ポルノグラフィティ 25周年全書回顧4~2015-2024~

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15周年以降も年1,2枚のシングルリリースとツアー、数年おきのアルバム発売が続いていたが2018年後半には配信シングルへの移行の動きも見せ始めた。20周年を迎えた2019年はシングル1枚と2daysの記念ライブのみとなり、新たなベスト盤の発売も無く、世間的にはあまり20周年が意識されないままに経過。翌2020年は初めて新曲発売が無い1年となり、活動ペースがゆったりとなった。岡野昭仁のソロデビューも挟み、2021年にシングル発売とツアーを行うも、またもソロを挟んだためアルバム発売が1年後の2022年になりシングル発売はまたもゼロ(先行配信はあり)となるなど、以前のように立て続けに新作を発表するような連続した活動は行わなくなった。このため2021年に”新始動”を大々的にアピールしたのにシングル1枚だけでアルバムが丸1年後だったり、2024年に25周年第一弾シングルと銘打つも第二弾が無かったりといったように後に続かない状態が続いていてやや間を開けた活動が続いている

25周年を迎えた2024年には前回のベストのさらなる拡大版『ポルノグラフィティ全書〜ALL TIME SINGLES〜』を発売。今回これを記念しての『全書回顧』となったが、直近5年ほどの発表数が激減したためDISC-4だけ年数は長くなっている。

2025.2~4執筆

42nd オー!リバル

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2015年4月15日
作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:tasuku,Porno Graffitti
シリーズ3部作「見んさい」「聞きんさい」「歌いんさい」の3作目となるが、前作から5ヶ月とやや間を開けてリリースされたのはタイアップの都合によるものと思われる。またタイアップの話題性が前面に出たため、ソニーサイドでは商品説明で触れていたものの、ニュースサイトではコナン一辺倒でシリーズ3作目という言及が無かったりも

映画『名探偵コナン 業火の向日葵』主題歌。当時もじわじわ伸びつつあったが、映画コナンの興行成績が爆発的の伸びたのは翌年以降(5作連続30億台が前作で40億に乗り、次の2作で60億に飛んで、その次から90億越えの世界に突入)だが、主題歌への注目はこの時点でもだいぶ集まってきていた。絶対正義ビルボード様の2015年度年間79位に食い込んだのは配信好調の結果と思わるし、レコード協会でもプラチナ認定までいっている。当サイトの年末投票でも「2012Spark」以来のトップ10入り(8位)で票を集めていた。しかし配信の好調を選考基準としてそこまで重要視していなかった当時の紅白では配信で少し目立った結果を残したところでよりによってこの2015年ついに紅白落選となった。紅白には2000年初出場、2002、2004と2年おきに出場してからそのまま2014年まで連続出場して毎年新曲を歌えていたのが、2014年に初の過去曲送り(紅白では初歌唱の「アポロ」)にされていたのでなんかもう2014年の時点でこれで区切りねと決定事項にされていた感も…。2024年にaikoがコナンタイアップ効果の配信ヒットで再選したのを思うと今だったら今作レベルのヒットで十分再選はあっただろう。

「青春花道」から続いていた昭和歌謡、80’sな路線ではなく、「サウダージ」「アゲハ蝶」「ジョバイロ」等で必殺級の存在感を示していたラテン路線に自作で今一度挑んでみたような1曲。これは怪盗キッドが出てゴッホの名画『ひまわり』をめぐる物語だった事からフランスやヨーロッパの土壌を最もうまく表現できるアーティストとして「ポルノグラフィティが得意とするラテン調の曲のイメージで」とコナンサイドに具体的な指定を受けたため。正直”歌いんさい”という3部作の3曲目という元からあった流れがちょっと後付けっぽくなってしまった感はあるどころか、そもそもこの”さい”シリーズってシリーズとして括れるような共通点が最初からあまり無かったのが、ますます皆無になってしまった感もある。あとコナンサイドがそんな具体的に曲調指定してきていたのも意外だった。”ラテン調の曲”である「サウダージ」「アゲハ蝶」「ジョバイロ」全てak.homma作で彼がもういないという事もたぶんよく分かってなくて要求したんだろうけど、当然あの頃のak.hommaのようなアプローチの曲は自作でやったことないし、やれもしないだろうし、この辺りは言わないだろうけど凄く苦労してそうだよな…。何年経ってもak.hommaの書いた曲名例に出されてこんな曲でお願いしますとか言われ続けるのってけっこうキツイだろうし、同じ悩みを共有できる同業者もこの世代にはあまりいないだろうし。

