TUBE 35年で61シングル回顧+4~2000-2005~

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TUBE 35周年シングル回顧+4~2000-2005~

99年頃からトップ10落ちすることも多くなってきていたが、ベスト盤ブームの中でまだ新たなシングルが10曲も溜まっていない中で15周年にも合わせて早めのリリースとなった『TUBEstⅢ』は93万枚という大ヒットを記録して2000年になってもTUBE健在っぷりをなお示した。

同じく2000年には『未来日記』タイアップにより「虹になりたい」の突出したヒットもあったが、以降は低迷し、10万枚を越えるようなヒット作は出せなくなった。ただ主にバラード系のシングルになるといつもより少しロングヒットするという傾向はあった。

例えば「燃える煙るモナムール」「I’m in love you,good day sunshine」は3週で100位圏外だったが「風に揺れるTomorow」は2倍の6週ランクインで売上も回復した。03年にO社集計が200位以内に拡大された後の「めざましテレビ」春夏秋冬タイアップでは夏が最低の6週ランクイン、次いで秋が7週(売上では1番下)、春が12週、冬の「プロポーズ」が13週で最長・最高売上であった。続く「夏祭り/涙を虹に」は両A面でバラードとアップテンポだったがメインで扱われていたのは「夏祭り」でこれもやはり次回作以降で上回ったシングルは無い。以降はもう曲次第で売上に変動が起こるような時代でも無い固定ファンの購入のみとなり、この時期後半は2万台、2010年代以降は1.5万前後のラインを保っている。

90年代末期にはもうトップ10に入るか入らないかの状況になっていながらもCD不況により全体のチャートレベルも著しく下がった事もあって、完全にトップ10に入れなくなる事は無く、年に1度は必ずトップ10入りを達成していた。この1990年からの連続トップ10入り年数記録は「Miracle Game」を最後に05年のシングルは2作ともトップ10入りを逃した事で途絶える事となった。「Miracle Game」は04年12月発売だが05年度集計扱いとなっていた事もあって、90~05年まで続いたという事になっている。なので06年の集計期間内にトップ10入りできれば記録継続だったが「みんなのうみ」も逃した事で完全に途絶えた。また2007年はシングル発売が無かったのでどの道そこで途絶えていた事になる。

2005年に20周年を迎え、『TUBEstⅣ』の発売が期待されたが何故か何も無く、00年以来のハワイでのライブなどスペシャルな事もあったものの取り立てて20周年を大々的に掲げるアニバーサリー商法には手を出さずの通常運転であった。ただしオリジナルアルバムは20周年にしてセルフタイトル『TUBE』を掲げた。

※2015年執筆、2020年全面修正+連載時は無かったアルバム曲を新規で少し追加

32nd Truth of Time

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00年4月12日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
今作からマキシシングルへ移行。今作の後に『TUBEstⅢ』が発売されたが次のオリジナルアルバム収録予定のため未収録。『TUBEstⅢ』がミリオンに迫る大ヒットを記録したのに引っ張られてか、前2作よりもヒットし、トップ10復帰も果たした。

久々にラテン・南国系のシングルだが、これまでとは少し雰囲気が違ってそんなに情熱感が無いというか割と音数が控えめであっさりしていて新鮮。収録されているアルバム『LANI KAI』でも若干浮いているポジションだったしあまり同系統の曲が他にないような…。この年は15周年でハワイライブやったりジャケットがハワイなので、別にこの曲はハワイアンな曲ではないんだけどハワイなイメージもある。C/Wにはハワイ限定で発売されたシングル『SHA LA LA/Remember Me』(共にEnglsih Versionでのリメイク)を2曲ともそのまま収録していたのでその影響もあったかも。

個人的にカセット録音時代からシングルCDはC/Wまで含めてまとめて保存していたんだけど、そのシングル録音をカセットからCD-Rへ移行し、シングル楽曲をまとめたCD-Rの1枚目1曲目になったのがこのシングル。現在も続くシングルCD寄せ集め歴代CD-Rのファイルの1番最初にこの曲があるので、非常に思い出深い。
★★★☆☆
20thアルバム『LANI KAI

33rd 虹になりたい

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00年6月28日
作詞作曲:前田亘輝、編曲:TUBE&坂基文彦
サザンオールスターズ「TSUNAMI」、福山雅治「桜坂」が200万オーバーの大ヒットとなった『ウンナンのホントコ!』内のコーナー「未来日記」テーマソング(シリーズとしては最初の2つが既存曲で、3,4が「TSUNAMI」、5が「桜坂」だったので6作目の主題歌)。サザン福山が空前の200万オーバーの大ヒットになったのでTUBEもついに初ミリオンか!?くらいの発売前の評判もあったが蓋を開けてみたら、宇多田ヒカルとぶつかって1位を逃した上に「きっとどこかで」程度の40万ヒット。次のGLAY「とまどい/SPECIAL THANKS」もミリオンヒットになったので、TUBEとしては大ヒットだけどTUBE落ち目感の方が印象づいてしまったのではないか…というくらいに、翌年以降さらに低迷してしまい、TUBE最後の大ヒット曲となった。なんと10万越えすらもこれが最後である。

これは「未来日記」自体のブームが突発的なもので、ブームが急速に冷めていったというのもあった。次のGLAYの方がミリオンとはいえ前作との差は20数万ほどで伸びが悪かったりもするし、その次のユーミンはもうトップ10復帰できて10万に乗せた(前作から+6万)しか効果が出ていない。TUBEは99年には5万割れまで低迷して前作でも7万とかなので40万まで伸ばせば十分だったとは思うんだけど200万ヒット2連発の後ではタイミング悪かった…。『TUBEstⅢ』のミリオンに迫る大ヒットもあって注目が集まっていたのが仇となった感もあり、逆にいい区切りになってしまったところもあった。

楽曲自体は珍しく前田が作曲まで担当。バンドが控えめでアコースティックギターがメインで進行するというシンプルなバラードになっているので少しソロっぽい感じもするんだけど、「きっと どこかで」以来の大名曲、ここぞという時のバラードのTUBEは凄いなと当時思った。当時シングルしか聞いてなかったのでTUBEにバラードのイメージがそんなに無かったけどバラード結構いいんだなぁ…と思ったのを記憶している。その翌年にバラードベストを出してきたのはナイスタイミングだった。

