GLAY 30周年シングル回顧6~2015-2019~

スポンサーリンク

20周年を経て開催された2015年の『20th Anniversary Final GLAY in TOKYO DOME 2015 Miracle Music Hunt Forever』ではYOSHIKIとの再共演も果たした。独立前後の試行錯誤も環境が整った事もあり、リリース形態も安定していった。2017年には一般サブスクには出さずに自社製サブスク「GLAY APP」を開始。基本的にはスマホ専用のGLAY限定の聞き放題サービスとなり、2021年には一般サブスクへの全面解禁も行ったが、「GLAY APP」でしか聞けない限定音源もある。

このようにサブスクに対しても世間の流れに押されるように一般サブスクを解禁するのではなく、自ら動いて自社アプリを立ち上げて「GLAY APP」でファンを囲い込んでおいた効果が存分に発揮されたのか、サブスクでの利益はHISASHIが1年分と勘違いするほど1ヶ月でチャリンチャリンしているらしい(自分たちだけの特異性である事に本人が無自覚っぽく発言していたのは気になるが…)。

2014年の20周年を機に始まったリミックス&リマスターとデモ音源、秘蔵映像を収録した2CD+DVD(途中からBlu-ray)のAnthologyもシリーズ化し、概ね各オリジナルアルバム20周年(チョイ過ぎもあり)をメドにして都度発売されていった。ただしMichael Zimmerlingによるリミックス&リマスターは賛否があり、音源間違えなどチェックの甘さが目立つ事も…。

ライブ音源とか別バージョンがさらに増えた上に、リアルタイムのシングル感想時とあまり変わらないのでこの過去曲回顧としては非常に扱いにくくなってきて、特にライブバージョン/別バージョンに関してはゴチャゴチャするだけな上、既にスタジオ音源で語り尽くした曲がほとんどのため、リアルタイムのシングル感想時よりも簡素化させている部分もあるかもしれない。

2024.9~11 新規執筆

52nd HEROES/微熱Ⓐgirlサマー/つづれ織り~so far and yet so close~

B00VFL72YU B00VFLBTO4
2015年5月25日
3曲A面シングル。新曲は2曲で「つづれ織り~so far and yet so close~」は2005年のバラードベスト『WHITE ROAD』収録曲のシングルカットだが、最新のライブ音源で収録されている。シングルタイトルにおいては長くなりすぎるためか、(Live from Miracle Music Hunt 2014-2015)の表記は外されており、曲名のみ表記されている。

DVD付には「HEROES」「つづれ織り~so far and yet so close~」のMV&メイキング、今作収録のライブ音源の映像となる「つづれ織り~so far and yet so close~」「さくらびと」のライブ映像を収録。

HEROES

作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治
アニメ『ダイヤのA -SECOND SEASON-』OP。前作「疾走れ!ミライ」に続いての起用で、2期の前半で使用された。今回もTERU曲となっており、これにてTERU曲が3作連続でシングル表題曲となった。今回も若手バンドのような爽やかなポップロックだったが、「BREEZE」や「疾走れ!ミライ」よりも忙しなく畳みかけすぎてつんのめっているかのような突っ込み気味のサビなのでやや覚えにくい。冒頭から出てくるウォーオーウォーオーの方が残りやすいかも。歌詞がTERUらしいポジティブ全開さで元気をくれる。
★★★☆☆
14thアルバム『SUMMERDELICS

微熱Ⓐgirlサマー

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&亀田誠治
ドラムは澤村小夜子(ねごと)GLAYに女性ドラマーが参加するのは初となった。この他FPMがGuest Collaboration DJとしてクレジットされ直下に田中知之(FPM)がPost-production、冨田謙がAdditional programming&Post-production、そして池尻ラモーンズとしてカメラモーン、テルラモーン、ヒサシモンという謎のクレジットもされている(池尻ラモーンズの3人は亀田・TERU・HISASHIだろう)。

HISASHI曲で前述のようなゲスト参加クレジットがあるので、お得意のデジタル色の強い曲なのかと思いきや、まさかのスカ調の陽気なノリの明るいロックナンバー。部分的にDJサウンドっぽいデジタル要素はあるんだけど(1番と2番の間でポコポコ電子音が鳴っている等)、爽快なバンド感が前面に出ていてさらっと聞くといつものHISASHIの曲っぽくない。TAKUROの意向を受けてTERU同様にメインライターとしての意識が芽生えてカウンター狙いの趣味路線に走りすぎないようにしていたのか、キャッチーな曲が浮かんでくる時期だったのか。

