マル秘の密子さん 1~6話

2024年夏クール、日本テレビ系「土ドラ10」枠(土曜22:00~22:54)。

原作の無いオリジナルストーリー。

1話

九条開発の社長だった九条謙一(神保悟志)が亡くなった。謙一は政略結婚による婿養子で社長ながら長男の遥人(上杉柊平)へ継ぐまでの繋ぎの社長で孤立しており、半年前に火事の現場で倒れていたところを介護士の今井夏(松雪泰子)に助けられた事で夏を気に入り、火事後のケアをお願いしていた。死期を察知して残していたという遺書には遺産は妻や息子、娘に分配するように記されていたが、会社の株すべては夏へ譲り渡すと書かれていた。

夏は主体性のない地味オバなシングルマザー(といっても子供の智(清水尋也、彩(吉柳咲良)は2人とも成人していて謙一の厚意で九条開発の社員にしてもらっていた)で言われるがままに株を渡そうとしてしますが、そこに謙一から託されたというトータルコーディネーターを名乗る本宮密子(福原遥)が現れる。わざとらしく株譲渡を阻止しつつ、言葉巧みに夏をその気にさせて地味オバルックからいつもの松雪泰子ルックへと変貌させた密子。覚醒した夏は会議の場に乗り込み次期社長へと名乗りを上げ、事前に密子が脅しをかけていた荻野目(石井正則)を支持者にして遥人の過半数票を阻止。これに伴い次期社長候補は遥人と長女の玲香(志田彩良)にも引き続きチャンスが残り、夏との三つ巴の対決になって次回へ続く。

冒頭で孤立していた女の子に話しかけていた本宮密子だったが、実は育児放棄されていた荻野目の娘だったと判明。謙一派ではあったが表立って逆らえなかった荻野目をその気にさせたのはこの一件のおかげだったが、さりげに謙一死亡のニュースが入ったのは女の子と接した後。謙一は突然死しており、殺害疑惑も出ていたが、密子は間もなく死ぬのが分かっていたっぽいのは…?さらに夏が急に吹っ飛ばされて車にひかれそうになった際に密子が助け、秘書の千秋(桜井日奈子)が逃走していったが、ラストで実は指示待ちしていたが指示が出るより前になんか夏が吹っ飛ぶのが見え、直後に密子が助けに出てきたのを目撃したので自作自演だったのではないかという疑惑が浮上。さらに密子と謙一の接点も見つからないと不審がって報告しているところに(相手は遥人?)、密子がノータイムで注射器昏倒アタック忍かよ!早くもヤベェ奴っぽさが…。

『アンラッキーガール!』や『18/40~ふたりなら夢も恋も~』は興味が持てず、朝ドラ『舞いあがれ! 』も後半失速、最早『ゆるキャン△』続編も見込めない(もう年齢的に行き過ぎた)状況で最近あまり見ていなかったが(不動産のやつもスルーしたので朝ドラ以外だと『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』以来)、今回はいつもの優等生的な感じではない新境地になりそうだ。あとよく見たら対立する相手になっている九条家の長女玲香(志田彩良)は『ゆるキャン△』の恵那。全く雰囲気の異なる大人の女性に成長しており、やはり『ゆるキャン△』続編はもう無理だな…。マジで映画版の内容、今の実写キャスト勢でやるなら適齢だったのになんでアニメで…。

2話

長男の遥人(上杉柊平)の秘書の千秋(桜井日奈子)が遥人の盗撮フォルダ、アクリルスタンドグッズ化した品々を所持した変態ストーカーだった事を突き止めそれをネタに密子が脅して言う事を聞かせる事に。さらに社長候補決定まで社内に専用部屋が用意された夏の担当として千秋が派遣されたため、夏・密子・千秋がほぼ3人揃って行動を共にする事になった。

今回は総務部で働く夏の息子の智(清水尋也)がパワハラ上司森山(小久保寿人)に夏の一件で余計に目をつけられていびられるところから密子の暗躍で覚醒する展開に。きっかけとなった重要データの紛失(森山が智1人責任を押し付け、これを利用して遥人は親子揃って責任取らせる)だったが智がブチ切れるとあっさり狼狽してしまいあまりの役立たずっぷりに速攻切り捨てられる小物上司森山。そしてデータ紛失は実は千秋の破壊工作だったと判明。密子によって見破られた千秋は改めて念押しされる形にはなったが…。

