2025年1月10日~ テレビ東京系木曜「ドラマ24」枠。
2023年7~8月全8話「水ドラ25」枠で放送された『週末旅の極意〜夫婦ってそんな簡単じゃないもの〜』のシーズン2。週末に温泉旅行するという大枠のフォーマットそのままに、キャストは完全一新され「夫婦」から「家族」へとテーマも変えた第2弾。長女(姉)のめぐみ(大原優乃)は数年前(LINEのメッセージでは2021年)に就職して家を出て、長男(弟)の誠(島村龍乃介)は就職活動を控える時期の大学生で大学進学を機に家を出ており、今は義正(甲本雅裕)と優子(石田ひかり)の夫婦2人暮らしている山岡家4人の物語となっている。
『週末旅の極意〜夫婦ってそんな簡単じゃないもの〜』とは一応同一世界の出来事となっていて1話冒頭に『週末旅の極意〜夫婦ってそんな簡単じゃないもの〜』主人公だった矢吹夫婦(観月ありさ・吉沢悠)がゲストとして登場した。
1話
冒頭で優子がパーとしているパン屋の同僚の知り合いという形で前期主人公の矢吹夫婦(観月ありさ・吉沢悠)が登場。観月ありさのパンへの反応が異様に声デカくて短い出番で存在感示しまくるのに対して吉沢悠は控えめで箱根からの終末旅から帰ってきたところだと説明した以外はほとんどいるだけだったな…。箱根は前期の初回と最終回の旅先だが、さすがに2023年夏クールなので前期最終回からの直の続編ではなくその後も終末旅を続けていて箱根がお気に入りという事だろう。
矢吹夫婦が終末旅をよくしているらしいと同僚から聞いた優子はクロスワードの懸賞で当たった会津・東山温泉「御宿・東鳳」の無料宿泊券が4人までOKなので久々に子供達も誘ってみないかと提案。久々にLINEしてみたところ2人ともOKだったので久々の家族再会に少しの緊張と期待で出向くが…。どうにも噛み合わない雰囲気に無理して来てくれたのだろうかと気にしてしまう優子。音楽活動に没頭して作曲で徹夜して朝まで部屋に戻ってこない誠にどう話しかけていいか分からない義正、昔は仲のいい親娘だったのにほとんど会話にならない優子とめぐみ、そしてめぐみはホテル内の結婚式場やウェディングドレスに目を向けて立ち止まったり、誰かと電話していてタイミングが無くて話し出せないと言っていたりとあからさまに結婚報告フラグを立てていたが言い出せないまま旅が終わっていく。
無理して突き合せちゃったねという優子だったが、誠はおかげで作曲が捗ったとして一晩で完成させた新曲を聞かせて旅先でインスピレーションが刺激されるのが良かったとご満悦でめぐみも悪くないという態度だったため、週末家族旅行をまたしようという事になって次回へ続く。
ホテルの観光ムービー色が強いところはあるが、ぎこちない家族間の関係性が丁寧で絶妙。いかにもドラマな家族という感じではない微妙な空気感が良く出ている…。
2話
冒頭で案の定めぐみ(大原優乃)に同棲している彼氏がいて、彼は役者志望で一応今回久々に名前&台詞ありのドラマの役をもらえたと張り切っているものの1話速攻退場の端役。将来の安定性が無くて父の義正(甲本雅裕)が安定した仕事をするのが幸せという志向である事から親に言い出せない事が判明。彼が今度の週末旅楽しんできなよと言っていたので週末旅が恒例化したのは既知らしい。ただ本当に毎週末旅行しているのか月1程度なのかは不明。メタ的には短期間で撮影していると思われ、景色が晩秋のまま全話変わらず半年とか1年とか経過させられないので曖昧になっているんだろうけど…。
今回は黒部・宇奈月温泉「やまのは」。既に紅葉にうっすら雪化粧という初冬の風景になっていた。前回は懸賞当てていたが今回は夫婦で選定したのだろうか。めぐみに彼氏がいるのか気になっていた義正は酔いの勢いで上機嫌になって聞き出そうとするが、明らかに音楽の道目指したそうな誠(島村龍乃介)に安定した会社に入るように説きだしたかと思えば、めぐみには彼氏はいるのかといきなり聞き、いると答えると勝手に同僚か取引先の安定した会社員だと決めつけて収入が安定しているなら共働きじゃなくて専業主婦でもなどと語り出しめぐみブチ切れ。
