Whiteberry 全シングル回顧+ 1999-2004

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Whiteberry シングル回顧 1999-2004

北海道北見市出身。小学生時代からストロベリーキッズとしてギターの稲月彩の家の元喫茶店の空きスペースをスタジオ代わりに放課後に猛練習に励み地元のお祭り等に出演していた(ライブハウスに出れる年齢ではなかった)。メンバーの親が売り込んだ投稿が97年に様々な特技を持つ素人を投稿ビデオで紹介するウッチャンナンチャンの冠バラエティ番組『特ホウ王国』にメンバーの親が自らネタを投稿、採用されストロベリーキッズが全国区で紹介された。これがソニーの目に留まり、99年にWhiteberryとしてのデビューが決まった。

メンバーは前田由紀(Vocal)、稲月彩(Guitar)、長谷川ゆかり(Bass)、水沢里美(Keyboard)、川村恵里加(Drums)の5人。前田、稲月、長谷川は85年度生まれ、水沢、川村が1学年上の84年度生まれと2学年で分かれていて、デビュー時は中2と中3。「夏祭り」の大ヒット時は中3と高1だった。個人的にちょうど同い年と1個下だったのも当時けっこう衝撃的で聞くようになった。

「夏祭り」でのブレイクと続く1stアルバムまでは順調だったが、メンバーが反抗期に突入してビジュアルが激変するなど、迷走したため人気は即低迷し、末期には1年活動が無い期間もあった。最終的に全員が高校を卒業する年齢(実際には1人高校留年していたので卒業までもう1年あったようだが)で進学等でバラバラになるので活動継続不可能として解散した。

前田由紀以外は全員が引退し、一般人に戻った。前田由紀は解散直後からインディーズでのソロ活動を開始し、一時期は新たなバンドも組んでいた事もあったが、現在は音楽活動を継続しつつも音楽は副業的な形で継続しているようだ。

2010年頃のシングルレビューを全面破棄、2020.9ほぼ新規執筆。まとめ版はC/W、アルバム曲追加。

通学路

B00002JXAN
99年8月4日
作詞:Whiteberry、作曲:恩田快人、編曲:坂井紀雄,恩田快人
デビューミニアルバム『after school』2曲目でリード曲。元々今作がデビューシングル予定だったとも言われていたが、1曲目がインストで3~5曲目もC/W的な楽曲で明らかに今作だけA面曲といった風格なのは確か。また北海道出身を強調するためなのかジャケットが明らかに前の冬に撮影したと思われる真冬前回の雪原の中で撮影されたような内容だが発売は真夏。夏の滑走路で演奏するMVも制作された。

指導役としてメインで起用されていた坂井紀雄がほぼ一手に作編曲を手掛けていたが、デビューに当たっては当時活動休止になっていたJUDY AND MARYの恩田快人が曲提供してアレンジにも参加している。JUDY AND MARYはTAKUYAが主導権を取り始めると同時に恩田快人の作曲が激減しており、この後JUDY AND MARYが活動再開してから解散まで1曲も恩田快人の作曲が出なかったので、結果的に98年発表の「ステキなうた」が最終作曲となっていて、Whiteberryでの恩田曲はそれに続く恩田作曲作品群となった。

というわけで「そばかす」というミリオンヒットを書いた実績もある恩田快人を作曲家に迎えるという大々的なバックアップもあって、前期のJUDY AND MARYを思わせるガールポップロック的な作風とメンバーが書き下ろした初々しい通学風景とピュアな恋模様はまさに思春期の煌めきに満ちている。下手に子供っぽすぎないし、さじ加減も絶妙だったと思う。ていうかこれデビュー曲で良かったでしょ…。結局1stアルバムにもう1回収録、ベスト盤2作に皆勤…とばっちり代表曲扱いだし。
★★★★☆
デビューミニアルバム『after school
1stアルバム『(初)
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

1st YUKI

B00005G7JZ
99年12月8日
作詞:Whiteberry、作曲:恩田快人、編曲:恩田快人,坂井紀雄
冬を待っていたのかここでようやく1stシングル。北海道出身を最大に生かした(?)ウィンターラブソング。初々しいラブソングで”抱きしめられたらそのまま埋もれて春になったらいいな”とか無邪気なフレーズもかわいらしさに満ちたポップなナンバー。当時既にTAKUYAに押されてほとんど作曲しなくなっていたが、JUDY AND MARYよりもポップに寄せた恩田快人の手腕も光る。MVもかわいらしい少女たちというイメージで徹底されていて非常に子供カワイイ感じ。というか後の反抗期イメージと全く違っていて、結果的にこんなかわいらしいMVはこれっきりというくらいに特にボーカル前田由紀がかわいらしく着飾っていて、なんかこれ幻だったんじゃねーのかなっていうレベル。1年後にはぶっ壊れるのでこういうのが嫌だったのか、信用できない大人をたくさん見て荒んだのか…。

初登場78位で1週でチャートアウトしたがフジ系『めちゃ²イケてるッ!』EDタイアップがついていて、年明け1月には番組内で単にかかるだけでなく紹介されるような企画が放送されると女子中学生バンドとして話題になり、48位に浮上後4月まで100位以内13週のロングヒットを記録し、最高32位6万枚のスマッシュヒットを記録。13週のうちトップ50内(当時の『CDTV』のOA範囲内)にけっこう長くいたのでその際に存在を認知した。
★★★★☆
1stアルバム『(初)
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