2011年のデビュー以来どうにもブレイクし損ねていたねごとにとってはバンホーテンさやこ(バンホーテンココアが好きすぎてステージドリンクにしており活動後半には芸名のように自称していた)がGLAYのドラマーになったというのは大きなトピックになった。残念ながらバンド末期は打ち込み路線に傾倒するようになり、さらにその才能を生かす事は無く、2019年の解散と共に引退してしまった。初期メンバーのAKIRA・NOBUMASAは実質メジャーデビューできなかった&音源が無いので、初の女性ドラマーにしてメジャーデビュー後のGLAYサポートドラマーでは初(最速)の業界引退者にもなってしまったのでは…。
★★★★☆
14thアルバム『SUMMERDELICS

つづれ織り~so far and yet so close~(Live from Miracle Music Hunt 2014-2015)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
2005年のバラードベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』収録曲のライブバージョン。2014年のアルバム『MUSIC LIFE』の特典バラードベスト『BALLAD BEST☆MELODIES』収録曲を決めるファン投票(“初めてGLAYを聴く方にお薦めの楽曲の投票”とされている)で1位を獲得、ツアーでも演奏していたが、2015年1月14日付の有線J-POPリクエストランキング1位も獲得、無料映像配信サービス「GYAO!」と写真3000枚を公募してMVを制作するなどここに来てリバイバル的な盛り上がりとなって当時以上に人気が沸騰。これを受けて10年越しのシングルカットとなったが、新規でのスタジオ録音は行っていない。3曲並ぶ3A面のCDタイトルでは長くなりすぎるためかライブバージョン表記がカットされているのでオリジナルスタジオ音源かと思ってしまうが、ライブ音源での収録。曲タイトルにはLive from Miracle Music Hunt 2014-2015の表記がある。

今になって盛り上がりライブでの演奏が反響を呼んだという流れなのでそのままライブ音源で収録されたという事だとは思うんだけど、表題曲扱いでシングルカットするのにライブ音源ってなんだかボーナストラックみたいで…。オリジナル音源かスタジオ再録音源は用意し、その上でライブバージョンも収録すれば良かったのになとは思う。感覚的にライブバージョン収録なら表題というよりC/Wなんだよなぁ…。10年経って改めて名曲である事を再認識したが、結局この音源よりオリジナル音源再生するもんな。
★★★★☆
ライブバージョンアルバム未収録

C/W Album「MUSIC LIFE」reprise

なんと前作で予告編として収録していたメドレーとは別の新規メドレー半年前のアルバムをもう1回宣伝。前作では5分だったが今作では6分5秒に拡大して曲順も変更されている。

53rd G4・Ⅳ

B0186Y7ISI B0186Y7IQU
2016年1月27日
シリーズ第4弾。前回でメンバー1曲ずつ4曲というルールが確定した事とこの時期TAKUROが自分以外の3人にメインで曲を作るように積極的に働きかけていたことから全員の楽曲が程よく出揃う状況になっていたためか、シリーズが連投されるようになった。

今回はこれまで以上にメイン曲っぽい曲を設定しない平等な扱いとなり、4曲全てにMVが制作された。DVD付には4曲全てのMV&メイキング、直近のライブから「pure soul」「百花繚乱」 「My Private “Jealousy”」「いつか」のライブ映像を収録。

彼女はゾンビ

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&亀田誠治
ドラマーは宮上元克(THE MAD CAPSULE MARKETS)。HISASHIが参加しているACE OF SPADESのでもドラムを担当していた。さらに間奏でHISASHIと会話しているのはGLAYの特典DVDにもなった事がある『RX-72』でHISASHIと共演している茂木淳一。

彼女がゾンビというぶっ飛んだ設定のはじけたロックナンバー。設定や装飾がかなりぶっ飛んでいるものの、割とゲームソングっぽいキャッチーさがあり、1曲目に置いた事で結果的にはこの時期でかなりインパクトの強さで残る1曲にはなった。

『SUMMERDELICS』では「シン・ゾンビ」として改作された。歌詞は全面的に変更されて彼女がゾンビではなく、彼氏がゾンビになっており、”元になっている「彼女はゾンビ」の世界が実はこういう世界だったっていうところにつながっているっていうことのネタバレ、ネタ明かしみたいに感じてくれたらいいな”とHISASHI本人がコメントを残している。サウンド面でも『太鼓の達人』とのコラボとなり、『太鼓の達人』のゲーム要素が曲中に登場、ゲーム主人公和田どん役のならはしみきが○○コンボ!とか○○どん!などゲームそのままの演出で登場して、よりやりたい放題に…。本人は6,7曲目で出てくれば面白いくらいにしか考えておらず1曲目にしようという意見には最後まで反対していたとか。確かにアルバム1曲目からかましすぎだし、1曲目はさすがにやりすぎだと自制していたというバランス感覚はHISASHIのいいところ(ていうかこれで俺が俺がな性格だったらとっくに脱退して好きにソロ活動するか、バンド活動は仕事に徹してギター弾くだけのどっちかだよな)。『SUMMERDELICS』の時期はTAKUROがTAKUROメロディーを忘れてほしいと言い出すほどメンバーにメイン曲を書くように要求していた時期でもあり、このくらい振り切ったGLAYを見せる事に積極的だったのだろう。
★★★☆☆
アルバム未収録
14thアルバム『SUMMERDELICS』(「シン・ゾンビ」に改作)