『LANI KAI』ではEXTRA DRY MIXとしてミックス変更。音の響きが異なっており、分かりやすいのは間奏でのドラム。シングルでも派手に鳴り響くがもっとド派手でEXTRA DRYというネーミング通りになっている。

また00年代ではダントツのヒット作、00年以降のTUBEのヒット曲はこれしか知らないなんてライトリスナーも多そうだったにも関わらず30周年ベストではまさかのスルー…。2020年のMIX CDにも選曲されない始末。シングルバージョンの収録も翌年の『Melodies&MemoriesⅡ』オンリーになっている。どうしてこうなった。
★★★★☆
20thアルバム『LANI KAI』(EXTRA DRY MIX)
2ndバラードベスト『Melodies&MemoriesⅡ

LANI KAI~天国の海~

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00年7月20日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
20thアルバム『LANI KAI』1曲目。「虹になりたい」の久々のシングルヒット、ベスト盤『TUBEstⅢ』の大ヒットに続くニューアルバムは夜の海をイメージしたジャケ写でこれまでとは一線を画す作風のアルバムとなった。春畑道哉がアコースティックギターを新たに購入した影響もあったようだが、アコースティックギターを生かした楽曲が多い。また後に『終わらない旅』で角野が語ったところによると緻密さで言えば「終わらない夏に」の頃がピークで1曲の中でも楽器を変えたりと作りこんでいたが、今作は対局でありほとんど全曲同じ楽器で録音したと語っている。実際にこれまでのように敷き詰めたサウンドではなく、シンプルゆえに各自が演奏しているギター、ベース、ドラム、ボーカル(+サポートのキーボード等)が今までよりも聞き取りやすいようなそんなアルバムだ。

個人的に最高傑作であるこのアルバムの1曲目はまさに今作を象徴するエレキギターとアコースティックギターが共存し、シンプルなバンドサウンドが展開しながら真夏の海ではなく、涼し気な夜の海が浮かんでくるような1曲。天国の海とあるように現実ではない楽園のような、過去19枚のアルバムで様々な夏と海を見せてきたTUBEが今まで見せた事ない夏と海を見せてくれたようなそんな名曲。
★★★★★
20thアルバム『LANI KAI

真夏へCount Down

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00年7月20日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
従来の夏ソングに近いまさに真夏へと向かっていくロックナンバー。しかしこれまたこのアルバムらしくアコースティックギターの音色が生かされ、シンプルな演奏の中で絡み合うバンドアンサンブルを今まで以上に堪能できる新鮮な部分もある。特に今作はベースの動き回りっぷりが印象的。個人的にリスナーとして主にドラムとギターに耳が行ってしまってあまりベースサウンドに耳が行かないという傾向があって過去感想を振り返ってもベースに言及した事がほぼ皆無だったりするが、今作のベースはなんか良い

真冬へカウントダウンしていくような時期に開催された2017年11月15日さいたまスーパーアリーナでの「TUBE LIVE AROUND 2017 ”Unknown 4” ~冬でもアリ!?ーナ~」ではメンバーがMCで開口一番に「(今回は)知らない曲ばかりでしょ?」と言い放つほどマニアックであまり覚えてないような静かな曲が続いた中で急に今作が出てきて嬉しかった(だいぶキー下がってて別の曲みたいになってたけど)。
★★★★☆
20thアルバム『LANI KAI

OVER the TEARS

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00年7月20日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
シンプルながらどっしりとしたミドルナンバー。若き青春の日々を振り返った視点での楽曲で、サビの歌詞は全て過去形になっていて眩しかったあの頃へと思いを巡らせる。現在に関しては特に悲観的でもなくあの頃はよかったけど今はダメだというのではないが、よくあるあの頃の思いを取り戻してもう1度的な内容でもなく、恐らく現在の思いとして描かれているのは最後のサビ前の“いくつになったって恥じることはないからさ いつだって僕等は”くらいなものでほぼ最初から最後まであの頃の輝きを思い返している。昔は良かったという事が強調されているわけでもないし、かといって取り戻そう的な内容でもなく、ただ眩しかったあの頃の輝きを描くというありそうでなかった描写によってフラットに過去へと思いをはせる事ができる。年齢を重ねるごとに深みが増していった1曲。30周年の時はけっこういい曲だなぁくらいだったんだけど、5年経ってなんか歌詞が改めていいなと思った。ちょうどこの歌詞を書いた当時の前田さんの年齢になった、というのもあるのかもしれない。
★★★★★
20thアルバム『LANI KAI

34th 月と太陽

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01年5月9日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE&大島こうすけ
フジテレビ朝の情報番組「めざましテレビ」テーマ曲。元1期WANDSメンバーの大島こうすけはTUBEでは今作が初起用、以降08年までちょくちょく起用されるが、キーボードや打ち込みを多用したダンスサウンド的な要素を加味したかなり変わった方向にはじけた楽曲に仕上がっていてまさにこういう今までにない要素を期待して依頼していたものと思われる。

少々違和感はあるがTUBEとしては新たな勢いの出た1曲になったと思う。一方タイアップとしては何故か使い捨てにされた感が強い。というのも「めざましテレビ」のテーマ曲は4月から使用開始され、翌年3月まで1年間使い続けるというのが基本だったのに、なんと4月使用開始で6月途中で次の竹内まりや「毎日がスペシャル」へ交換になってしまった。サビド頭が“真夏の海でKissしたい”4月から梅雨突入後まで聞かされいよいよこの曲が映える夏が目の前に…というところでの真夏の前にリストラ(サビのメロディーに乗せて)っていうのはあんまりすぎた。翌02年は半年交代があったり、03年はTUBEが通年で4曲、04年は「手のひらを太陽に」を1ヶ月ごとに歌手を交換するというのはあったが、1歌手1曲の起用で3ヶ月に満たないというのは出演者のセルフタイアップ(T.N.T)を除くとこれが恐らく最短記録のままである。当時見ていた人でも01年と言えば毎日がスペッシャル♪の印象が強くてこの曲はあまり印象に残っていないのではないか。

