私の家政夫ナギサさん 全9話+特別編

2020年7月放送開始。2016年から電子書籍で配信されている漫画『家政夫のナギサさん』が原作。ドラマ化にあたってタイトルに「私の」が新たに付記した。

2020年春クールで4月14日より放送開始予定だったが2週間ほど前の4月1日位時点で新コロ延期を発表。そのまま緊急事態宣言に突入して撮影不可能となったため1クール丸々過去の同枠2ドラマ(『恋はつづくよどこまでも』『逃げるは恥だが役に立つ』)の総集編で繋ぐ事になり、放送は夏クールへと完全スライドした。

本来は夏だった(?)次のクールの『おカネの切れ目が恋のはじまり』も既に3話まで撮り終わっていて告知も始まっていたが三浦春馬の自殺により撮影が不可能となり、放送がどうなるか不明となった。

1話

大手製薬会社に勤務する医薬情報担当者(MR)のメイ(多部未華子)は昨年最優秀社員を獲得するほどの優秀な社員として活躍していたが、仕事一筋のため私生活は恋人もいなく自宅も物が散乱して足の踏み場もない荒れ放題の状態。ベッドも使用不可に埋もれているのでソファで眠る日々となっていた。28歳の誕生日を迎えた日、職場のチームが再編され新たに赴任した古藤(富田靖子)に評価されてチームリーダーとなったメイはさらに張り切るが、ライバル会社の田所(瀬戸康史)がかなり出来る奴でシェアを奪われる危険がかなり高まっていく。しかも田所かなりいい奴でメイ相手にも積極的に情報交換しようと持ち掛けてくる上にラストでは隣人だった事まで発覚。

そんな中、メイの荒れ放題の部屋を見かねた妹の唯(趣里)は自身が務めるハウスキーパー会社で最も優秀で通常順番待ちで予約が取れないスーパー家政夫の鴫野ナギサ(大森南朋)を4日間のトライアルで雇って誕プレだという。おじさんが部屋にいるという事実に拒絶反応を示すメイだったがなんだかんだ2日後には部屋は綺麗になり、無くしていたものや散らかっていたものも片付いてまんざらでもない。

一方でリーダー、ライバル会社の存在に加えて新人の教育係まで頼まれたメイはパンク寸前となり、田所に仕事を奪われる寸前に追い込まれて自社の薬の素晴らしさを伝えるプレゼン資料を徹夜で用意するも、相手からは田所はうちの患者に何が合うのか見てくれた、薬の効能がどうという話ではないと言われ完全敗北。ついにやけ酒へと走るが、ナギサさんの温かさに救われ、4日間が終了。そこに母がやってきて焦って次回へ続く。

逃げ恥の逆版みたいだが同枠なのでまあ似たような原作を拾ってきたんだろうなっていう。大森南朋のナギサさんがどうにも機械的な感じでつかみどころがなかったが、唯に自分は避けられているような気がすると相談するシーンを挟んだことで、メイが母親からプレッシャーを受けていた話を聞くなど、ある程度は背景を説明するシーンもあったのは良かった。

基本真面目だけどかわいいところもあるという多部未華子は去年の『これは経費で落ちません!』をさらに柔らかくした感じで好印象。というか若い頃は大人びた雰囲気があったけど見た目そのままなのでついに実年齢より若く見えるようになってきた(実際31才で28歳設定、これに合わせたのか妹役の趣里も29歳で25歳設定、同僚の高橋メアリージュンも32歳で28歳、富田靖子も51歳で48歳…と主要な女性陣が軒並み実年齢より数歳下の設定になっている)。

また延期になったといっても1話はほぼ完成していたようで冒頭から4月のカレンダー、4月13日と堂々日付が出てくる、桜満開のカット、春物のコートで出勤する人々…と完全に春の装い。恐らくある程度の段階で急に薄着に切り替わるか、不自然にならないように我慢大会(30℃越えなのに春物着ている)になるのかもしれない(これはスーツ姿の『SUITS』が1番地獄だと思う)。髪とかも伸びるだろうし、こんな前代未聞は大変だろうなぁ…。