そんなわけで昭仁なりのアプローチでのラテンナンバーとなり、ak.homma曲のイメージを指定したコナンサイド的にはなんかちょっと思ってたのとは違うとかならなかったのかなとも思うが、雰囲気的にハマる感じにはなった。配信の時代になってからリリースされた曲としては恐らく最大のヒット曲になったっぽいので(プラチナ認定以上が7作あるので必然的に配信ではトップ7級、しかも他の6作は初期のak.homma曲なので発売当時というより長年じわじわ積み重ね)、大成功だったのだろう。なお当初歌詞も書いていたが何度書き直してもしっくり来なかったので晴一に託したとされている。そもそもak.hommaのヒット曲全てで作詞を担っていたのは晴一なので世間のイメージに近い歌詞を書けるのは晴一だろうというのはあったらしい。

個人的にはどこかしっくり来なくて前後シングルの方が圧倒的に好きだったりするので今回ばかりはちょっと周囲の感覚と合わなかった。ただ久々に聞いてみたら当時の印象よりは良かった。

8月に発売されたアルバム『RHINOCEROS』最終曲「ミステーロ」はタイトルもそうだが曲調もミステリアスでスリリングないかにもな曲だが実際主題歌候補だったらしい。個人的にもそっちの方が曲としては好きだけど、映画というよりかはTV版OPという感じはする。
★★★☆☆
10thアルバム『RHINOCEROS
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

43rd THE DAY

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2016年5月25日
作詞作曲:新藤晴一、編曲:江口亮,Porno Graffitti
1年1ヶ月ぶりのシングル。アニメ『僕のヒーローアカデミア』OP。期間生産限定アニメ盤も用意されたが収録曲に違いはなく、アニメ仕様なジャケットというだけだった。CDは前作並のヒットを記録。レコード協会ではゴールド認定されており、配信では自身歴代トップ10級の目立ったヒットになっていた模様。現時点でゴールド認定に至ったのは今作が最後のようだ。

変化球続きの中で久々のストレートにアップテンポなロックナンバー。こういうのは昭仁曲だろうと思ったら晴一曲だったのに驚いた。ポルノグラフィティにおける江口亮はトリッキーなアレンジをしてくる人という認識らしく、インタビューでもあまりにトリッキーすぎるので少しこちら側に戻してもらったとやりすぎなくらいに攻めたアレンジをする人らしい。初期のいきものがかりのイメージが強かったので割とストレートなイメージしか無かった…。晴一のデモは『RHINOCEROS』の終盤に上がっていたらしいが当時のインタビューではダンスホールっぽい、全書コメントでは陽気なラテンだったと言っている事が違うがいずれにしてもこういう曲ではなかったらしく、今作のヒリヒリとした勢いは江口亮の手腕によるものなのだろう。

前述のように配信では代表的ヒットといえる結果を残しており、2023年2度目にTHE FIRST TAKEに出た際には「アゲハ蝶」と今作が選ばれている(2021年出演時は「サウダージ」と当時新曲「テーマソング」)。それでもなんだかそこまでヒット曲イメージがついてないよなぁ…とも思うが、この辺りはメディアの取り扱い方の問題だろう。
★★★★☆
11thアルバム『BUTTERFLY EFFECT
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

44th LiAR/真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

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2016年11月9日
3度目の両A面シングル。あの頃と違って普通に“両A面シングル”と形容していた。初回盤DVDにはどちらのMVも収録されず、前作「THE DAY」のライブ映像が収録されている。