千秋が思ったよりもギャグキャラで、上司も小物で…と本気の暗躍にならないためかなりコミカルに話が進行するなど思ったよりも軽いノリなのか。早くも密子が九条謙一が重傷を負った例の火事で死んだ秘書と関係があり、復讐を目的としているっぽい事がけっこうあからさまに示唆されてしまうなど謎を引っ張る様子もないんだよな。

3話

メインは前回の息子の智に続いて娘の彩(吉柳咲良)が玲香(志田彩良)に取り入ろうとしているところから母の夏の協力者へと心変わりする展開。遥人(上杉柊平)が何故か密子に乗り気ではないお見合いでフラれるコーディネートをしてほしいと依頼してきて密子が遥人(上杉柊平)に着く事になり夏を裏切る!?という流れもあったがこちらは大して盛り上がらず、最初から彩が味方になるように仕向けていたのと遥人から見返りのデータを入手したかっただけという…。しかもコーディネートは結局遥人の人間性の悪さからそのままで行けば自動的にフラれるというドスレートに酷い内容だったが、従った遥人は自動的に断られ、激怒するどころか約束は果たしたとしてデータをちゃんとくれる始末。性格は悪いけど素直な人(アホ)だったのか…。

会長の五十鈴(小柳ルミ子)は明らかに遥人・彩・そして2人の母(五十鈴の娘で死んだ社長の夫)である美樹(渡辺真起子)と比べると事態を静観しているどころか夏の活躍を面白がってさえいるような節があったが、ラストでは密子と面会。夏には小説の登場人物として説明した人が助けられたというレモンのかき氷が好きな謎の男性が同じくレモンかき氷が好きな智かのような匂わせもありつつ次回へ続く。4話でもう正体発覚みたいなフリをしているけど『マル秘の密子さん』なのにマル秘を明かしてしまっていいのか。

4話

五十鈴(小柳ルミ子)が意味深に呼び出したので密子と繋がりがあったかに見せかけてたた探りを入れてきただけで五十鈴な~んも知らなかった…。

夏の夫で暴力&アル中&借金で家を出ているが正式に離婚していない丈晴(山中聡)が金をたかりに登場。案の定、玲香と美樹ら(密子の調査に御執心の遥人は無関係で五十鈴もノータッチ)がけしかけたものだった。会わないように警告する密子だったが、玲香と美樹が断酒していた丈晴に酒を飲ませてさらにけしかけた事で暴力化。社内で殴り掛かってくる大騒動を起こしたため、夏に味方しようとしていた役員の信用を失ってしまう。

さらにここに来て密子が幼少期に親の暴力から養護施設に逃げこんでいた過去が発覚。暴力がフラッシュバックした密子は硬直して使い物にならなくなってしまい、夏が異変を察知して咄嗟にかばって殴られてしまう。しかしこの状況は密子をかばって殴られた姉の姿とさらに一致してしまう。その後なんとか持ち直して酔いつぶれている丈晴を得意の注射アタックで監禁していつもの余裕ぶった態度で殺すと脅しをかける密子だったが、意外とキレ者の丈晴は子供の頃に智と彩に暴力を振るっていた時の2人の目と密子が同じ目をしていると指摘して、親からの暴力被害者だと見抜くと逆に殺しは出来ない、一生脅えて生きていく、永遠に苦しめてやると呪いの言葉を並べ立てて密子を動揺させる。密子は本気で殺しにかかるが夏が飛び込んできて止め、夏と密子が改めて信頼を確認し合う展開となり、密子は自身の過去を明かした。さらに姉=火事で死んだ秘書の小原鞠子(泉里香)と明かし、姉の死の真相を探るために近づいたと目的も明かしたが全てを受け入れた夏により、2人の信頼は完璧なものに。

