テレビ東京「ドラマ25」枠。「捨ててよ、安達さん。」の後番組。
春ドラマが夏にスライドしていく中で余裕の完走を果たした「捨ててよ、安達さん。」だったが、なんと続く今作でさえも既に撮影が完了していて公式サイトには”※撮影は2020年2月から3月中旬にかけて、細心の注意を払いながら行いました。”という一文が掲載されている。
1話完結形式、実在のグルメバーガー店(店員は役者)を舞台に毎回女子2人が訪れるという内容でレギュラー出演者は存在せず毎回登場人物が異なるオムニバス形式。12人で毎回2人×12話なので1人2回は登場するが、職場が同じ等の理由で一部キャストは1シーンのみもう1回出てくる回もある。
1話
馴染みの喫茶店で彼氏にフラれたこず恵(大原優乃)はやけ食いをしようとするが店員の映美(佐々木美玲)にもっとおいしいものでやけ食いするべきだと言われ、やや偉そうな態度の映美に誘われるがままにグルメバーガー店「No.18」へと向かう。
というくらいしかストーリーは無く、後は「No.18」の兄弟店員がほぼ終始説明・解説調のモノローグをしてついでに兄弟の会話もモノローグで行うという超演出(実質テレパシーで会話しているような絵面)で、グルメバーガーの素晴らしさや行程、店主のこだわりなどを説明。既に知っている映美は直接喋るのみだったが、こず恵は映美との会話以外にも感想モノローグを挟んでくる(兄弟のようなテレパシー機能は無い)。最後は完成したバーガーをおいしそうに食べて満足しておしまい。最後は映美が喫茶店よりこういうグルメバーガー店で働きたいと意向を語り、後日喫茶店にこず恵が行くと映美はその通りに辞めていたというところで終了。
なかなか独特の作風。初回の主人公2人はてっきり友人同士かと思ったら店員と客という距離のある関係性だったり、モノローグとテレパシー合戦もクセが強かった。また日向坂46佐々木美玲はドラマに出ると何故かインテリメガネキャラというのが続いているが冒頭登場時のみ眼鏡。これは狙ったのだろう。
2話
企業の受付嬢七瀬(松本妃代)は休憩中に清掃員の高校生新人バイトだりあ(宮﨑優)から突如進路相談を持ち掛けられる。だりあの目には受付嬢をしている七瀬は輝いて見える憧れの存在らしい。無邪気に持ち上げてくれるだりあにいい気になった七瀬は食事に誘い、だりあは焼肉上々苑をリクエスト。金額に焦り苦悩する七瀬だったが、偶然ビラ配りをしていたSHOGUN BURGERのボス(紅ゆずる)からチラシを受け取ってここなら行ける!とここにすることに。合流しただりあも上々苑の値段を知らなかったらしくとんでもない金額に号泣謝罪してきたので双方合意でSHOGUN BURGERへ…という展開。
今回は七瀬のモノローグと、ボスに誘われて10代で単身一緒に上京してきて片腕として働く店員れな(河合優実)のモノローグが同時進行。れなのモノローグは自身の背景説明とこれまで手伝いだけでバーガーを作っていなかったが緊張の面持ちで七瀬・だりあのバーガーを作るという成長物語的な側面を打ち出し、これによって手が空いているボスがバーガー説明をする、みたいな構成。1話ほどモノローグ攻めではなくリアルの会話の掛け合いで話が進んだので1話ほどの異様さは無かったが自然に見れた。
ボス(紅ゆずる)がThis is 男役の宝塚みたいな喋り方とカッコよさだったがどうやら宝塚対談後初ドラマだったらしい。どうりで男前すぎたわけだ…。店員れな(河合優実)は12人の主要キャスト側(食べる側)に入るような見た目や若さだったが店員役なのでゲスト枠らしい。
1話と共通していたのは今回も友人同士ではなく、この回で知り合ったばかり、しかも社会人と高校生と通常接点が無さそうな組み合わせの2人だったところか。特に今回は清掃員のバイト女子高生が休憩中の受付嬢に声をかけて進路相談して仲良くなるというなんでそんな難易度高い設定にしたのか若干謎になるような経緯…。最終的に同じようなノリとテンションで意気投合して去っていって年齢差も感じなかったが…。