それにしてもこのワクチン利権な世の中のタイミングで製薬会社を舞台にしたドラマとはなぁ…。ちょっと笑えないところがあるよね。

2話

冒頭はナギサさんがまだいるのに母親が来てナギサさんを閉じ込めて隠すのにてんやわんやというドタバタ。隠し通すもひっかけたコートのボタンが外れてしまい、妹の唯はメイのためにもナギサさんとの契約を続けてほしいのでナギサさんから返すように言うがメイが忙しいのでなかなか会えず。

この間に前向きお仕事ドラマが展開。後輩の思わぬ活躍もあって新たな放心での仕事を開始したり、田所と交友を深めたり。後半になってようやく再会したメイとナギサさんだったがメイは再契約せずにコートのボタンを直してもらっただけで終わってしまう。しかしこの際のナギサのアドバイスから1話で契約に失敗した相手と改めて契約を結べるなど大きなヒントになる出来事も。

そんな中で母親の再訪が決定したが、せっかくナギサさんに綺麗にしてもらった部屋がもう荒れ放題になってしまっていたためスポット契約でナギサさんを召還して母が来るまでの2時間で何とかしてもらおうとするメイ。しかし掃除開始より前に母親が来訪してしまい誰そのおじさん?となってしまい次回へ続く。

思ったよりスロー展開。冒頭でやったナギサさん隠しの話を最後にもう1回繰り返して結局最後に見つかるという…。

3話

母にはあっさり家政夫を雇っているのがバレ、母親はそんなん恥ずかしいと失礼な発言を連発。さらに自分が家事が全くできなかったからメイにやればできると言い聞かせて押し付けるという棚上げしまくりな身勝手な言動を連発。妹の唯と母の絶縁の理由もここにあり、唯曰くやれば出来るとメイに言い聞かせるのは「呪い」であるという。

母を無自覚な嫌な親として描くのかと思いきや、母も思うところがあったのかナギサさんを訪ねてきてナギサさんの話を聞いて考えを少し改めようとしたりと早くも改心の気配を漂わせる。

それでもやる気を出したメイは家事と仕事の両立を決意。よりによって前回から準備している講演会の準備も重なって仕事が最もハードな時期に無謀な両立を試みた結果、睡眠不足が続き徐々に疲弊がたまっていくメイ。

さらに講演をお願いしたクリニックの肥後(宮尾俊太郎)をたまたま薫(高橋メアリージュン)の勧めで無理やり登録させられたマッチングアプリで見かけて間違えてハートを送ってしまったメイは肥後に好意を持たれてしまい、同じく接近してくる田所とも恋フラグも立てまくり

肥後が交通遅延で遅れてしまい迎えに行って車からスマホ中継で講演の前半を乗り切り、途中で電波が死んで途切れるというトラブルも発生したが、なんとか到着して最終的に講演をギリで乗り切った。一仕事終えて帰宅したメイは倒れてしまい、翌日母が高熱で倒れているメイを発見。おじさん…と助けを求めるメイに体温計がどこにあるのかも分からない母はナギサに連絡してどこに体温計があるか聞こうとするが心配したナギサは駆け付けると宣言。無報酬で病院から再度自宅に戻るまで付き合い、さらに無報酬でナギサに任せて帰ろうとする母親へおかゆの料理指導を行うなど無報酬で献身。

結果何とかおかゆを作るもメイ曰く「味がしない」おいやめろォォォォ!このご時世に熱出して倒れて「味がしない」は禁句だァァァァァ!!!が、味がしないのは母の味であり安心するという。ナギサさんの指導どこいった?抱きしめてメイの記憶の母の姿の定型文「やればできるから」を言うのかと思いきやナギサさんの言葉で考えを変えた母は「そばにいるから」を言葉を投げかけメイも嬉しそう。

そして母親も今は仕事に集中しなさいと告げて帰っていき、呪縛から開放されたメイは正式にナギサさんと契約することをようやく決定。帰ってきてメシがある、待っている人がいるという暖かさに好調を取り戻したメイだっが油断していて田所に隣人だったとバレてしまい次回へ続く!