LiAR

作詞作曲:新藤晴一、編曲:tasuku,Porno Graffitti
日本テレビ系『スッキリ!!』2016年11月度テーマソング。朝の情報番組でこのタイトルというのは皮肉に聞こえるところもであるが、それ以上に“ポルノグラフィティっぽいラテンナンバー”だったからOKだったのだろうか。1997年のB’z「Liar! Liar!」同様に今作もサビでLiar Liarと2連呼する事からやはりタイトルには悩んだらしく、いっそ4つ並べようかとも思ったらしいが、iだけ小文字で変化をつける方向に落ち着いた。

ベースとパーカッションとストリングスのサポートを入れてドラムは打ち込みなので比較的軽めの質感のラテンナンバー。ラテン系の曲は何曲か書いていたらしいが昭仁が挑んだ「オー!リバル」に対してこちらは晴一が挑んだラテンシングルといえる。ak.hommaの作曲で得意技、王道とイメージづいた方向性にメンバー作で改めて挑んでみたような曲が続くようになったが、これは試行錯誤を経てメンバー間で“ポルノグラフィティ再評価”的な感覚になってきていて自然とこうなっていたようだ。
★★★☆☆
11thアルバム『BUTTERFLY EFFECT
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

作詞作曲:岡野昭仁、編曲:江口亮,Porno Graffitti
アップテンポで言葉の詰まった曲というこれも初期の王道イメージにあった方向性に直球で挑んだ感じのロックナンバー。とにかくまくし立てているので勢いはあって攻めの姿勢は感じる。ただどこか過去にあったような曲に聞こえる上、意外と印象に残りにくい。聞くと思い出すんだけどパッとは出てこない曲の1つ。
★★★☆☆
11thアルバム『BUTTERFLY EFFECT
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

45th キング&クイーン/Montage

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2017年9月6日
前作から10ヶ月ぶり、2作連続の両A面シングル。初回盤には「キング&クイーン」MVとC/W「夕陽の色」のメイキングクリップを収録。「Montage」MVも制作されたが収録されなかった(メンバーが出てこない全編CGアニメーションという顔出し前のClariSみたいな映像)。

キング&クイーン

作詞作曲:岡野昭仁、編曲:立崎優介,近藤隆史,田中ユウスケ,Porno Graffitti
日本テレビ系列『2017年ワールドグランドチャンピオンズカップ(グラチャンバレー2017)』テーマソング。アレンジャーが3人参加となり、これまで田中&立崎、田中&近藤の連名はあったが田中ユウスケ氏とコンビでアレンジした事のある2人が揃って参加するのはシングルでは初となった(アルバム曲では「ミステーロ」でやっていて「ミステーロ」と今作はどちらもアルバム最終曲となっている)。

実際にバレーの試合や選手に接した事から爽やか全開な曲に仕上がった。ポジティブの押し付けっぽさがあった「君は100%」を彷彿とさせるところもあるんだけど、1周回って爽やかさは心地いい。当時この意外と今までになかった爽やかさと久々の新曲にこれいいなぁ…と思ったんだけど、「VS」とか「テーマソング」とかさらに上を行くシングルで上書きされてしまったのか久々に聞いたらあまり覚えてないどころか、もう1つ盛り上がり切らず少し中途半端に聞こえてしまった。発売当時赤★4とかつけてたっぽいんだけどなぁ…。こんな無邪気ポジティブな曲は少なくとも2020年以降の数年間で出せる空気じゃなくなったので、「君は100%」の”東日本大震災前以前”イメージと並んで今作は世界変異以前の曲という感じがする。
★★★☆☆
11thアルバム『BUTTERFLY EFFECT
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

Montage

作詞:岡野昭仁、作曲:新藤晴一、編曲:篤志,Porno Graffitti
アニメ『パズドラクロス』OP。作詞が昭仁、作曲が晴一の共作パターンはここに来てシングル表題曲では初。アニメタイアップなのに1曲目ではない上アニメ盤も用意されなかった。「THE DAY」のようなロックナンバーで、曲調や世界観が寄ってしまう気がするという理由から急遽作詞が昭仁に委託されたという。