七瀬は次回も継続出演する模様。そしてだりあの苗字が美藤。1話のこず恵(大原優乃)も苗字が美藤。つまり姉妹か。そういえば無邪気な明るさは姉妹感あったな…。さらによく考えたら「12人」は明示されているのに1話で2人出ているんだから1人1回出演だと6話で終わってしまう。別の組み合わせでの再登場で地味に人間関係が判明していくという連ドラ的構造もあるのか。
3話
2話でグルメバーガーにハマった七瀬の休日。ゆる~いモードで家でグルメバーガー検索をして休日を満喫しようとしていた七瀬だったが母親がやってきたのでパジャマ姿のまま窓から逃走(一応まんまパジャマではないので町中も歩けるが涼子には趣味変わった?と奇抜な目で見られるくらいはパジャマ)。公園でブランコに揺られていたら高校時代の地元の幼馴染涼子(北村優衣)と5年ぶりの再会を果たす。涼子は第一志望の会社に入社して充実した日々を過ごしていたが、七瀬は受付嬢はやりたい事を探すために派遣でいくつもの仕事をしてきた中の1つで今も探し中、しかし見つからないとグダグダモードだったことが発覚。さらに北海道の実家は旅館で母親と揉めて東京へ飛び出してきて現在に至るが、女将業は自分には向いていないので継ぐ気はないという。グダグダな七瀬としっかり歩んでいる涼子との格差が強調され、2話では憧れられる大企業の受付嬢として登場してたのにこのモラトリアムっぷり。随分と印象が変わったな…。でも確かに2話でもグダグダしている感じや憧れと言われて異様に嬉しそうだったり、最後は女子高生と同じテンションではしゃいでいたりしたので通じるところはあるか。
涼子を誘ってIsland Burgersへ向かった七瀬。今回はオーナー(岡田浩暉)と調理担当の店員の2人(他にもう1人いたっぽいがほとんど映らず)だったが、ハイテンションなモノローグでオーナーが解説をしながら調理担当店員のプロの仕事っぷりを称賛しながら出来上がる過程を見せるというスタイル。モノローグの中で「彼は先代オーナーの作ったレシピを受け継ぎ…」とか言っていたので、店を立ち上げたオーナーではないらしく、しかも立っているだけで何もしていないのでバーガーを作る調理技術を持っているわけでもないオーナーらしいことが示唆された。
バーガーを食すまでの間にもナチュラルに涼子に対して細かい気配りを見せる七瀬。本人は気づいていないどころか当たり前に思っていたが、涼子はそれだけ気配りができるのは才能だ、向いているのはやはり女将だとアドバイス。母親からかかってきた電話で母親と向き合う事にした七瀬は自分に向いている事とは北海道に戻って女将を継ぐ事だったと気づいて実家に帰る事をを示唆して終了。
というわけで女子高生の憧れの受付嬢が実はモラトリアムっ子で実家の女将を継ぐことを決意するまでという物語の方が地味にジェットコースター。3話でようやく友人同士のコンビとなったが、今回も北海道出身で高校以来会っていなかった2人が東京で5年ぶり偶然の再開、というもうわざとやってんの?というくらい数奇な設定だった。
次回は案の定、姉妹だった美藤さん家の姉妹になる模様。
4話
1話のこず恵(大原優乃)、2話のだりあ(宮﨑優)が姉妹として再登場。マナー講習会を受けていたこず恵は講習会の中でバーガーの上品な食べ方に衝撃を受けて物足りなさを感じつつ、新たな彼氏候補の先輩に食事に誘われるもやはり思いっきり食べると引くのだろうかと気にしてしまっていた。一方でだりあは2話での出来事からイケイケな日々を過ごしており(こず恵曰くこないだまで進学で悩んでいて死んだような目をしていた)、友人とダンス動画を投稿して有名になるのが夢だ!と豪語していた(要するにYouTuber)。しかし投稿していた動画というのはこず恵が見てもドン引くほどにだりあが1人で悪目立ちしていて他の2人が明らかに迷惑そうにしているが本人気づいていないというものだった。妹の悪い癖が出ている…と指摘しようか迷うこず恵だったが、だりあの提案でデートの下見がてら食事に行くことに。