Scoop

作詞:TAKURO、作曲:JIRO、編曲:GLAY&亀田誠治
ドラマーはクハラカズユキ(The Birthday)。パンクなノリのシンプルなロックナンバー。ベイビーほっといてくれ♪を連呼するサビも勢い一直線だがシンプルゆえに耳には残る。
★★★☆☆
14thアルバム『SUMMERDELICS

Supernova Express 2016

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
3月26日に開業したJR北海道・北海道新幹線開業イメージソング。GLAY王道の爽やかロックナンバー。メンバーの個性が際立ってきたところでタイアップもあってかTAKUROも今回ばかりは影の薄い曲ではなく期待される方向性でしっかり仕上げてきた印象。北海道新幹線界隈だとけっこう流れててもう少し馴染んでいる曲なのかもしれないが、単にGLAYの新曲としてしか耳にしないまま聞かなくなってしまったので正直あまり覚えている曲ではなかった。いい曲ではあるし、GLAYらしい曲ではあるんだけど、この時期本当にTAKUROメインのままだったらちょっと厳しかっただろうなとも思う。

2016年に開業した北海道新幹線のイメージソングなので2016という年号を入れたという記念的な意味合いだと思っていたら、『SUMMERDELICS』収録時は2017年になっていたので2017に変わっていたエンディングに社内アナウンスが新たに追加されたのでその辺りが2017年現在という事だったのかもしれない…。
★★★☆☆
シングルバージョン(2016)アルバム未収録
14thアルバム『SUMMERDELICS』(「Supernova Express 2017」に改題)

空が青空であるために

作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治
アニメ『ダイヤのA -SECOND SEASON-』OP。2期の前半で使われていた「HEROES」を引き継いで後半で使用された。若手バンドのような爽やかポップロックナンバーで安定。早くもザ・TERU曲といった同じような曲が続いている感じにはなってきたが、他のメンバーがそれぞれ個性的な曲を書いていて全体のバランスはいいし、今作の中では1番ヒット性があるのはこの曲だったと思う。
★★★☆☆
14thアルバム『SUMMERDELICS

54th [DEATHTOPIA]

B01GT4NCYQ B01GT4NCXC
2016年8月3日
5月9日に単曲配信されていた「デストピア」、新曲「超音速デスティニー」の2曲+残りはライブ音源、全てHISASHI曲で構成された企画的なシングル。シングルタイトルは[]付の英語表記となっている。

DVD付にはHISASHI、茂木淳一がパーソナリティの「RX-72」のスペシャル版、2曲のMV&メイキングやライブ映像を収録。

デストピア

2016年5月9日(配信限定)
作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&亀田誠治
アニメ『クロムクロ』第1クールOP。CD発売時点では既に「超音速デスティニー」に交代になっており、単曲配信されたのは放送開始から1ヶ月ほど経ったタイミングだった。アニメ趣味が知られるHISASHIだが、自身の曲でアニメタイアップを担当したのは初となった。「黒く塗れ!」を監督が気に入ってくれて声がかかったとされている。いつものように趣味全開でやりたい放題やるよりも、もう少しアニメタイアップを意識したのか、ヘンテコな電子音をピコピコ鳴らしたりはせずに、割とストレートに適度な爽快さもありつつHISASHIらしいダークさもあるロックナンバー。
★★★☆☆
14thアルバム『SUMMERDELICS

超音速デスティニー

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&亀田誠治
アニメ『クロムクロ』第2クールOP。CD発売時はこっちがOAされていた。同じく適度な爽快さもありつつHISASHIらしいダークさもあるロックナンバーだが、掛け合いっぽいサビの印象が残りにくく、明らかに「デストピア」よりは一段以上落ちるような印象。
★★★☆☆
14thアルバム『SUMMERDELICS

JUSTICE [from] GUILTY(GLAY Special Live 2013 in HAKODATE GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.1)

作詞:TAKURO、作曲:HISASHI、編曲:GLAY
2012年の46thシングル2013年7月27,28日に函館緑の島で開催されたライブのうちこの曲が演奏されたのは2日目の28日公演。先の「CRAZY DANCE」を次のシングルにするとTERUが宣言したのがこの2日間のライブであり、既に映像化もされていた。HISASHI作曲だと1番メロディーがいいのはやはりこの曲かな。
★★★★☆

微熱Ⓐgirlサマー (GLAY Special Live at HAKODATE ARENA GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.2)

