22nd 永遠
97年8月20日
大ヒットしたドラマ『失楽園』主題歌タイアップ効果もあって初登場1位から6週トップ10に居座り砂漠を車で走行する派手なPVも含めて久々に存在感を示すヒットを記録。60万枚を突破して最後の大ヒットと言えるヒットを記録した。
初期ミックスが存在するシングル盤の1つ。シングル盤では「永遠」が最後までステレオ、アルバム『永遠』は2番終了直後の間奏からモノラルに切り替わる。以降はベストやBOXには一貫してアルバム『永遠』バージョンで収録されている。これより後に出荷された8cmシングル版もアルバムと同じで途中からモノラルになる音源に差し替えられているようで、ステレオになっているバージョンは当時ヒットした8センチシングル版(後期出荷はダメ)を探してこないと聞けない模様。
それ以外にもイントロがピアノ、英語詞、元々のキヤノンCMソングバージョンなどいくつかの音源が存在する。
永遠
作編曲:徳永暁人
ドラマ『失楽園』主題歌。『失楽園』は小説や映画版もろとも97年を代表するほどの超絶ヒットになっており、22時台のドラマで性的なシーンの連発だったことも話題になっていたまたジャケットに原作者の毛筆による「永遠」という文字が書かれていたことも今でもセットで記憶している理由の1つだ。といっても一切見てなかったので当時中1の記憶としてはとにかくエロいらしい…という噂ばかりが出回っていて見ていると公言している者もいなかった(見てなくても存在を覚えているくらいなので相当話題になっていたということでもあるのだろう)。
前作でA面初編曲に昇格した徳永暁人は続けて作曲でもA面に昇格。B社では作曲と編曲が基本的に分業体制であることが多いがZARDシングルで作編曲をまとめて担当というのは「あなたを感じていたい」の織田哲郎以来。徳永曲としてはZARDだけでなく全楽曲中最大のヒット曲。ZARDのバラードでの筆頭代表曲として売上以上にトップ級に扱われている。砂漠を走る車のPVもけっこう97年の夏と一緒に印象に残っている。どっしりとした落ち着いた雰囲気だが、これまでのC/Wバラードとも一線を画すスケールの大きさも感じられる。何か1つの思いが昇華していくような感じもあり、ドロドロしたドラマを中和するような役割も果たしていたのかも。
元々はキヤノンCMソングとして使用されていたサビしかない楽曲で、ドラマ用に作り直したという経緯がある。そのCMで使われていた別バージョンは後に『ZARD BLENDⅡ~LEAF&SNOW~』に「永遠~君と僕との間に~」として収録されたが、サビだけという以外にあまり大きな違いはない。
シングル盤は普通に最後までステレオだが、アルバム『永遠』以降は間奏からモノラルに変わるというミックスで収録されている。以後差し替え扱いでこのバージョンに差し替えられ、後期出荷以降のシングル、BOX等でも間奏からモノラルに変わるバージョンで収録された。配信・サブスク版でも差し替えられているのでシングル版を選択しても途中からモノラルになる『永遠』バージョンしか聞けない。これはさらっと聞いているとあまり分からないが、間奏辺りから急に音が中央に固まって音の広がりが一切無くなるのでじっくり聞いていると一応判別はできると思う。特にイヤホンヘッドホンで意識して聞いていればあからさまに空間が変わるのが分かる。
とりあえず世に出回っている8センチの中古は大半が差し替え前と思われるので普通に8センチの中古見つけてくればよほど運が悪くない限りはほぼ初期ミックスのステレオ版を聞けるはず。
『ZARD BEST The Single Collection~軌跡~』のintro Piano Versionはタイトル通りに序盤がピアノメインのアレンジになっているが、それ以外はオリジナルと変わらないアレンジになっているので途中からは区別がつかなくなる。ただこのバージョンは初期シングルと同じで間奏になってもステレオのままなので、intro Piano Versionとそれ以外のアルバム音源を聞くとステレオとモノラルの違いが感じられる。
English ver.on 1chorusは1番のみの英語詞バージョン。『ZARD ALBUM COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』に収録された際に英語詞と一緒に日本語詞も掲載されたが1番の歌詞を英訳して歌っているっぽいのに2番から最後のサビまでの日本語歌詞が掲載されておりコピペ箇所をミスっていた。
★★★★☆
シングルミックスアルバム未収録
8thアルバム『永遠』(間奏からモノラルに変わる、以降基本このミックス)
1stベスト『ZARD BEST The Single Collection~軌跡~』(intro Piano Version)
3rdベスト『Golden Best 15th Anniversary』(『永遠』Ver.)
2ndセレクション『ZARD BLENDⅡ~LEAF&SNOW~』(~君と僕との間に~)
4thベスト『Request Best~beautiful memory~』(’07 Live Ver.)
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』(『永遠』Ver.)
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』(『永遠』Ver.)
3rd BOX『ZARD ALBUM COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』PREMIUM DISC(English ver.on 1chorus)
5thベスト『ZARD Forever Best~25th Anniversary~』(『永遠』Ver.)
C/W I can’t let go
作曲:栗林誠一郎、編曲:古井弘人
後にGARNET CROWとしてデビューする古井弘人はアマチュア時代にDEEN山根公路とバンドを組んでいたそうで、その縁なのか94年からDEENには関わっていたがZARDへの関与は今作が最初だった。
何とも形容しがたい雰囲気の曲。異色というほど異色ではないのだが…メロディーはけっこう歌謡曲的でそれこそ90年代前半の栗林誠一郎が書いていた「もう少し あと少し…」とかと似たような歌謡っぽさがあるんだけど、アレンジでちょっと変わった感じを醸しだしたのでなんともいえない独特の味わいになったような。実験サウンドが本格化するのは99年だが兆候を感じる1曲。
★★★☆☆
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』
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