その前に散々こず恵を買い物に振り回すだりあ。やがてだりあの行っていた店というのが「BLACOWS」というグルメバーガーの店だと判明し、こず恵も知ってはいたので驚く(お互い最近グルメバーガーにハマっていたのは知らない)。
「BLACOWS」では料理長(少路勇介)が今回のメイン。もう1人注文係の若手イケメン店員がいたがキャラは無く、料理長が説明&自身が10年前に別の店に勤めていた際に視察で訪れて感激し、面接で熱弁して採用されて料理長を任されるに至ったという経緯などがモノローグで語られた。これまでの店員とは違うキャラ付けのですます調の語りが強調されていた。
食べ終わるとだりあはあまりに調和の取れたバーガーのバランスに自らのバランスを欠いた言動を反省。そしてこず恵もまた好きなものを好きに食べるデートでいいと決意。見渡せば店内はカップルも多くみんな気にせずに自由にほおばっていた。人を見抜く能力を持つ料理長もそれでいいとうなずき、自身が転職した際にも当時の恋人で現在の妻と一緒だったことを振り返る。さらに当時彼を雇った店長も人を見抜く能力を持っていて彼が同業者で視察に来ていた事を見抜いていたという真相も明かされた。
今回は一緒に暮らしている姉妹なのでこれまででというよりたぶん1番距離が近い関係性だったと思われるが、こず恵も愛嬌系なのに妹の方が自由奔放で強烈なので振り回されて困っているというのがなんか地味に面白かった。
5話
1,2話以来となる2人とも初登場キャスト。バリキャリ女子の玲奈(松田るか)は社内でも後輩から憧れられる真面目でカッコいい存在だったが(後輩役に3話の涼子(北村優衣)が登場したが今回は脇役)実はカワイイ物が好きでそのギャップに悩んでいた。ぬいぐるみペロペロちゃんの限定モデルを入手し損ねた玲奈はネットで知り合った譲ってくれるというセーラ(瑛茉ジャスミン)と待ち合わせしていたが現れたのはロリータ服の子だったので面喰う。受け渡しだけで終わるつもりがさっき通りがかった店でペロペロちゃんトークをしようとセーラが誘ったのでその店「BURGER&MILKSHAKE CRANE」へ行くことに。
終始こんなかわいい○○に地味な私が似合うか?を気にしていた玲奈だったが甘いドーナツとコショウの効いたガツンとしたパティとのハンバーガーのギャップにギャップもありかもしれないと考え始める。セーラも後押しして吹っ切れた玲奈は後日会社のデスクにペロペロちゃんを飾り、後輩からも同じものを買う!と言われ尊敬の評価が変わらなかった事に安堵の笑顔を見せるのだった…。
今回店員は完全に1人だけで背景に店員がもう1人いたが台詞も無く、調理担当も注文担当も説明ナレーションも全て周(大塚ヒロタ)が1人で担当。これまでに比べるとこれといったクセもなく、説明に徹していて変なキャラ強調も無かった。セーラも見た目の割には実は関西人というギャップ程度でフォーカスは完全に玲奈に当てていたような印象。
それにしてもペロペロちゃんトークをしようというのが初対面なのに食事に同行した最強最大の理由だったのに一切ペロペロちゃんトークをしてなかったが、他に共通の話題も無さそうなのによく間が持ったな…描写しなかっただけで店長が説明ナレーションで調理中にはペロペロちゃんトークをしていたのだろうか。
あとセーラが食べていたエッグチーズバーガーに使用している卵が埼玉県深谷市の「田中農場」というのが知っていて最近よく買いに行っているところだったのでふいに出てきて驚いた。
6話