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY
2015年の52ndシングル3曲A面の2曲目。2015年7月25,26日函館アリーナでのこけら落とし公演で前述の「GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT」の第2弾として開催された。初出音源だったが翌2017年のアルバム『SUMMERDELICS』特典映像に収録され、この後2021年にG-DIRECT限定で一斉にライブアルバムを配信しした際のラインナップには含まれている。オリジナルはねごとの澤村小夜子がドラムだったがこちらはいつも通りのToshi Nagaiによる演奏。
★★★☆☆

黒く塗れ! (GLAY ARENA TOUR 2014-2015 Miracle Music Hunt)

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY
2014年の50thシングル『BLEEZE~G4・Ⅲ~』の3曲目。2014年~2015年にかけて行われたツアーだが、映像化されているのはその後の東京ドーム公演『20th Anniversary Final GLAY in TOKYO DOME 2015 Miracle Music Hunt Forever』でこのPremium Box、Special Boxに2月8日の横浜アリーナ公演が収録、ツアーで唯一映像化されているので恐らくこの音源と思われる。前述のようにアニメ『クロムクロ』監督が気に入ったとされる曲。しかしこの中だと覚えてない曲になってしまうな…。
★★★☆☆

everKrack (GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2016 “Supernova”)

2011年のG-DIRECT限定43rdシングル『G4・Ⅱ-THE RED MOON-』1曲目。2016年の最新ツアーで初出音源。翌2017年のアルバム『SUMMERDELICS』G-DIRECT限定盤に3月4日のロームシアター京都公演のライブ音源が収録されたようなのでその音源だろうか。初めてシングルの1曲目になった曲。ライブ音源だとやはりCD音源よりもウォウイエイ!の盛り上がりが凄い。
★★★☆☆

coyote,colored darkness (ROCK’N’ ROLL SWINDLE at NIPPONBUDOUKAN)

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY
8thアルバム『THE FRUSTRATED』収録曲。ここから一段古い音源となり、2006年2月に3日間行われたライブ。基本的にツアーに佐久間正英は参加していなかったが、このライブ音源のみキーボードが佐久間正英とクレジットされている。
★★★☆☆

WORLD’S END (GLAY ARENA TOUR 2007 “LOVE IS BEAUTIFUL”)

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』収録曲。「coyote,colored darkness」とかこの頃の曲はあくまでアルバム曲っていう感じで普通にいいけどあまり覚えている曲ではなかったなぁ…。
★★★☆☆

XYZ

2017年3月6日(配信)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
Red Bull Air Race Chiba 2017テーマソング。2017年7月発売のアルバム『SUMMERDELICS』の前のシングルCDは前年8月の『[DEATHTOPIA]』で1年近く前になっていたが、アルバムに向けては先行して2曲を配信した。今作時点ではアルバム発売は告知されていなかった。

アルバムでは3曲目に収録。1,2曲目がHISASHI曲だったので3曲目にようやくTAKURO曲登場という流れになっていた。モータースポーツのテーマソングらしいスピード感のある3分15秒で駆け抜ける爽快なロックナンバー。
★★★☆☆
14thアルバム『SUMMERDELICS

the other end of the globe

2017年4月17日(配信)
作詞:TERU&TAKURO、作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治&DJ Mass MAD Izm
ドラマ『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』主題歌。2ヶ月連続配信。4月4日に『SUMMERDELICS』発売が告知されたため、今作は先行配信と銘打たれ、発売直前にはMVのショートサイズも公開されてリード曲として扱われた。前作と今作はDLサイトでは今も残っているが、STサイトでは単曲配信は削除されている模様。

TERUらしい若手バンドのような勢いとポップさに満ちた曲だが、DJ参加による打ち込みっぽいリズム感と壮大なストリングス、高らかなウォーウォーオーといい新たなるアンセムのような1曲。
★★★☆☆
14thアルバム『SUMMERDELICS
配信限定ベストアルバム『REVIEW 2.5』

55th WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~

B075VD6WVG B075VVFT18
2017年11月22日
『Ashes.EP』以来となるEPがタイトルに使用されたシングル。「あなたといきてゆく」のみが新曲で残りは再録やライブ音源で構成されている。今作ではCDジャケットと配信ジャケットが異なっており、配信ジャケットはCDジャケットに写っている後ろ姿の男女2人の写真のみを拡大したものとなっている。発売当日にこの後ろ姿の男性がタイアップ先ドラマ『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』主演の沢村一樹である事が公表された。

DVD付には「あなたといきてゆく」MV、アルバム『SUMMERDELICS』収録曲「シン・ゾンビ」「XYZ」「SUMMERDELICS」MV、ライブ映像4曲を収録。

あなたといきてゆく

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
ドラマ『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』主題歌。20年前からモチーフがあり、少しずつ書き足していって2016年にようやく形になり、2017年にようやくセッションに入り…と時間をかけて制作されたと語られている。ライブでも演奏していて『SUMMERDELICS』収録予定で完成していたが収録が見送られた。この時点で近い時期にシングル発売する予定だったのか、『SUMMERDELICS』には何故か作詞作曲編曲のクレジット付で今作の歌詞だけが別紙で1枚封入されていた。なお公式インタビューでは”春の『GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2016 “Supernova”』から演奏していた”という記述があるが、このツアーのセットリストに見当たらないし、そもそもこれは去年(2016)の春のツアーである。今年(2017)の春のツアーは『GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2017-Never Ending Supernova-』でこのツアーで演奏しているのでこれと間違えたのではないか。