C/W 空の飛び方~☁/☀~

作詞:前田由紀、作編曲:坂井紀雄
そのままだとスピッツのアルバム名と丸被りするためか加えられた副題の「曇りのち晴れ」曇りマーク/晴れマークになっているため、表記泣かせになってしまい、文字化け、曇り/晴、いっそ副題無視…など絵文字表記による様々な弊害を生んだ問題作(?)。

曲自体はとてもピュアで幼い感じの友達励ましソング。等身大の目線で心が折れかけている友達を元気づけて外へ連れ出そうとしてくれるという内容で、あまり深い悩みなどは描写されず踏み込んでは来ない。最終的に全部そぎ落とすと結論はここに行きつくのも真理だが、当時やはりちょっと幼過ぎない?とは思った。
★★★☆☆
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

2nd Whiteberryの小さな大冒険

B00005G7MR
00年4月19日
作詞:川村恵里加,長谷川ゆかり、作曲:恩田快人、編曲:恩田快人,坂井紀雄
引き続きの恩田快人だったが、JUDY AND MARYの活動が再開されていたためかこれを最後に関与は終了してしまった。せめてもう少し面倒を見てくれていれば…もう少し何か違っていたかもしれない。

メンバーこの時点で中3と高1だったんだけどこれは明らかに小学生時代、放課後が大冒険だった土曜の午後に友だちと出かけるというワクワクを描いた思春期煌めく作品群の中でも取り分け無邪気さ溢れる1曲。土曜の午後というところに現代では違和感があるかもしれないが、週休2日制は90年代前半から10年くらいかけて段階的に導入されていて第2だけとか第2と第4だけとかじわじわ進行していた。個人的には中学入学時(97年)まではギリで土曜も学校がある週があった記憶があるが中2以降(98年以降)は全部休みになっていたように記憶している(少なくとも中3時は完全にそうなってた)。で、地域差があったので00年時点でもまだ土曜日に学校があるというところもあった。そんなわけで今作の歌い出しは”土曜の午後”に出かける設定になっているのだろう。

器用に韻を踏んだキャッチーなサビはみんなで大合唱ととことん青春よりも若い子供のワクワクが満載。馴染みやすくてとてもいい曲ではあるが正直当時でもちょっと幼過ぎないか?これ小学生くらいのイメージで作られてない?と。北海道の北見だと中高生でも案外こんなものなのか…?とも一瞬思ったがさすがにこれは意識的に年齢感覚を下げて書いているのか、書かされたのか。ソニーがWhiteberryに目を付けたのは小学生時代(ストロベリーキッズ)で、大人になってからの数年って正直あまり間隔変わらないし、いつまでも発掘時の小学生イメージが強くてついついそういう子供らしいイメージを要求していたところもあったのかもしれない。MVでは前作以上にポップな感じに着飾っているが、さすがに中高生のメンバーを無理やり小学生っぽく見せている感じもしてちょっとこれはもう等身大では無かったのではないかという気はする。とりあえず童心に帰って聞くのが良い
★★★★☆
1stアルバム『(初)
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

C/W ちこくのうた

作詞:前田由紀、作編曲:坂井紀雄
前作に続いてピュアで幼い感じの学校遅刻系ナンバー。といっても遅刻しているのは前半まででそこからは何もかも忘れてどっかへ行きたい!と妄想世界へ突入(?)して川へ行こう海へ行こうと言い出したりととにかくどこか遠くへ行きたい願望が炸裂して現実に帰ってこないままに駆け抜けていく。単に感情の移り変わりは早いだけなのかもしれないが、「ちこくのうた」なのに途中から遅刻関係なくなってしまい、どちらかというとサボり妄想のうた化するのはなかなか深い。
★★★☆☆
アルバム未収録・未配信

3rd 夏祭り

B00005HJTJ
00年8月9日
B08BDMH5NG
20年8月5日(アナログ盤)
作詞作曲:破矢ジンタ、編曲:坂井紀雄
1990年にO社3位15万枚のヒットを記録したJITTERIN’JINNのカバー。夏休み期間中のTBSの昼ドラ『ふしぎなはなし』主題歌。初登場13位から2週目に6位に浮上、3週目に最高位となる3位を記録し、6週連続トップ10入りするロングヒットとなり65万枚の大ヒットを記録した。原曲からちょうど10年でのカバーだった。当時原曲を知らず初めて聞く曲として聞いていたが、一応カバーだという説明は適宜されていたので、原曲を知らなくてもカバー曲のヒットだという事は当時はある程度周知されていたと思う。原曲より大ヒットしてインパクトも残したため、気がつけばWhiteberryのヒット曲扱いされるようになり、TVで取り上げる際も当時ほどカバーだという説明をしなくなったのと00年当時までは人気を落としながらもJITTERIN’JINNの活動が続いていたが以後は活動休止状態となり、2010年に”ペアソング”として配信限定「なつまつり」を発表するなどしているものの、御本人がメディアに登場する機会が皆無のため原曲の方が埋もれていった。ソニー側も毎年の夏ソングコンピ盤にWhiteberry版を収録しまくったり、08年にJITTERIN’JINN版がパチンコのCMタイアップで一時期流れまくった際にもJITTERIN’JINNが再評価される流れではなく、Whiteberry版の着うた好評を理由にしてベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry』を発売してすかさず被せに行くなどして便乗、歌手として求められるのに応えるとしてボーカル前田本人が全国の夏祭りで歌いに行くキャンペーンを毎年開催するようになり、近年はソロでのTV出演も時々行うようになり、積極的に「夏祭り」をWhiteberryの持ち歌としてアピール(というか「夏祭り」が最早歌手活動かろうじて継続できる生命線状態)、すっかりWhiteberryの曲になってしまった。