現在の王道的なロックナンバーといった佇まいだが…割と印象に残らず前作同様に両A面の2曲目が未だにちゃんと記憶されていない感じではある。
★★★☆☆
11thアルバム『BUTTERFLY EFFECT
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

46th カメレオン・レンズ

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2018年3月21日
作詞作曲:新藤晴一、編曲:篤志,Porno Graffitti
ドラマ『ホリデイラブ』主題歌。サブタイトルに「サレ妻」「浮気」「誘惑」「魔性」とかそれ系のワードが毎回飛び交う不倫のドラマだった事とかつて担当した『スカイハイ』と同じ金曜ナイトドラマ枠だった事もあって制作サイドから「渦」みたいな曲というリクエストがあったとされる。ak.hommaの一連の大ヒット曲を例に出されてこんな曲を!と要求されることが多いであろうメンバーにとってはヒット曲としては完全にもれていた自作曲を覚えていてくれたのは密かに嬉しかったのではないかと思うんだけど、しかし作曲はTamaだったのでどっちみち今はいないっていう…。

結果的にはシングルでは最初期以来ではないかというメンバー以外のサポートミュージシャンがアレンジャーしかいない(Programming & Other All Instruments:篤志)打ち込み全開の異色の1曲に。EDMだなんだと電子音が流行を席巻してバンドサウンド自体が古いものとみなされるようになっていったり、1人オケ制作が当たり前になっていってバンドサウンドをサポート招いていちいち録音する手間もかけずProgramming & Other All Instruments表記があちこちで頻出するようになったりといった時代の変化に適応してイマドキっぽい方向に挑んだという事だろう。

楽器以外ではコーラスにSkoop On Somebodyが参加している。当時はTAKEとKO-ICHIROの2人でKO-HEYは脱退中だった(2011年2月に脱退して、2021年12月末に復帰)。ただ言われないとコーラスがいる事自体にあまり意識が行かない…。

ラテンで王道イメージに挑んでいた後に一気に攻め・実験に転じた1曲になった…が、攻めた雰囲気だなという以外にあまりちゃんと覚えていなかった。この辺りまで来るとどうしてもその時々ではそこそこでも覚えていない曲が増えてくるのは仕方ないか。
★★★☆☆
12thアルバム『
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

47th ブレス

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2018年7月25日
作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:tasuku,Porno Graffitti
アニメ映画『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』主題歌。期間生産限定アニメ盤が用意され、「ブレス(instrumental)」が追加収録、short movieを収録したDVDも付属した。カラオケ(instrumental)収録は1st~3rdと「今宵、月が見えずとも」「青春花道」「東京デスティニー」以来となったが、アニメ盤に主題歌サイズではなくカラオケが収録されるのは異例。子供達に歌ってくれという事だったのだろうか。

前作に続いてサポートバンドは入らず、tasukuによるProgramiming&Other All Instrumentsに門脇大輔ストリングスを加えた編成。前作とは異なり子供向けっぽい優しい雰囲気のサウンドだが、歌詞はポジティブな応援歌溢れるヒットチャートを揶揄したような初期のユニークさを彷彿とさせる作詞:ハルイチが世に知られた頃のあの感じが全開。当初もっとポケモンの視聴者層に合わせてストレートな歌詞を用意していたらしいがしっくり来なくてこうなったらしい。“名曲にはならなくてもたった一つの your song”とあるように強く印象に残るような曲ではないが、良曲。この時点ではパッとせずとも、この当時の子供たちが将来今作の記憶をきっかけにファンになっていく種をまいた1曲になっているかもしれない。
★★★☆☆
12thアルバム『
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

48th(配信) Zombies are standing out

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2018年9月28日
作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:tasuku,Porno Graffitti
初の配信シングル。配信は当初別カウントと思われたが正式に48thシングルにカウントされている。