5話からセーラ(瑛茉ジャスミン)が引き続き登場。実は英語が出来ずに英会話教室に通っていてすみれ(矢島舞美)と出会い、2人で「Authentic」へ…という展開。前回は関西出身という事くらいしか明らかにならなかったセーラだがパイロットの父親はアメリカで暮らしていてセーラは母(たぶん純日本人)と大阪で暮らしていたが、父が日本で転職したので来日が決定。しかし父は英語しか喋れず、セーラは英語が大の苦手で全く喋れないのでコミュニケーションが取れないと悩んでいた。グルメバーガーなら父も好きだという事で下見という形で訪れ、店には英語のメニューもあるし、訪れていた外人客はボディランゲージでおいしさを店長に伝えていたのでこれならなんとかなるかも!と前向きに。そして来日した父と再会するセーラでおしまい。
今回は説明ナレーション担当が店長ではなく常連のオッサン(坂東彦三郎)。顔芸を繰り広げながら説明をするだけでなく、かなり遠い席に座っているセーラとすみれをカウンター席から完全に振り返り姿勢で凝視して会話を盗み聞きしながらツッコミを入れたり、英語でメニューを説明できないと2人が困っている際にははわざとらしく大声で英語のメニューもあるよね!とか店長に話しかけて介入する始末。オッサンが若い女の子凝視しながら顔芸で会話盗み聞きとか完全にやりすぎになっててよくキモがられずに済んだな…というレベル。やはりナレーションは店長の方がいいな…。
すみれの方はミュージシャン志望で英語を会得してフジロックでノエルギャラガーに愛を伝えるのが目的と言っていたが終盤ではジミーペイジにボディランゲージを!とか言ってセーラにノエルじゃないのかと突っ込まれていたのが面白かった。すみれを掘り下げるのは次回になるようだ。
7話
すみれ(矢島舞美)は路上ライブをやってもまるで客が集まらず、この日も何度か来ていた女子高生の彩花(山口まゆ)1人だけ。その場で引退を宣言したすみれは彩花を誘って「ICON」にグルメバーガーを食べに行く事に。
今回は店長(本多力)1人だけ、他の客もいない状態で、話を聞いていた店長は直接すみれに音楽を辞めるべきではない、音楽とバーガーは似ていると持論を展開。自身もサックスプレイヤーとしてバンド経験があると告げてからバーガー説明ナレーションへなだれ込むという展開に。これまでは様子を見て心の声で応答はしていてもナレーション担当が直接女子2人に話しかけたりはしていなかったが新パターンとなった。といっても自身の過去について調理そっちのけで話し始めていたはずがナレーションになってからはいつの間にかいつも通り調理過程になっていたので演出上変化をつけてみた程度ではあったが…。しかもバンズはドラム!とかバーガーを楽器に例えていくのはかなり無理があり(しかもボーカルなしのサックスがメインという編成のインストバンド)、最早謎の例えにされてしまった「ICON」がちょっと気の毒なレベルで意味不明だった。
店長の説得でやりたい音楽を追求することを決めたすみれ。彩花は今やっているすみれの音楽が好きだと言っているのに彩花に本当にやりたいことをやる!と宣言。彩花が後日訪れたライブハウスではX JAPANみたいな80’s元祖V系みたいなコスプレをしたすみれとどこから連れてきたのかバックバンドのオッサン達を従えてデスボイスでI LOVE グルメバーガーな歌を歌うという珍妙な光景と相変わらず客ゼロという状況で、これがやりたかったの…?とドン引きする彩花で終了。オチで衝撃ギャグに振り切ってしまった…。
正直20代の若いうちに代表曲と太客のオジサンをいかに多く掴んでおくかというのが女性シンガーソングライターの現実的な生き残り方というのが現状であり、25歳時点で路上ライブ客1人というすみれはメジャーで音楽をやっていくのが目標であるなら正直年齢的に詰みであるのは間違いないが(5年やって芽が出ないって言ってたし)、それでもオチがギャグに走ったんじゃ割とどうでもよかったか…。ていうか1年前からあきらめモードだったならフジロックでノエルギャラガーに愛を伝えるために英会話教室に通う余裕なんて無いだろうに、今までで1番ブレてたなぁ…。6話の脚本段階ではもう少しシンガーとして売れている設定だったのか…?いくらなんでも路上ライブ5年続けて客1人って想定では書かれていなかった気がする。