90年代のGLAYを彷彿とさせる勝負バラード的な1曲。90年代ほどの強いインパクトはやはりないが、じっくり聞くといい曲で改めて今もGLAYはいいなと思える。個人的には「恋」「ROSY」「I LOVE YOUをさがしてる」辺りのバラードよりは遥かに好印象ではあった。
★★★☆☆
15thアルバム『NO DEMOCRACY

時計(再録)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
2013年の48thシングル3A面3曲目の再録音。ドラムが入らずバンド編成ではない曲だったのをツアーでやったというバンド編成でやり直したいわばバンドバージョン的な仕上がり。

わざわざ再録したのに後の『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』でTERUが選曲したのは原曲の方だったので、やはり原曲の方がいいと思ったのだろうか。この時のTERUは「すべて、愛だった-La vie d’une petite fille-」は原曲じゃなくてAcoustic Versionで選曲しているし。
★★★☆☆
再録バージョンアルバム未収録

Satellite of love(再録)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
2010年の10thアルバム『GLAY』収録曲の再録音。アレンジのクレジットが佐久間正英のままになっていて演奏もそのまま同じに聞こえる。TERUが当時のインタビューで“僕が録り直したいっていう気持ちがずっとあって。10年前の「Satellite of love」は“がむしゃらに歌ってるTERU”の声が入ってるんです。でもライブで歌う中で、歌い方が変化してきたので録り直した。”と個人的な希望で再録音した事が語られているのでボーカルだけリテイクしたっぽいが…。変化したという歌い方というのは分かりやすく違うわけではないのか、パッと聞き同じである。

ていうかTERUさん、しれっと10年前とか言ってるけど『GLAY』はこの時点で7年前なんですよ…。
★★★☆☆
再録バージョンアルバム未収録
10thアルバム『GLAY』(原曲)
アンソロジー『GLAY Anthology』(Demo)
アンソロジー『GLAY Anthology』(Jet the phantom mix)
アンソロジー『GLAY Anthology』(Live ver.)
ツアー「2010-2011 ROCK AROUND THE WORLD」パンフ付属CD『THE GREAT VACATION VOL.3 〜RATW edition〜』(Acoustic Ver.)
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4』(Acoustic Ver.)
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES』(原曲/アウトロ短い)

Joker(LIVE from VISUAL JAPAN SUMMIT 2016)

作詞作曲:hide
Xのカバー。1991年のアルバム『Jealousy』収録曲で後に『Standing Sex/Joker』として両A面2曲目でシングルカットもされた曲。ライブでのカバーをそのまま音源化。バラードが集まったEPなのに唐突に激しいライブ音源が入っていて場違い感が凄いが、再録音2曲がTERUの意向が強いのに対してTAKUROが入れたいと主張したらしい。

オリジナルに馴染みが無く、ロックナンバーだなぁという以外に印象が…。
★★★☆☆
アルバム未収録/スタジオ音源未発表

「SUMMERDELICS」reprise

アルバム『SUMMERDELICS』のダイジェストメドレー。今回アルバム直前にシングル発売が無かったので予告ダイジェストは無かったが、『Album「MUSIC LIFE」reprise』を踏襲してアルバム発売後のダイジェストは2作連続で用意された。ドラマタイアップのシングルだったのでアルバムを買ってないリスナー向けの需要はいつもよりあったのかもしれないが、『GLAY』以降続いていたアルバムダイジェスト収録は今作で終了となった。

買うほどではないライトなファンが手に取るレンタルCDが順調(GLAYならばどの店でも入荷されていた)な時期も終わりつつあり、シングルを手に取るのが購入者=コアファンだけになりつつあったのでそこに向けてダイジェスト出すよりYouTubeにダイジェスト流した方が遥かにプロモーションとして有効だもんな。

56th 愁いのPrisoner/YOUR SONG

B07J1QNN6V B07J22V2NF
2018年11月14日
1年ぶりのシングル。C/WにはLUNATIC FEST.2018と函館で2日間行われた野外ライブから5曲のライブ音源を収録。先着予約購入特典で「GLAY×HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3」のC/Wとは別の2曲のライブ映像を見る事ができるストリーミングカードが付属し、セブンネット限定盤では2曲のうちの1曲が異なるという仕様だったが、ライブ自体が翌年3月に単独Blu-ray/DVDとして発売された。

