Mr.Children 30周年シングル回顧5+~2011-2015~

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Mr.Children 30周年シングル回顧5+~2011-2015~

2011年3月の東日本大震災直後に復興支援の曲として「かぞえうた」を緊急レコーディングして配信で発表するもその後無力感からスランプに陥り曲が書けなくなったとされ、2011年のCD発売は無かった。2012年に久々のシングルを発売直後、20周年を迎えてベスト盤2作同時発売で2作ともミリオンを達成し、さらに年末には『[(an imitation)blood orange]』も発売するなど精力的な活動を行った。小林武史の存在感はかつてないほど高まり、最早明確なまでにギターが片隅に追いやられ、ピアノストリングスが前面に出続けるという異様な状態にまでコバチル化が進行していた。

2013年はまたしても配信シングル「REM」1曲のみの発表で新作が出ない年となったが、2014年になると大きな動きが生じた。小林武史が社長を務めていた事務所烏龍舎が分社化を発表。なんMr.Childrenは小林武史から離れて新たな事務所エンジンへ移動するという。エンジンを立ち上げたのはMr.Childrenのマネージャー谷口和弘だった。谷口氏は小林武史プロデュースではないナオト・インティライミを成功させており、この経験を生かして独立を考えて相談したところ、Mr.Children側が一緒にやろうと乗ってくれて谷口氏を選択したという。かつて小林武史の事実上のメンバー化を肯定する発言をしていた桜井もさすがにここまで来て何か思うところはあったのか、メンバーとしても小林武史を離れてやってみたい思いが芽生えていた事が伺える。

こうして分社化により小林武史はフェードアウトした。アルバム『REFLECTION』の制作途中だったためか、途中までは小林武史が参加していたようでこの時期の曲は小林武史の参加、不参加が混在している。当然ライブのサポートメンバーからも小林は離れ、かつてのサポートSUNNYが復帰。アルバム発売前に新曲をたくさん演奏する試みをしたいという事でFCツアーを開催し、その模様を映画『Mr.Children REFLECTION』として公開した。この映画や続くアルバム発売時では近年インタビューの場に全く出てこなくなっていて真意すら図れなくなってきていたメンバーも積極的に登場。特に窓際化していた田原さんが覚醒。『REFLECTION』というタイトルを考案したのが田原さんである事が明かされるばかりか、映画を締めくくったコメントも桜井ではなく田原さんによる「まだやりたいことはたくさんある」という意欲溢れる言葉だった。

セルフプロデュースに移行する事に伴い、メンバー3人の意識が大きく変わったのは確かで、こうしてロックバンドたるMr.Childrenが生還した。

ただストリングスの使用に関しては小林武史が押し付けていたわけでもなく、桜井も割と好きなようでけっこう大量に入れがち、加えてタイアップ先の要望もあるとは思うがバラードが多くなりがちなため、結局タイアップで世に出る曲がストバラばかりという傾向は続き、熱心なファン以外にセルフプロデュースによる変化はあまり伝わらなかったともいえる。シングルヒットどころかシングルCDをあまり出さなくなり、引き続きCDを出せば売れはしていたものの(アイドル除けばトップ)単純にヒット曲らしいヒット曲として認知される曲が出せなくなってしまっていったところもある。

2022.5~6 2013年「Mr.Children 2005-2012 レビュー+」の2012部分を全面改訂+その後を新規追加。
5thベスト『Mr.Children 2001-2015』全曲に加えて全C/Wとアルバム曲の独自追加で構成。

34th 祈り~涙の軌道/End of the day/pieces

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12年4月18日
シングルCDとしては実に3年7ヶ月ぶりとなり、初の3曲A面シングル。『四次元 Four Dimensions』と違い、そのまま3曲がタイトル表記されている。「祈り~涙の軌道」しかMVは制作されず、TV出演も「祈り~涙の軌道」で、唯一『僕らの音楽』出演時のみ「End of the day」を披露、「pieces」は披露しなかった模様。

『四次元 Four Dimensions』を踏襲したスリーブケースに厚紙+トレイのCDケース収納だが、今回はCDケースにブックレットを収納する仕様。また桜井の今作の単独インタビューを掲載した折り畳み用紙が別途封入されている。桜井単独インタビューであった上、「祈り~涙の軌道」MVも桜井のみが歌唱していてメンバー3人は参加していないが、様々な人々がコラージュされたジャケット写真の素材の1つとしてメンバー4人も紛れ込んでいて表に桜井・田原、裏に中川・鈴木の写真が1枚ずつ使用されている。だが田原のみほぼ後頭部となっていて顔が確認できない状態に…。またスリーブと中のCDケースで使用されている写真は異なるがこのメンバー4人の写真のみ使いまわしとなっていてスリーブも中のケースも同じ。

売上はついに30万枚を下回り、ブレイク前初期3シングル以外を全て下回る事態となった。しかし2012年に単独1種発売のシングルで30万近く売ること自体が驚異的な事であり、O社年間チャート23位ではあったがこれより上は全て秋元系かジャニーズ、これより下にもBUMP OF CHICKEN、B’zが20万枚に迫っている以外はひたすら秋元系、ジャニーズ、K-POP、LDH系という状態だったため、バンド勢ではダントツトップであった。

