秩父三大氷柱のうち「三十槌の氷柱」は10年近く前に1度行ってライトアップのを見たんだけど(いつなのか記録が残っていないがまだ起動する旧スマホP10 liteのフォルダに写真が残っていないがスマホで写真を撮ってLINEの待ち受けにしばらく使っていたので、過去のスマホ使用期間記録から2015~2017年の3年間のいずれかである)、残りはまだ見た事が無かった。いずれ行こうと思いつつ近年は暖冬でしょぼい状態が続いていて存続の危機レベルであった。タイミングも合わず時間が経過していたが、今年はいい感じにキンキンに冷えてやがる。今年だ!今年しかないぜ!と思っていたが1月下旬の暖冬ムーブにより、成長しかけていた氷がしぼんでしまい、一旦見送り。再度寒さが増した2月上旬、今度こそ今だというタイミングを見ていたところ、宝登山のロウバイもいい感じだってよって事で全部まとめたメドレー巡りが決行されるのだった。
いつもの長瀞岩畳近くの100円パーキングに停め、3年連続で長瀞駅からの無料バスでロープウェイまで行こうと思ったらちょうど行ったばかりで次まで30分。30分待つより歩いた方が早いという事で歩いてロープウェイ乗り場まで行っていざ上昇。
ここから山頂までロウバイを見ながら登っていく。
ロウバイは見頃表示…だったはずだが…?
なんていうかスッカスカなんだよなぁ…3年連続だけど年々スッカスカになっていっている気がする。ダメになってしまったのか切り株化した面積が拡大している気がするし。ロープウェイから直線距離にある山頂付近の斜面の切り株化が著しすぎる。
生き残っていてそれなりに咲き誇っているのもコレで、なんだかスカスカしている。元より桜ほど密集して咲き誇るものではないんだけど、それでも他所のロウバイの名所の写真どころか、ホームページに載っている観光案内の写真に比べてもスカスカしているし、やっぱり切り株化が多すぎる気が…。
そんなわけでこれで”見頃”なのかと釈然としないまま下山コースへ。今年は雪が多いところはヤバいくらい多いが、それ以外は全く降らないという事で、秩父は例年より降らない方向。一応直近で降雪はあったので周囲の山々に多少の雪景色は見えたけど、下山ルートの片隅の斜面がわずかに白くなっているだけだった。
地味に長い下山道を終えて宝登山神社へたどり着く。
今年はおみくじバトルを連発した事もあって、さらにもう1本行っとく。
なんか今年って感じ。正月のおみくじバトルの数々、トータル平均してこれって感じ。
お告げはよく見るフォーマットだったが裏面に独自の「神の教」が。…何を教えてもらっているのか分からん…。
さらに下山して岩畳へ。去年なんか半袖の人が写真に写り込んでいるくらいで20℃近くあったんだけど、今年はマジで去年の1/10くらいしか無い終始2℃3℃の世界で風が冷たい。冬の岩畳を初めてちゃんと実感できた。
今回は岩畳付近では食事をとらず、少し移動してから道沿いにある「そば処 味里」へ。
粗びき田舎と十割の二種盛りセット。間違いない。
ここから例年だと秩父の街へ向かってあしがくぼへ抜けて帰還するんだけど今年はここから奥地へ30キロ近く進み、群馬県との県境付近、埼玉の果てへと向かう。秩父三大氷柱なんて括られているくらいだからそこそこ近辺にあると思いきや埼玉の果てはスケールがでかい。例えば埼玉の浦和から東京の最初の駅である赤羽までは10キロくらいしかない。さいたまと東京は10キロチョイの距離感なのだが、三大氷柱は1つ1つが30キロくらい離れているのである。埼玉県庁から30キロ進めば東京湾の端っこまで行き着くんだぜ…。
対向車全然来ないんだけど…と思いながら延々奥地へと進んでいき、尾ノ内氷柱へついにやってきた。尾ノ内渓谷の遊歩道(といっても夏に行った人のレポを見る限り、割と道は狭く荒れていて散歩気分で行けるところではなさそうだ)の入り口部分に当たる滝と吊橋がある場所周辺に川からくみ上げた水をホースを渡らせて撒いて凍らせるというもので、いわば人工氷柱であり、天然ではない(秩父の氷柱で天然なのは岩肌にしみでる湧水が凍る「三十槌の氷柱」だけとされる)。