酔いの醒めた義正は反省していたが、めぐみの話だとこの幸せ決めつけ押し付け志向が子供の頃から窮屈だったみたいなのでデリカシーの面を多少反省しても根本の志向がコレでは分かり合えないのでは…。母の優子(石田ひかり)ともややギクシャクするも優子の方は終始穏やかに接していたため、一晩経ってめぐみの方が改めて感謝を伝えていつか話すとして母との距離を縮める事を決意。義正も謝罪していて一応受け入れてはいたが…アルコールは偉大なる文学者の言葉より素晴らしいどんなに隠していても酔うと本性が現れるって3期WANDS(坂井泉水作詞)も歌ってたしなぁ…。ちょっと今回醜態晒し過ぎだった。
3話
今回は「熱海・伊豆山 佳ら久」。前2回は2万弱くらいの価格帯で食事もビュッフェ形式だったが、今回は10万弱はするような明らかにランクが違う高級ホテルでラウンジがついていたり、部屋のベランダに露天風呂付だったりと豪勢。なんでも義正の会社の勤続35周年特典らしい。
冒頭で同期と飲み会をしている場面では同期2人の息子が医大や大手就職が決まっている報告を受け、誠がそういう方向性じゃなさそうなのを薄々感じていた義正は複雑な表情だったが…。誠も今回は話そうとしていたが、前2回のように自由に出たり入ったりできる食事の場では無さそうなのでそこは空気を読んで、食事後にラウンジで話を持ち掛け、劇伴作家になりたいという決意を告げる。いつもPC持ち込みで作業していた様子からしてもある程度覚悟はしていたのか、義正は学生時代に小説家を志そうとしたが安定志向で就職してどこか今でも後悔が残っている事を語ると反対せずに容認。誠も少し意外そうな感じだったが、前回めぐみに押し付け思考を語りまくり、誠にも就職しろと言い出していたのを思えば別人のような落ち着きっぷり。
誠が去った後に優子がフォローに入ったが、本心では安定した職業についてほしいのかという問いに明確にそうだとは言わずに濁していた辺りからも前回の反省や小説家を目指せなかった自身の過去も重なって強くは言えなかったのか。翌朝徹夜で完成した朝日のイメージの楽曲を聞かされた義正は素直に感動していたし、後日同期2人にその事を告げて2人の息子の話をうらやましいとも思ったけどやりたい事を貫いてほしいと改めて自身の思いを告げ同僚2人も納得の表情。
誠の将来の話はめぐみ以上に揉めるかと思ったけどいい話にまとまった。さすがに2話連続で頑固親父っぷりを発揮されても親父マジうぜぇ…状態だし、そんなんで週末旅続けるのもおかしな事になってしまうのでこのくらいの穏やかさがいい。
4話
札幌「クロスホテル札幌」。北海道旅行となったがいきなり仕事を理由に別行動を言い出すめぐみ、作業をするという誠。仕方なく夫婦2人で海鮮&サウナとしている間に実はめぐみと誠は誕生日が近い優子のためにプレゼントを買いお揃え、ホテルの部屋にHAPPY BIRTHDAY風船で飾り付けして、夕食で集合するジンギスカン屋でバースデーケーキサプライズを注文しておいて仕掛けるという親孝行物語に。
謎だったジンギスカン屋の後にめぐみと誠はパフェ食べにもう1件行くといってわざと夫婦2人で部屋に戻るように仕向けたので夫婦で部屋に戻ったら飾り付けにもう1回サプライズ!となる場面が何故かカットされ、次に出て来た時は夫婦2人で子供たちの成長をしみじみ実感していてその背後にHAPPY BIRTHDAY風船。HAPPY BIRTHDAY風船が背景と化しているだけで一切触れないのは斬新だった。ただホテルのサウナを利用したとしたら部屋に1度戻っているだろうし、子供達と鉢合わせか入れ替わりになっていた可能性が高く、HAPPY BIRTHDAY風船サプライズにその時に気づいていそうなものだが…。