祈り~涙の軌道

生田斗真、吉高由里子主演の2部作映画『僕等がいた』前篇主題歌。3月、4月に前後篇が連続公開され、前篇に「祈り~涙の軌道」、後篇に「pieces」が主題歌として起用され、シングル発売は後篇公開直前の発売で合わせていたため、今作は前篇公開からはほぼ1ヶ月経過しての発売となった。

これぞミスチルな王道の良メロが炸裂する王道ストバラだが、田原さんのみほぼ後頭部のジャケ写を象徴するようにギターがさらに退いてしまいピアノストリングスはグイグイとバンドを喰って鳴り響くというコバチル全開バラード。00年代後半から小林武史が最近おかしいのではないかという危惧がどんどん大きくなっていく状態だったが行き着くところまで行き着いてこれはもうかなりまずい…というか手遅れなのではないかと感じた。例えば「君が好き」「Sign」頃からのバラードと大差ないじゃないかと思うかもしれないが、実際に『[(an imitation)blood orange]』期の曲を聞いた直後に同じ感覚のまま「君が好き」「Sign」など00年代半ば頃までのストリングスも入っているバラードを聞けばギターが絞られてピアノストリングスの存在感が増している状態になってきているのを体感できる。「抱きしめたい」なんか全然そんな印象無かったのに今作を聞いた後だとけっこうなロックバラードに聞こえるほどギターが前で鳴っていた事に気づく。

震災で曲が書けなくなり、タイアップ話をもらってこれをきっかけに浮かぶのではないかと考えたが段々焦りを感じるほど一向に浮かばず、それでも最終的にはしっかりと曲が生まれ、安定王道の良メロだったというのはさすが。最初から既に聞いた事があるような雰囲気でそれはストレートにマンネリという事だったんだろうけどマンネリ上等な良さというのもあるにはある。

しかしこのギタリストだけ顔が判別できないジャケ写という状態でMVもボーカル1人が熱唱しているというのは悪手だよなぁ…。『SENSE』の頃のノーインタビューに比べれば応じるようになったとはいえインタビューも桜井単独ばかりでメンバー3人がこの時期の自分たちの存在意義やグイグイピアノで入り込んでくる小林武史を本当のところどう思い始めていたのかは気になる。この後に実際に行動に移したことを考えればこの少し前までは考えていなくてもさすがにこのままでいいのかという思いを抱き始めていたとは思うんだけど…。
★★★☆☆
17thアルバム『[(an imitation)blood orange]
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

End of the day

3曲の中で唯一ノンタイアップ。「祈り~涙の軌道」「pieces」という同じ映画タイアップのバラードの2曲があってそのシングルに入れるもう1曲という前提から制作されたため系統を変えた明るいアップテンポナンバー。3曲のバランスを取る役割も果たしている。「名もなき詩」のイメージも少しあったようだけど、同じくアコーディオンのような音色を導入するなどピアノまみれだけじゃないカラフルさを見せているのも特徴でこの時期の曲の中ではかつての小林武史とMr.Childrenの姿が見える方の1曲。ただ相変わらずギターの存在感は薄く、聞こえなくはないがやはり小さい。今作ではベースドラムは比較的躍動してここぞとばかりに存在感を示しているだけに田原さんだけやはりジャケ写イメージのほぼ後頭部で顔が見えない(?)感じなのが残念。

これまた「名もなき詩」同様に歌詞に放送禁止用語”乞食”が登場しているため、この部分をハーモニカの音色に差し替えたラジオ用の音源が存在するほか、確かカラオケでも”××”表示になって消されているのを見た記憶がある。「名もなき詩」当時よりもコンプラ厳しくなっている世の中で何故こんなところだけロックに攻め込むのかは謎。表現者として譲れない部分があるのだろうか。
★★★★☆
17thアルバム『[(an imitation)blood orange]
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

pieces

映画『僕等がいた』後篇主題歌。「祈り~涙の軌跡」よりはバンド感のあるミディアムバラード。名曲風なんだけど”風”であって名曲ではなかったというか。さっぱり覚えられず、なかなかどんな曲だったのか思い出せない状態が数年以上続いてどうにも定着しなかった。配信を除くCDシングルA面で1番印象が薄い曲かも。どうも6分半もあるがそんなにドラマティックな展開も無くダラダラと長いだけでまだ終わらないのかという気分になってくるのが原因か。C/Wなら力作ではあるけどシングルA面には弱く「少年」に近い感じのアルバム曲程度なイメージ。

映画サイドに提出した後に手直ししたので映画主題歌として使用されている音源とCD音源は違う事が封入のインタビューで明言されていたが、『[(an imitation)blood orange]』収録時にも若干の変更を施しているとされている。ただ正直何が違うのか良く分からず、今回過去曲回顧で取り上げるにあたって全CDを聞き直す中で改めてシングル、アルバム、ベストの3音源を聞き比べし、バンドインする部分を集中的に聞いてみたところ、シングルが突出して音がド派手である事が判明。具体的にはシングルはドラムがかなり強めでドタドタ鳴っているが、アルバムではドラムが抑えられたので必然的にギターやベースがもう少しちゃんと聞こえる。バージョン違いというよりミックス変更だろうか。ベスト盤もアルバム音源に準じている(リマスター効果かもう少し繊細で綺麗)ので恐らく同じ音源と思われ、そうなるとシングルバージョンはシングルのみのままということになるようだ。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
17thアルバム『[(an imitation)blood orange]』(表記は無いがミックス変更?)
5thベスト『Mr.Children 2011-2015』(『[(an imitation)blood orange]』Ver.)