一方で丈晴は布を被せられて殺されそうな体制のまま放置され、無抵抗のちそのまま夏に逃がされて出番終了。さすがに話の都合すぎやしないか…。当初は酒のせいで…とか夏が愛した人なのだから元はいい人みたいなフリもあったけど、あんだけ呪いの言葉ペラペラ並べ立てられる生粋の暴力クズ野郎なのを見せつけた直後に何故かおとなしくなって帰ってしまうって。

その頃、探偵に調べさせた遥人も養護施設を訪れて密子の過去と小原鞠子の姉であるほぼ同内容を把握していた。

という事で早くも目的と過去が判明し、余裕ぶって全て見透かすような姿勢でいたもののけっこう密子の行動は綱渡り&トラウマ発動するとフリーズして使い物にならなくなってしまう事が発覚。「秘密の」では無くなってしまった上、失った役員からの信頼を取り戻す具体的な策も無しのまま、小原鞠子の過酷な勤務実態を精査して過剰労働の証拠を云々…と九条家の闇を直接暴く方向に持っていくつもりのようだが大丈夫かコレ。

そして何故か改心した丈晴が電話をかけてきて爽やかにもう会わない、最後に情報を提供するとやたら協力的に。借金仲間(ナニソレ)の間で火をつけるバイトがあったがヤバすぎて断ったという例の火事が放火だった重要証言を提供し、さらに現場に遥人がいた事を密子に教えた直後に突き落とされて転落死してしまった。そんな外から丸見えの高いところでデカい声で極めて重要な情報ペラペラ喋るから…。突き落とす直前にどこかに駆け付ける遥人の姿が映し出されており、遥人が突き落としたり放火したりしたかのように見せていたが、遥人は直接実行するタイプではないだろ。

5話

密子が姉の小原鞠子(泉里香)の死の真相を探る目的を明かし、結託を深めた今井家御一行。丈晴は転落死した事になっていたが何故かあまり悲しまれず…。最早密子に先回りする戦術などなく、九条家の闇を暴くような週刊誌記事を出させるくらい…とどうにも密子の限界と程度が見えてしまい、これはちょっと残念。最早挑発してても強がっているだけにしか見えないし…。

また遥人は週刊誌記事だけでかなり動揺しており、秘書の坂東(黒羽麻璃央)に平手打ちされてしっかりしろと言われてしまう始末。さらに密子が言い放ったあなたのような人に社長は務まらないをかつて鞠子にも言われていて自身の人望の無さをかなり気にしている様子も描かれる一方で、坂東が暗躍していて夏を足止めして密子を呼び出して罠にかけようとしているなど、もう全て実行犯は坂東リアル秘書がすべてやりました案件まっしぐら。何せ美樹(渡辺真起子)から坂東の仕掛けた罠だから放っておけと聞かされるなり役員接待すっぽかして鉄骨アタックの餌食になった密子を助けたのは付近まで来ていた智ではなく遥人

この遥人の行動で千秋(桜井日奈子)が密子に嫉妬して、火事の日には一緒にいたと証言し始めたり、かつて姉を助けたというかき氷の人が智であるかもしれない事に密子が気づく…などラブ要素を組み込み始めて一気にチープな展開になってきてしまった…。

ずっと密子が調べてた鞠子のPCからも一向に新情報が出てこないで延々カシャカシャしているだけだったが、千秋が遥人の写真は隠しファイルに保存していると何気なく発言した事でようやく隠しファイルの可能性に気づいてPCの隠しファイル表示設定を変更したら隠しファイルが同一フォルダ内に発見される始末。今までそんな事にも気づかなかったの?何やってたの?PC詳しくないならとっとと専門業者に依頼しておけよ…という低レベルのザルスキルだった事が判明。しかもPASS付で結局開けられない始末。あまりにもガッカリ過ぎる…。

罠と知りつつ無策で出かけていって罠にはまるマヌケっぷり、途中で坂東の罠だと見破って坂東にも驚かれるほどキレッキレ覚醒している夏に罠だからすぐ逃げろと警告された際にも罠と知ってても少しでも手がかりがあるなら行くしかない頭の悪い発言しかしないで聞かないし、鉄骨アタックで遥人に助けられて無傷なのに気絶してしばらくお姉ちゃんお姉ちゃん寝言言い続けて無防備(遥人が真の悪人ではなかったのでむしろ良心に訴えかける効果はあった)。主人公が完全に打つ手なし、余裕なし、スキル低し、頭悪しに成り下がってしまい、底が見えてしまったのは残念。目的が明らかになったところでもあくまでクールに“マル秘の”密子さんとしてもう少しキレのある行動言動でいてほしかったなぁ…。