このため昨今のSNSではTVで「夏祭り」がかかるとこれはJITTERIN’JINNのカバーだというJITTERIN’JINNアピール派、私は知ってるよ派が毎回必ず出現するようになり、そこまでが夏の風物詩としてセットと化している。

原曲は1990年にしてもかなり素朴なトテトテとしたサウンドになっていて率直にしょぼいといえばしょぼい音になっているが、ノスタルジックな夏を想起させるような魅力はあったと思う。Whiteberry版は現代風のバンドサウンドにしたという感じで、サビ以外のリズムをお祭りの太鼓風にしたりと無難といえば無難なのかもしれないがなんだかんだ坂井紀雄の手腕が光る仕上がり。適度にロックバンドしつつも原曲のノスタルジックさは引き継いでいると思うし、独特の前田のボーカルもうまくハマった(年末のTV出演で絞り出すような苦し気な表情で歌っていたのでボーカルの人の異様なメイクと顔芸がインパクトだったとして記憶している人も多いかもしれんが…)。

坂井紀雄は笹路正徳、土方隆行といった凄腕アレンジャーが所属していたナスカ(NAZCA)でボーカル&ベースを担当していた人物(07年の昼ドラ主題歌「I LOVE YOU!」だったり坂道シリーズに提供している制作ユニットのナスカとは全く別のバンド)でアレンジャーとしての活動も行っていたが笹路・土方両名には知名度でも大きく差があり、プロデューサーとしてここまでガッツリ関わったのもWhiteberryがほぼ唯一くらいなので、自身のキャリアでは恐らくこの「夏祭り」の編曲が最大のヒットになるんじゃないかとは思う。今作時点でもう恩田快人は離れちゃったし、プロのメジャーバンドとしてやっていくには覚悟も実力も足りなかったメンバーを導くのにかなり尽力はされたと思うんだけどほぼ1人で恐らく以降もほとんど関わる事の無かったであろう中高生の女子を指導しながら作編曲というのは荷が重すぎたところもあったようには思う。当時のクレジットでは坂井”パパさん”紀雄という表記もあったのでパパのような存在で頑張っていたのだろう。
★★★★★
1stアルバム『(初)
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

C/W がんばれ!女の子

作詞:長谷川ゆかり、作編曲:坂井紀雄
作詞:川村恵里加(「まるごとテスト」)

当初『ふしぎなはなし』主題歌候補だったと解散時のベスト盤ライナーで明かされている。バンド外部のホーンセクションを導入したかなりドポップな楽曲で、あらすじを見る限りこっちの元気いっぱいの女の子感溢れる内容は確かにドラマに合っていたようにも思うが、対象が女の子限定なのがネックになったのもまた確かっぽい。まさに等身大の女の子ソング。それゆえ男はちょっと入りにくい

1stアルバムに収録された「まるごとテスト」は作編曲同じで歌詞だけ丸っきり書き換えたものでこちらはそのままテストに焦る心情がコミカルに描かれた等身大すぎる1曲。正直ほとんどテストできてなくない?というような勉強なんて必要ないという愚痴空欄埋めらんねぇ的な話で埋まっていて最後も2問残したまま曲が終わる。テストの点数は散々な結果が予想されるが、実際かなり一時的にこの時期だけとはいえ超多忙なTV出演ラッシュが年内は続いたので勉強はさらにおろそかになっていた事は確かだろうからむしろ歌詞を書いた後に本当にこの状況になった…なんてこともあったかもしれない。
★★★☆☆
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~』(がんばれ!女の子)
1stアルバム『(初)』(まるごとテスト)

太陽をぶっとばせ!!

B000051TF0
作詞:Whiteberry、作曲:水沢里美、編曲:坂井紀雄
フジ系『めちゃ²イケてるッ!』EDタイアップ。初の自作曲でキーボードの水沢里美が単独で作曲を担当。1stアルバムまででは唯一の自作だったが、以後特に作家としてリードする事も無く、単独クレジットはこれ1回ポッキリ、単に最初に採用されただけだった模様。またバンド名義以外に作詞では早い段階で4人の個人名義でのクレジットがあったが、水沢里美のみ作詞での個人クレジットが1度も無かった

元気ポップロックナンバーといった装いで、やや意味不明なノリ1発な歌詞も相まって10代らしい無邪気さと勢いがまさにこの時期ならではといった感じ。めちゃイケタイアップが前提にあったためか「YUKI」に続いて律儀に放送日である土曜日をまたしても出して“土曜日限りのスペシャル企画 月曜日なんてぶっ飛ばせ”と最早太陽関係ない歌詞をぶち込むタイアップ優等生っぷりも発揮。さすがに太陽ぶっとばす曲なので1番ではなく2番に配置されているが、果たして2番まで番組でかかる事があったのかは不明。
★★★☆☆
1stアルバム『(初)
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

願い星

B000051TF0
作詞:Whiteberry、作編曲:坂井紀雄
純粋に夢は叶うと信じていられたローティーンの思いを封じ込めたようなナンバー。当時小学生時代に何となく描いた夢を遥かに超える勢いで夢のような状況だった(と同時になんでも自由にやれない現実を知り始めた)事が想像されるが、ここまでのメンバーにとっては120%真実だったんだと思う。それゆえに今作は眩しい。PV集『Videoberry2号』ではここまでのドキュメント映像を駆使したヒストリー的な内容で今作のMVが制作され、オーディオコメンタリーではメンバー全員号泣するばかりでコメンタリーできないという状態に陥ったが、それくらいリアルな1曲だった。

