4thAl ’need love

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4thAl ’need love

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2000年5月24日
2年5ヵ月ぶりのオリジナルアルバム。初の全曲自作曲Produced by DEENのセルフプロデュースとなり、ビーイング提供曲である「遠い遠い未来へ」は未収録。かろうじての初登場10位でアルバムでの連続トップ10記録は継続(オリジナルではこれが最後)、6万弱の売上を記録した。

初めて1曲ごとにメンバー含む詳細な演奏クレジットが記載された。メンバー3人に空白を開けてサポートメンバーが表記されていて、宇津本直紀が参加していた音源では宇津本直紀もサポート枠で表記。この後のアルバムではメンバー3人の表記は一括クレジットだけになり、1曲ごとにはサポートの表記のみになるので山根さんが弾いてない曲含めてメンバー3人がどの曲でどの楽器を弾いたりコーラス入れているのかが1曲ごとに正式に明らかになっているのは今作のみ

山根・田川両名にシンセやプログラミング表記も入るようになり、ストリングスやブラスアレンジにも個人名義でクレジットされるようになるなど、メンバー主導へと完全に移行してビーイングのプロデュース体制から脱した。レコーディングもビーイングのスタジオから事務所所有のTAKE OFF studioへと環境が変わり(今作の表記から1999年のシングルまではビーイングのスタジオだったっぽい)、以後お馴染みのエンジニアの名前も散見される。

初回盤は32Pフォトブック封入スペシャルパッケージ仕様。縦に開く紙箱パッケージに紙ケース封入のCD、小さめのパタパタ開いていく歌詞カード、パッケージの2/3くらいの大きさの小さめなフォトブックがまとめてすっぽり封入されている。耐久性はそこそこあったようで20年以上経過しても破れたり剥がれたり変色したりはしていない。

フォトブックはメンバーが寄り道しながら海へとドライブしていく模様が写し出されているが、やたら逆光変なドアップなどピントのズレた感じの写真が多い。

多くのファンが初回盤パッケージしか見た事が無いと思われ、実際当時売り切れていた記憶もないが、かろうじて通常盤の生産もかかったようで、ライブ会場のCD物販コーナーではプラケース仕様の通常盤が売られている。逆にレアなため、通常盤を一目見るために買う気もないのにCD物販コーナーに寄っていくファンもいるとか…いないとか…。

1.Power of Love

20thSg Power of Love
20th Power of Love 2000年4月19日 通常シングルとしては初のマキシシングル。マキシケースではなくアルバムと同じ10mmケース仕様。以降現在までDEENのシングルCDはマキシシングル用の薄いケースを使用せずにアルバムと...

2.Soul inspiration

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN
Strinngs Arranged by 山根公路&時乗浩一郎

1999年9月から12月まで行われたツアー「LIVE JOY-Break4~Soul inspiretion~」ツアータイトルになっていた言葉を楽曲化したもの。ツアーで受けたインスピレーションを楽曲として落とし込んだファンへのアンサーソングにしてBreak5への橋渡しになる曲とされる。『LIVE JOY Special 横浜アリーナ』のメイキング映像の中にはこの曲のイントロ部分を演奏している田川さんの姿も映し出されている。ライブのリハの間に新曲の練習をしていた映像なのか、横浜アリーナ公演とは全く関係ない単にVHSとアルバムが同時発売だったのでツアータイトルと同じ曲名である今作のメイキング映像をぶち込んでいたのかは不明。

カッティングしまくるギターに古き良きディスコ風のアレンジが施されたダンサブルな楽曲になっていて、ここに来てまた違う路線に向かったように感じる。メンバー主導により、元々持っていた音楽性との融合を試みたのかドラマーが脱退した影響もあったのか。ただ現在にまで通じる方向性は今作で始まっているようにも感じられる。発売当時は『The DAY』や先行シングルの4人組ロックバンドっぽさで一気にファンになったのでこういうダンサブルな感じなのはちょっと思ってたのと違うんだよなという感覚もあった。