DVD付には2曲のMVとLAでのMVメイキング、C/Wの3曲とは別の「LUNATIC FEST.2018」のライブ映像3曲を収録。

愁いのPrisoner

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
セブンイレブンタイアップ。タイアップの割には歌詞が暗めで、過去の終わった恋愛と時の流れを痛感する人生の渋み(?)を感じさせるような内容。曲自体は王道のTAKUROメインライターのGLAYであり、90年代のGLAYが年齢を重ねた現在という地続きにあるような安心安定の1曲といった印象。雰囲気はけっこう好印象なんだけど、盛り上がりそうなところで一定のトーンのまま進んでいくのでなかなか曲が残ってこない。
★★★☆☆
15thアルバム『NO DEMOCRACY

YOUR SONG

作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治&DJ Mass MAD Izm*
スペシャルオリンピックス日本公式応援ソング。華やかでハッピーで前向きなポジティブナンバー。「BLEEZE」以降のTERUの若手バンドみたいな爽やか前向きナンバー連発の中でも突き抜けてノリノリで明るく、発売時のインタビューでJIROが“とにかく明るい照彦”と形容し、小見出しになるほど(なお元ネタと思われる芸人はこの3年前に大ブレイクするも翌年の不倫報道で一気にシュリンクしていた時期だったのでちょっと例えが古くなってき)。今までのGLAYにはない突き抜けっぷりではあるが、それが王道TAKUROよりもキャッチーで残りやすいところではあった。

次回作『G4・Ⅴ-Democracy 2019-』ではMISIAとデュエットしたバージョンでも再度収録された。しかしとにかく明るすぎたのが仇となりアルバムに入れると著しく浮いてしまうという事なのか、何故かアルバム未収録となってしまった。
★★★★☆
アルバム未収録

C/W 彼女の“Modern…” feat.EXILE NESMITH (from LUNATIC FEST. 2018)

作詞作曲:TAKURO
3rdシングル。2018年6月23,24日に幕張メッセで開催されたLUNA SEA主催のフェスにGLAYは23日に出演。EXILE NESMITHをゲストボーカルに迎えてのライブ音源。この日は他にも出演者をゲストの招いていたが、ネスミスは出演者ではなく遊びに来ていただけだったが命令で無理矢理出すことに決めたとTERUが冒頭で冗談交じりに語っている。同日「BELOVED」にゲスト出演したEXILE TAKAHIROはHISASHIも所属するACE OF SPADESのボーカルとして出演していた。

ただ本当にその場で急に呼ばれて歌ったわけではなくある程度練習はしたのか、プロのシンガーとして乗り切ったのか、何の違和感もなくTERUとのツインボーカルとなっている。1981年生まれのネスミスは世代的に『REVIEW』直撃世代(『DRIVE』の頃は『ASAYAN』に出てCHEMISTRYが誕生したオーディションで仮デビューして落選した頃)なので曲自体はたぶん知ってはいたと思われる。
★★★☆☆

C/W 誘惑 feat.SUGIZO (from LUNATIC FEST. 2018)

13thシングル。同ライブから主催者LUNA SEAのSUGIZOがゲストギターとして参加したライブ音源。歌と違って映像が無いとどのギターが誰なのかは演奏が分かる人にしか分からない…。
★★★☆☆

C/W FATE (from LUNATIC FEST. 2018)

作詞:RYUICHI、作曲:SUGIZO
LUNA SEAの1stアルバム『LUNA SEA』1曲目のカバー。同ライブでカバーしたライブ音源。LUNA SEAは2ndアルバムまでは個人表記、3rd以降は全曲バンド名義でクレジットしており、ベスト盤収録時は初期の曲でもバンド名義になるが、今作では個人名でクレジットされている。オリジナルを尊重したアレンジだが、TERUが歌えばGLAYの曲に。
★★★☆☆

C/W 君が見つめた海 (from GLAY×HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3)

2001年の6thアルバム『ONE LOVE』収録曲。2018年8月25,26日に函館緑の島特設ステージで開催された函館史上最大規模とされる2日間で5万人を動員した野外ライブでのライブ音源。この曲が演奏されたのは26日公演の1曲目。

CメロでのTAKUROの熱唱がスタジオ音源ではなんか違う声が歌っている程度だったのが、より熱唱していてハッキリしているのが聞きどころか。
★★★☆☆

C/W YOUR SONG (from GLAY×HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3)

今作リリースに先駆けて先行披露されていたライブ音源。こちらは両日演奏されていてどちらなのかは不明。
★★★☆☆

元号

2019年4月26日(配信)
4月2日の「はじまりのうた(TV SizeVer.)」と立て続けに配信されたためか、配信ジャケ写が色違いとなっている。公式ディスコグラフィーには引き続き非掲載となったが、この2年前の「XYZ」「the other end of the globe」と異なり、今作はSTサイトでも単曲配信されている