「SONY WALKMAN NW-A50シリーズ」Web CMソング。配信限定だからってTVでCM流れないのかよ!「ラック」を彷彿とさせるハードなロックナンバー。いつものイメージとは大きく異なる攻めたカッコよさで、コアなファンだけでなく普段あまり聞かないリスナー層にもちょっと刺さりそうな曲で実際ファンの人たちが一般ヒット曲しか知らない人たちへこの曲を紹介する動きがある事をメンバーが把握して後で嬉しそうに語っていた。全書コメントで晴一がかなり好きな曲なのであと5曲くらい作ってくれないかと言っているようにもう少し頻繁にこういう攻め方をしてみてもいいんじゃないかと思う。
★★★★☆
12thアルバム『
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

49th(配信) フラワー

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2018年12月14日
作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:篤志,Porno Graffitti
2作連続配信シングルとなったが、当初別カウントと思われたが正式に49thシングルにカウントされている。

映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」主題歌。筋ジストロフィーと闘病した男性の実話を基にした映画で大泉洋が演じた主人公の人生を肯定、祝福するイメージで書かれたという。その気になれば2010年代型感動ストバラにも仕上がりそうなところ全面打ち込みサウンドで構成されているので重くなっておらず、こってりしていない。10年近く続いたストバラブームも完全飽和して飽きられていった時代背景もあったが、この曲調でこのサウンドは地味にかなりの攻めだったと思う。ここに来てけっこう打ち込みのシングルも増えていた印象。
★★★☆☆
12thアルバム『
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

50th VS

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2019年7月31日
作詞作曲:新藤晴一、編曲:近藤隆史, 田中ユウスケ, Porno Graffitti
シングルCDは1年ぶり。今作が“ポルノグラフィティの50作目となるシングル”と説明された事で配信2作もカウントに含まれている事が正式に確定した。50thシングル、あのアポロの月面着陸1969年7月からちょうど50周年を迎えたタイミングでのリリースという偶然が重なり、というか前2作の配信をカウントすることにしたのって今作を50thにして月面着陸50thと合わせるためなんじゃ、ジャケ写は“ケネディ宇宙センターのVIP観覧会場からアポロ11号の打ち上げを見る、元副大統領のスピロ・アグニューと元大統領のリンドン・ジョンソン”の写真のパロディとなっている。

アニメ『MIX』OP。アニメタイアップはついたものの、50枚目というだけでなく、間もなく迎える20周年も意識されておりその記念的なシングルにもなっていた。といっても2人のそれぞれの20周年へのストレートな思いはC/W「プリズム」「一雫」の方に強く反映されており、今作に関してはグループの20周年というよりも、このタイミングをきっかけに少年時代の自分に歌いかけているような内容。“過去の自分”と”現在の自分”で「VS」(「VS」表記はタイトルのみで作中では”バーサス”)。これによりある程度の大人であれば誰でも自分の事のようにも聞く事ができる曲になっているんじゃないかと思う。なお歌詞に『MIX』のキャラの名前を散りばめていたらしいが、昭仁は当時気づいておらず2022年の『暁』リリースインタビュー時にTwitterでそういうことをつぶやいている人がいて最近知ったと言っていた。

20周年を飾る快作。この流れでさらなる新曲を聞きたかったところではあるがここから一気に新曲制作のペースががた落ちする。
★★★★☆
12thアルバム『
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

51st テーマソング

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2021年9月22日
作詞:新藤晴一,作曲:岡野昭仁,編曲:立崎優介,田中ユウスケ,PORNOGRAFFITTI
2年2ヶ月ぶりのシングル。2018年12月~2019年3月にかけてのツアーは特に20周年は銘打たず、前作リリース後2019年9月の20周年のタイミングで記念ライブを2公演行った後は表立った活動が無いまま世界変異に突入、さらに岡野昭仁ソロ活動も始まり、ポルノグラフィティとしての活動は2020年12月の配信ライブはあったものの新作は途絶え、2020年は初めて新曲発売が無い1年となった。このため「ポルノグラフィティ 2021 “新始動”」と大々的に銘打たれての稼働となった。初回盤が大幅にパワーアップし、これまではMVやライブ映像を1曲2曲入れるだけのDVDだったが、今作ではBlu-ray、DVDの2種で発売されその内容も配信ライブ映像『CYBERロマンスポルノ’20 〜REUNION〜』全曲収録という規模に変わった。このため初回盤Blu-ray付は5500円、DVD付は5000円とシングルとしては規格外の値段となり、何故か通常盤も1500円に便乗値上げされた。

