バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~ 全5話

1年前に放送されたドラマの続編。寺島進だけスケジュールの都合を理由に降板し、遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、松重豊、光石研が続投した。

1話

テレビ東京がNHKに対抗して本田望結を主人公とした朝ドラをスタートさせることになり、島を舞台にしたロケ主体の撮影になるという事に。出演が決まった5人は大杉のクルーザーで島へ向かうが…大杉の付き人になっていたジャスミン(北香那)が地図を渡し間違えていたため、無人化した島内(昔は観光地だったが寂れて無人化した)に上陸してしまった5人はクルーザーも島内の猿に流されてしまい、廃ホテルでの無人島生活を余儀なくされてしまった。

一方、5人が来ない事に困り果てたスタッフ一同だったが、行方不明になる直前に光石研がマネージャーに送った動画では旅に出ることをほのめかすようなハイテンションムービーでこれを見た役所広司が静かにブチ切れて勝手に代役を指名。5人には小日向文世、甲本雅裕、菅田俊、森下能幸、野間口徹が代役に入ってしまった。

サバイバル生活を1ヶ月ほど生き延びた5人だったがある日、朝ドラ出演者の岡田将生と遭遇。実は島の反対側が撮影地で、島の反対側はまだ栄えていた!初めて場所を移動しての撮影が行われ、撮影隊は現在無人化しているという島の反対側にやってきていたのだった。無事撮影に合流した5人だったがわき役に降格してしまっており物語が始まった…。

と、いきなり無人島ではないことが判明してしまったが、なし崩し的に撮影期間中そのまま島の反対側の廃墟ホテルで生活することになる…という設定らしい。

一気にスケールを拡大させてきてゴールデンに進出してきた感じだけど、前作の日常っぽさとは少し離れた感じになりそうなので果たしてどうなるか…。寺島進だけスケジュールの都合というけど『コード・ブルー』にも1話1カット出演後は写真が飾ってあるだけだったし、なんでそんなに続編モノのスケジュールが合わないのか地味に謎。他の皆さんと比べて格段に多忙な印象もないんだけど…。

2話

ホテルの空き部屋が無いという理由で5人はそのまま廃屋に住むことになるが、最年少の松重豊が4人に振り回されて苦労して寝不足になる話。松重豊の苦労を前面に出すために、他の4人のキャラが前作よりやたら自由奔放になってて正直おざなりだったのと、前作では1番下だった寺島進が出なくなって松重豊が5人の中で最年少になったのでここぞとばかりに「最年少だから」を使いまくっていたような…。朝ドラの方は1話で大量に出ていたキャストを削減し、毎回新キャストを加えていく方針らしい。

ていうかエンドトークでこの2話は田口トモロヲの舞台の都合で撮影が2ヶ月も空いた(昨年11月に撮っていた分と2月に撮ったばかりのシーンがある)とかナチュラルにバラしていたけど、それやると寺島進の「スケジュール」という降板理由が立たなくなってしまうのでは…。

3話

田口トモロヲの舞台の都合で風邪をひいて寝込んだことにしてほとんど1人別撮り。女バイプレイヤーズが登場するという展開だったが、確かに良く見る人もいれば知らない人もいたりで、意外とオバちゃん名脇役の女優っていないのかもなぁ…と。

それよりも放送当日、まさかの大杉漣急死。今回も普通に元気に動き回ってるし、カラオケで前作主題歌のForever young熱唱したりしてて間もなく亡くなってしまうような状態には当然見えない。なんでもない大杉漣の挙動1つ1つがもう見れないのかと思うとなんとも言えない気分になり、正直これはドラマどころじゃない。しかもよりによって本人役って。

撮影は常に複数の話を同時並行で撮影しているようで、全5話のうち4話も5話も途中まで撮影、まさにその撮影後の夜に突然体調が悪化してそのまま亡くなってしまったようだ。果たしてどうやって残りの話を展開するのだろうか。

4話

撮影が押してしまい、監督代行としてユースケ・サンタマリアが起用され、島ハウスを使いたいと言い出す。さらに傍若無人にふるまうユースケに迷惑をこうむる5人。仏の光石研でも思わずブチ切れてしまう…という光石研フューチャー回。ゲスト中心で回し、他のレギュラー陣は本田望結くらいしか出てこなかった。あからさまに変更されたと思われる部分もあまりなく、EDトークでも大杉漣は健在だったが、光石研の単独シーンや光石研+ゲストのシーンがちょっと多かった感じがするのは変更された部分だろうか。

光石研は前作ではいい人というよりもエロキャラ扱いされている印象が強かったけど今回はやけにいい人ブーストが強くなったなぁ…。

5話

大杉漣の急死に関係なく元々全5話だったが、最終回は3割程度しか撮影が終わっていないとされており、変更を加えながらなんとか明るくまとめたといった趣きの最終回。朝ドラの撮影が終盤に向かっていくというくらいしかこれといった展開が無く、一足先に出番を終えたバイプレイヤーズは島を去るが、大杉漣だけ手伝いで残り、去った4人も最終シーンの撮影の手伝いに登場し、全員揃って撮影終了を迎え、新たにスピンオフとして5人が主人公の撮影が始まったところで終了。

4人だけで島を去り大杉漣が残って手伝うという流れにすることで4人しかいないのを自然にして、大杉漣の単独シーンは未公開カットやリアルにメイキング映像を駆使、回想シーンを挟みながら構成。ただ最後にみんなで打ち上げしているシーンだけはどうにもならなかったようで、大杉漣が1人でドラム缶風呂に入っている別のシーンを組み合わせて、打ち上げ中なのに大杉漣は1人で外でドラム缶風呂に入っているというやや不自然なシーンで乗り切った。

本人役とはいえドラマの作風もあって決して暗くならずに明るく展開させ、大杉漣が死んだという事にも触れないようにまるで最後までいるかのようにまとめ上げたのはさすがだけどそれでもやっぱりこれまでに比べると切ない感じや寂しい空気感はあったと思う。ラストカットでは4人が海に向かって大杉漣へありがとうを叫ぶカット(後姿のみ)もあったけどここだけは確実に現実だった。

全部終わっての感想

撮影途中でありえないことが起こってしまったので見方もかなり変わってしまったけど、率直に前作よりはパワーダウンしていたかなというのが正直なところ。前作ではエロキャラにされていた光石研が仏級にいい人にキャラ変していたり、内輪ノリというか表と裏が入り混じった感じがますます強くなったのは気のせいじゃないと思うんだけど、たぶん前作の時はある程度デフォルメしてて、今回もデフォルメもあるけどより本人役というノリが自然体になり、さらに前作の慣れから内輪感が強まったのかなと。

また早い段階で田口トモロヲが自身の舞台出演に合わせて昨年秋から撮影を開始してから撮影自体を2ヶ月も空けて2月になって再開した事、それでも田口トモロヲをほぼ丸々寝込んでいる設定にした回があるなど、スケジュール調整はかなり大胆に行えた様子があったことや、続編は大杉漣の強い希望で早期実現にこぎつけて企画段階から関わっていたとか明らかになってしまったので寺島進のスケジュールの都合という降板理由がとても味気なく、説得力も無くなってしまったように思う。まあ単純に続編には出たくなかった、それでスケジュールも埋まっているとして普通に断ったんだろうなっていう感じがしてきた。『コード・ブルー』も出たの初回のみで後は写真だけだったりしたけどなんかあるんだろうか。

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