8話
3話に登場した涼子(北村優衣)と5話の玲奈(松田るか)が上司と部下だった事が5話で判明していてこの2人のメイン回。メインとしては2度目だが涼子だけ3度目の登場と変則的になった。
3話では七瀬の方が幼い感じで涼子は希望の会社でバリバリ働いている肉食系女子を自称して余裕ある感じだったが、今回は玲奈が出来る女上司として描かれているので、涼子は伸び悩んでいる新人みたいなポジションになっていて随分と印象が…。これまでも各登場人物は2回の登場のうち1回は掘り下げられる方でもう1回はそれを引き出す方という役回りだったので、意外な一面が出てきたリはしたが…涼子の場合はそれにしてもキャラ違い過ぎ。
妙に軽薄でヘラヘラした後輩になっていて、自身の伸び悩みを気にしていながらも、玲奈と出向く取引先の資料を覚えておけと言われて覚えてないのに大して悪びれもせずにヘラヘラしていたり、じゃあ着くまでに叩き込めと言われているのに覚えられない不安だとヘラヘラ泣き言を言ってきたリ、取引が1時間延びたら後で行こうと思っていたグルメーバーガー店「R-S」にバーガー店だと言わずに玲奈をR-Sに連れていってなし崩し的に入店させようとしたり。玲奈はグルメバーガー好きは公表していなかったが前回ハマっていたので結果オーライだったけど、取引1時間前に重たそうかつ物によっては匂いが残りそうなグルメバーガーってお前…。
さらにメニュー選びの際も自分が食べたいのを優先して他のにするように玲奈にいけしゃあしゃあヘラヘラとおねだりしたかと思えば、玲奈が食べるべきバーガーまでヘラヘラしながら勝手に指定、バーガーが来るまでに資料覚えろと言っているのに匂いにつられて集中を欠いて注意されるも相変わらずヘラヘラ…と自由すぎる態度のオンパレード。こんなC調過ぎる(「調子いい」の死語)奴だったのかコイツ…。
いつもは抱えている悩みがある掘り下げられる側のキャラが終始こんなヘラヘラっぷりでヘラヘラしているだけなので今回物語が全く無いんじゃないかと思ったら最後になって5話の出来事がきっかけで玲奈がデスクに飾るようになったペロペロちゃん人形をヘラヘラと持ち出してズケズケ踏み込む涼子。この瞬間に今までの「大谷さん」呼びが「玲奈さん」にしれっと親しげに変えているのがまたヘラヘラらしいヘラっぷり。ここまでクールに徹していた玲奈は好きなものを恥ずかしがるのを辞めたとようやく5話に繋がる発言をして、涼子はそれをカッコいい憧れだとヘラヘラ3割増しで言うも結局それくらいで終了。
一応冒頭でも玲奈の人形に触れていて涼子がペロペロちゃん人形を置くようになってから少し雰囲気が柔らかくなったので行けるかもしれないなどと考えているシーンもあったがそれにしては玲奈がクールなままであまり気さくさ変化を見せないまま(最後の台詞くらい)、代わりに涼子がヘラヘラ厚かましすぎ、というバランスがおかしい回だった。
今回の店長(勝矢)はフランクに話しかけてくるところから始まり、その後も2人とよく喋っていたが調理中はいつもの説明ナレーション。また2人ともバーガー好きだと見抜く(玲奈の方は素振りを見せていなかった)など観察眼もそこそこだった模様。
9話
建築デザイナーを目指して事務所でバイトしている一美(宮下かな子)だったが行き詰っていた。同僚の祥子(福田愛依)に気晴らしにと外食に誘われ、2人はチラシを受け取った「BROZERS’人形町本店」へと向かう。
同僚のわりに祥子がどういう立場なのかよく分からなかったが設定上は事務所の事務なので建築家を目指しているわけではないらしい。設定上も1歳差でお互いタメ口の友人関係というのは初対面同士か多少の年齢差が多いこのドラマでは珍しかったが、見た目的には演者の実年齢が実際にそこそこ離れている(25歳と19歳)のもあって、明らかに一美の方がお姉さんっぽく、タメで話しているのが少し不自然に見えるほどだった。