平成が終わり、5月1日から令和に元号が変わるタイミングで配信された。”令和”が発表されたのが4月1日で今作には令和は盛り込まれておらず、それ以前に制作されていた曲となる。なおゴールデンボンバーは”令和”発表前に曲をほぼ完成させ、”令和”だと発表された直後から新元号用に空けておいた部分に”令和”を当てはめて最速で「令和」という曲を発表していたので、そのままやっても二番煎じになってしまうところでもあった。

今作は昭和64年から平成31年まで、新元号ではなく平成という時代を改めて振り返って思いを馳せつつも新たな元号を生きていこう(超訳)という内容。どこか昭和から引き継いだようなフォークチックなメロディーと平成という時代で発展完成された感のあるJ-POPのロックサウンドで聞かせるまさに平成の集大成といった装い。
★★★★☆
15thアルバム『NO DEMOCRACY

57th G4・Ⅴ-Democracy 2019-

B07S677VFL B07S877GZL
2019年7月2日
5作目となる『G4』シリーズとなったが、これまでとはまたフォーマットが変更された。サブタイトルは2作目同様の曲名ではないサブタイトルとなっている。また2~4の基本ルールだったメンバーそれぞれの作曲ではなくなり、TAKURO1曲とTERUが3曲となり、このうちTERUの1曲「YOUR SONG feat. MISIA」は前作のリメイクとなっていて新曲ではない。全てTAKUROだった1作目同様に全4曲である1点のみが貫かれている。

DVD付には「JUST FINE」「COLORS」のMV、ハワイでのメイキング映像を収録。

前作「愁いのPrisoner」に続いて「JUST FINE」でセブンイレブンタイアップが継続していて今作はセブンネットで特典があるだけでなく、なんと別形態『G4・Ⅶ-Eleven-』を発売。いきなりナンバリングが6を飛ばして7になってしまったが、これはサブタイトルと合わせてセブンイレブンというギャグであった。この『G4・Ⅶ-Eleven-』は公式ディスコグラフィーでも別作品として扱われており、CDには「JUST FINE」と「愁いのPrisoner(ピアノ&ストリングスVer.)」の2曲のみ+DVDに「JUST FINE」「愁いのPrisoner」MV、DEMOCRACY MOVIE、2009年と2005年の過去ライブ映像2曲を収録。「JUST FINE」以外は共通点が無く、2曲しか無いので『G4』ですらないという…。

JUST FINE

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
セブンイレブンタイアップ。連続してのタイアップとなったが、一転して今度は歌詞にあまり意味が無い感じで夏らしい明るいナンバー。昔のGLAYの曲をあえて意識したとも語られているが、古き良きロックスター的な世界観というか…TAKUROのシングル曲であまり歌詞に重みを乗せてこないのは珍しい。夏の時期のセブンイレブンのタイアップなら今作は確かに正解だなという感じはする。
★★★☆☆
15thアルバム『NO DEMOCRACY

はじまりのうた

作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治&村山☆潤
アニメ『ダイヤのA act Ⅱ』OP。アニメ3期の前半として1期後半、2期前半後半に続いて4連続起用となった。1期『ダイヤのA』→2期『ダイヤのA-SECOND SEASON-』→3期『ダイヤのA act Ⅱ』と、3期なのにⅢではなくactⅡとなっている。今作に先駆けて4月2日に1分半のTV SizeVer.を配信しており、現在も単曲配信されていて聞く事ができる。

これまでを踏襲した爽やかポップな“とにかく明るい照彦”的なポップナンバー。ただこれまでのような若手バンドが書きそうな曲から若手バンドと呼ばれて数年経過して少し成長してきたけどまだまだ若いくらいな経年変化は生じてきている気はする。40代で20代みたいな成長曲線を見せるのも凄い。

なお『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECTでは何故か「BLEEZE」以降から前作までの自作曲を選ばず、今作と「COLORS」の2曲しか選曲しなかった。
★★★☆☆
15thアルバム『NO DEMOCRACY
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT

COLORS

作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治&村山☆潤
映画『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』主題歌。2017年にファイナルファンタジーシリーズ初の実写ドラマとして深夜枠で放送された連ドラをキャスト一新で再構築して映画化したもの。ドラマ版主題歌「the other end of the globe」もTERU曲(作詞はTAKUROと共作)だったが、引き続きTERUが担当した。

映画のストーリーはキャスト一新で連ドラ版をほぼ踏襲したものだったらしいが、ドラマ版主題歌の「the other end of the globe」も一応作品に合わせて書き下ろしたらしいんだけど、今作ではさらにストレートに父と子をテーマに置いた熱量のこもったバラードになっている。”とにかく明るい照彦”路線とは一線を画す父としての深みを感じさせる内容で、最初TAKUROの曲かと思った。TERU曲としては新たな進化を見せた1曲と言える。