From 17thアルバム『[(an imitation)blood orange]』

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12年11月28日
20周年ベスト『Mr.Children 2001-2005』『Mr.Children 2005-2010』を5月にリリースしていたが、オリジナルアルバムも同じ年に発売。ベスト盤のミリオンには及ばなかったものの初動だけで50万枚は突破、累計では80万に届かない程度となったが、収録曲のタイアップ攻勢もあって『SENSE』とほぼ同等(やや低い)の売上をキープした。

初回盤はMVを収録したDVD付。スリーブ+オレンジカラーケース仕様。蛍光オレンジの特注プラケースとはいえ、プラケース自体は『I♥U』以来となる。ブックレットの最後の方にある全身オレンジ(インク)まみれになったメンバー4人というシュールすぎる写真に絶句する者、爆笑する者、気づかない者がいたとか…いないとか…。

hypnosis

12年8月29日(着うたフル)
7月に着うた、8月に着うたフルで配信されたがまたしても着うた限定配信に戻ってしまい、PC配信はされなかった。何故かまともなジャケ写を制作せずただタイトルが書いてあるだけという手抜き仕様だったため、現在の公式ディスコグラフィーでもジャケ写非掲載となってしまっている始末。また例によって現在単曲での配信は事実上終了していて、『[(an imitation)blood orange]』収録曲として配信されている。年末の『[(an imitation)blood orange]』リード曲としての扱いの方が大きく、配信当時のTV出演は無く、アルバム発売時の歌番組で何度か披露された。

井上真央主演ドラマ『トッカン-特別国税徴収官-』主題歌。夏クールのドラマで放送後半の時期に配信開始されていた。コバチル極まるクライマックス的超大バラード。冒頭から壮大なストリングスが鳴り響くが演奏自体はけっこうエモーショナルで攻撃的な部分もあるロックバラードでもある。エレキギターがけっこう攻めた感じで重く鳴らしているのに左奥でバッチリ音量を絞られてしまっていて文字通り窓際ギターなのが残念。これがもう少し前に出てピアノストリングスを少し引っ込めるだけでかなり印象が大きく変わると思うんだけど、この3年後の小林武史はback numberプロデュース時にメンバーに対してギターで音の壁を作りたくないという世紀の迷言を放ったほどでどうしようもなかった。

Bメロで限界突破気味の高音を叫び、サビになると低いがそれでもサビ後半はまた限界突破の高音を叫ぶという高低差の凄まじい難曲だがその分だけドラマティックでもある。大げさすぎるピアノストリングスにはげんなりするが、夢と現実の狭間を行き来するような歌詞やメロディーは非常に強く、最終的にはけっこう好きな曲になった。個人的にコバチルバラードの最高傑作。どこか誰もが内に秘めている狂気や願望が表出しているかのような…。『[(an imitation)blood orange]』はこの曲ばかり聞く事が多かったが、あまりにクライマックス過ぎてこの先を聞く気がしなくなるという弊害もある。…いやこれ1曲目なんだけど。そしてベスト盤でもまた1曲目なんだけど。ベスト盤ではリマスター効果か、音圧が抑えられた影響で最前面のド派手なストリングスも引っ込んで聞こえるようになり、控えめだったギターがその分だけもう少し聞こえるようになった気がする。もっと大胆にストリングス下げのギター上げのリミックスで1度聞いてみたい。

MVでは暗闇からどんどん真っ白に明るくなっていく演奏シーンメインの映像で『[(an imitation)blood orange]』収録の4作のMVで唯一メンバー全員が出演。小林武史はライブ映像以外でMVの演奏に出てこないという謎ルールをレコーディングでもライブでも桜井に続く第2のメンバー状態になっていたこの時期でさえ頑なに守っていたのでこれだけピアノまみれなのにピアノ奏者だけいなくて異様な数の大ストリングス隊だけしっかりいるのが圧巻。
★★★★★
17thアルバム『[(an imitation)blood orange]
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

Marshmallow day

資生堂「MAQuillAGE」CMソング。ストリングスだけでなくブラスアレンジが冴え渡るとびきりポップな1曲。かつての小林武史は弦だけの人ではなく、管弦アレンジを含めて曲に合わせてバランス良く仕立てあげるポップス職人であった。そもそも四家卯大よりも山本拓夫の方が付き合いが長く出番も多かったが、この頃にはすっかり四家卯大四家卯大四家卯大四家卯大また四家卯大となってしまっていて、今作のサックス演奏には山本拓夫らいつものブラス隊が演奏参加しているものの前作まではブラスアレンジは小林武史と山本拓夫の共同アレンジだったのがこのアルバムでは山本拓夫は演奏で呼ばれているだけに格下げOrchestration Arranged by 小林武史&四家卯大(Strings & Brass on trks.1,2,3,4,5,10,11)というクレジットになってしまっていて何故か専門外のブラスにまで四家卯大であった(ブラス入ってない曲まで一括してクレジットされちゃってるけどベスト盤でも同様の表記になっている)。さすがにこれは癒着っぷりが末期レベル。

