ドラゴンボール 摩訶不思議大冒険

1988年7月9日公開。
『ドラゴンボール』劇場版第3作。

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この時点でアニメ版はピッコロ大魔王との激闘まで話が進んでいたが、今作は前2作の続きとなっていてピッコロ大魔王との戦いに突入する直前までの2度目のドラゴンボール集めの過程でのブルー将軍、桃白白との戦い、ウパ・ボラ親子との交流、カリン様との出会い、鶴仙人・天津飯・餃子、さらにはアラレちゃんとの出会いなど多くのエピソードを複合させた内容となっている。詰め込みが凄い。翌年4月に『Z』にリニューアルされたため、アニメ『ドラゴンボール』の映画は今作が最後となり、この後のピッコロ大魔王~マジュニアとの戦いを組み込んだ今作の後の4作目は制作されなかった(ここまで3作の映画に連続性を持たせてきたので一応今作の続きでのピッコロ編の構想もあったようだがアニメのタイトルが変わってリニューアルされてしまったので立ち消えになってしまった模様)。

前2作と異なりオリジナルキャラクターが登場せず、全て既存キャラクターのみで展開するが天津飯・餃子含めた主に敵キャラ(当時)が性格はそのままに所属や設定が今作オリジナルに置き換えられているのが最大の特徴。

今作独自の「ミーファン帝国」という国の皇帝が餃子、皇帝が幼いので実質的に権利を握っている大臣が鶴仙人餃子の付き人にして鶴仙人の部下である天津飯、そして鶴仙人が雇っている殺し屋桃白白という衝撃の配役となっており、冒頭で映画では初登場となるピラフ一味がドラゴンレーダーを提供すると鶴仙人の指示で桃白白が用済みのピラフ一味を殺害(天津飯はそこまですると思ってなかったのか驚いている)。描写はピラフ一味の悲鳴のみだが出番これだけなのでこの映画世界ではあっさり死んだと見ていいだろう…。ミーファン帝国では餃子皇帝の花嫁ランランが行方不明となり捜索が続いていたが見つからず、鶴仙人大臣はドラゴンボールを集めて場所を聞こうと提案。

レッドリボン軍の設定は今作には無く、原作ではレッドリボン軍幹部だったブルーはミーファン帝国の兵士の1人として登場。民衆に好かれているとは言い難い横柄な態度ではあるが、なんと開始早々に鶴仙人大臣の謀略を見抜き、皇帝が幼いのを利用しているのではないか、ランランを探していない場所がまだありそれは大臣の部屋だ!と鶴仙人大臣黒幕説を餃子に訴えかける帝国のまともな人材として描かれている。…が、自身の実力を過信するのは原作/アニメ通りで現れた桃白白に挑むも舌でこめかみを貫かれて死亡するのは同じ。嗚呼。

今回はOP主題歌でいつものOP映像が流れずに、曲中に亀仙人の元での悟空とクリリンの修行をダイジェスト。主題歌が終わると同時にそのまま修行終了、武術大会で実力を試すという原作/アニメ通りの展開となるが、会場が「ミーファン帝国」になるのと「天下一武道会」ではないミーファン帝国の武術大会とされている。

聖地カリンではボラ・ウパ親子がドラゴンボールを1つ隠し持っていたがミーファン帝国がドラゴンボール探しで聖地カリンを侵略。ボラ・ウパ親子は餃子皇帝に直訴するためにミーファン帝国へ出向き悟空たちと知り合う。配下として登場したメタリック軍曹を悟空でも倒しきれず、桃白白も登場してボラが殺されかけるが、亀仙人が大会出場者は皇帝の客人扱いになるはずだと意見した事で大会当日までは生かされる事に。