叶った後は…追いつかないほどの勢いだった事が容易に想像できるが、夢に追いつけなかった時どうすればいいのか、当時は考えもしなかった現実がすぐそこに迫っていたわけだけど、今もなおメンバーにとって懐かしい思い出の1曲であってくれたらいいなとは思う。
★★★★☆
1stアルバム『(初)
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

4th あくび

B00005HOQ8
00年11月8日
作詞:前田由紀、作曲:坂井紀雄、編曲:伊藤銀次
デビューミニアルバム『after school』収録の「AKUBI」をリアレンジ、1番とサビしかなかった歌詞を2番まで追加してひらがな表記「あくび」に変えたリメイク曲。編曲に伊藤銀次が新たに起用され、1stアルバムまでよりもさらにロックバンド色を強めたハードなアレンジに仕上がっている。ポップなアイドルバンドではなく、ロックバンドなんだ!という当時なりの意地を見せたかった…のか、思春期の裏側の反抗を見せたかったのか…は不明だが、年末特番では「夏祭り」での出演オファーが来ていて新曲は全く必要ないようなタイミングで無理にリリースした今作はいきなり初登場29位と沈没、ブレイクの勢いが一瞬で消失し、マイナス成長に転じた。

今作に関しては正直大失敗作といって差し支えないと思う。曲がどうこう以前にこのタイミングで新曲も無いのにリメイクしてまで出す必要が皆無で(C/Wは1stからのシングルカットだし)、しかもジャケット写真まで移動中に疲れ果てて寝ている車中のメンバーというオフショット的なものできちんと撮影したものではない始末。そこまで無理やりリリースしてさらにここで急にイメージを変える必要も全く無かった。同世代をターゲットにしたアイドルバンド的に売り出して成功したのに急にボーカル前田由紀が眉毛剃りすぎてほとんど眉無し状態&異常に濃い無茶苦茶塗りたくったようなダークメイク、唇まで真っ黒、他のメンバー4人も合わせてそれっぽくしていたがまだカッコいい範疇で明らかに前田だけやりすぎていた。『うたばん』出演時には中居正広までもが「スッピンの方がかわいいんじゃない…?」と発言するほどの異様さだった。

2015年に『しくじり先生』送りとなった前田由紀は当時についてロックバンドで行きたかったのにアイドルバンドで売り出されたのが不満だった旨を語っていて、さらには当時のスタッフの間でも前田をどうするかで三大会議が開かれたそうで、議題は「前髪 勝手に切る問題」「眉毛 勝手に剃る問題」「メイク 濃すぎる問題」とされていて見事に当時感じていた異様な変貌ぶりの印象にピシャリである(前髪の異様な短さに関しては今作よりもシングル「かくれんぼ」時が1番凄い)。まあソニー側も毎週末東京来るたびに眉毛無くなってるしメイク濃くなってるしでこのままじゃマジ売れなくなるしヤベェとは思うわな…。当時は何で放置しているんだと思ったがよく考えたらソニー側も常に生活管理しているわけではなく、平日は地元北海道で普通の中学生、週末上京してWhiteberryだったので、地元にいる間に変貌されてしまえばコントロール不能だったと思われる。

率直に全然カッコよくは見えなかったし、田舎の中学生がイキって勘違いメイクしてるというピエロ状態にしか見えなくて痛々しいくらいだったんだけど同性からどう見えていたのかは分からない。どうだったんだろうか。前述のように中居君もあのような発言をしたくらいなので当時20代後半の男性トップアイドルから見ても同じ感想ではあったようだ。当時は公式掲示板なんてのもあったが今作以降誹謗中傷ばかりになって荒れまくったし、今作やダークメイクに関する好評の言葉も見た記憶が全くない。

楽曲自体は失敗作というほど悪くは無いが、そもそも無理やり引きずり出してリメイクするほどの“初期の名曲と呼び声の高い”曲だったとは思えない。いきなり初期の名曲とか宣伝文句に書いてあって誰が言ってんのそれ?と思ったし。原曲はあまりバンドっぽくもないマイルドな曲調に反抗心を詰め込んだ感じだったが、今作は伊藤銀次によるハードなアレンジで反抗心がそのままトゲトゲしく突き刺さってくる。ただ苦原曲にはなかった冒頭バラードなイントロとかジャラッジャラッジャラッジャラッ♪のキメの演奏とかダーク版「夏祭り」みたいな構成を加えているのはやはり意識して加えているのだろうか。追加された歌詞は当時なりの魂の叫びっぽいし、これもまた…というかこれこそが当時のリアルな姿ではあったのだと思う。その点では良くは出来ていた。若すぎてのデビューって本当難しい。

『after school』が未配信のため原曲「AKUBI」は未配信。
★★★☆☆
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry
デビューミニアルバム『after school』(原曲「AKUBI」)

C/W Dearest

作詞:稲月彩、作編曲:坂井紀雄
1stアルバム『(初)』からのシングルカット。ギター稲月の初の単独作詞で、失恋バラード。季節的に寂しい雰囲気が合っているのとマジで他に新曲もないので収録されたと思われるがだったらこの時期に無理やりシングル出すなよと

アルバムでも地味な1曲ではあったがバラードが他になかったので唯一のしっとり枠という点ではバランスは取れていた。曲だけ取り出すと…まあC/WっぽいといえばC/Wっぽいが、『(初)』を聞かずに「あくび」で新たに聞いた人なんてどう考えても皆無になるだろう事は分かっていたはずでやっぱり何でカットしたの?としか。
★★★☆☆
1stアルバム『(初)