とはいえシングルやリード曲でストリングスではなくブラスアレンジを前面に出して生かすのは久々。全体の中ではそんなに好きな曲でもないが『[(an imitation)blood orange]』の中ではバラードばかりなだけにかなり輝きを放ったポップチューンだと思う。相変わらず元気のない埋もれギターに対してベースが意外と躍動して聞こえる印象。いくつかのTV出演では歌っていたがMステの年末スーパーライブでは何故か「常套句」で…。

サビに合わせてMVはチューインガムをにこやかに膨らませるという内容だったが、メンバー出演は桜井のみ。鈴木はともかく田原・中川の2人が笑顔でチューインガムをにこやかに膨らませている姿は想像できないので出演NGだったのだろうか。
★★★☆☆
17thアルバム『[(an imitation)blood orange]
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

常套句

ドラマ『遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~』主題歌。20代終盤を迎えていたフリーターの生田斗真が四万十市役所の地域おこし協力隊(臨時職員)として四万十に移住して地域住人や現地の様々な人生の岐路にいる同世代(真木よう子、桐谷健太、香椎由宇、柄本佑、木村文乃、国仲涼子)と交流を深めていくアラサーの人生の岐路の群像劇みたいなドラマだったが大自然の風景や同世代の葛藤を描いた内容はなかなか面白かった。今作は主題歌という扱いではあるが実際にはエンディング付近のBGM、挿入歌として流れているというもので、OPは主要キャスト全員で歌うMONGOL800の「あなたに」のカバーが専用映像でかかっていたので主題歌の印象は完全に喰われていたのが正直なところ。毎回エンディング付近でなんか“君にあいた~い、君にあいた~い”ってピアノバラードがかかってんなくらいの印象だった。

ドラマで最初に聞いた時はまた田原さんがいなくてがっかりしたがメロディーはキレッキレだったと思う。『Q』に入っていたら「つよがり」以上の、『シフクノオト』辺りまでのアルバムに入っていたら人気名バラード扱いされていただろうけど、この時期にこれはまたか…を飛び越えてもういい加減にしてくれコバチル…という感じになってしまった。Bank Bandのオリジナル曲的な意識で聞けば普通にいい曲。

TV出演では「hypnosis」と並んでそこそこ披露されていたが、ただでさえトークでも田原中川が置物のように動かないのに、演奏でまで置物のようにマジで等身大パネル置いておいても変わらないような目も開いているんだか寝ているんだかのような状態で置いてある田原さんが妙に印象的だった。試合中の安西先生か。MVも線画アニメーションだったのでますますバンドの影が…。
★★★☆☆
17thアルバム『[(an imitation)blood orange]
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

かぞえうた

11年4月4日(着うた、iTunes限定)
3作目の配信シングル。東日本大震災後に最初に発表された曲で収益金は震災支援のためにap bankが行う「ap bank Fund for Japan」へ寄付された。前2作同様に着うた限定配信に加えて翌5日にはiTunes Store限定で初のPC配信も行われた。ベスト盤に選曲されなかったシングルとしては「マシンガンをぶっ放せ」「I’LL BE」「ヨーイドン」に続く4曲目となったが、同時に2011年唯一の新曲であったため、『Mr.Children 2011-2015』は事実上2012-2015となっている。

例によって現在は事実上単曲シングルとしての配信は終了しているようで単曲では出てこない。『[(an imitation) blood orange]』収録曲としてのみ配信されている。なお配信後もツアーでは演奏していたが、新曲が書けない状態に陥ったとされ、1年ほど新作が途絶えたためアルバム収録で初CD化となったのは12年末になってからだった。

歌詞は全てひらがな表記、明確なサビが無く徐々にバンドサウンドが盛り上がっていくが、震災直後でなるべく速やかにコバチルメンバー5人メンバー&小林武史で制作したためかストリングスを使ってない。バックで薄く鳴っているキーボードとバンドだけでも十分伝わる曲だったとは思うが演奏者小林武史によるピアノまみれっぷりは変わらず…。といった感じで静かな希望を感じられるあの時確かに必要とされているような曲ではあったのかもしれないが、『[(an imitation) blood orange]』で聞いた時は正直地味な曲だし、ただでさえピアノまみれバラードまみれのアルバムをさらにまみれさせるような感じで無理にアルバム収録しなくても良かったと思う。
★★★☆☆
17thアルバム『[(an imitation)blood orange]

