3rd もっと強く抱きしめたなら
92年7月1日
大島康祐在籍時の最終シングル。初登場47位と初のトップ50入りを果たしたが2週目以降36位→30位と上昇し、11週も30位台をうろつくというロングヒットの末に13週目に一気に20位に浮上、20位前後をさらにうろつきまわして22週目についに8位に浮上してトップ10入り。そこから3週連続5位→3位→2位と上昇していって28週目に1位(2週連続1位)と頂点まで上り詰めた。そこからは4位→9位→11位と一気に落ちていってしまったが(1位獲得後は15週)、100位以内に44週ランクインして166万枚を越える単独自身最大のヒットを記録した(中山美穂&WANDS「世界中の誰よりきっと」が今作を超えている)。
20位前後をうろついている間に次の中山美穂&WANDS「世界中の誰よりきっと」が発売され大ヒット。それに引っ張られるようにさらに今作が上昇しているので、曲単独の良さでロングヒットしていたのは確かだが「世界中の誰よりきっと」と相乗効果で更なる大ヒットになったものと思われる。今作が1位を獲得した2週とも3位に「世界中の誰よりきっと」がランクインしていた。
一方で「世界中の誰よりきっと」が発売された時にはもう大島康祐が木村真也に代わっていたため本格的にヒットしていた頃には既にメンバーチェンジされていた。『ミュージックステーション』にはこの曲だけで3回も出演していたようだが9月18日の初出演時で既に木村真也になっていたようだ。このせいか2000年頃のファンサイト文化時代には大島が辞めた理由はTVに出るのが嫌だったとかアイドル(中山美穂)と共演するのが嫌だったとかけっこう勝手な説が飛び交っていた。そもそも自身のユニット結成のためとかいう定説もきちんと声明が出たわけじゃなさそうだし…。
もっと強く抱きしめたなら
作詞:魚住勉・上杉昇、作曲:多々納好夫、編曲:葉山たけし
三井生命CMソング。CMに浅野温子が出演していて浅野温子の夫でコピーライターの魚住勉が作詞に参加。魚住勉が書いた歌詞を上杉昇が自分の言葉に置き換える形での共作詞となっているほか、2016年のインタビューで上杉が”まさか鼻ピにチェーンつけてたような男に『もっと強く抱きしめたなら』みたいな爽やかな曲を歌わせるなんて思ってもみなかったから(苦笑)”と語っているように上杉にとっては自分と合わないほどとびきり爽やかな曲に聞こえていたようで作詞に苦労したらしい。
確かに爽やかな曲ではあるが、ビーイング系のそれこそポカリのCMタイアップになったような一連の爽やか王道な楽曲群ほど爽やかというわけでもなく、ある程度は独特の哀愁が漂う上杉昇の声質に合うであろう曲をちゃんと長戸Pが選曲していたんじゃないかなとは思う。WANDSの中では爽やかなほうだけど爽やかな曲という認識は正直あまりない。WANDSの爽やかソングでも「愛を語るより~」の方が筆頭に上がってくるしな…。
サビ頭=タイトルが多い中で今作はタイトルとサビが微妙に異なっている(サビ頭の歌詞は「もっと強く君を抱きしめたなら」)ため、曲名を「もっと強く君を抱きしめたなら」や「もっと強く抱きしめたら」に混同されることが多い。タイトル当てクイズとかやったら地味に正答率が低くなりそう。
2ndアルバム『時の扉』では表記されていないもののリフ以外のギター演奏が全体に違うものになったアルバムバージョン。原曲が完成されている印象だったのでAメロや間奏ソロのギターがなんか思ってるのと違う演奏をしまくってなんだか違和感がある。
『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』のリミックスではイントロ部分のリフは残されているが1番と2番の間とアウトロでも出てくるイントロと同じギターを完全抹消。リミックスといっても大概は音のバランスを整えるとか、スパイス程度の音を足したり消したり程度なものだと思うんだけど、ジャ~ラ~ラ~♪ジャ~ラ~ラ~♪と鳴っていたギターはどう考えても間奏のメインフレーズであり、これを消し去るのはさすがに不自然極まりなかった。しかもイントロ部分は残しているので明らかに音が抜け落ちているように聞こえてしまうという…。代わりにオリジナルでは意識しないと鳴っているのに気づかなかったような鐘の音のようなシンセだかキーボードの音が浮き彫りになってしまっているが主役の音が抜け落ちているようにしか聞こえないし、一体何がしたかったのだろうか…。このギター消去は「Same Side」の爆音抑え込み改変と並んで当時3期とビーイングが叩かれまくった際によくやり玉に挙げられていた。
2018年にDAIGOが『Deing』でカバーした際はオケは安いカラオケみたいだがリード曲として本家MVを再現パロディにしたMVが制作された。
★★★★★
2ndアルバム『時の扉』(ギターが違うアルバムバージョン)
1stベスト『SINGLES COLLECTION+6』
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』(リミックス、1番と2番の間&アウトロのギターリフ消去)
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY』
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio』
5thベスト『BEST OF BEST 1000 WANDS』
16thシングル『真っ赤なLip』名探偵コナン盤のみC/W[WANDS 第5期 ver.]