Break5ではアンコール1曲目で演奏されたが、見に行った7月の大宮ソニックシティ公演やこの後シングル『哀しみの向こう側 』C/Wに収録されたin Break 5では最後のサビ突入前にちょっと間があるというくらいしか違いが無かった。DVD『on&off>tour document of ‘need love』収録のツアー終盤の渋谷公会堂公演では間奏で池森&ダンサーズが踊るという一幕が追加されている。ツアー終盤で演出を追加したのだろうか。「Sha・la・la・la~I wish~」PVで踊っていた事もあったのでダンス好きなのかなと思っていたが、後年になってデビューからこの頃まで会社の指示でダンスレッスンに通っていた事が明かされている。2015年のシングル『ずっと伝えたかった I love you』初回盤DVD「池森秀一 ぶら散歩 Vol.1 ~上京篇~」にてそのダンスの講師の元に久々に訪れて当時の事を語っている様子が収録された。証言からしてこの頃にダンスレッスン通いも辞めたようなので最後に集大成的なところもあったのかな。
★★★☆☆
21stシングル『哀しみの向こう側 』C/W(in Break 5)(ライブ音源)

3.MY LOVE

19thSg MY LOVE
20thSg MY LOVE 1999年11月3日 最後の8センチシングル(※)。池森顔半分のドアップジャケット、裏ジャケではメンバー4人が登場。次作は初回特典フォトカード以外に写真が無いため、4人で映っているジャケット写真は今作の裏ジャケ...
表記は無いがギターを再録音したAlbum Version。間奏ギターソロが異なる。このバージョンは『Ballads in Blue The greatest hits of DEEN』にもこっそり採用されている。

4.風の中に…

作詞:池森秀一、作曲:田川伸治、編曲:DEEN
ブルージーな雰囲気を漂わせるざらついたアコースティックナンバー。大人になって忘れていってしまったものは何なのか答えを見出そうとする情緒的な歌詞になっている。憂いは強いんだけどそれでも取り戻そうとあきらめてはいないところにグッとくる1曲。

Break5で演奏されたもののDVDではカットされていて未収録。これ以外にはBreak16の前半3公演でのみ演奏されていたようだが4公演目以降差し替えられてしまったので映像に残されていない。マニアックナイトでも演奏されず、ライブ映像が残されていない曲の1つとなっている。Break5で映像収録はしているので『ALL TIME LIVE BEST』の投票リストにはあったんだよな…。けっこう好きな曲なんだけど残念。
★★★★☆

5.YOU GOTTA KICK

作詞:池森秀一、作曲:山根公路&宇津本直紀、編曲:DEEN
脱退した宇津本直紀が作曲にクレジットされている。脱退後に発表された唯一の楽曲となるが、脱退前に残していたストック曲だったと思われ、ドラムは他の新曲同様に脱退後のサポートドラマー藤沼啓二が担当している。ギターがハードでファンキーなノリの曲だが、鼓舞するように踏み出せばいいさ 踏み出してみろよと歌うサビが力強い。声変わり前特有の強さがある。

Break5では一貫して1曲目に演奏され、ステージが暗めで幕がかかっている中、幕の向こう側に歌っている池森さんがぼんやり見えているサビ直前に幕が外れると池森さんがそこにいなくて消失、サビになると下から池森さんが飛び出してくる(つまり最初のぼんやり見える池森さんは映像を映し出していたフェイクで、サビ前まではステージ下でスタンバって歌唱していた)という手品みたいな演出だった。会場で見て驚いたのを記憶している。初めてのDEENのライブで最初に演奏された曲なのでアルバム5曲目なんだけど始まりの曲というイメージが個人的に強い。
★★★★☆

6.すてちまえ!

19thSg MY LOVE
20thSg MY LOVE 1999年11月3日 最後の8センチシングル(※)。池森顔半分のドアップジャケット、裏ジャケではメンバー4人が登場。次作は初回特典フォトカード以外に写真が無いため、4人で映っているジャケット写真は今作の裏ジャケ...
表記は無いがギターを再録音、冒頭に雑踏の音と池森のつぶやきが追加されているAlbum Version。全体に音の響きが異なり、ギターに関しても右隅でシングルには無かったような音が聞こえるなど追加録音されているっぽい部分もある。詳細な演奏クレジットが出た事によりシングルには表記されていなかったBrass Arranged by 田川伸治&時乗浩一郎が追記されている。また1曲ごと詳細クレジットにより山根さんにBack-up Vocalsの表記しか無く、この曲ではキーボードを演奏していなかったと判明、初めて正式に演奏してない事が表記された1曲となった。