5th 桜並木道

B00005HWNW
01年4月11日
作詞作曲:Whiteberry、編曲:伊藤銀次,Whiteberry
年末のTV出演ラッシュを終えると年下組(前田・稲月・長谷川)の受験を理由に冬の間は沈黙。ただ4月リリースに向けて動き出すのを考えると制作期間が受験シーズンに直撃してないかこれ。当時公表はされていなかったが後にギターの稲月が受験失敗により高校浪人したという情報が出回りwikiにも長年掲載されたままになっているが、本当ならソニーやっちまってるんじゃん…。

今作ではいきなり初の作詞作曲:Whiteberryとなり、編曲にも伊藤銀次と共同参加。字余り全開で早口な歌詞をほとんど繰り返しのメロディーで突っ走っていくという勢い任せな1曲だが、最後まで衰えない勢いが若さ全開で同世代ならけっこうハマれた。結果的に自作曲の中ではダントツのNo.1だし全楽曲を見てもNo.1といってもいいくらいこれぞWhiteberryという金字塔のような1曲だったと思う。「あくび」でくじけそうだったが、今作の時は今後にもまだかなり期待していた。と言いながら2月にデビューしたZONEにかなり目移りしてい

三ツ矢サイダーのCMソングとしてそこそこOAされていたものの初登場16位、それでも「YUKI」に続く3番目の売上ではあったがこれにて1発屋はほぼ確定的となってしまった。

ジャケットやMVはセーラー服姿で沖縄で撮影された(受験期に沖縄まで連れていくって何やってんだ)。結果的に唯一となる学園生活を送っているメンバーの風景も描かれている。バケツ持って廊下に立たされる稲月、教科書で隠して早弁して教師にバレる前田…など一部の学園あるあるシーンのセンスが昭和のままなのは御愛嬌(特にバケツ持って廊下とか前時代すぎておいもう21世紀だよ?と思ったが、21世紀だよ?と思う事自体がそろそろ前時代的になりつつある)。このように現役女子高生を全面に押し出したものだったが、ジャケットは見ての通り足元だけになっていてメンバーの顔は表には出ていない。前作以降の変貌での中傷を気にしたわけではなかったんだろうけど、今作での前田はさすがに多少は戻しているものの、大人サイドとのせめぎ合いでギリギリの妥協点に着地したというような失った眉毛や前髪、ダークメイクを隠しきれていない感じが今見ると絶賛反抗期継続中っぽく見えてある意味面白い(当時は面白がっているどころではなくこれマジで人気無くなるぞ…まもなくZONEに取って代わられるぞ…(デビュー直後)という呆れモード)。
★★★★★
2ndアルバム『カメレオン
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

C/W 携帯中毒

作詞:前田由紀、作曲:山本勲、編曲:伊藤銀次
当時急激に普及していた携帯電話に依存する人々の様子を描いたユニークな曲。今でいうスマホ依存とも少し感覚が違って、当時の中高生にとっては携帯電話というのは今まで無かったものだったという点が大きく異なる。歌詞にもあるように“つい最近でた”ものだったのだ。90年代から携帯電話自体は存在したしこれ以前から持っている人は持っていたとはいえ、着メロが単音から和音になった(着うたはまだ無い)、クラスで携帯買ってもらえる奴が徐々に増えていったというのがまさにこの時期だった。

00年に高校入学したが中学卒業の時点で携帯買ってもらった!と最後のクラス会とかで見せびらかしていたのが数名。入学時には半数以上が所持していたが所持していない者は初対面の後の番号交換ラッシュに乗り遅れる事になり、この効果でさらに1学期の間にもう少し増えていった…というようなそんな時代だった。当時はショートメールと通話くらいしか無いので、意味のないワン切りをしたり、意味のない一言メールのやり取りをしていたわけだけど、それまではそんなもの無かったので無ければ無いで普通に生活していたはず。しかしいつの間にか中毒になっている…。そんな時代の空気が反映されたこの曲、当時よりも今改めて歌詞を見た時に完全に忘れていたあの携帯電話が出現して急速に普及した時に感じていた思いを呼び起こさせてくれる。
★★★☆☆
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

6th かくれんぼ

B00005LPDK
01年7月18日
作詞:川村恵里加、作編曲:たなかひろかず
人気アニメ『ポケットモンスター』劇場版…の同時上映の方である『ピカチュウのドキドキかくれんぼ』OP。

初めて初回と通常が別々にリリースされたが初回盤はポケモンステッカーシート封入というそんなんでいちいち品番分けるなよ…という代物だった。また前作の足だけジャケ写から今度はメンバーの全身が写し出されたが異様に小さい。上記のジャケ写はサイズが小さいのではなく、真っ白なジャケットの中央にメンバーが小さく映っているというものである。中にはメンバー写真も掲載されていて、『GOLDEN☆BEST Whiteberry』の裏ジャケに使用されているメンバーの写真は今作の写真の転用である。先の前田どうするか三大会議の議題のうち前髪と眉毛の問題が深刻化していた事が伺え、髪の短さでは活動中はこれが最短で、MVで動き回っている姿は少年のようでもあった。

楽曲自体は子供向けというよりノスタルジックな初恋の世界観を描いたもので、ポケモン展開によりこれもっと若い子向けじゃない?という不安は払拭されているというか、むしろ大人になってから響くような不思議な魅力がある。ドラムの川村恵里加が苦心の末に懐かしい子供の頃の初恋をテーマにかくれんぼと重ね合わせて仕上げた歌詞は秀逸で、メンバー内で最も作詞で才能を発揮していたのはこの人だと思う。