“新始動”を示すためか編曲の表記がPorno Graffitti→PORNOGRAFFITTIと大文字表記に変更された。

2020年以降の日々の中で音楽に何ができるかを考えて制作された。重く暗い自粛ムードが続いていたためか、応援歌を書くのを明らかに苦手としている晴一からこの歌詞が出てきたというのはそれほど異常な数年間が続いていたという事だと改めて思う。「キング&クイーン」「VS」の爽やかさをさらにブラッシュアップしたような非常に開放的な楽曲。というかやはり当たり前が当たり前でなくなったためか、言葉の重みや頼もしさが違うような…(久々に聞いた「キング&クイーン」が当時の好印象に反してなんだかしっくり来なくなっていたのはこの部分だろう)。YOASOBI以降のヒットシーンも意識されているのか、「群青」の合唱パートっぽい部分も出てくるけど、こういう観客と一体となってシンガロングする事が禁止されたり制限かけられていた事は非常に大きな出来事だったと思われ、いつか解放された時のための合唱パートという希望の意味合いも強かったのかなと思う。

ただ新始動!ウオオ!と曲の良さもあって期待が高まったものの、9月~12月までの久々のツアーはあったものの続く新作は結局また1年近く途絶え、次のアルバム『暁』は11ヶ月後であった。ライブ行かないリスナーとしては新始動!→シングル1枚でまたソロに戻る…という展開はヤキモキした。
★★★★☆
12thアルバム『
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

52nd(配信)/53rdC/W アビが鳴く
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2023年5月31日
作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:tasuku,PORNOGRAFFITTI
新始動したはずなのに前作からアルバムまで11ヶ月も開き、シングルとしては1年8ヶ月ぶりという再リセットされたような間隔でのリリースが続いた。3作目の配信シングルだが今作が正式に52ndになるのかはまだ不透明なままとなっている。前の2作と違い今作は次のシングルC/Wにも収録されたが、『全書』に収録されたので先行配信やC/Wではなく52nd扱いになっているとは思うんだけど…。

ポルノグラフィティ × 広島コラボプロジェクト始動!と銘打たれた広島サミット応援ソング。平和への祈りを込めたシリアスな打ち込みナンバー。テーマがテーマだけにどうしても地味な雰囲気にはなってしまい、シングルっぽくはない。ただC/Wに収録されるとC/Wにしてはいい曲だなという印象にはなった。
★★★☆☆
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

53rd 解放区

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2024年3月27日
作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:tasuku,PORNOGRAFFITTI
またも10ヶ月ぶり新曲。25周年第一弾シングル、2024年第一弾シングルと銘打たれたがシングルCDのリリースはこれだけだった。C/Wに「アビが鳴く」が収録された上、今作が52枚目なのか53枚目なのかは書かれていない。この後の配信シングルでもカウントが一切書かれていないので不明のままでどうなったのだろうか。

タイアップなしの堂々新曲。25周年やツアーを意識して暗い曲にはしたくないが、ひたすら前向きというのもなーという事で絶妙なさじ加減の1曲になった。聞き終えると確かに前に進める気がするような、夜明けのようなイメージの1曲。これはライブ制限下における「テーマソング」がいつかみんなで合唱できる時のためかのような思いが感じられたのに対しての夜明けであり、解放でもあったように思う。“喜びのファンファーレ 響きあうシンガロング”とかまさにそれだろうし。抑えた平メロからサビで高音に突き抜ける緩急も見事で待たせただけの事はある、これぞシングルCD表題曲25周年にして過去を越えていった名曲
★★★★★
6thベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~

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