夫婦がジンギスカンのためにサウナで汗を流したシーンのみで風呂のシーンなしどころか、最後に朝食シーンが出てくるまではそもそも外食含めて外行動し続けていてホテルの様子があまり出てこなかったのは今回のホテルは札幌市内にあって露天風呂も無く温泉でもないためか。
5話
函館・湯の川温泉「ホテル万惣」。北海道ロケをまとめて済ませてきたという撮影事情があるとして、作中では2週連続で北海道旅行という超散財をしたのか、実は前回からの2泊目なのかは明示されず。今回はめぐみが売れない役者の彼氏と結婚したい意志を伝える重要回となり、めぐみからの目くばせで察した優子が義正に酒を飲まないように言ってそわそわしながら食後にお話が…という展開。これに伴い前回のように外メインではなくホテル内での温泉、食事と定型フォーマットでのシーンが続いた。謎だったのは今回は2部屋取っていて、夫婦と姉弟で別れていた部分だが、家族4人揃ってならともかく、2部屋の場合に姉と弟で同室って組み合わせはあるものなの?父と息子、母と娘の組み合わせがベターじゃないの?4人部屋じゃなさそうだった前回もそうだったのかな。
めぐみがいきなり彼氏紹介ではなく結婚すると宣言して、売れない役者志望の30歳と明かしたため、想像を越えてしまい動揺する夫婦。義正は特に動揺して勢いだけで収入の安定しない男と結婚するのは将来を考えているのかと反対したので険悪になってしまう。冷静になるのが早かった優子はめぐみを誘って五稜郭タワーへ行ってこの夜景のところでプロポーズされたと夫婦の思い出話を語り、理解を示し、翌日に義正も1度連れて来なさいと態度を和らげ、めぐみも説明が悪かったと謝罪して一件落着。
ただ誠の夢へ理解を示していた義正が改めてバッサリ「生活できないならただの趣味だ」と言い放ったのを目の前で聞いていた誠は無言だったもののかなり刺さるものがあったようで…。
6話
OP前からスタジオで偉そうなTHEギョーカイ人(暗いスタジオ内でブルーライト対策でもないグラサン、無精髭、ジャラジャラアクセサリー)に曲を聞いてすらもらえずに、イマドキDTMなんて誰でもできる、センスが無いと切り捨てられ、才能の無さに気づけと言われてしまう誠。さらに他事務所からもお断りの電話、プレゼン落選のお祈りメール…と怒涛の落選祭りの様相。
今回の旅先は大阪「クロスホテル大阪」。義正が後輩に出張の時に泊まって良かったホテルと言っていたようにビジネスホテルっぽいところでロビーが出てきた後は4話同様にお好み焼き屋→カフェで休憩→串カツ屋とホテル外で行動し、観光も無い飯旅となった(最後の朝食ビュッフェのみホテル内)。元気がない誠に優子だけが気づいていて、誠はお好み焼き屋の後に1人行動に出たまま串カツでも合流しなかった(お好み焼き屋で突如優子の昔の友人が銀行に就職した息子と登場したのも誠に刺さりまくり)。酔った義正をめぐみに任せた優子は誠を呼び出して別の店で串カツを食べさせながら話を聞き、誠は色々なところに曲を送ったがダメで居場所がない気がするからやめた方がいいのかと心情を吐露。優子はどちらを選んでもいいとしつつも勇気づけ、元気が出た誠は就職情報サイトを閉じて音楽制作ソフトに再度向き合って終了。
テンプレのような曲が採用されない&THEギョーカイ人にコケにされてこれで甘かったと自信を無くす展開となったが…いや…どこ目指してたのキミ…。事務所所属の専属作家を目指していたのか、プレゼン送りまくりで採用狙いのフリー作家目指してるなら折れるの早すぎるし、そもそももっと小規模な劇団の公演の作曲担当とかそういうところから始めているのかと思ったけど、いきなりメジャー志向だったのだろうか。
ホテル内の部屋の様子は誠が部屋に戻った後に寝ていた義正のところに来るという1シーンしかなかったが今回は男同士、女同士の2部屋だったという事?