6thアルバム『BURN THE SECRET』[WANDS 第5期 ver.]
もっと強く抱きしめたなら
WANDS
2002/08/25 ¥255
もっと強く抱きしめたなら
WANDS
1997/11/06 ¥255
もっと強く抱きしめたなら ~WANDS 第5期 ver.~
WANDS
2020/01/29 ¥255
C/W Listen to the Heartbeat
作詞:上杉昇、作編曲:大島康祐
大島在籍時の最終曲。
これまで特徴的だったスパコンスパコン鳴り響くノリの良さとは少し変えてきたスパコンサウンドじゃない新たな可能性が見えるような曲。最初に聞いた00年頃は大島サウンドがどうにも古臭くて苦手だったんだけどその中で今作は1番好印象だった。時代が巡ってスパコンサウンドにも独特の良さが感じられるようになってきた近頃は相対的に印象が普通になってきている。意図的にこれまでの曲とリズムの感じを変えたのかは不明だが、案外これがWANDSで作った最後の曲だったのかもしれない。
大島の脱退は自身のユニット結成のためとされているが、そもそもWANDSも自身のユニットではなかったのか?という疑問が生じる。WANDSはプロデューサー主導で自由にやれずシングルにも採用されない(あとなんか音楽性まるで合わなそうだし今は歌と歌詞以外経験無くて作編曲にはノータッチだけどそのうち上杉が音楽知識付けてきたら言う事聞かなくなりそうと察し)となると自主的な脱退だったのかなとも思う。でもとにかくプロデューサーの鶴の一声でなんでも動いてそうだし、やっぱ合わないからで辞めにした可能性の方が高
結局改めて自身中心のユニットSO-FIを始動させたが、この動きが異様に早かった。なんとこの年の12月にはもう『ウーマンドリーム オリジナルサウンドトラック』でSO-FIの初楽曲を発表。翌93年にデビューした。しかしシングルたった2枚でボーカルに辞められてしまうなど散々な事になってしまい新ボーカルを連れてきてSO-Fiとして再始動するのに3年近く費やすもシングル2枚、アルバム1枚で1年持たずに終了…と不完全燃焼で終わってしまった感はある(楽曲的には1期WANDSよりも洗練されていてカッコいい)。
結局、1期4期はメンバー、2期では1期のストック曲、3期には「Brand New Love」でラップ参加をしたので1期~5期まで全期に何らかの形で関与した唯一のメンバーにしてWANDSを2度辞めたという唯一のメンバーとなっている大島氏だが、確認せずとも在籍年数は歴代メンバー最短。大島氏の中でのWANDSとはどんな存在なのかちょっと気になる。あとリアルにゴリの髪形でインパクトスゲーっていうのはスラムダンク世代ならやっぱりみんな思うよね!
★★★☆☆
アルバム未収録
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