今回は店員側はモブで、店へ向かうきっかけにもなった常連の和服老婦(山村美智)が説明役。和服姿の老婦による説明調というのは新しかったが、設定が新しいだけでむしろ普段よりも説明調だし、展開上は不自然さが際立っていた。開店当時からの常連らしいとはいえ、調理シーンをうっとり見つめつつ冷静に調理過程を誰に言うでもなくナレーションで語り掛けるように説明していたり、2人より先に注文しているはずなのに2人の方が先に調理が終わってて老婦の注文は?と思っていたらいつの間にか2人より先に食べ始めていたり、去り際に店名の由来まで2人に説明してきたり…と完全に広告塔。しまいには「この町の」とか言っていたので街の重鎮のようでもあった。
対して2人も食べ始めに異様に丁寧な食レポをしたと思ったら、以後はスロー&BGMでの食事シーンが延々…というなんだかいつもよりやる事ないのかという展開。そして2人を交互に移す延々スロー食事シーンのラストカットが突如老婦の飲み物チューチューシーンというのがシュールで笑えた。
これはいつもは2人の会話や食事を通して抱えている問題を解決する流れなのが2人が仲良すぎて普通に仲良くおいしそうに食べているだけで終わり、解決するきっかけは老婦による店名の由来説明を聞いて(ブラザーズならTなのにZなのはアルファベット最後Zにする事で最後までやりきるという意味が込められているという)私も最後までデザイナーあきらめずに頑張ろうとなる、という展開だったからか。
10話
7話の彩花(山口まゆ)がジム所属のボクサーだったことが判明し、9話の一美(宮下かな子)が同ジムのOGだった事が判明。彩花はジムでも爆弾パンチと評されるほどのすさまじいパンチ力が評価されていたがそれ以外がからっきしのため試合で勝てずにくすぶっていた。この日はグルメバーガーを食べようと張り切っていたが、顔を出したOG一美がペラペラと絡んできたため予定が狂い上の空に。ほぼ話を聞いていないどころか若干邪魔扱い、むしろとっとと去れくら露骨な態度の彩花に気づかずに喋り続ける一美だったがそのまま気づかずに食事へ誘い、断れずに意気消沈する彩花。しかし一美が連れていったのはグルメバーガー店「JACK37BURGER」だった。大勝利…。
店内では謎の常連女性客(藤谷理子)がいきなり偉そうに講釈を垂れてきたので説明ナレーション役かと思いきや、陽気な店主(カトウシンスケ)もキャラが濃く、わざわざ女性客を常連だと説明したかと思うと説明ナレーションを自ら担当、女性客は気づけば姿すら映らなくなってしまった。
パンチ力だけじゃ勝てないのでボクシングを辞めようと考えていた彩花、パンチは凄いんだからいつか勝てるとパンチごり押しをごり押しする一美(一美は攻撃力が無いのでアウトボクシングしか出来ないスタイルだったらしい)、最早一美が迷惑な押しつけOGと化す一歩手前くらいの状況でバーガーが完成し、陽気な店長はこの店の自慢であるサルサソースを信じて貫いた事で今があるから貫くのが良いとアドバイス。ボクシングに例えてボクシングシーンも入れ込みながら堪能し彩花はボクシング継続を宣言。そして消えていた女性常連客が最後に再度呼び止めて実は2年前に彩花に負けた相手だったと告白、彩花も思い出して敵ながらあっぱれとエールを送る女性客にますますやる気を出して終了。
7話ではスポーツ系の部活に打ち込んでいる程度しか語っていなかった彩花がジム所属のボクサーだったのも唐突だったが、一美も夢破れて新たに目指した建築家という説明の夢破れたというのがどうやらボクサーだったという事で急にキャラ変わりすぎ。今回は終始男口調になっているし、迷惑がられているのにも気づかない豪快なボクサーOGキャラになっていて2週連続出演で間が無いのでさすがに人が違い過ぎる感じがした。
11話