インタビューでは間奏部分の演奏が難しくまだ1回もちゃんと揃ってないと演奏の練習中である旨も無邪気に語っていた。Whiteberryの演奏レコーディングの様子は映像としても「願い星」のドキュメントクリップに映し出されてはいたが、いずれにせよインタビューで演奏に触れるくらいにはきちんと演奏はしていたものと思われる。

ポケモンとファン層がかみ合わずに初登場20位に終わってしまったが、トップ20ヒットはこれが最後だった。いよいよこの直後にZONE『secret base~君がくれたもの~』が大ヒットし、北海道在住のガールズバンドというお株を全て奪い去っていき、文字通りに残り少なかったファンもほぼみんなZONEに流れていった。
★★★★★
2ndアルバム『カメレオン
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

C/W めざせポケモンマスター

作詞:戸田昭吾、作曲:たなかひろかず、編曲:坂井紀雄
純粋な子供向けアニメソングとしては異例のミリオンヒットを記録した1997年の松本梨香のカバー。アニメ初代OPでもあったが既に別の曲に変わって数年経過、ここで再起用となり、このカバーバージョンがしばらくアニメ『ポケットモンスター』4代目OPとして実際に使用されていた。

いくらポケモン映画タイアップが来たからって便乗して有名曲をカバーしてそこまでポケモンに乗っからなくても…正直ポケモン興味ねーし…と当時かなり引き気味だった。「夏祭り」同様に坂井紀雄がWhiteberryらしい感じにうまくまとめ上げた印象。曲中の台詞やガヤは全てメンバーがモノマネしながら再現。思ったよりモノマネできている。ノリノリでカバーされたことが伺える。
★★★☆☆
アルバム未収録

7th 立入禁止

B00005R6IX
01年11月21日
作詞作曲:Whiteberry、編曲:坂井紀雄,Whiteberry
2度目の自作曲だが、当時のインタビューで1番最初にメンバーで作ったのはこの曲だと語っていた。思春期のモヤモヤを吐き出すだけ吐き出したようなハチャメチャな歌詞は”!!”とビックリマークの連呼あれも嫌だこれも嫌だと暴れまくるような反抗期全開のロックナンバー。スリリングなギターリフなど「あくび」以上にカッコいいロックサウンドもメンバーが目指したかった方向性と思われ、サウンド面はカッコいんだけど、さすがに反抗期が過ぎる。さらにメンバーによるコーラスの声がユルすぎてなんともズッコケてしまうようなトホホ感が…。冒頭の前田との掛け合いコーラスからして緩いがサビのい~ち~ば~ん~♪のコーラスも何でここまでダルダルなんだろうか。それくらいダリィわという反抗を表現しているのか。

こんな子供の反抗全開の曲が日テレの「The 独占サンデー」テーマ曲だったというのも凄いが、いよいよ初登場59位と本格低迷。「立入禁止」で文字通りにリスナーも立入禁止にしてしまうという全く笑えない事態に陥り、続く2ndアルバムを最後に活動も一気に停滞してしまう事となった。「あくび」と今作が戦犯的な破壊力を見せたが、2曲とも解散時のベスト盤にはきっちり外されたところを見るに少なからず失策だったというのはあるのかも。

反抗を示すため何をどういうわけかラガー服でソニーの会議室に乗り込んで会議中の社員が唖然とする中で机の上で演奏するというMVはシュールの極み。
★★★☆☆
2ndアルバム『カメレオン
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

C/W ときめきラブコール

作詞作曲:Whiteberry、編曲:坂井紀雄
A面を差し置いて解散時ベストにも収録された人気曲。こちらも自作だが何故こちらをA面にしなかったのか…。疾走系の明るくも切ない雰囲気のポップロックナンバーだが、歌詞のテーマは恋人が死んじゃったと思ったより重い。実際にはもう君がいないという程度で普通の失恋ソングとしても聞ける。というか死に対して実感が伴っていなくて、これはメンバーにとって死が全く身近ではないものだったのもあるだろう。
★★★★☆
2ndアルバム『カメレオン
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~

それだけなんだけど

B00005ULHH
作詞:前田由紀、作編曲:坂井紀雄
矛盾だらけながら思いのままにまくしたてる分かってほしい系反抗ナンバー。「それだけ」と言いつつ全編に渡って展開される「それだけ」は全く「それだけ」ではないという。まさに反抗期真っただ中で大人へ反発しまくっていた当時の前田の心情をストレートに綴ったような歌詞。自由になりたいというフレーズも出てくるがこれが1番の願望だったようで『しくじり先生』でも解散して自由になれるのが嬉しかった、ソニーからソロデビューの話もあったのに自由になれなそうだから断った(そして自力でソロライブやったら客が来なかった)となかなかな事を語っていた。確かに当時こういう自由になりたい思いを抱えた事はあった。こういった感情に支配される事もあったし、同世代の共感を呼べる部分もあったと思うんだけど、FIELD OF VIEWが歌っていただろう?自由が欲しいよと叫んだ頃がきっと1番自由だったと…。合わせて聞くとちょっと泣ける。
★★★☆☆
2ndアルバム『カメレオン
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

炭酸水

B00005ULHH
作詞:Whiteberry、作曲:馬場一嘉、編曲:坂井紀雄
反抗ばかりしていたかに見える2ndアルバム期だが、1stまでの延長のような明るい青春全開の楽曲もちゃんとやっていた。今作は思春期からもう少し成長して青春を華やかに迎えていくような文字通り炭酸のような清涼感のある爽やかな青春を描いている。この先の活動で持ち直していれば“反抗期 思春期 輝きに変えてやる”というフレーズも未来を示した重要なフレーズになっていただろうが、バンドにこの先は事実上ほぼ無かったのが悲しい。