この大会は挙手制の勝ち抜き戦ヤムチャが最初の勝者となったが他の参加者がみんな逃げてしまったので次がボラとなった。ヤムチャがボラに劣っていたわけではないが、事情を知る亀仙人はボラを勝ち残らせたいのでヤムチャに話しかけて注意をそらしてこの隙にボラが勝利。そして桃白白が次の戦士として登場、原作/アニメと同じくボラは桃白白に殺されてしまう。悟空がキレて挑むがどどん波で吹き飛ばされ、高速濃縮展開で時間が無いのでカリン塔を登らずにそのままカリン様の元へ綺麗に吹き飛ばされて到着。仙豆で回復し、高速濃縮展開で時間が無いので今作では超聖水という実際はただの水を餌にしてのかカリンと修行するのではなくありがたいお言葉を頂戴しただけ(冷静になるように言われただけ)で悟空は桃白白を倒せるレベルまでパワーアップして再戦へと挑む。

桃白白は投げた柱に乗って飛ぶ例のヤツを披露してカリン塔へ向かっていたが道中のペンギン村で則巻アラレ、ガッちゃんに撃ち落され、アラレ、ガッちゃんに邪魔されながらもやってきた悟空と激突。アラレちゃんギャグ補正も挟んでカオスなバトルはあまり真剣勝負をする暇もなく、悟空にどどん波を防がれた桃白白はやられる前に降参。ドラゴンボールを奪って逃げようとするが、放ったミサイル2発アラレちゃんがいるので1発じゃなくて2発になっちゃったを悟空とアラレちゃんに同時に撃ち返され、爆死

ミーファン帝国ではドラゴンボールを奪おうと暗躍していたブルマらが追われた末に、ドラゴンボールを湖の深い底なしの亀裂に6個全て落として回収不能にしてしまった。亀仙人やクリリンが奮戦するもウパをメタリック軍曹に人質にされた挙句、天津飯の不意打ちで亀仙人は気絶。後に復活して原作/アニメ同様に亀仙人が天津飯に説教するが、天津飯は餃子を殺せという鶴仙人の命令に対して葛藤の末に友情を選択。逆上した鶴仙人はどどん波で餃子も殺そうとするが、天津飯まさかのここで気功砲でどどん波をかき消して鶴仙人を吹き飛ばした。さらに戻ってきた悟空が高速で頭突きした事でメタリック軍曹もぶち抜いて破壊。残ったミーファン軍人たちは全員申し訳ございませんでしたぁ!モードになり、一件落着。

6個のドラゴンボールは回収不能だが、悟空は持っていた最後のドラゴンボールを湖に投げ込むことで湖底で7個揃えて神龍を呼び出してそのままエンディングへ。エンディング曲の間もオープニング同様に丸々台詞無しでボラが生き返る様子を描いて詰め込みまくりの物語は終結。

いやぁこれは詰め込んだなぁ…。詰め込み過ぎたせいでクリリンにろくな活躍が無く、亀仙人も何とも頼りない…。ブルーや桃白白、ボラの死亡は原作/アニメと同じだが(桃白白の爆死は悟空が撃ち返す1発からアラレちゃんの分が増えて2発分になったけど)、ピラフ一味がどう考えても殺されているのは割と容赦ないし、鶴仙人が最後吹き飛ばされるのにしても原作/アニメだと亀仙人のかめはめ波で文字通りに押されて吹き飛ばされていったが…今作はこれ気功砲だからなぁ…。遠くに吹っ飛ばしたというより、跡形もなく消し飛んでるよな…。

前2作と違って悟空がようやく初期レベルから強くなり、今回はちゃんと強さを見せてくれた。原作/アニメと違って桃白白をそこまで追い詰める前にどどん波を防がれただけで勝手に桃白白があきらめた感もあるが…メタリック軍曹も勢いとはいえ今回はちゃんと倒してるし。

花嫁ランランが実はお人形さんでした(鶴仙人の命令で天津飯が隠し持っていたので破壊破棄されず無事ではあった)というオチは餃子の幼さを強調しているが、人形を花嫁と言って軍隊に捜索させるようなお子様すぎる皇帝では付け入る隙ありすぎたわな。

★★★☆☆

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