ただメインライターとしてのTERUの急成長は今作が区切りになった感もある。この後は従来のバンドサウンドの枠に収まりきらなくなってきたのか積極的に新たなアレンジャーを呼び寄せるようになったり、この時期ほどには頻繁に発表されなくなった。
★★★☆☆
15thアルバム『NO DEMOCRACY
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT

YOUR SONG feat. MISIA

作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治&DJ Mass MAD Izm*
前作両A面2曲目のMISIAをゲストに迎えたバージョン。タイアップ表記もスペシャルオリンピックス日本公式応援ソングとそのままになっている。ボーカルがMISIAとの掛け合いになってコラボ感はあるものの、やるなら何故最初からやらなかったのか、1度単独で出した次のシングルでコラボバージョンという2連続収録になったのもかなり謎。GLAYとMISIAのコラボなんてもっと豪華コラボ扱いで、EXILE、氷室京介に続くGLAY×MISIA名義の単独シングルとしてリリースしましょうという流れになりそうなものだが…。

今作発売時は何故かインタビューにあまり応じなかったのか、公式サイトのインタビューでも今作のインタビューは上がらず、ほぼ毎回メンバー誰かのインタビューを掲載していたナタリーでも鬼龍院翔が今作を語るという不可思議な事態となっていたので真意が分からない。

2作連続で収録されてノリのいい曲でもあったので2018~2019年の曲の中では必然的に最も印象に残る曲になったのだが…どういうわけか続くアルバム『NO DEMOCRACY』では今作だけ未収録になってしまい、どちらのバージョンでも収録されず、『REVIEWⅡ』でも誰も選曲しなかったのでアルバム未収録のままになっている。連続収録したので満足してしまったのだろうか。どうしてこうなった。
★★★☆☆
アルバム未収録

反省ノ色ナシ

作詞:TAKURO、作曲:JIRO、編曲:GLAY&亀田誠治
From 15thアルバム『NO DEMOCRACY
1曲目「REIWADEMOCRACY」はTAKURO作のインスト曲で、実質アルバムのOPナンバー。シングル表題曲には結局「運命論」以外起用されておらず、『G4』シリーズでも1曲目を飾る事は無かったため、TAKUROがメインライターを降りようとしていたこの時期でもシングルにおいてはTERUやHISASHIの覚醒に押されて少し影が薄くなってしまっていたJIROだが、『MUSIC LIFE』では表題曲兼最終曲を、『SUMMERDELICS』では表題曲とアルバム最終曲両方を手掛けており、今作でも実質OPナンバーと3作連続でアルバムの重要曲を担当。いわばアルバムの顔となる1曲をJIROが連続して手掛けている。TAKUROの中ではJIROが書いてきた曲を受けてアルバムの方向性を決める事も続いているようで、TAKUROがメインライターに戻り、JIROの曲がアルバムに1,2曲あるかどうかという以前の形に戻ってきた中でもそのJIROの1曲が『Back To The Pop』の方向性を決めたりもしているらしい。

今作は曲自体は比較的淡々としているが、TAKUROが書いた皮肉全開な風刺的な歌詞のインパクトが強く、結果的にメロディーの良さも際立って新しい1曲に化けた感じがする。何せ元々のデモは”「SHUTTER SPEEDSのテーマ」やTHE PREDATORSでやってるような、2分半のポップなパンクソング”だったそうなのでJIRO本人も驚いたとか。いきなり“本日をもちまして いい人を辞めました”はインパクト絶大だ。中盤の秘書が全部やりました的な政治家のテンプレみたいなくだりで出てくる秘書が“元秘書の亀田”と亀田誠治から名前が使われているのがちょっと笑える。
★★★★☆
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』JIRO SELECT

BLACK MONEY

2019年11月22日(配信限定)
作詞:HISASHI&JIRO、作曲:JIRO
2014年の「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」で初披露2015年の20周年での東京ドーム公演でも演奏されるもそれっきりになっていた未発売曲で、11月9日からのツアー「GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25TH HOTEL GLAY THE SUITE ROOM」で約5年ぶりに披露されたタイミングでの発売となった。前述のライブBlu-ray/DVDで映像化及び特典CDでライブ音源もCD化されていたが、スタジオ音源は初公開となる。公式ディスコグラフィーにも掲載されているが、ニュースの時は前日に22日配信と告知していたのにディスコグラフィー掲載時にミスったまま放置されているようで何故か9日発売扱いになっている。

“ファンが期待を寄せるHISASHI vs JIROの構図を描いた楽曲”とされた激しめのパンクナンバーで、2人が交互に歌唱しているようだが、何を歌っているのかはイマイチ分からない。なんとなく音でロック対決(?)している感はある。サポートのToshi Nagaiのドラムを加えた3人編成の演奏でTERUとTAKUROはどうやら参加してないっぽい。『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECTの最後に収録されて初CD化となったが、この際も編曲クレジットの記載が無かったので編曲は不明。
★★★☆☆
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECT

コメント

タイトルとURLをコピーしました