またリミックスが流行っていた時期だったためかTUBEもその流れに参入しており、C/Wには2種の別バージョンが。1つはギターと軽い打ち込みによるインスト、もう1つは完全なリミックス曲だがどちらも2分程度のショートサイズになっている。
★★★☆☆
21stアルバム『Soul Surfin’ Crew
C/W(AM5:55 Guitar Ver.)
C/W(beatknuckles.remix from dj.Ta-shi.Zulu.japan)

You’ll be the champion

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01年5月9日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
シングル「月と太陽」C/W、アルバム『Soul Surfin’ Crew』12曲目。30周年ベストExicting枠にも数少ない00年代以降の楽曲の中から選曲された、アスリート系ソングの代表作の1つ。フジテレビ系『フォーミュラ・ニッポン』テーマ曲にもなっていて他の曲は1年起用だったが今作のみ2003年まで3年間使用された。疾走感のある力強いロックチューンでシングルでは見せていないエキサイティングなTUBEの魅力が存分に出た1曲だと思う。00年代は徐々に落ち着いていくのでこのような力強さも徐々に無くなっていき、力強さやキーの高さではこの頃がピークだったかもしれない。
★★★★☆
21stアルバム『Soul Surfin’ Crew

35th 初恋

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01年6月27日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE&池田大介
2週連続リリースの第1弾。今作はを基調にしており、比較的ストレートなロックナンバー。攻めまくったこの年の3シングルの中では唯一王道ロックに近いが、池田大介を共同アレンジに招いてキーボード・シンセサウンドを入れつつも極力音数を減らしたような引きのアレンジになっていていつものTUBEとはやや異なっている。過去を振り返る内容のためか、どこか懐かしい気持ちになる1曲だ。

あと98年以降はシングル全てチェックしていたのにこの年だけ3作とも全てスルーしたのは何故だったんだろう(知らねーよ)。01年は前後のシングルの印象が強くて当時これ苦手だなとスルーしてしまったんだと思うけど、間にあったこの曲はだいぶ後になって名曲だと気づいた1曲になった。

C/Wのmix8251は池田大介が関わった部分と思われるキーボードやシンセの音を抜いたバージョン。元々かなり音数を絞った楽曲だったのでさらにシンセも削るとかなり音が抜け落ちている感覚になるが、普段はけっこう盛ったサウンドが多いのでこのようなシンプルさもなかなかいい。
★★★★☆
C/W(mix8251)
21stアルバム『Soul Surfin’ Crew

36th 燃える煙るモナムール

B00005LPDM
01年7月4日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE&大島こうすけ(シングル)
編曲:TUBE&池田大介(with BLOODEST SAXPHONE)

2週連続リリースの第2弾。赤を基調にしており、再び大島こうすけを起用。「月と太陽」を軽く越えるほどのインパクトと強烈な歌謡臭とギラッギラ感が漂う濃厚な1曲。アレンジには試行錯誤があったようでC/Wには「燃える煙るモナムール(真夏の夜の夢)」と題したアコースティックバージョンで収録されていたが、アルバムでは池田大介との共同アレンジで生のホーンを導入した別アレンジ(with BLOODEST SAXPHONE)で収録されるなどアレンジ違いが複数発表された。BLOODEST SAXPHONEが1番聞きやすいかな。

湿度も気温もギラギラに高いまさに真夏の熱さを表現したかのような濃厚さは正直暑苦しさを感じるほどで正直あまり好きな曲ではないというか蒸し暑さが倍増するのでリアル真夏にはあまり聞きたくないナンバーではある。アレンジ違いが複数あるのは面白く、聞きどころは多い1曲だ。通常だとそのままシングルバージョンがアルバム未収録になるところだったが何故か最後にシングルバージョンもボーナスで収録されるという異例の展開になったおかげでシングルバージョンがアルバム未収録になる事態を回避できたのが今となってはありがたい。
★★★☆☆
C/W(<真夏の夜の夢>)
21stアルバム『Soul Surfin’ Crew』(with BLOODEST SAXPHONE)
21stアルバム『Soul Surfin’ Crew

What’cha wanna do?

B00005LPDM
01年7月4日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
シングル「燃える煙るモナムール」C/W、21stアルバム『Soul Surfin’ Crew』9曲目。テレビ朝日系ドラマ『京都迷宮案内』(第3シリーズ)主題歌。自身3度目にして今のところ最後の連ドラタイアップ。1999年から2008年まで毎年続いていたシリーズドラマ(6作目からは「新」がついた)で2009年に作られたSP版が最後となっている。この第3シリーズのみ2クール放送で、主題歌は1クール交代となっていてTUBEが担当したのは後半クール。

あっさりとC/W送りで済ませてしまったが、実際ドラマとは無関係のようなノリノリでハイテンポなロックチューン。ギターサウンド的には「You’ll be the champion」の方向性に近い。このためもっとアスリート系の歌詞が載っていれば普通に熱い応援歌になっていたようにも思う。わずかにドラマを意識したのか偶然か“官能の迷宮”というフレーズは出てくるが2番Aメロなので果たして流れていたのかどうか…。そもそもこんな激しめの曲が橋爪功主演のドラマで流れていたというのが…。何故滅多にドラマタイアップが来ないのに急にこんなところで回ってきたのか。そしてこれ以降1つもドラマタイアップが来ないのが寂しすぎる…。
★★★★☆
21stアルバム『Soul Surfin’ Crew

Soul Surfin’ Crew

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01年7月18日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
21stアルバム『Soul Surfin’ Crew』の実質OPナンバー。3分程度で駆け抜けていくコンパクトなロックナンバーだが、アレンジやミックスなどが王道とはだいぶ異なる音像になっていて今作がなんだかとんでもなく振り切った1作になっているのを象徴するようなはじけたロックだ。畳みかけるようなサビはドキャッチーで1回聞いただけで覚えてしまう。
★★★★☆
21stアルバム『Soul Surfin’ Crew