7話
今回の旅先は箱根・芦ノ湖「はなをり」。めぐみが今回は旅費を出し、結婚予定の啓吾(長岩健人)も旅に参加。これに伴い優子・義正・誠が3人でホテルに先に到着して後からめぐみと啓吾が合流。奮発したなぁとホテルの豪華さに驚いていたように1泊数万クラスのホテルとなったが、定番パターンのビュッフェ形式や温泉シーンなど若干プロモーション感のあるシーンもまた増えた。
食後めぐみが風呂に行っている間に啓吾が優子と義正を呼び出してロビーで改めて結婚していいのか、役者を続ける覚悟と認めてもらえない場合は結婚をあきらめると正直な思いを伝える。夕食の時点でもかなり気遣いも出来る好青年っぷりを見せていた啓吾だったが、さらにしっかりと向き合う姿勢に2人も結婚を認めてハッピーエンドに。
なんだかんだ週末旅を重ねた事により、積み重ねがここで効いてきた感じもあり、いい話にまとまった。ちょっと啓吾が完璧好青年過ぎる感はあったが…。TVドラマで名前と台詞のある役がもらえたと喜ぶほどではないが、中の人も実際にメインキャストよりも1話ゲストやチョイ役が多いだけに絶妙なリアリティーもあった。
めぐみの結婚を改めて正式に認めた事で家族の形が変化していく事を実感した夫婦2人。こうして週末旅も最終回へ…。
8話
今回の旅先は別府温泉「杉乃井ホテル 星館」。北海道もそうだったけど週末旅で1泊2日さらっと行ってこれる場所じゃないだろ…。
最終回なので、家族の関係が改善された事で親離れ、子離れを理由に優子が義正と話し合って週末旅の一旦終了を宣言する形でめぐみと誠に発表。また誠もアメリカのスタジオで働く先輩から誘われる形でアメリカのスタジオに就職すると決定。定番パターンのビュッフェ形式や温泉シーンをプロモーション的にこなしながら最後の旅を堪能し、帰宅まで、さらにその後(誠はアメリカ、めぐみは結婚)も描かれ、夫婦で今度の長期休みの旅の計画を考え始めて終了。
最後にこれまでの旅の写真を振り返る際に義正が「この半年色々なところに行った」と発言したため、毎週ではなく半年で8件だった事が判明した。
全部終わっての感想
プロモーション色の強さは若干あったものの家族×旅行という事で個々のエピソード、離れ気味だった家族が仲良くなっていく様子は丁寧で良かった。ただ最終回だからと急に週末旅を終了すると言い出したり、そもそも「週末旅」ならもっと近場で格安のところで…など一定の工夫があればもう少し身近だったのに、割と高めだったり、北海道だの九州だのホイホイ取り上げてしまうとこれ毎週?これ週末旅?となってしまうのは否めず、結局半年間の出来事だった事にしていたが、”週末”が余計な単語になって足を引っ張った感はある。一緒に住んでないんだし、期間を曖昧にして最近は家族関係修復で頻繁に家族旅行をするようになった、これからは結婚やアメリカ行きで頻繁には行けなくなるので一旦区切りになるけどまた行こうね、くらいでまとめられなかったものなのか。終了宣言しないとイマイチちゃんと最終回にならないからか…。
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