Happy Song

フジ系『めざましテレビ』2012年度テーマ曲(4月から翌年3月末まで1年きっちり使用)。森高千里やTUBEの過去曲回顧で『めざましテレビ』に触れているがこの頃にはとっくに1秒も見なくなってしまっていたので朝の曲としては全く馴染みは無い。実にコバチルらしいピアノ、ストリングス、ブラス全開な(バンドは?)タイトル通りにハッピーなソングであるとは思うんだけど、朝というよりライブの大団円とかハッピーエンドなイメージの方が強い。朝っぽいミスチルの曲ってもっと他にあったと思うけど(筆頭は「Wake me up!」)、タイアップで王道を外すというか予想通りに行きたくないとかもっと越えたテーマを込めたくなってしまうのかもしれない(いわゆるGIFT現象)。
★★★☆☆
17thアルバム『[(an imitation)blood orange]

35th 足音~Be Strong

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14年11月19日
2013年の配信シングル「REM」、半年前の「放たれる」を経てシングルCDとしては2年半ぶり。半年前の配信シングル「放たれる」がC/Wとして収録された。今作のクレジットでプロデュースがセルフとなり小林武史の名前が外れている事が判明し、多くのリスナーの間で衝撃が走る事態となった。同年、小林武史が社長となっている所属事務所烏龍舎が分社化を発表し、小林武史や御用達ストリングスアレンジャー四家卯大らは株式会社OORONG-SHA、Mr.Childrenはマネージャーだった谷口和弘が社長となった株式会社エンジンと所属事務所が分かれた。谷口氏はナオト・インティライミも手掛けて成功に導いた手腕が買われていたようだが独立する際にはミスチルもついてくるとは思っていなかったとも振り返っており、メンバー間での谷口氏への信頼と小林武史を離れてやっていきたいという思いがあった事が伺える。

この分社化によってそのまま小林武史がプロデュースからもフェードアウトしたものと思われるが、長期にわたるアルバム制作中だったため、『REFLECTION』期における小林武史の参加パターンは3種ある。

1.Produced by Mr.Children&小林武史、Keyboards:小林武史(これまで同様)
2.Produced by Mr.Children、Keyboards:小林武史(演奏参加のみ)
3.Produced by Mr.Children

今作においては「足音~Be Strong」が3に該当し、C/W2曲は1に該当、この2曲には小林武史のプロデュース表記がこれまで同様にある。

スリーブケース+デジパック仕様だがデジパックが3面仕様のため『四次元 Four Dimensions』『祈り~涙の軌道/End of the day/pieces』よりも厚みのあるデザイン。

既にジャニーズと48がひしめいてとっかえひっかえで何十万もの初動で1位となっている状態だったためリリースタイミングがほぼ無く、Sexy Zoneとぶつかり大差で初登場2位となり、『innocent world』から続いていた1位記録が30作連続で終了した。Sexy Zoneが初回盤4種、通常盤、Sexy Zone Shop盤3種、ミュージックカード12種という大量発売を行っていて初動30万枚を突破したため賛否を呼ぶ事態となったが既にO社チャートはそういうものになっていた。なおSexy Zoneの前後のシングルは初動10万ちょいとなっており、ミュージックカード12種が20万近い底上げに寄与したものと思われ、ミュージックカード商法で確実に1位を獲りにいっていた事もまた確実だろう。今作の初動だとSexy Zoneの前作でも及ばなかったが、次回作とぶつかっていれば今作の方が初動は高かったくらいの拮抗した状態だった。また3週前であれば低レベルだったのでDream 5+ブリー隊長の唯一の1位を押しのけ、4週前でもV6を押しのけての1位獲得が可能ではあった(あと4週後でも可)。

足音~Be Strong

Produced by Mr.Children、Orchestration Arranged by 桜井和寿&四家卯大
フジテレビ月9ドラマ&映画『信長協奏曲』主題歌。現代から戦国時代に突如タイムスリップした高校生(小栗旬)が顔がそっくりな織田信長(小栗旬の二役)に頼まれて織田信長として生きていく、織田信長の本能寺の変すら知らないほど歴史を知らなかったが彼が起こす行動は概ね史実通りの運命を歩んでいくというストーリー。小栗旬は31歳にして高校生からアラフィフまでを演じる事となったが加齢はあまり意識されておらず老けメイク等も特になく、ラストシーンでは50代のはずがとてもそうは見えず曖昧にぼかされていた。本物の信長はやがて明智光秀を名乗って信長を支えていくというのが原作漫画の肝で、原作では2人が信頼し合っており、特に本物信長(明智光秀)は主人公が未来から来た(遠いところから来た)事を他の未来人と主人公の会話を聞いて察した後もより絶対的な信頼を置いて支えると決心しており、逆にどうやって本能寺の変に至るのだろうというくらい「信長協奏曲」しているが、何故かこのドラマでは成功をねたんで信長の座を取り返そうとして信長を恨んでいる豊臣秀吉にそそのかされて2人で暗躍しようとするストーリーに改変されておりこれではどこが「信長協奏曲」なのか、「信長不協和音」であった。原作は完結していないどころか2022年にようやく完結するそうだがそれより8年も前のこのドラマでは映画化を発表、信長の終点である「本能寺の変」を基にした映画版が2年後の2016年(原作完結6年前)に完全オリジナルで公開されて完結、この際も主題歌は据え置きだった。

ドラマと合っていたのかは微妙だったが、なんだかんだ印象的にはかかっていたのでタイアップ先と密接して記憶しているという意味では早くも最後の曲だったりもする。加えて小林武史を離れたMr.Childrenの新たな1歩、力強い1歩としての印象が強い。正直今作はパッと聞きいつも通りの王道ミスチル、王道なストリングスではあるが、バンドサウンドの力強さが強調されているのが大きな違い。それでも00年代半ば頃までと並べると明確な違いを感じるのは難しいが、直近のコバチルアレンジからの流れで聞くと確かに4人組バンドMr.Childrenが生還したように感じられる。

サビ終わりのイェヘッヘッ♪が妙にインパクトがあり、イェヘッヘッがキャッチーさを高めているだとかイェヘッヘッ無しではこの曲の魅力は半減するというイェヘッヘッ♪最強説も…(?)