Dreams of Asia J.V

B00005L9LA
01年7月18日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
『Soul Surfin’ Crew』実質最終曲(この後に「燃える煙るモナムール」シングルVer.収録)。DEEN池森秀一をゲストボーカルに招いてのデュエットソング。01年のDEENは前年のロングツアーを経て、バラードベストの発売のみに留まっていて、それ以外には日韓W杯関連のコンピ盤『PROJECT 2002 The Monsters』への参加(TUBEも参加していた)、ソロでSHU名義でシングルを出す程度であった。そして02年になると池森さんの声は激変してがっつり過去曲のキーが下がっていた。以降2018年25周年武道館で原キーに戻すまで00年までの曲はどの曲も概ね-2で下げていた。この01年は声の状態が過渡期にあったと思われ、以前の声とも以後の声とも異なる。

恐らくサビの最高音部分は全盛期の池森さんでも出せない高音でこの部分は全て前田メインで歌って池森はハ森に回っている。前述のようにこの年を境にしてキーが下がるという明らかに喉に変調をきたしていた過渡期だけに今作での池森ボーカルは前後のどの時期にも属さないようなやや薄く細めの歌声になっているのが印象的で微妙に池森さん感が無いというか、パッと聞き池森さんっぽいけどちょっと違うかなぁというくらいに珍しい歌声だと思う。依頼時点では00年までの声を想定していたのにいざ歌ってみたら池森さんの声が変わっていて恐らく想定より薄くなっていたせいか、2人の声量にかなり差が出てしまっている感じはある。

後に『風に揺れるTomorrow』C/Wに収録された「Dreams of Asia with Shin-Seunghun」は01年秋に発売されたコンピ盤『PROJECT 2002 The Monsters』に収録していたShin-Seunghunとのデュエットバージョン。池森が歌っていたパートを全てShin-Seunghunが韓国語で歌うといった構成になっていて、これに伴い作詞がShin-Seunghunとの連名で書き換えられた。
★★★★☆
21stアルバム『Soul Surfin’ Crew
38thシングル『風に揺れるTomorrow』C/W(リメイク「Dreams of Asia with Shin-Seunghun」)

37th I’m in love you,good day sunshine

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02年6月12日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:徳永暁人
80年代以来となる編曲完全委託。01~02年当時B’zや倉木麻衣、TAK MATSUMOTOのカバーアルバムでもやりまくっていた徳永暁人の作風だったベタベタした響きのリズムがそのまま適用された打ち込み系ロック。ボーカルはシャウト気味でかなりの激しさと爽快さがあるのに、ドラムが打ち込みっぽく、この響きがなんとも煮え切らない。1番最初に聞いた時は新鮮に聞こえたんだけど、すぐに苦手になってしまい、今となっては時代性が強くなってしまったようにも感じる。ビーイング系でこの手のリズム使用しているとなるとすぐに01~03年辺りだと分かってしまうレベル。B’zだと翌年の「IT’S SHOWTIME!!」の打ち込みドラムがこんな感じだった。まあスピード感は出ているしこれっきりではあったのでこれはこれでいいとは思えるが…。C/Wでの名曲「Smile」のリメイクも徳永暁人の単独アレンジでリズムがかる~くなっちゃってどうもなぁ…。
★★★★☆
22ndアルバム『good day sunshine

38th 風に揺れるTomorrow

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02年7月10日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
アコースティックバラード。ほぼ弾き語りと軽い打ち込みで進行し後半になるにつれてバンドサウンドにはなるが最後まで軽めな仕上がりでいかにもこの時期らしい楽曲。しかし90年代にはあまり無かった美メロを堪能できる抑えた雰囲気は新しかった。編曲はTUBEだが前作以上にTUBE meets GIZA studioという感じがある。この先行し2シングルを収録したアルバム『good day sunshine』もこの傾向が前面に出ていて軽めの打ち込みっぽいリズムの曲が多く、TUBE史上最軽量かつある意味で最も異色のサウンドが展開する変わったアルバムになっている。リメイク「湘南 My Love 2002」が収録されているのもこのアルバムだ。

この曲に関してはR&Bブームの余波となっていた00’s型の軽いアレンジがうまくハマっていたと思う。夏の夜に静かに聞きたい前3作を上回る売上を記録するなど地味な好調ぶりも示した。
★★★★☆
22ndアルバム『good day sunshine
4thベスト『BEST of TUBEst ~All Time Best~

39th 青いメロディー

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03年4月16日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:徳永暁人、TUBE
01年の「月と太陽」はまさかの3ヶ月ポッキリで終わってしまったが03年度は「めざましテレビ」のテーマソングを1年間春夏秋冬で4曲連続で手掛けるという初の試みでコラボ。TUBEが通年活動する事でも話題を呼んだ。まずは「春」。

徳永暁人の編曲参加だが、今回はTUBEも編曲に入っていて前年ほど打ち込みっぽくはない。落ち着いた春のミディアムナンバーで、分かりやすく桜が舞ったりはしないもののTUBEが歌う春というのが当時は新鮮だった。とはいっても例年TUBEがこの時期に迎夏シングルを出すのは恒例だったし、「青いメロディー」に沿って青いジャケットも割といつも通りの延長だし、歌詞で”卯月”と”皐月”が出てくる皐月のだけどな事で季節は卒業や桜の季節を過ぎた春~初夏にイメージしやすくなっているところはある。

朝のテーマ曲としてもTUBEが手掛けためざましタイアップでは爽やかな王道サマーチューンを1度も出さなかったので結果的にはこれが1番朝に合う曲だと思う。大学入学の時期とも重なって個人的にも思い入れが深く、あの頃の空気と重なる1曲。1番思い出深いというか聞いていた当時の空気感が最も蘇るTUBEの曲はこの曲かもしれない。歌詞の内容全体としてはラブソングなのでそうでもないが“痛みにも似た甘く切ない青いメロディー”というフレーズは18の春の大学のキャンバス風景とリンクしている。その後の再開発により当時の校舎の大半が破壊され別の建物に置き換わり現存しない今、もう実際に見ることができない思い出の風景が蘇る

あとなんとなく「夏だね」に曲調が似ているなと思ったらC/Wが「夏だね」の大胆改変別アレンジバージョン(costa del sol mix)だったっていうのは偶然か。

また今作よりソニーが独自で導入したコピーコントロールCDであるレーベルゲートCDを容赦なく導入。03~04年8月までの作品(アルバムは04年1月から)がほぼ例外なく犠牲になったが、後に再発されている。ネット認証を必要とするレーベルゲートCDに対して04年にネット接続を必要としないレーベルゲートCD2にバージョンアップしていちいちレーベルゲートCD2でも再発したので実は03年のシングルはレーベルゲートCD→レーベルゲートCD2→通常CDと3種類もある。いちいち全部集めたファンとかいるんだろうか…。
★★★★★
23rdアルバム『OASIS