6話

遥人を社長にしようと暗躍しているものの、あまり目立っていなかった美樹(渡辺真起子)の暗躍が本格化。というか坂東(黒羽麻璃央)辺りに不正を一手にやらせて裏で暗躍しているような感じだったのが、露骨に政治家への裏金を千秋の遥人への思いを利用して千秋(桜井日奈子)に運ばせるようになったかと思えば、協力しようとしない玲香(志田彩良)を従順にさせるために、玲香の不正をわざとリークして追い込んだところで母としての美樹からの愛情に飢えていた玲香の心情を見透かすように誕生日プレゼントを渡して懐柔させるなどキレッキレの人心掌握力で暗躍しまくり

既に余裕がないのに余裕顔を崩さない密子の方はというと、姉の隠しファイルも未だ解除できない始末で、結局夏が密子の名前こそがPASSであると一瞬で見破って解除という顛末でいいところなし。分かりにくい裏金メモっぽいものが見つかったので、裏金の証拠を掴んで九条家を追い込もうと動き出す。

智(清水尋也)と彩(吉柳咲良)が玲香の不正の現場を写真付で“上から”のアングルで写真にも抑え(吹き抜けの建物で下の階が庶民が入れないような高級なバー、智と彩がいたのは高級バーを上からのぞけるという上の階のカジュアルな店という良く分からない構図の店。高級バーが庶民から見下ろされる配置にあるの…?)、酔いつぶれた玲香を夏も含めて3人で助けてあげて玲香の心を動かす事に成功。さらに写真をリークしやがって!とキレる玲香にクールに自分たち側につけば副社長の座を用意すると夏が交渉。別人のような立ち回りを見せる夏だったが、ここで美樹の誕生日プレゼントの呪縛が効いて玲香は拒否。

一方で密子は千秋の態度が分かりやすいので最初からロックオンして裏金の運び屋をしている事を突き止めて、通報すると脅しをかけるが、九条家に利用されている千秋に対して非情になりきれず、通報して不正を暴く事ができない。密子は指示をしているのは遥人だとにらんで遥人にばかり揺さぶりをかけ、遥人は遥人で火事の件にしても裏金の件に関しても強がりつつも動揺しまくっているのを隠しきれていない。密子の観察眼ならあれ?こいつマジでなーんも知らない無能おぼっちゃま君で裏で暗躍しているの美樹とか坂東じゃね?と気づきそうなものなのであえてやっているのだろうか。2話辺りで遥人の人脈の無さやコミュ力の無さも存分に目にしていたはずだし。

最後は密子に情けをかけられている事を知った千秋が人情パワーで密子に協力する道を選んで裏金の運び屋をやれないと拒絶。密子、夏ばかりか遥人や会長の五十鈴(小柳ルミ子)を引き連れて証拠を押さえにかかるが、美樹と坂東はこの行動すら読んでいて本当のお菓子にすり替えていて失敗。そのまま投票が始まり万事休すかと思いきや、玲香とその手の幹部たちが夏に投票し、遥人5票VS夏5票で決定はおあずけに。

夏、智、彩からの協力依頼を拒否して去ろうとした玲香の前に実は密子が現れていて、不正の現場の写真が“同じ高さ”から撮られていたもので智と彩が撮れる写真ではなかった事、誰が何を狙ってこんな事をしたのか分かるよね?と美樹の玲香懐柔の企みを暴いていて玲香を裏切らせることには成功していたという。主人公らしい上を行く暗躍で逆転…とは言いつつも相変わらず綱渡り。そして今度は九条謙一(神保悟志)の死に殺人の線が浮上して一緒にいた夏が重要参考人にされてしまい驚愕して次回へ続く。秘密でもなんでもない余裕顔で余裕のない綱渡りは続く…。

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