当時の印象としてはやはりバンドが生還した事に確かな「足音」を感じる一方ででも直近が正直酷かった、おかしかっただけだからなぁ…という感じもあった。何よりまたミディアム~バラード系かというのはあって、世間的にはいつものミスチル以上でも以下でもなかったのかもしれない。ただ映画『REFLECTION』の様子から次のアルバムへの期待は高まっていくような状態にあり、なんだかんだ思い出深い1曲にはなった。

なお今作では小林武史不参加で小林武史に代わって桜井が四家卯大とストリングスアレンジ(表記上は派手さを増した『SUPERMARKET FANTASY』以降Orchestration表記に変わっている)を担当。四家卯大が関わっているのがいつものストリングス感を高めているところはあると思う。元々小林武史が一方的にストリングスを押し付けていたわけではなく、桜井もかなりストリングスに傾倒しているようでセルフ以後様々なアレンジャーと組んでストリングスアレンジを探求していく事となる。
★★★★☆
18thアルバム『REFLECTION
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

配信&C/W 放たれる

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14年5月24日
6作目の配信シングルで1年ぶりの新曲。前作同様に各配信サイトでDL配信され、半年後のシングル『足音~Be Strong』C/WとしてCD化された。アルバム『REFLECTION』ではNakedのみの収録となりDripからDripされてしまったためUSB(Naked)のみで、アルバムCDに収録されていなかったがベスト盤収録によりアルバムCDにも収録された。PC本格配信開始は前作だったが何故か前作は消され、配信シングルは今作以降が単曲配信を継続している(サブスク解禁時何故か前作「REM」は消えた)。『足音~Be Strong』C/Wにも収録された今作が残され、前作が消されたというこの区切りが何なのかは不明だが、分社化のタイミングと関係があるのだろうか。配信シングルがシングルCDに収録された唯一のケースとなっていて単独シングルとして扱うか否か迷ったが順番的にも即CD化されていて前後しないのでいちいち分ける(配信シングル「放たれる」→35thシングル「足音~Be Strong」と別々にする)のではなく、変則的にこのように扱う。

映画『青天の霹靂』主題歌。前作「REM」が異例だっただけでやはり映画ドラマサイドが求めるのはコバチルバラードなのかというようなコバチルバラード。当時のシングル感想を依存コラだけで片づける始末だったがそれくらいガックリ来た作風だった。しかしまさか結果的に「放たれる」のが小林武史になるとは思わなかった。

冒頭の歌詞”閉じ込められていた気持ち”=ロックバンドとしてのメンバーの思いが静かに解き放たれれていき、最後の”今そっと放たれていく”とは小林武史との関係の事だったと捉え(強引すぎる解釈)さようならコバチルというのが今作の最大の印象になった。ラスコバラード(ラストコバチルバラード)を噛み締めよ!8年後まさかのカムバーーーック
★★★☆☆
18thアルバム『REFLECTION』(Nakedのみ)
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

C/W Melody

Orchestration Arranged by 小林武史&四家卯大、Brass Arranged by 小林武史&山本拓夫
コーセー「エスプリーク」CMソング。以前の小林武史プロデュース体制。管弦盛り盛りのキラキラポップ。「エソラ」のミディアムバージョンみたいな世界観でこういうポップ方面に振り切る場合はやはり衰えても小林武史の手腕はまだまださすがでセルフでやっても及ばないか難しい方向性だろうなと思う。衰えても…というのはやはりどこか盛りすぎな感は漂い初期よりもどことなく音が重い。発売時期とサウンドも相まってなんとなくクリスマスソングっぽいキラキラ感もあるが歌詞中では”クリスマスみたいに光る”となっているだけでクリスマスだとは言っていない

C/Wのままだったらけっこうな隠れ名曲だったところ、アルバムに思いっきり収録され、さらにはベスト盤にも収録されてしまいそんなに出てこなくても…という感じにはなってしまった。特にベスト盤だとミディアム~バラード続きな印象が加速してしまった感じがある。
★★★☆☆
18thアルバム『REFLECTION
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

From 18thアルバム『REFLECTION』その1

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15年6月4日
初回盤は初のUSBアルバムとして話題を呼んだ。収録された音源はハイレゾとMP3。CDには収録しきれないためNakedから9曲をカットしたDripがCDとして発売された(NakedにはDrip初回盤も一緒に収録)。新たな手法となることはなくUSB形態での発売は全く普及せずにこれっきりとなった。