またタイトルからして三ツ矢サイダーのCMを狙っていたのはこの曲かもしくは「桜並木道」に続いてのタイアップ継続をこの曲で狙っていたような気も。
★★★★☆
2ndアルバム『カメレオン
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

10 years after

B00005ULHH
作詞:Whiteberry、作編曲:坂井紀雄
2ndアルバムのラストを飾るナンバー。10年後も変わらずにバンドを続けているという約束を歌った楽曲。「炭酸水」同様にこの先があれば重要な1曲になっていたと思われ、未来への希望が確かに見える1曲。これからも4649どーぞとか歌っていたのにこれっきりメンバーの姿は見えなくなり、同年後半の3シングルはイラストオンリー、03年は丸々姿を見せず、04年になってようやく今作以来の姿を見せたと思ったら解散。オリジナルアルバム最終曲が実は今作だった…というのは涙なしには聞けない。2002年メンバーも同世代のリスナーも変わらないものなど無い事をあの時まだ知らなかった。2012年10年後を迎えてこの曲を聞いたメンバーは何を思ったのだろう。
★★★★☆
2ndアルバム『カメレオン
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~

8th 自転車泥棒

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02年9月26日
作詞作曲:手島いさむ、編曲:馬場一嘉
2ndアルバムも大失速に終わって8ヶ月。ようやくの次の活動は3ヵ月連続カバーシングル。公式ページではクイズ形式で何の曲をカバーするか徐々にヒントを出していくなどして興味を引こうとしていたが、CDリリース情報サイトでは先行して答えが出てしまうなど情報統制もいい加減になっていた挙句に、同世代のファンにとっては聞いたことも無いような特に有名でもない古い楽曲が3連発だったのでヒントがあろうとなかろうと結局知らなかった…という。

またカバー3連発では森チャックによるイラスト&簡易アニメーションでジャケット、MV全てが統一されたためアーティスト写真も無く、メンバーは一切姿を見せなかった(当然もう歌番組にも呼ばれない)。イラスト化されたメンバーはこの時点でのメンバーの容姿を反映していたのか髪型や色などが『カメレオン』までとは異なっていて、特にギター稲月だけ超サイヤ化しているので、当時ド金髪にしていたのだろうか。

第1弾となったのはUNICORNのカバー1990年の4thアルバム『ケダモノの嵐』の6曲目に収録されていた曲。シングルではない完全なアルバム曲で一応当時リリースされた93年のベスト盤『THE VERY BEST OF UNICORN』には選曲されるくらいではあったが基本的にはある程度のファンじゃないと知らない曲だったと思われる。

編曲はここから馬場一嘉に変わったのでどうやら坂井紀雄との契約は終了してしまったようで、さらにボイトレをして前田由紀のボーカルに少し変化が見られるので少しだけ雰囲気が新しくなった感じはあった。ただいい曲ではあるけど何故今これをカバー?という絶妙な疑問と絶妙な似合ってなさは否めない。
★★★☆☆
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

C/W チエの輪

作詞:川村恵里加、作曲:Whiteberry、編曲:馬場一嘉
C/Wではオリジナルの自作曲。編曲者が変わったのもあるのかもしれないが2ndアルバムに続いてロックバンド色が増していてキラキラとした味付けは無くなってだいぶストイックな雰囲気に。ただ2ndアルバムの自作では極端な色を出す事でインパクトを持たせていたところがあったので、今作に関してはそこそこポップなんだけど全く印象に残らない微妙なメロディーラインで全曲の中でも今回久々に聞き返しても覚えてない唯二の1曲に…(もう1曲は後程)。この曲が1番覚えてなかったな…。

今作以降の末期シングル4作はシングル単位での配信(DL/ST)も行われているが、何故かAppleではシングル単位で配信していないのでアルバム未収録のC/WはAppleでは聞けない状態となっている。
★★☆☆☆

9th BE HAPPY

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02年10月23日
作詞:JILL、作曲:渡邊貢、編曲:馬場一嘉
第2弾はPERSONZの88年の2ndシングルのカバー。当時唯一名前すら知らなかったバンドで正直今でも名前くらいしか知らないが、ブレイク前の2ndなのでやはり当時知らないファンが大半だったと思われる。ガールズバンドの先輩や女性ボーカルバンドの先輩で有名なのはたくさんいたのにあえてのPERSONZを持ってくるというセンスはメンバー主導とも思えずソニーがひねって考えた結果の失策だった気がしなくも無い。

3作のカバーの中では唯一女性ボーカル曲のカバーにしてオリジナルもシングルA面として出していた曲なのでこの曲が最もハマっているというか、Whiteberryらしいポップロックさと疾走感が出ていて1番良かったんじゃないかと思う。最初の印象はパッとしなかったが何度か聞いていたらこれが1番良かったと思うようになった。
★★★★☆
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

C/W 生まれ変わってもアタシでいたい

作詞:川村恵里加、作編曲:馬場一嘉
カバー3連発のシングル群の中でC/Wながら「自転車泥棒」と同格でベスト2連続収録を果たした末期の代表曲の1つ。というのもNHK教育テレビドラマ『どっちがどっち!』OPに起用されるというC/Wながらタイアップがあった(「BE HAPPY」は同ドラマ挿入歌)。ドラマが男女が入れ替わる話だったので当初それに合わせたような歌詞を書くつもりが、書いているうちにタイトルのような私は私でいたい!という心情に至り、自我強めの歌詞で完成したらしい。結果勢いもあり、ガールズバンドっぽさもあり、やらされてる感前回のカバー3連発の中でWhiteberryの自我と意地を少しでも見せた1曲になった。