7.Long Distance

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN&池田大介
独特の風合いのイントロ部分ではサントゥールという楽器が使用されている模様。“都会に負けたわけじゃない”とは歌っているものの夢及ばず故郷へ帰る心情を描いた切ないバラード。“あの頃のように好きな夢描いて生きてくのは難しい”というのは夢の有無は抜きにしても大人になるにつれて痛感するフレーズだった。「風の中に…」同様に締めでは”取り戻せる”と信じているところが池森さんらしいところなのかも。けっこうこれまでにない曲が多い中で王道に近いバラードナンバーではあるんだけどドラマー脱退の影響か、「JUST ONE」「MY LOVE」の演奏に比べるとドラムの存在感がどこか弱めなのがちょっと惜しい。

今作のアルバム曲ではかなり好きな1曲だったんだけど歌詞が明るくないからなのかあまり人気がないようで『Ballads in Blue』投票は23位、DVDではカットされたがBreak5の音源が唯一対象曲に含まれていた『ALL TIME LIVE BEST』でもかすりもせず永久お蔵入り確定となった。

これはもうライブで聞く事はないだろうな…と思っていたら2016年日本武道館Ballad Nightでフル演奏。しかもどういうわけか原曲キーだった。ほぼ当時に近い雰囲気で聞けたのは感動的だった。CDでは後半の盛り上がるところでもう少しドラムにパワーが欲しいと思っていたのでHIDEのドカドラ(ドカドカドラム)も合っていた(この時点での声の調子もあった)。

あと地味に気になるのはこの曲も「すてちまえ!」同様に山根さんにBack-up Vocals表記しか無くてキーボード演奏には参加していないことになっているんだけど、序盤から思いっきり聞こえるピアノの演奏は…?池田大介がSynthesizer&Computer Programingになっているので池田大介が打ち込んでいたのだろうか。
★★★★★

8.愛があるから

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN
Strings Arranged by 山根公路&時乗浩一郎

冒頭演奏前のやり取りが収録されているが、池森さんに昔何て呼ばれていたかという話を振られた田川さんが「しんじ…ポンジ」とポンジというあだ名があった事を初めて明かす一幕も。アコースティックギターにベース、ドラム、パーカッションを加えた編成で間奏でストリングス4名も参加。しかしキーボードらしき音は聞こえず、クレジットでも3曲連続で山根さんにはBack-up Vocalsの表記しか無い。サビでは確かに思いっきりコーラスしているのは聞こえるが、この曲はスタジオライブっぽい演出になっているだけにサビのコーラス以外は楽器も持たずに静かに佇んでいるだけだったのだろうか。

暖かくほのぼのとした印象のラブソングでいい曲なんだけど冒頭のしんじポンジのパワーワードに破壊力がありすぎる。これまたBreak5では演奏されたがDVDでカットされ、『ALL TIME LIVE BEST』でもかすりもせず永久お蔵入り確定。Break17で久々に演奏されるもBreak17は未映像化に終わったのでライブ映像が残されていない曲の1つ。
★★★☆☆

9.ひとりぼっちのAnniversary

作詞:池森秀一、作曲:田川伸治、編曲:DEEN
Brass Strings Arranged by 田川伸治

当時みんなが持ち始めていた携帯電話こと“ケータイ”に振り回され、記念日なのに彼女にケータイが繋がらない事で落ち着かなくなっていく心情が描かれている。ブラスやストリングスが盛られていてダンサブルかつポップ色も強くてどこかコミカルな印象もある。ケータイが無かった頃にはない感覚の新時代的なラブソングだった。個人的には2000年高校入学と同時に携帯電話を買い与えられ、入学後はケータイ番号交換、ワンギリなどという新文化が始まった黎明期のような時代だった。教育実習で来る大学生は自分たちの頃はポケベルだったとかコメントしていたし、またケータイを持ってない者も半数近くいた。着信音はまだ単音、最新機種で3和音とか4和音が出始めたようなそんな時期に書かれた曲だという時代背景を考えると味わい深い。2000年という新しい時代のラブソングという感覚があったな…(遠い目)。冒頭の“いつも携帯電話(ケータイ) 便利と思っていたという感覚からして最早便利も何も当たり前すぎて現存しない感覚だと思う。

これまたBreak5難民(演奏されたがお蔵入り)な1曲だが、2009年の日本武道館、2014年のBreak18で共に後半メドレーの1曲として演奏されたのが映像化されている。
★★★☆☆