料金500円を払って進んでいくと(三大氷柱は3ヵ所とも各500円)。唐突にこんな氷塊が見えてくる。
そしてこれがメイン部分。奥に滝があり、周辺が全面的に氷の世界となっている。吊橋は最後まで渡っていく事が出来るが、吊橋の先の道は閉鎖されている(というか氷の壁になっているので進めない)。
吊橋の上から見るとこんな感じ。圧巻の景色である。前述のように天然ではなく、人口なわけでよくまあこんなそこそこ険しい周囲の斜面に水を撒く用の管やらホースやら放水システムを渡らせたな…と改めて小鹿野町民の努力が見える気がする。凄ぇよ町民。
吊橋の向こうはこんな感じ。ここ数年はここまで凍らず去年なんかあまりの凍らなさに運営による今後は違う町おこしも考えないといけないといった悲壮な見解も見た記憶があるが、今年は見事だなぁ。いや埼玉の果て、マジで果てまで来た感じがあるけど良かった。
この後は来た道を戻っていくわけだけど、その道中に通り過ぎたひさつき氷柱に寄っていく。これは三大氷柱に含まれない、もう1つの氷柱であり、途中の河原にわずかの駐車スペースと手作りのような看板、無料で公開されている。川辺まで降りていくと対岸の斜面上に放水セッティングがあり、ここも人工で氷柱が作られている。けっこう手間かかってるんじゃないか。募金箱みたいなのが駐車スペースの片隅にあったけどそんなんでいいのか。
もちろん三大には及ばないが、それでもけっこうな範囲でそれなりの迫力がある。
振り返ると走ってきた道が見える。思ったより下っている。
ここだけ見に来るという人はいないと思うけど、本当に尾ノ内のついで、前哨戦、尾ノ内に何らかの理由で到達できなかった場合(降雪による閉鎖、休日激込みによる撤退等)にせめてもの…といった感じでいいかもしれない。
当初そのまま帰還予定だったが、帰り道であるあしがくぼの道の駅に寄ったところ、昼営業とナイター営業の狭間の時間で「あしがくぼの氷柱」もやっていたのでいっそ見ていく。
観光地としては秩父の手前の山道にあり、駅から歩いてこれる唯一の場所で最もアクセスしやすく(高速道路で花園ICまで来て長瀞経由で突入する場合でも秩父駅からここが1番近い)、さらに面積も広い。料金500円を払って道の駅から15分ほど川沿いの道を歩いて行って線路を挟んだ向こう側の川の周辺にある「あしがくぼキャンプ場」の山サイトとして夏場は利用している部分を一方通行にして展開している。
会場にたどり着くといきなり氷まみれ。コバチル時代のピアノのイメージ
この後は上に登って進んでいくのでこのように見下ろす形になっていく。なおこの付近におみくじどうですか?どうですか?という謎のおみくじ押し売り若者集団がいて露骨に怪しかったので全力でスルーしたが、振り返ってみると「タダで~す」とか言ってて大学の研究の一環か何かだった模様。最初に説明をくれよ…。
そしてタイミングが合うと西武秩父線(芦ヶ久保駅~横瀬駅間)と氷柱を一緒に写真に収める事が出来るのはここの醍醐味だろう。
登り切った後も川沿いの向こうの斜面は一面しっかり氷柱化しており、見える斜面全部氷になっていた。果てまで来たとか大自然といった感じは他に比べると乏しいが、観光地化され最も整備されているだけあって相応の迫力は確かにあった。あと異国の言葉が飛び交っており、駅から歩いてこれるだけあって海外客が多かった。前を歩いていた集団も見た目はアジア系だったが中韓ではない聞いたことのないような言語で喋っていたし。
という事でここ何年かの間では最も冬らしい冷え込みが長く続いた2025年、冬の秩父名物をしっかり堪能できた。「三十槌の氷柱」も改めてもう1回行ってみたくなったけど、これ三大氷柱一気に回るとなるとけっこうしんどいぞ…。
コメント