6th ラストチャンス

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6th ラストチャンス

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98年12月23日
当時猿岩石やドロンズのヒッチハイク企画で絶好調だった『進ぬ!電波少年』(日曜22時30分から30分)の派生番組として日曜の午前中で4月から始まっていた『雷波少年』の新企画「雷波少年系ラストチャンス」。がけっぷちのミュージシャンを番組プロデューサーが選定して“合宿生活3ヶ月の中で運命の1曲を作り、その曲がオリコン初登場20位以内に入らなければ即解散および音楽業界から足を洗う”という企画にSomething ELseが選ばれ、苦渋の末にメンバーも参加を決断。以後ほぼ毎週マンションの一室で軟禁状態で共同生活を送りながら曲作りを進めていくメンバーの様子が延々と放送された。『進ぬ!電波少年』は人気だったが所詮派生番組で日曜の午前中というそんなに視聴率が取れる時間帯でも無く、まだそこまで当たった企画が出ていたわけでもなかったが、この「雷波少年系ラストチャンス」は終盤にかけて大盛り上がりとなり、20位以内どころか楽勝で目標達成するほどの大ヒットとなった。

企画自体が運命の曲を選定して、実際に発売してO社ランキングの結果を待つというものでしかも年末に特番で煽り、年始に結果が判明するというスケジュールで締切がギリギリだったためか、今作のシングル盤は合宿中の番組素材写真のコラージュのみで構成され、新規で撮影されていない。また最終候補3曲の中から1曲に選ぶまでもギリギリだったためか歌詞カードは別紙で封入されているという急造感の漂うシングルになっている。一方でMV制作はしっかり行われ、合宿最終盤にメンバーが連れ出されて撮影された。結果的に大ヒットとなったため『CDTV』等でも雨の中3人で狭い台の上で歌っている映像が良く流れていた。

同週には産休により約1年休止していた安室奈美恵の復帰作「I HAVE NEVER SEEN」が発売されていたが当然目標は20位以内なので安室と張り合おうというつもりは全くなかったと思われる。年末年始特番で取り上げたいという番組の都合が1番だったと思うけど結果的に新譜がほとんどなくてある程度売れさえすれば他の新譜に邪魔されずにランクインしやすいタイミングではあった。

そんな中、いざ発表されるとまさかの初動20万突破で初登場2位。安室は33万で1位だったがなんと翌週には安室を逆転して1位(唯一)、翌週以降も初登場1位のMr.Children「光の射す方へ」に続く2位、初登場1位のDREAMS COME TRUE「朝がまた来る」に続く2位、2月1週目までトップ10に残り、最終的な累計は99.7万枚に達する大ヒットとなった。当時100位集計だったが100位でも2000枚、3000枚台は出ていたのでもう1週ランクインしていればミリオン、現在の200位集計なら確実に突破していたはず。またフルに99年の年間チャートで集計されたため、99年の年間チャートでも12位。図らずも週間チャートで目指した20位以内を年間チャートで達成してしまった。

ラストチャンス

作詞作曲:Something ELse、編曲:森俊之&Something ELse
当初は番組を見ていなかったか、たまたまTV付けたらなんかやってるレベルでしか把握していなかったので終盤まであまり熱心に見ていなかったが、終盤の盛り上がりに湧いてきた多くの視聴者同様にこれで終わってほしくないと思って当時購入を検討。しかし1週間ほど迷った結果、23日発売に対して元旦にスピッツの『99ep』と猿岩石の『My Revolution』と一緒にもらったばかりのお年玉で買ってきたので明らかに初登場週には間に合っていなかった(ダメじゃねーか)。2週目の1位に貢献した形。

他の候補2曲に比べても今作はラブソングのテイストにして覆い隠さずに直球ストレートでチャンスをくれ!と訴えかける魂の1曲。最後に賭ける想いが詰まった1曲でだからこそ強く響いたのだと思う。また当時は彼らの姿に胸を打たれたリスナーでもいずれ岐路に立たされた時に自分に返ってくる応援歌として響いた人も多かったんじゃないだろうか。え?その前に一過性のブームで盛り上がっただけだからすぐに忘れた?

マンションの一室に軟禁状態で共同生活を送りながら制作している様子が長く放映されていたので、環境的には貧乏生活感、ハンドメイド感が漂っていたが、製作費はそれなりにかけていたようで、レコーディング時は当然部屋ではなくちゃんとスタジオを押さえて、しかもこれ以前のアレンジャーではなく新たに森俊之を召喚してきちんとアレンジ作業も行われている。色々な都合上、さすがにスタジオでじっくり時間をかけたり、バンドメンバーをそろえて生バンドで録音したりする余裕は無かったと思われるが、アコースティックサウンドを生かしつつちゃんとアレンジされた1曲としてまとまっている。何よりこれまでほとんどサビ部分でアーアーアーアーと薄めに聞こえるだけだった今井・伊藤のコーラスがグッと前に出てきて3人で歌っている感がこれまでより格段に出ているのも良い。

結果的には他の候補2曲でも20位以内はクリアできていたと思うけど、これ以上ない最上の運命の1曲、ラストチャンスだったと思う。
★★★★☆
ミニベスト『502
1stベスト『TICKET
2ndベスト『ゴールデン☆ベスト Something ELse
大久保伸隆ソロ3rdアルバム『progress』(ソロでセルフカバー)

C/W ラストチャンス(Acoustic Version)

作詞作曲:Something ELse、編曲:森俊之
演奏表記はないが『雷波少年』企画関連本として合宿中にメンバーが書いていた日記を書籍化して合宿中のデモレコーディング音源のCDも付属した『サムエル日記』によれば、アコースティックバージョンのレコーディングをしたという記述の中で今井がベースを自分で弾かせてもらえたと書いているので今井がベースを弾いているものと思われる。

ガムテープでごみ箱を叩いた音を使用したリズムやクラップから始まるが、基本的には3人の演奏のみをメインとしてネイキッドな感じの仕上がり。合宿であの部屋だけで作り上げた感が強い素朴な弾き語りスタイルといった装いでもある。
★★★★☆
Acoustic Versionアルバム未収録

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