2話から自宅マンション付近でだけメイがマスクをしていたのはご時世的な配慮ではなく、田所を警戒しての変装手段がマスクだった、という事であったらしい。確かに他の場面では誰1人マスクをしていなかったし、ラストシーンで油断しているときはノーマスクだったので、一応このドラマの世界は変異した現実のようなマスクまみれな世の中という設定ではないようだ。

4話

あまり大きな展開は無く、その気になった肥後がメイに、薫が田所に結婚を前提に付き合ってくれと告白。双方言葉を濁したものの、帰りのコンビニで偶然出会ったメイと田所は公園でプチ宴会を繰り広げて距離を縮めるという流れに。肥後の告白にも戸惑いつつ嬉しそうにしていたり、その一方で相性のよさげな田所相手には全くその気を見せなかったり酔っていたせいなのかメイのテンションがいつになく高かったような…。

メイの父親茂(光石研)が初登場してナギサさんに色々質問した事で、ナギサさんが未婚である事と脱サラして家政夫を始めて5年であることは判明した。

5話

父茂の還暦祝いに乗じて絶縁状態の母美登里と唯を仲直りさせようと画策するメイはナギサさんと父にも協力を依頼して還暦パーティーを開く事に。説得の末、マスクとグラサンで顔を隠した唯はナギサさんの手伝いとして実家に潜入させるというかなり無茶な展開となった。家族の思い出の料理アタックやメイが面倒を見ている新人の瀬川(眞栄田郷敦)に作らせた家族ムービーですっかり涙モードになった母はとっくに唯の正体を見破っていて2人は涙の和解。1度も会っていなかった唯の夫と娘も初登場して交流が果たされた。

すっかり成功モードなメイとナギサさん。全体にも感動ムードはあったし、余計な展開が無かったので今までで1番締まった感動回で見せ場でもあったと思うけど、これ元々どういうつもりだったんだ…?母が気づいていたのを見越していたとは到底思えなかったし、あの流れでは唯の方が自ら正体をバラすのを想定していたくらいしか可能性無さげだしでかなり謎展開だった。感動話になる前に父が唯に戻ってきてほしい!と宣言するのも想定外だったっぽいけど、流れ自体はこれが引き金になってたし、マジで元のメイの作戦ではどういう流れに持ち込んで和解させるつもりだったのだろうか…。結果オーライすぎて全く分からん

そして初登場時は理想を押し付けるモンスター母のように描かれていたのに、今回はメイ自ら母の期待は呪いのようだったとけっこう深刻なトラウマだったような事までチャカして母に直接言って母もナチュラルに受け止めているし、父のフォロー(入院した時期があって苦労をかけたせいで母が娘2人に厳しくなった等)に重ね掛けして唯の正体を見抜いていたとかやたらと母の器の広さが描かれまくり、最初のあの悪印象は何だったのかという勢い。

いずれにせよ家族間の問題はほぼオールクリアになった。

一方でメイの職場では無口キャラの影の薄いおじさんで先週急に年下妻との結婚を発表してフューチャーされたばかりの馬場(水澤紳吾)が育休に入ると宣言。なんとしっかりナレーションで1年間育休と説明されてしまったので時間が飛ばない限りはこれにて降板

さらにメイの成長を見守っていた副支店長の松平(平山祐介)も先週福岡への栄転話を持ちかけられており、今週の仕事シーンではやたらとみんなに信頼される頼もしいメイの姿をこれなら俺がいなくなっても大丈夫フラグ全開で見守っていたが、なんと馬場と同じく今週で離脱を宣言。福岡行きなのでやはりこれにて降板と思われる。