40th Let’s go to the sea~OASIS~

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03年7月2日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:大島こうすけ、TUBE
「めざましテレビ」夏のテーマソング。早くも制作が難航していたのか当初6月発売との情報が出回っていたが延期され、OA開始も少し遅れたのを記憶している。

前回(01年)のめざましタイアップ「月と太陽」に続いて大島こうすけが関与したパーカッション咲き乱れるダンサブルでノリノリな楽曲。真夏の海でKissできずに使用終了になった前回を反省して今回こそ爽やかなサマーソングを期待していたのでなんでまた1番王道を期待する夏にはじダン路線(はじけたダンスナンバーをヒゲダン風に言ってみた)へ行ってしまったのか…と当時は凄くガッカリした。初登場5位は春夏秋冬の中では1番高かったが、売上は春、冬に及ばず秋をかろうじてわずかに上回る3番目の売上。また200位以内登場週数でもわずか6週でストーンと落ちてしまったので秋の7週をも下回り、4作中最低であった。まあこれはアルバム2週前先行シングルでC/W共々そのまま収録された上に、今作ではシングルはレーベルゲートCD、アルバムは普通のCDだったのも影響していたと思われる。過去の経験からもイケイケな曲を出すと毎回ズッコケていて世間に受けないのは分かっていたはずなのにそれでもあえて夏の朝をイケイケで盛り上げたかったのだろうか。爽やかに盛り上げてほしかったよ…。。めざましを抜きにすればノリノリで楽しい曲だ。

当時大島こうすけはTUBEよりもBON-BON BLANCOの作編曲を手掛ける事が多かったが、この曲調は特にまんまBON-BON BLANCOでボーカルのサントス・アンナが歌っている様子も容易に想像できる。イケイケな歌詞も含めてTUBEが歌うよりBON-BON BLANCOに提供していれば「BON VOYAGE!」より前に代表ヒットが生まれていたんじゃないかと思えるだけに惜しかったなぁ…。
★★★☆☆
23rdアルバム『OASIS
4thベスト『BEST of TUBEst ~All Time Best~

Summer Breeze

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03年7月2日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
シングル「Let’s go to the sea~OASIS~」C/W、アルバム『OASIS』5曲目。ミスタードーナツのCMタイアップがついていたが、タイトルから想像できるようにアコースティックサウンドを生かした爽やかな風が吹き抜けていくサマーソング。派手なインパクトは無いが期待していた爽やかさがここにあり、当時シングルを聞いた時には妙にホッとした。「青いメロディー」からの流れでは今作の方が自然だったと思うし、なんか当初は同じ流れでめざまし用に作っていたっぽい感じもするんだけど、A面にするには普通すぎるといえば普通すぎなのでもっと攻めたくなって「Let’s go to the sea~OASIS~」までエスカレートしたのかもしれない。ただ毎朝かかるアドバンテージを考えれば毎日聞いていればこれもけっこう馴染んでいたのではないか。
★★★☆☆
23rdアルバム『OASIS

We are Free

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03年7月16日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
アルバム『OASIS』6曲目。01年よりビーイングのアレンジャーが編曲に関わるようになったが、いよいよGIZA studioのプロデューサーKANONJIが共同プロデュースで参加。KANONJIはKANONJI ROCKAKUと名乗る事もあったがGIZAになってからプロデューサーとして君臨した謎の人物…であったが当時から長戸大幸の変名ではないか?と噂されていた。やがて06年頃から長戸大幸の名前が復活、KANONJI名義があまり使用されなくなっていった。現在もKANONJIが長戸大幸だとハッキリ明言はされていないが、近年は長戸大幸が自ら出てきて語る事が多くなっていて引退していたはずの90年代半ば以降を大阪に行ってプロデュースを続けていたと平気で語るようになり、それはKANONJIの仕事では?というようなGIZAの人たちを自分のプロデュースとして平然と語っているのでもう確定と思われる。

という事でKANONJIが共同プロデュースに入ったという事はつまり長戸大幸がTUBEのプロデュースに93年の『浪漫の夏』以来10年ぶりに復帰したという事である。ビーイングの関係者がZAIN PRODUCTS名義にまとめられ、このアルバムは一気にビーイング全盛期感が増しているのが特徴といえる。セルフプロデュースになって以降増加した力強いロック系が激減してしまいほとんど聞くことができない代わりに当時多用されていたサックスが再度多用されていた。

ただこの曲は比較的ビーイング色が薄く、ジャカジャカとギターを鳴らしながら高揚感のあるバンドサウンドに乗せてあきらめずに頑張ろうと歌いかける応援歌。長戸大幸を離れてから増えていた負けるなソングであり、アルバムの中ではスピリット的にも1番ロックな1曲だと思う。一気に緩めにポップになってしまったなぁという印象もあったので、力強さのあるこの曲は一際印象に残った。

まさにExictingな曲だと思うんだけど、30周年ベストのExiting枠には入らないし、MIX CD『汗と涙』にさえかすりもしなかったのは謎。
★★★★☆
23rdアルバム『OASIS

41st 月光

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03年10月22日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
「めざましテレビ」秋のテーマソング。確か春夏秋冬のテーマ曲を手掛ける事が決定した03年2月か3月頃の「めざましテレビ」にハワイからの中継で出演した際に今作っている候補曲としてラララで弾き語りで披露していたのがこの曲の原型だったような…。正直TUBEっぽくないどころか、春っぽくない曲を歌い始めたのでナニコレと思ったのだけ記憶していたが、その後実際に春のテーマ曲として起用されたのがそれとは全く違う曲だったのでお蔵入りになったかボツになったのかと思ってたんだけど…寝かせて秋用に再利用したという事だったのだろうか。