10.起き上がれよBOY

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:DEEN
「果てない世界へ」「眠ったままの情熱」に続く系譜の奮い立たせる系統の応援歌。フラれてから無気力だった主人公が自分に喝を入れて立ち上がっていこうとする姿が描かれており、タイトルはそのまま朝目覚める意味と人生そのもの、未来へ向かっての目覚めの両方の意味が込められている事が分かる。けっこうガシャついた感じのサウンドになっているためか、2013年のリマスターBOXで聞いた時には随分と音が綺麗になって聞こえた。

声変わりでBreak6以降はセットリストが一新されたのもあって、このアルバムの収録曲はBreak5で演奏したっきりなかなか演奏されなくなった曲ばかりな上に『on&off>tour document of ‘need love』はドキュメント重視の構成となり、映像化されたのはヒットシングルばかりでアルバム曲はほとんどカットされてしまったので映像化難民になった曲が多い。この曲は今作の中で唯一この次の2002年の和音ツアー『on&off 2002 document of unplugged live&recordings』にてアレンジを変更して演奏されたものが映像化されている。その後も2006~2007年Break11、2010年武道館、2013年20周年武道館1日目、田川伸治脱退直前の2016年カウントダウンライブ(ソロ!ソロ!!ソロ!!!)とメドレーが多いものの数年おきに映像化されているので今作の中でも代表的な1曲といっていいだろう。
★★★★☆

11.JUST ONE-Break 4 Style-

編曲:DEEN&池田大介
Strings Arranged by 池田大介

18thSg JUST ONE
18thSg JUST ONE 1999年7月23日 今作より完全自作セルフプロデュースへ移行。表題曲でも作詞作曲だけでなく、編曲もDEEN名義となり、ビーイングのプロデュース体制から抜け出した。ジャケットは池森単独、裏ジャケには4人が写っ...

池田大介が共同アレンジに加わり、ストリングスアレンジ、シンセ&プログラミングを担当して冒頭に長いイントロが加えられている。イントロの後は原曲と同じアレンジだが、曲中でも多少のストリングスが加えられたアルバムバージョン(2000年代型のストバラのように終始鳴り響いてはいない)。Break 4 Styleとなっているのは前年のツアーBreak4でこのアレンジで演奏していたからのようだ。ただ横浜アリーナ映像では「瞳そらさないで」と「夢であるように」の間に挟まれているドキュメント映像部分でこのイントロが一部BGMのように使用されているが「JUST ONE」とは全く繋がっておらず、「JUST ONE」はDVD後半に通常のイントロ部分から収録されている。

原曲が完成されていたのでイントロダクション的なイントロはまだしも、曲中でストリングスが入ってきても良くなったというよりかは別に無くてもいいんじゃないのかという感じで原曲の方が好印象。こっちのバージョンだとオリジナルより一段落ちる感じかな。
★★★★☆

12.蒼い戦士たち

作詞:池森秀一、作曲:田川伸治、編曲:DEEN
NTT DoCoMo 四国CMソングとして四国限定でOAされていた。サポート無し、完全にメンバー3人のみで演奏されている。実際には田川さんだけクレジットがとんでもないことになっていて、Electric Guitar,Acoutic Guitar,Electric Bass,Cymbals,Shaker,Synthesizer&Programmingと一手に手掛けている。ライブでも3人だけで披露していたが、田川さんのクレジットを見れば分かるようにけっこう楽器を重ねているので実際には3人で生演奏のみで完全再現は不可能である。若き日の仲間達を回想し、あの頃描いた道に立っているのかなと思いをはせる。当時のメンバーも30歳前後だったが、学生時代を終えてしばらくしてより響いてくる1曲

今作のアルバム曲ではダントツ人気で『Ballads in Blue』投票12位で収録、Break5で3人で演奏した映像はしっかり『on&off>tour document of ‘need love』のエンディングに収録されたが、これ以外は2007年の47ツアーの日替わりメニューに含まれていた程度。ライブでやっていなかったにも関わらず『ALL TIME LIVE BEST』にはBreak5音源で収録された。これを受けてBreak15で久々に演奏したのがDVD化されており、2016年日本武道館Ballad Nightでも演奏された今作を代表する1曲。しかし「少年」もそうだったが、人気の割にライブでの演奏頻度が低いな…。
★★★★☆
2nd(1stバラード)ベスト『Ballads in Blue The greatest hits of DEEN
2ndライブアルバム『ALL TIME LIVE BEST』(2000年Break5ライブ)

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