9話の祥子(福田愛依)はグルメバーガーにハマって建築事務所の事務の仕事中も次に行く店を吟味していた。9話で一緒に食べ、10話でもメインだった一美(宮下かな子)は職場が同じなので1シーンだけ出演して調布へ書類を届けるように依頼してきたのでその近くにグルメバーガー店「JACKSON HOLE」がある事を確認した祥子はその店へ向かう事に。
その途中で幼馴染で高校までいつも自分の後をくっついてきた優柔不断なのえる(横田真悠)から電話があり、ナスを買おうと思っているが味噌炒めにするか麻婆茄子にするか決められない、ナスを何個買うか決められないというのらりくらりのほほんモードが炸裂。結局グルメバーガー食べに行くという話を聞いたのえるが行きたそうな空気を醸し出してきたので一緒に行こうと誘って2人は「JACKSON HOLE」へ。
「JACKSON HOLE」では年配のおじさん(佐藤貢三)がビールも自家製だと説明しながら注文を取りに来た。さりげないビール推しを無視してコーラを頼む祥子に対してのえるは祥子に銘柄を決めてもらってビールを注文。普通にこのオジサンがオーナーっぽく見えたが、説明ナレーションを開始したのはずっとジト目でこっちを見ていた少々不気味な店員(大水洋介)の方だった。
店員は自身が飲食店経営をあきらめようとして最後に立ち寄ったこの店で感銘を受けて社長に心酔した事を振り返りながら、ナレーション。自家製でビールまで作る社長をべた褒めしまくり、最後には2人がSNSとかやってて投稿されるなら下手なバーガーは出せない…俺が背負っているんだ…とプルプル震え出して盛り付けし直すというギャグまでかまし始めた。加えて本当に2人が写真を撮りだすと見栄えはどうですか?と不自然に話しかけに行き、のえるがのほほんとフォロワー40万人だと話しているのが聞こえると驚愕したりと無駄に濃いキャラだったが…なんとこれを最後に急速に背景化。
もうすぐ食べ終わる段階で今度は注文を取っていたおじさんの方が不自然に再度話しかけてきて自家製ビールを再度アピール。さらにはここが自分のお店=さっき店員が心酔しているとナレーションしていた社長本人だったと正式に明かし、バーガーに合うビールなんだと力説。さらにもう1つお勧めのバーガーがあるからどう?とまさかの追加注文までごり押ししてきた。
この態度、明らかにコーラ飲んでいる祥子にビールを飲んでくれとアピールしまくっているようにも見えたが、祥子はのえるにまだ食べるか聞いてお勧めバーガーを注文、のえるがビールお代わりを告げたのみで、その後出てきたカットでは2人ともバーガーは1つずつお勧めのを追加注文していたようだが、飲み物の方はのえるのビールが再度満タンになっていただけでなく、祥子のコーラも再度満タンになっていたのでここまでビール推しされてコーラをおかわりしたらしい。なかなか鈍感というか、単純に祥子は酒が飲めないのか…?いやそれにしたってコーラおかわりって割ときつくない?コーラにも合うとは一言もアピールしてないしさ…。
ビールとバーガーの関係をお互い必要としていると2人の友情に置き換えるような話に持っていっていて、のえるがやたら祥子が元気ないのではないかと心配していて私でも相談には乗るから何でも話してねと2回も同じことを言ったりしていたものの、肝心の祥子は特に何か抱えている様子でもなかったので(冒頭で事務の仕事が多忙な様子は出てきたが参っている様子は無くて直後にはバーガー店選別を始めているくらいには図太い)、改めて友情を確認する程度で、結局最後も酔って動けなくなったのえるを祥子が背負って帰っていくカットで終了。
社長本人が語り始めたので散々力説したナレーション役店員が一挙背景化、まさかのおかわり&ビールのごり押し、ビールのごり押しを無視してコーラをおかわりまでする祥子…と色々と小さな謎展開が多い話だった。