秋のリリースはこれまでにもあったが意外と秋そのものをテーマにする事は少なく、フラメンコ風のアレンジによる切ない曲調も今までにない感じで新鮮。TUBE秋の名曲として…まあ1番微妙な季節なので注目されにくいところはあるけど隠れた名曲だと思う。秋が深まっていく季節によくハマる1曲。大多数のTUBEの曲を夏の終わりにシーズンオフとして来夏まで封印した後に今作を聞き始め、その他秋冬のシングル曲やさらに深まってくる年末にアルバム『WINTER LETTER』へ繋いでいくのが毎年定番コース。

一方朝のテーマ曲としてはなんとも切なくなるというか憂鬱になるのは否めない。前作でも夕陽より赤く染まってたけど、今作なんかそもそも完全に夜空見上げてるし、星、月夜など夜空の単語を連投しまくり、サビ頭でも神無月が照らしていて疑いなく全編に渡って夜の曲である。

想像できるだろうか。朝の番組で下記のようなサビ部分が毎回流れているのを…。神無月が照らしてたり、心折れたりしてるんだぜ…朝だぜ…?これから学校や会社に出かけるのに心折れてしまってるんだぜ…。
★★★★☆
24thアルバム『夏景色

42nd プロポーズ

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04年1月28日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
「めざましテレビ」冬のテーマソング。これまた制作が難航していたのか12月になっても神無月が照らし続けていた(「月光」使用継続)が、12月半ばくらいからようやくこの曲に切り替わり2月いっぱいまで使用された。って年度末の3月までじゃなかったのかよ!と思ったら、番組キャスター陣が10周年記念で歌手デビューする企画が始まって3月は高島彩、中野美奈子、高樹千佳子によるT.N.T.の曲へ交換になってしまった。

4部作のラストということもあって壮大な愛の終着点、プロポーズソング。壮大さはあるんだけど、90年代のド派手な大バラード群とは異なり、抑えたアレンジには円熟味を感じる。また実はそんなに冬を意識した楽曲にはなっていない。C/Wの「蕾」は思いっきり冬をテーマにしたバラードになっていて「青いメロディー」で登場した卯月と皐月、「月光」で登場した神無月に続いて、睦月がサビに登場するので当初はテーマ曲そっちのつもりだったっぽいところがある。「蕾」もいい曲なんだけど、それ以上に出来がいいので「プロポーズ」を急遽A面に回したんじゃないかと思うんだけどどうなんだろう。

一方で朝のテーマ曲としてはこれまたこういったスローなバラードはあまりにもハマりが悪く、もうなんていうか「めざましテレビ」なのに全く目が覚めない。冬だぞしかも。冬の起きるのが辛い時期にこんな名バラード朝から聞かされたら布団により深く潜りたくなるわ!(大学生活に染まるダメな典型例)。これは1ヵ月早く交代になってしまったのも分からなくもない。というか最早かかっていた記憶が全くない

曲単独としては00年代TUBEバラード屈指の名曲だと思う。ヒットという点でも春夏秋冬4作中最大のヒットを記録するばかりか、「初恋」以降(01年以降)のシングルではこの曲が最も売上が高い。80年代に夏のイメージに反発して秋冬にも活動してたのに冬にシングル出すと夏よりガクッと売上が落ちていたことを考えると20周年目前にして初めて冬の方が売れたって凄いな。
★★★★☆
24thアルバム『夏景色
4thベスト『BEST of TUBEst ~All Time Best~

43rd 夏祭り/涙を虹に

B000BV7WTK
04年6月30日
初にして唯一の両A面シングル。CCCDを真っ先に導入していたエイベックスが内紛を起こし、社長が入れ替わる大騒動が起こって新社長のMAX松浦氏が就任後早速CCCD弾力化(実質撤退)を発表。ソニーは即座に追従してレーベルゲートCD2を撤廃してCDに戻すと発表したたため、今作とアルバム『夏景色』がTUBE最後のレーベルゲートCD2となった。ソニーはこれまで発売していたレーベルゲートCDをこの7月にレーベルゲートCD2として再発したばかりだったが、これにより今度は通常CDでも発売しなおすなど律儀な対応を取った。

このため「青いメロディー」~「月光」までの3シングルは3度発売され(レーベルゲートCD→レーベルゲートCD2→通常CD)、「プロポーズ」と今作、アルバム『夏景色』は2度発売された(レーベルゲートCD2→通常CD)。当然中古では通常CDは滅多に出回っていないがこれから入手される際は特に『夏景色』は通常CD再発盤(品番AICL1639)を探すことが推奨される(レーベルゲートCD2はAICL1551)。

夏祭り

作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
近年賑やかな路線が増えていたのでタイトルからしてお祭りナンバーかと思ったらまさかの切ないシンプルアコースティックバラード。ほとんどバンドが入らずに、ほぼアコースティックギターのみで進行していくというシングルには珍しい構成だ。両A面なのでやれたところもあったのかもしれない。

ごまかしが効かないシンプルなアレンジの中、メロディーに派手さは無く、サビが盛り上がったり物凄く印象的なメロディーラインというわけでもないが、学生時代を振り返るような切なさ漂う歌詞も含めて非常に味があり、妙に心に残る。00年代になってからのTUBEバラードは外さないなと感じたのを記憶している。
★★★★☆
24thアルバム『夏景色

涙を虹に

作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
競艇CMソング。一転して爽快ポップロックチューン。キラキラとしたストレートなJ-POP応援歌となっていて問答無用に活力がもらえる。ここ最近はアップテンポになるとにぎやかさ、ラテンなど別の要素を持ってきてしまう事が増えていたが、今作はストレートさは逆に新鮮でもあった。「めざましテレビ」の時にこういうのを期待していたんだよと正直思っ

歌詞も果てしなくストレートな前向きさで、同世代というより未来ある子供たちに向けている感もあるが、タイアップは競艇CMソング。タイアップを考えるとなんかビミョーに違う気もしなくも無いが、今作以降しばらく「Miracle Game」「Ding! Dong! Dang!」などシングルでも10代向けのメッセージソングが増える印象はあるのでそういう未来を担う子供たちへみたいなモードではあったのかもしれない。ジャケットも少年たちだしね。

個人的に10代最後の年だった当時はギリギリで素直に受け取れた。その後しばらくこうもまっすぐではいられないなとなってきた時期も長くあったが、さらに年月を重ねるとやがてこういうところに戻ってくるのかもしれない。
★★★★☆
24thアルバム『夏景色
4thベスト『BEST of TUBEst ~All Time Best~