というわけで職場メインキャラクターの年長組おじさんが突如2人もリストラされてしまい、これにて年齢では支店長の古藤(富田靖子)だけ48歳でダントツ長老になってしまい、次が32歳の堀江(岡部大)、その次が28歳のメイや薫という20代中心の若いチームになってしまった。

そしてナギサさんの事をもっと知りたいというメイに応えて履歴書を持参したナギサさん。そういう事じゃなくてもっと趣味とかパーソナルな…と履歴書を見たメイはナギサさんが元同業者(MR)だったどころかメイが就活で落ちた業界最大手の会社に勤めていた事が発覚してビビったところで次回へ続く。そういえば妙に手際よくメイの仕事にアドバイスしてたもんなぁ…。

6話

ナギサさんの謎が徐々に明らかに。偶然見かけたナギサさんを尾行し、見つかってしまったものの腹が減って動けないとごまかしてナギサさんの家へ上がりこむことに成功したメイ。数年前に母を亡くしてそのまま実家で1人暮らしをしている事が判明したが、カバンに入っていた5年前の手帳について触れたところ見たことも無い険しい顔をして触れてはいけないところに踏み込んでしまったか…と反省するメイ。

一方で仕事はまた多忙を極めるようになり、ナギサさんは異様なほどにメイを心配して気にかけてくるようになった。どうもMR時代の部下の女性で精神をやられてしまった者がいたらしくその後悔からくるものだと示唆されたが、ラストではメイが仕事先で荷物を届けてもらった際にまだ通院中のその女性が偶然通りがかりナギサさんがフリーズ。これが鍵になるかもしれないとメイが確信して次回へ続く。

どういうわけか急に田所がメイへの好意を押さえきれなくなっていてよく見かける父親だと聞かされたナギサさんを怪しんだり、薫とのデート中にメイの話ばかりして薫が察してしまったりと唐突な…。後輩の瀬川もメイへの好意を口にするなどモテ期到来のわりに当のメイ本人は全くピンと来てなくてナギサさんの謎と仕事で頭がいっぱいという。田所はキャラ的に真面目すぎてあんまり面白くないんだよなぁ…。

7話

病院で女性を見かけてから様子がおかしくなったナギサさん。ついにはしばらく休むと連絡が入ってきた。メイは意地悪な質問をして試してくれる新登場の医師とのやり取りや、突如意識してくる田所、返事を待ち続ける肥後などの問題を抱えつつもナギサさんが気になり、会社を早退してまでナギサさん宅へ押しかけると強引に話を聞きだし、観念したナギサさんも過去を話し始めた。

ナギサさんは母親がガンで入院してから少しでも役に立てるようにと薬を扱うMRへ転職、中途採用から一気に頭角を現してエース社員となっていた事が判明。しかし母のために転職したのにMRは激務で当初は毎日病院に通っていたのに徐々にほとんど顔も出せなくなっていた。そんな中、例の女性箸尾(松本若菜)は同じく中途採用の社員として登場。中途採用の星としてナギサさんを尊敬して声をかけてきた箸尾は一生懸命な性格でナギサさんとも交流を深めていた(恋人は別にいてあくまで親子に近い関係で過去に結婚を考えた相手とは別らしい)。しかし激務の中で、徐々に精神的に疲弊していく箸尾。励ましなるべく気にかけつつもナギサさん自身も多忙で母の死に目に会えずに母が亡くなるなど余裕が無くなっていたので精神に異常をきたすほど追い詰められていた箸尾に気づけずについに箸尾が動けなくなって倒れてしまう。そのまま心療内科の診断が下りて退職してしまい、責任を感じたナギサさんもまた家政夫へ転職、箸尾が忘れていったメモ帳を戒めとして持ち歩いていたという。