同僚でなく、久々の再会でもない、日頃会っている親友同士というのは何気に初で唯一。距離感としても2話の同居する美藤姉妹よりも1番近いコンビだったかもしれない。
12話
11話で優柔不断を卒業、1人グルメバーガー店巡りにハマっていたのえる(横田真悠)は冒頭から「AMERICAN DINING homeys」を訪れていたが、店内で前の店でもその前の店でも見かけた覚えのある映美(佐々木美玲)からおいしそうに食べるのねと話しかけられる。私はそういうのは忘れちゃった…と意味深に告げて去っていく映美が気になったのえるは尾行。すると映美は「FIRE HOUSE」の店員だった事が判明。のえるは本日2食目のバーガーを「FIRE HOUSE」で注文。
ここまではのえるのナレーションだったが、その後は映美が1話を回想しながらあの後本当に店で働き始めたと店の説明込みでナレーション、さらにオーナー(光石研)登場後は店員の真次郎(ジャングルポケット太田博久)までナレーション…とナレーションのメドレーに。仕事終わりを待って公園で再会して正式に友人同士となった2人だったが忘れ物を取りに戻ったところ、独立を考えていてソースを使うか使わないかで悩んでいた真次郎がオーナーの話を聞いて映美が勧めたとおりにソースを使う事を選択、決めたから最後にごちそうしてやる!と告げる。
ついでなのでのえるの分も!となったが、のえるが友達もいいですか?と祥子(福田愛依)を召還。その後呼ばれた子がこれまでの回で知り合った仲間を1人ずつ呼んでいき、到着→真次郎「よしじゃあ○人分だな!」→来た子「○人でもいいですか?」のループコントが炸裂。次々と全12人が登場していったが、セーラ(瑛茉ジャスミン)が電話した玲奈(松田るか)だけ何故か残業で来れないと言って欠席、代わりに後輩の涼子(北村優衣)を送り込んでくる形で繋いでいき、最後はこず恵(大原優乃)。最後の1人でこず恵と映美が1話以来の再会を果たした(こず恵視点では喫茶店の店員さんだったのに辞めてしまったと聞いて消息不明だった)。あと七瀬(松本妃代)は実家の旅館継ぐので故郷に帰ったんじゃなかったのか。まだ受付辞めてなかったのか。
というわけで12人のうち11人集合という最終回らしい展開で真次郎の作ったバーガーをおいしくいただき、記念写真で盛り上がり、番号交換で盛り上がり、こず恵の提案でグループLINEのメンバーとなり、映美がグループ名を「女子グルメバーガー部」と命名して綺麗に締まったところで終了。
残業で来れなかった設定で玲奈だけハブられてかわいそうだったが、一応作中でも涼子がこの後持っていくからと持ち帰り用の注文をしていて実際にエンディング映像のメイキング写真カットダイジェストの中で、涼子が届けたバーガーを食べている玲奈というシーンも出てきて地味に芸が細かった。ただ何故現地に来れなかったのかは不明。1人だけスケジュール取れなかったのだろうか。
全部終わっての感想
クセの強い店員のモノローグなど当たり外れはあったものの、メインの2人は知り合いでも何でもないケースも多かったり、1人が少し悩みを抱えていてバーガーと相手との会話を通して吹っ切るというちょっといい話も交えてこの枠らしいドラマだった。
1人基本2回メイン回のうち、さらにもう1回が人物掘り下げ回でもあったけど、先に出ていた時とは意外な側面が見られるのも面白かった。ただ何人かは前回登場時からキャラ変しすぎている印象もあり、特に涼子(北村優衣)は七瀬(松本妃代)に偉そうにしていた初登場回とズケズケ礼儀知らずに玲奈(松田るか)に踏み込んでいく2回目の登場回であまりに性格が違い過ぎて終わってみても違和感が1番だったと思う。
映美(佐々木美玲)もクールで大人な雰囲気を醸し出していたのが、最終回ではちょいちょい完全に日向坂46のみーぱん本人になってしまっている箇所が散見されてこれは演出なのか下手なのか分からなかったが、元々テンションが上がると子供っぽさも出てくるキャラという事でまあなんとか…。
コメント