海の家

B000ALMUFW
04年7月22日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
24thアルバム『夏景色』1曲目。前年のアルバム『OASIS』の「恋のMagma」からアルバム1曲目はユル~いノリの賑やか振付系ナンバーが連続するようになったが、今作ではレーベルゲートCD2ながらも振付映像をCD-EXTRA仕様で収録して、よりみんなで楽しく踊ろう路線に特化。おふざけ度もかなり増しているエンタメ系楽曲。楽しい事は楽しいがこのノリと踊りについてこれない奴はライブで置いていかれるぜ的なノリでもあり、個人的にはチトしんどい。後年同じくらいの年齢になった時期のDEENも同じ道を進んでライブがしんどかったが、アラフォー前後くらいまで行くと、愚直にロックを貫いたり、カッコつけるよりもライブにおけるエンターテイメントを追求する中でなんかこういうユル~いノリでみんなで踊ろうやみたいな事をやりたくなるのだろうか。先を行くサザンオールスターズも後年の方が振付やダンスがある曲増えてたし…。

という事で最初に聞いた時はちょっと無理…と思っていたんだけど、確かに年齢を重ねるとこういうユルさが分かってくるというかこれもいいんじゃない?という気分にはなってくるかもしれない。30周年の時より35周年の時の方がいいんじゃない?という気持ちが増しているので、もう5年10年と経つとライブに行って一緒に踊っている…かもしれない…。でも元がリズム音痴でそれは改善されるものではないので結局ついていけないのだろう。
★★★☆☆
24thアルバム『夏景色
4thベスト『BEST of TUBEst ~All Time Best~

光と影

B000ALMUFW
04年7月22日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
24thアルバム『夏景色』最終曲。『ゆずれない夏』以来9年ぶりに日本語タイトルにして、いつもの青い海!ではなく、初めて浴衣姿で縁側という日本の夏風景をジャケットにした今作、そんなに日本的な雰囲気全開のアルバムというわけではないが、最後に登場するのは初の三味線を取り入れた島唄風味のバラード。クレジットに三味線や三線を示す演奏表記が無いので誰が弾いているのかも良く分からないが(まさか打ち込みではないと思うが)、2010年に『SONGS』に出た際には奄美の三味線を取り入れた楽曲として紹介されて現地の人たちとコラボ演奏していたので沖縄の三線ではなく奄美の三味線という事のようだ。

夏にアルバムを出すための制作期間が毎年冬の時期であるため気分を出すためという目的で早い時期からハワイで曲作りをするというのが定番になっていた事もあってか、意外なことに奄美や沖縄など日本の南を取り上げた曲が今までなかった。ハワイアンもレゲエも音頭も幅広い音楽性を取り入れていたけどここには手を出していなかったというのはけっこう意外だ。実際そんなイメージも全くない。こっちにはBEGINや「島唄」イメージのTHE BOOMがいるのであえて被せていく必要はないと考えていたのか…。

そんなわけでTUBE初の島唄風ナンバー。やるからには本格風、しかし本格的にやってきたわけではないのであくまでTUBEになる、幾度も繰り広げてきたTUBE流が、ここでも炸裂。いかにもな島唄っぽさがありながらも後半はバンドサウンドと融合していて確かにTUBE。また新たな武器が1つ増えた…と思ったが、結局これっきりやっていないので日本の南国ナンバーという方向性にはやはり遠慮があるのかもしれない。
★★★☆☆

44th Miracle Game

B000666VEW
04年12月8日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:大島こうすけ、TUBE
テレビ朝日系「小学生クラス対抗30人31脚」テーマ曲。元々90年代後半の人気バラエティー「ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー これができたら100万円!!」の1コーナーの企画だったがカラオケの歌詞を見ないで歌いきれたら100万円の企画と同様に番組から独立派生して単独番組として継続していた。大会は96~09年まで行われていた。

2年連続で冬まで活動を継続したが(ライブハウスツアーも11~12月に行われた)、前年ほどTUBEが冬にシングル出すというのは話題になっていなかった。またC/W「Now & Here」は「涙を虹に」に続く競艇CMタイアップとなっていたため、この時期は冬でもメディアでTUBEの最新曲が流れていた事になる。

今回はタイアップありきで完全に子供たちに向けての応援歌のような内容。熱闘甲子園タイアップの「Yheei!」は妙にお気楽だったのに今回はおちゃらけずに全力で応援している感じが頼もしい。大島こうすけを起用している事もあってロックなんだけどダンサブルという少し変わった仕上がりでもあり、こうなるとまたBON-BON BLANCOが歌ってたらさらに合ってただろうなぁとも思う。「BON BOYAGE!」に続くヒットが全く出せずに低迷してしまったが、このタイアップとこの曲をそっくり提供していたら…。このように大島こうすけが関与した曲はほとんどBON-BON BLANCOに提供していれば…と思ってしまうものが多いが、シングル曲の大島こうすけ関与の中では今作が1番エキサイティングでTUBEとしてはいいかなとは思う。

なお当時のO社は年度を11月で区切っていたため、04年12月発売ながらこの曲が10位を記録した事で“1990年~2005年までシングルでトップ10ヒット”(これ以前では85年と89年以外はトップ10入り)という記録を達成した事になっている。実際に05年になってからリリースされた2作はトップ10落ちしているため、記録は今作で途切れる事となり、O社の記録上は90~05年まで、実際の年では90~04年までとなる。

30周年ベストに収録されたシングルA面曲の中で最新の「SUMMER TIME」の次に新しいのが10年以上前のこの曲…っていうのが地味に切ない。この後も名曲はたくさんあるよ!
★★★★☆
25thアルバム『TUBE
4thベスト『BEST of TUBEst ~All Time Best~

45th SKY HIGH

B00092QTH2
05年6月1日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
20周年記念日リリース。奇をてらわないストレートなどこまでも高い空に伸びていくような爽やかポップロックナンバー。初登場12位とトップ10落ちになってしまい、20周年なのにあまり存在感は示せなかったものの、これぞTUBEといえる曲だと思うし、久々に期待通りの王道ナンバーだった。MVも確か歴代の海辺での演奏シーンを盛り込んだ内容になっていたのを見た記憶があるが、過去のダイナミックかつ綺麗な海外の海に比べて肝心の新規収録映像がその辺の国内撮影っぽくて迫力負けしているのが少々気になった記憶が…。