USBのデザインに凝ってでかい三角形のデザインにしてしまったため、側面についているノートPCや外付けのUSBハブならまずもって大丈夫だが、デスクトップPCやコンポなど普通の小さい筒状のUSBしか想定していないUSBポートが少し奥まったところに配置されている環境ではこの三角のせいでUSBを挿す事が出来ないという重大な欠陥があり、挿せなくて困るリスナーが続出する事態となった。

REM

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13年5月29日
スマホの普及で着うた利用が一般的ではなくなり急速に廃れた事もあったと思われるが、5作目の配信シングルにしてようやく本格的なPC配信開始となり、各配信サイト普通にDL配信されるようになった。しかし後にDLサイトからは削除され現在は『REFLECTION』収録曲としてのみの配信となっている(Amazonではデータ上は一応残っているがDLのみでサブスクでは検索しても出てこない、このページから再生しようとすれば再生されるがアイコンがアルバムのものになっている)。ストリーミング配信含めて今作までの5作の配信シングルは公式サイトに掲載はされているものの単曲配信シングルとしては配信終了状態である。シングルとしての痕跡が公式サイトディスコグラフィーにしか無いので順番が前後するが『REFLECTION』収録曲として扱う。

2013年唯一の新曲。そのまま新作発売が途絶え、次回作「放たれる」が早急に『足音~Be Strong』に収録されて先にCD化を果たす中で『REFLECTION』発売までCD化されなかった。

映画『リアル~完全なる首長竜の日~』主題歌。映画のプロデューサー平野隆は「とにかくぶっ飛ばしてくれ!」とオーダー、「デモの段階で周りの人に聴いてもらったら、誰もMr.Childrenの曲だと気付かなかった」と言い、「Mr.Childrenといえばラブソング、日本一のバラードを歌うバンド、というイメージがあると思うけど、この曲は彼らがロックバンドであるということを知らしめる伝説的な一曲になると思います。「REM」は、Mr.Children史上、最も激しいロックであることはもちろん、日本のロックシーンでは聴いたことのないような曲。」とこれまでの他の映画プロデューサーよりも妙に力説したコメントを残し、主演の佐藤健も「こんなミスチル聴いたことない」、桜井本人も「この作品と出会えたことで潜在意識に眠っていた不思議な感情が「新たな音」となり目を覚ましました。」とコメントを残した。

映画サイドが定番バラードのコバチルではなく、ロックバンドMr.Childrenを求めてきたというのも手伝ったと思われる。今作ではシャウト連発のハードなサウンド(まああくまでミスチルの中ではであって本格的にやっているバンドと比べればなんちゃって感はあるのだとは思うが…)がガツンと炸裂。ミスチルのロックは死んでいなかった事を感じられる痛快な一撃となった。いくらなんでも極端すぎる振り切りっぷりだったがそれくらい『[(an imitation)blood orange]』の反動、さすがに賛否分かれた同作への反響が届いたりしていたのも大きかったのかもしれない。

小林武史がまだ普通に参加している中でこういうのをやりたいと踏み切ったのはここまでの流れからすれば大きな1歩だったと思うし、マネージャーの独立話から小林武史社長から離れてマネージャーの方についていくという決断に自然となっていったのも含めてロックバンドとしてのMr.Children復活へのきっかけになった1曲だったなと改めて思う。

しかしベスト盤では何故か「hypnosis」と「Marshmallow day」の間という謎な位置にぶっこまれた。さらに「祈り~涙の軌道」へと続いていくのでちょっと前後しすぎなのでは…。
★★★☆☆
18thアルバム『REFLECTION
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

忘れ得ぬ人

Produced by Mr.Children、Arranged by 森俊之、Orchestration Arranged by 森俊之
初の小林武史以外の外部アレンジャーによるアレンジ。『I ♥ U』で1度復活したものの『シフクノオト』で編曲表記が無くなり、『HOME』以降プロデュース表記とオーケストレーション、ストリングス、ブラスのアレンジ表記しかしなくなった。『REFLECTION』でもアレンジ表記は無かったが今作のみ別枠でArranged by 森俊之と表記された。その上でさらにOrchestration Arranged by 森俊之とも表記しているがプロデュースはMr.Children単独セルフ扱い。

初の小林武史ではないアレンジャーによる小林武史ではないピアノ&四家卯大ではないストリングスという事でピアノストリングスバラードでも今までとは違う可能性を探ったような1曲。まあ正直そんなに変わらない感じではあるんだけどこってり感は確かに無いかも。またデモを聞いた田原さんがライブで弾き語りすればいいじゃんと言ったとされ、CDではピアノメインでストリングスが入ってくるアレンジにしようとして森俊之に依頼、しかし森俊之は2番からバンドも入ってくるアレンジに仕上げてくれたという事らしい。小林武史だと本当にバンドを入れないか入れても最後のサビとか2番終了後の間奏とかまでピアノまみれにしていたと思うので新しくはあったのかもしれない。

歌詞が意味深であったため忘れ得ぬ人=小林武史、小林武史への複雑な思いを描いているのではないかとも言われ、なんとなくそんなふうに考えながら聞くと面白い。同じような解釈をしていたリスナーも少なくなかったのか当時のアー写の背景の空に少し去っていった人みたいにした薄くした小林武史が浮かんでいるように合成したコラ画像も出回っていたような…。
★★★☆☆
18thアルバム『REFLECTION
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

