ…。

そしてこの場所から山奥の崖にもう1つ滝が見える。棚下不動の滝とは雄滝と雌滝の2つの滝を指し、近づける先ほどの滝は雄滝。そしてこの遠くに見えるのが雌滝

一般人が近づく事は不可能で全く整備もされていない眺める事しかできない滝となっているようだ。冒険家レベルの人たちがいくつかこの場所へたどり着くためのレポートをブログやYouTube動画で公開しているが、マジで秘境探検レベル。遠くからは見る事ができない滝壺も複雑な二段階になっており、特に上段にたどり着くのは至難のようだ。

かなりマイナー観光地っぽかったが見た目は思った以上に圧巻だったし、素晴らしい場所だった。渋川市の公式上はここ10年近く立ち入り禁止だったので仕方ないにしてもそれ以前から全く知らなかったもんなぁ…。沼田IC~赤城IC~渋川IC辺りって普通に高速で飛ばしちゃって一般道走らないし。

この後は7月に寄ったが暑すぎて蜃気楼だった「道の駅 まえばしあかぎ」に再訪してから帰還。

帰宅後調べてみた

滝行一向に出会ったようにこの場所は滝行でも知られており、ガイドによる滝行も行われているらしく、いくつかのツアーも組まれているほど。それは表向き立ち入り禁止であった2011~2020年までの間も行われていたようだし、実際崩壊した左ルートを走破した記録もネットのあちこちに散見される。自己責任&ガイド付ツアーならOKというローカルルール(?)はあったのかもしれない。

というのも帰ってきた後に思い出したんだけど、乃木坂46が昔滝行のヒット祈願した時に全国各地に数人ずつで向かった回があってその時にここ来てんじゃね?と。

調べてみたら2013年の『バレッタ』ヒット祈願の滝行がこんな感じだった。

群馬の滝→『の』チーム:生駒里奈、松村沙友理、若月佑美、高山一実
沖縄の滝→『ぎ』チーム:西野七瀬、堀未央奈、深川麻衣、齋藤飛鳥
岩手の滝→『ざ』チーム:秋元真夏、衛藤美彩、川後陽菜、中元日芽香
神奈川の滝→『か』チーム:白石麻衣、橋本奈々未、桜井玲香、伊藤万理華、生田絵梨花

「群馬の滝」がまさにこの場所で行われており、実際には高山が体調不良で不参加、3人で現地に向かい、生駒が現地で恐怖のあまりにリタイアしたため、松村沙友理、若月佑美の2人がここで滝行をしている。当時のOAでは到達までを“道なき道を15分”とロープをつたって登っている映像をバックにするっとナレーションベースで片づけられていたが、実際2013年当時は崩壊後2年半程度の時期で道は無かったのである。なので崩壊した左ルートで通れる場所を先駆者たちが切り開いて後発組がその後を辿っていくうちに非公式ルートが出来上がり、ガイド指導の下でロケ隊が上がったものと思われる。現地で見た左ルートの入口は当時から立ち入り禁止になっており、あるはずの鳥居も見えなければ階段もすぐに途切れてごっちゃごっちゃの山と岩の中にしか見えなかったが、TVのロケでアイドルを進ませるくらいには進めるものなのかもしれない(少なくとも2013年時点でそうなのと2019年3~6月を除くと2020年まで9年間右ルートが無かったので崩壊後左ルートの踏み固め非公式ルートが細々と使用され続けていたはず)。

「バレッタ」が11月27日発売でそのヒット祈願なので2013年の10月下旬~11月上旬頃だと思うけど松村沙友理、若月佑美の2名がこれを浴びたという事か…。

また市として公式に発表している遊歩道は対岸に渡った直後の「起点」、そして写真が無いが「終点」は滝の右側の斜面まで滝の裏側は崩壊の恐れがあるので行かないでくれという事になっているので、滝の裏側を見るのも建前上は自己責任という事になるようだ。

また先の閉鎖されていた「鳥山隧道」なる場所だが、廃道の第一人者であるヨッキれん氏の「山さ行がねが」の2007年のレポートに15年以上前のこの先の様子が書かれていた。3ページのレポートのうち2ページ目の後半には崩壊前の在りし日のこの地を収めた写真も掲載されている。入口付近も右側に岩のない駐車場しか見えないが、岩のある右側は狭くなってしまったせいか現在は左側にメインの駐車場が移行している。

2007年と崩壊の4年前なので在りし日の左側のルートの階段の写真もあるが現在この階段は始まってすぐ埋もれている。また右ルートは全く存在していなかった(「車両は通り抜けできません」の左側)。先の道も遊歩道っぽいと書かれており、閉鎖されていなかった事も分かる。むしろ先までもう少し遊歩道っぽく整備をしていて、大地震でこの先も無事だったとは思えないのでこの先も崩壊して完全バリケード閉鎖になったのかも?

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