正直「めざましテレビ」みたいな朝の情報番組の夏のテーマ曲にはこういうのを期待していた。何故あの時出さなかったのか…。実際のタイアップは「涙を虹に」、「Now&Here」(「Miracle Game」C/W)に続く3連続の競艇CMソングタイアップ。3作通して爽快なアップナンバーだったが、他のタイアップは微妙にハズしたような曲ばかり提供していたのに何で競艇タイアップで3連続で全く奇をてらわないストレートな爽やかナンバーをきっちり提出していたんだろうか。今作はそうでもないけど「涙を虹に」、「Now&Here」なんか10代向けの応援歌だったのに…。

わざわざピタリ6月1日発売で20周年記念曲という立ち位置だったはずなのにあまりめぼしいヒットにならなかったせいなのか、ドストレートすぎるからなのかどういうわけか30周年ベストにも入らなかった。「Tropical」終盤には何故かそれはUnique枠だろみたいな曲が2曲入っていたが、ラスト3曲は「青いメロディー」(or「ひまわり」or「初恋」)→「SKY HIGH」→「SUMMER TIME」だったら爽やかに統一されていたと思う
★★★★☆
25thアルバム『TUBE

a song for love

B0009OA5NO
05年7月20日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
20周年25thアルバムのタイトルはそのまま『TUBE』。まさにこれぞTUBEなド王道を展開したアルバムの最後を締めくくるのは20年の感謝を綴ったようなバラード。このアルバムではまだキーが本格的に下がる前の高く突き抜けるハイトーンも多く聞けるが、今作はかつてとは違いド派手に突き抜けるのではなく穏やかで落ち着いた雰囲気の優しいバラード。演奏も抑えめで淡々としていて穏やかに歌い上げるので派手なインパクトはないが、20年の厚みを感じられ非常に染み渡る1曲だ。
★★★★☆
25thアルバム『TUBE
4thベスト『BEST of TUBEst ~All Time Best~

46th Ding!Dong!Dang!

B000A3H604
05年8月10日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
アルバム『TUBE』から1ヵ月もしないでリリースされた1曲(+カラオケ)のみのシングル。映画『劇場版 NARUTO -ナルト- 大激突!幻の地底遺跡だってばよ』主題歌。

タイトルが鐘の音っぽい=クリスマスっぽいと勘違いしがちだが実際にはかなり熱いロックナンバー。シンプルなバラード調で1番が終わると、テンポアップして爽快ロックナンバーへ変貌する。最初どこがサビなのかも良く分からないノリで馴染めなかったんだけど気が付いたらハマっていた。現在かなり好きな1曲。タイアップ先に合わせたのか少年漫画っぽい友情を描いているせいか、個人的にはノスタルジーも感じる。シングルでこういうストレートにロックっぽいというかエキサイティングな楽曲って案外この辺りが最後のように思う。

今作のエンディング部分での突き抜けるハイトーンは圧巻カラオケでここまで乗り切っても最後のここだけは絶対出せねぇだけど、ここまでの突き抜ける高音のロングトーンもシングルでは最後だった。ライブでは2011年頃から過去曲のキー下げるようになったと言われているが、新曲では2010年頃までの間に気がついたら最近の曲なんか全体に低くなってね?なんかエキサイティング感のある曲最近なくね?となっていった印象がある。

初登場13位で前作に続いて今作もトップ10落ち。これにより2005年は2作ともトップ10落ちとなり、1990年からの連続トップ10入り年数記録が途切れた(前述のようにO社基準では「Miracle Game」のランクインが05年度扱いなので、06年度もダメだったことで完全に途切れた事になった)。今作に関しては1曲+カラオケという構成なのに1020円というふざけた価格設定に問題があったと思う。8センチ時代のシングルと同じ料金は高い。とはいえマキシ化以降じわじわ値上げしていたシングル価格はソニーでは通常時は1223円だったので一応多少の値下げはしているのだが…1曲で1000円越えるのは…(8センチの時代は1曲+カラオケなら800円台とか900円台に抑えていた)。音楽業界、この時期にCCCD、マキシ化便乗でじわじわ値上げ(そもそも導入時はわざわざ8センチ盤作るよりマキシの方がコストが安いとかいう話だった)…とこの辺りもっと誠実にやっていたら今でもCDはもう少し買われていたのではないか。
★★★★★
26thアルバム『B☆B☆Q

ジラされて熱帯

B000A38SJC
05年8月17日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
アルバム『TUBE』1曲目。アルバムから間髪を入れずにシングル「Ding!Dong!Dang!」を出した1週間後に初にして唯一のDVDシングルとしてカットされた。当時のTUBEはまだシングルやアルバムに毎回DVDをつけるという既にわりとみんなやり始めていたことをやっておらず、01年のバラードベストで1度つけたっきり。この後も08年になるまでCD特典にDVDを付けなかったが、何故か唐突にDVDシングルなんていうフォーマットに手を出していた(これ1回ポッキリ)。

03年の『OASIS』からアルバム1曲目のリード曲はイケイケ路線な振付ソングになっており、前年も「海の家」という曲の振付映像(実質PV)をCD-EXTRAとして収録していたのでその流れを拡大して本格的に映像化したということだろう。映像は見ていないのでここでは楽曲のみ取り上げるけど、楽曲自体はノレるもののタイトル通りに暑苦しい。ていうか03~06年まで4年くらい連続で同じようなノリの曲をアルバムリード曲に持ってきているのでこの4曲はどうも印象が被ってしまう。年々おふざけ・ノリノリ度は増していっているようにも思うが、もう少しカッコいいのや爽やかなのを聞きたいなぁとも思ってしまう。30周年ベストでは正直これは入っても「Unique」枠だと思うんだけど何故王道爽やかソングが並ぶ「Tropical」枠に入っているのか。まあ本来の意味でのトロピカルっぽいのはこの曲と「Let’s go to the sea~OASIS~」の2曲だけだったとも言えるけど。
★★★☆☆
25thアルバム『TUBE
4thベスト『BEST of TUBEst ~All Time Best~

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