幻聴

Produced by Mr.Children&小林武史
Naked18曲目、Drip13曲目。Dripは全14曲の13曲目なのでクライマックスに近いポジションでこの曲はDripで聞いた時の方が印象的。この曲では普通に小林武史がプロデュースに入っているが、桜井のインタビューによれば”小林さんとせーのでやるときは、この「幻聴」が一番近い感じ”と言いながらも”今までの曲はそれに何かをつけ足していったんですけど、今回はデモに近いままの、シンプルに全部の骨格を見てもらえる曲に仕上がった”との事。確かに前作までだともっとキラキラ感を足したり、バンドを引っ込めて自分が前に出たりしていそうだが、バンド感がちゃんと出ている。というかおかしくなる前の小林武史のプロデュースワークに戻っただけとも言える。こういうやり方がまだ出来るのであれば小林武史が素晴らしいプロデューサーである事に変わりはないが前作までですっかり出来なくなっていたのも確かだ。

冒頭のやっと一息つけるけどまた走り出すというくだりはアルバム用の楽曲が揃ったという制作当時の心境が反映されているようだが、どこか1つゴールのようなものを決めて一息ついても人生は続いていくわけでまた走らなければならない、これは誰にも当てはまるような部分だと思う。全体にはファンとバンドとの関係を描いているようにも思える。

あと少し前に乃木坂46(当時)の山崎怜奈が自身のラジオでこの曲を書けたときに大好きな曲だと前述の冒頭の歌詞含めて熱弁していてイントロだけで泣けると言っていた。今作発売前の2月にようやく研究生扱いから正規メンバーになることができた時期だった事を考えると分かる気がした。あとあのくらいの世代ってもう意外とミスチル知らない子も多いのでそんなに有名曲でもないこの曲を好きって言っててちょっとうれしかった。
★★★★☆
18thアルバム『REFLECTION
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

進化論

Produced by Mr.Children
Naked17曲目、Drip12曲目。日本テレビ系『NEWS ZERO』テーマ曲。ベスト盤収録が意外だった曲の1つだが理由はタイアップか。正直まあまあいい曲くらいでそんなに聞く曲ではなかったが、そんなに盛らないアレンジが逆にいいなと思う。当初ストリングスを入れる構想だったのをバンドの音を聞いてこれでいいと決めたそうで、セルフになって3人のメンバーの意識がより向上した成果でもあったのかも。これもいい曲ではあるがバラードまみれのベスト盤の中ではちょっと地味な佇まいになってしまった感はある。

イントロではピアノがメインフレーズを演奏するも必要以上に目立たず最初はギターで始まったり、終始ピアノが目立とうとしていないところにもミスチルの帰還を感じられる。コバチル末期だったらイントロから平メロまでたぶん全部ピアノで埋め尽くしていただろう。
★★★☆☆
18thアルバム『REFLECTION
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

未完

Produced by Mr.Children、Orchestration Arranged by 桜井和寿&四家卯大
Nakedでは最後Dripでは最初という両極端な配置。四家卯大ストリングスが入っていて派手に盛り上がるものの、ギターを中心とした4人のロックサウンドを軸にしたテンションの高いナンバー。セルフプロデュースで始まったばかりの溢れんばかりの意欲でボーカルもシャウト気味でいつになくパッション全開。終盤で自由自由自由ゥゥゥゥ♪とか叫ぶように歌い倒すのは逆にそれまであんまり自由ではなかったのかとも思えてしまうくらいうれしがっているようにも聞こえてくる勢い。映画『Mr.Children REFLECTION』でも新曲として一際印象的だった。この時のライブ映像のみ『REFLECTION』初回盤DVDのドキュメントの最後にフル収録されている。テンション高く動き回る桜井、テンション高い鈴木、笑顔を見せる中川に対して田原さんは控えめだが楽しそうではありけっこうノッていらっしゃり、4人が4人ともイキイキとしている。なおNaked収録の写真集の最後の4人の笑顔全開の写真においても3人めっちゃ笑顔に対して田原さんだけ微笑なので全開スマイルをする御方ではないのだろう。

Nakedにおける印象としては次への期待がこんなに高まるアルバムはほとんど初めてだなと。REFLECTIONという言葉は田原さんの考案である事、映画『Mr.Children REFLECTION』ラストで「まだやりたいことはたくさんある」と意欲を語るのは桜井ではなく田原さんだったりとこないだまで窓際ギタリストでそのままいなくなってしまってもおかしくないほど(散々サポートメンバーに出番を奪われて窓際化して脱退したサザン大森氏の前例もあるし)で肉声を聞く事はおろかそのギターを聞こうにも片隅で鳴っている、TVに出れば置物…という状態だった田原さんが「まだやりたいことはたくさんある」と仰り、REFLECTIONを提案なさり、NHK『SONGS』のドキュメントでも頑張って自らの言葉でお話しされる…という覚醒っぷりである。期待せずにいられようか。
★★★★☆
18thアルバム『REFLECTION
5thベスト『Mr.Children 2011-2015

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