ただ7th以降の後期のC/Wで今作だけ自作ではない曲でこれが圧倒的に突き抜けちゃってる…というところはあって自作曲の失速っぷりがどうにも気になる。そして曲に勢いがあるとやはり歌詞にも勢いが出てくるのかもしれない。
★★★★☆
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

10th 声がなくなるまで

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02年11月27日
作詞:宮田和弥、作曲:森純太、編曲:馬場一嘉
JUN SKY WALKER(S)のカバー。1988年のアルバム『ひとつ抱きしめて』収録曲。完全なるアルバム曲だが、ベスト盤になれば必須の人気バラード…とはいえ02年当時でジュンスカを改めて聞く同世代が果たしてどれほどいたのか…。翌03年にはトリビュート盤とベスト盤がリリースされて話題になったけどこの当時は正直1番世間から忘れられていた時期だったんじゃないかと思う。

シングル初の本格バラードに挑戦ということで冒頭は音数も少なくしっとり始まり途中からはロックバラード的に演奏も盛り上がる。歌唱力が問われた曲だったが意外と新たなボーカルの魅力を発揮している印象。全く似合わないチョイスかと思ったが、そこまででもなくこれはこれでありだったようには思う。ただ後で原曲聞いたらやっぱジュンスカはこれだよこの声と熱さだよという気分にはなった。
★★★☆☆
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

C/W 456日間

作詞:川村恵里加、作曲:長谷川ゆかり、編曲:馬場一嘉
ベースの長谷川ゆかりの初の単独作曲。というか結果的に単独作曲は水沢の「太陽をぶっとばせ!!」とこの曲の2曲のみだった。アコースティックな地味なバラード。「チエの輪」同様にメロディーラインが地味すぎて全く印象に残らず、今回はアレンジもおとなしいので、引っかかるところが無さ過ぎるが、一応アコースティックギターを前面に出してきた曲はこれが唯一。ライブのアコースティックコーナーとか将来的にはそういった可能性を提示した最初の1曲ではあったのかもしれない。「チエの輪」同様に聞き返すまで忘れていたが聞いたらかろうじてなんとなく覚えていた。

2ndアルバムまでの自作はハチャメチャながらも若さと勢いと自作するの楽しい!というノリだけで行けていたところはあって、それが無くなってしまったという事なのか、連続で自作がパッとせずにこれだとA面にはならないよなぁ…とちょっと残念に思っていたらこの後丸々1年活動停止状態になってしまった。
★★☆☆☆
アルバム未収録

11th 信じる力

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04年2月11日
作詞:Whiteberry&UCO、作曲:Funta、編曲:鈴木Daichi秀行
カバー3連発から1年1ヶ月ぶり、オリジナルシングルなら2年2ヶ月ぶりというインターバル。姿を見せたのも『カメレオン』以来2年ぶりでメンバーも年下組の高校卒業を控えるまでに時が進んで、子供だったメンバーもすっかり成長。反抗期だった前田も多少は落ち着いてスッキリした表情になり、ショートヘアーだった長谷川はロングに、他のメンバーもかなり垢抜けて女子大生っぽくなった。

今作リリース時は単に久々の新曲として発表し、直後に解散が発表された。MV撮影時既に解散が決定していてラストMVになる事が決まっていたためラストカットではメンバー全員でサヨナラとばかりにこっちに向かって手を振っているというカットが挟まれている。

自作ではないが思春期を抜けた先の未来への希望が確かに感じられる疾走感溢れるロックナンバー。こういう曲をもっと早く聞きたかった…というまさに待望の1曲だっただけにはいこれで解散ですというのは衝撃だったが、進学を理由にした解散というのがまたなんとも言えず現実的だった。そっちに決めたのかぁと。

アニメ『SDガンダムフォース』EDタイアップだったため、初回盤はガンプラ付で発売された。しかしこのSDガンダムフォースというのはガンダムというネームバリューに反して当時大ヒットタイアップだったSEEDシリーズと真逆でタイアップ効果皆無のマイナー作品だったらしく、nobodyknows+が「ココロオドル」でブレイクした以外は全員売上不振に終わっており、晴晴゛にトドメを刺した(シングル3枚で解散)のもこのタイアップであった。
★★★★★
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~
2ndベスト『GOLDEN☆BEST Whiteberry

C/W 一番星

作詞:Whiteberry&UCO、作曲:Whiteberry、編曲:鈴木Daichi秀行
作曲ではなく作詞に介入されるという珍しい最後にして初のパターンの自作曲。「信じる力」と同様の前向きなガールズバンド王道っぽい感じの1曲。カバー3連発の際のC/Wに比べると勢いは取り戻しているが、それでも「信じる力」と並べたら「信じる力」がA面採用になるのは必然といった感じも。まあ最後に過去最高の大名曲とか出されるとますます解散が惜しくなってしまうところではあったんだけど、2ndアルバム期の自作での楽しそうな勢いは成長や解散を決めていく中でやはり変わっていったところもあったし、やはりここが限界だったのかもしれない。それよりもバンドとは違う未来を選んだ上でのこの先の人生への前向きさしか見えない、そういう終わり方ならそれが1番良かったんだろう。
★★★☆☆
1stベスト『KISEKI~the best of Whiteberry~

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