話を聞いたメイは即時帰宅すると今度は箸尾探しを開始。瀬川にも手伝ってもらい、メイのために休日返上で探してくれた瀬川のおかげでついに発見。箸尾をナギサさんの元へ連れていき話をさせる。謝罪するナギサさんだったが、箸尾はとっくに治癒していて結婚して子供も生まれて幸せに暮らしていて病院にいたのは事務の仕事での再就職のためだったという。また箸尾が置き忘れていった手帳は戒めのためにナギサさんは1度も中を見ていなかったらしいが最後のページには会社を辞める際にナギサさんに会えてよかったという感謝の言葉が記されていた。

これにて過去から開放されたナギサさんはメイに感謝。メイもうれしくて思わずハグしてしまうが…。

メイを意識しつつもナギサさんが気になってなかなか言い出せなかった田所はメイをゴルフ練習に誘いその場告白。グリーンに乗ったら付き合ってくれなどと勝手にヒートアップしてグリーンに乗せるが、メイはその瞬間に瀬川から箸尾発見の一報を受け取っていて見ていなかった上に速攻帰ってしまった。ますますブルーな田所は1人帰宅時にナギサさんへハグするメイを目撃してしまったので、メイが去った後に強めにナギサさんに誰ですか?と問いかけて次回へ続く。

田所というか瀬戸康史は『ルパンの娘』といい生真面目すぎ&熱くなりすぎると何だか急に面倒な奴になるというのはたまたまこの2作がそうなのか。ここまではあまり内面を出さず、態度も余裕な優等生然としてあまり深く関わってこなかったので気にならなかったが態度に余裕が無くなって関わってくると一気に面倒…。

一方で職場の方はキャストも減ってかなりスマートになっていて、減った分だけあまり出番の無かった天馬(若月佑美)の奮闘と活躍が目立つようになり、今回も天馬の奮闘に救われる形に。別部署の社員は当初はこっちを見下していて勉強不足だとか言ってきたくせにリベンジ時の意地悪追撃質問の際は速攻あきらめて天馬が資料出すより早く謝ろうとするも天馬の出した資料で救われたのに感謝1つ言わずという小物っぷりだった。

8話

田所に困り果てたナギサさんはメイの元に2人で訪れて結局家政夫だと説明することに。初期のメイや母のような家政夫を軽く見るような言動をする田所の周回遅れ感が半端ねぇ…。抜け目ない田所は安心すると同時にナギサさんにメイとの恋を応援してくれとのたまう始末。

告白2名キープ状態となったメイは薫に相談するためにナギサさんの事も話したが、薫はナギサさんはメイに好意があるのではないかと見抜きナギサさんも動揺。加えてナギサさんには本社移動の決定が下っていて今抱えている仕事は全部降りなければならなくなっていたのでそれも伝えなきゃならずで苦悩。

なお返事を保留していた肥後はあっさりと正式にお断り。この際にメイが語った向き合わなきゃいけない人がいるというのは田所の事だったが…。

7話で登場した新医師との契約が決定したメイたちだったが自社の薬が効かないという患者の話を聞かされ調査することに。その結果、別の病気の可能性を見出したメイはしかし自社に治療薬が無く、田所の会社にはあると知る。患者優先で田所に話を持っていくことにしたメイは2人で休日出勤となり、田所はデート気分だったが、帰宅時に部屋が漏水しているのが発覚。部屋にメイが踏み込むとかつての自分の部屋のように散らかり放題で、田所もまた家事が出来ない似た者同士だったと発覚。こんな自分を見られたくなかった知られたくなかった…とメイと同じことを今度は田所が言い出す始末。お前メイが恥部をさらけ出していた中、よく平気な顔で聞いていられたな…。内心これ俺じゃん…とドッキドキだったんだろうか。

メイはナギサさんを呼び出して田所の部屋を片付けてもらう。その際にいちゃつく2人を見て田所が複雑な表情をするという一幕もあったが…。

上司の古藤から最近肩の荷が下りたと言われたメイはその変えてくれた相手がいるならその相手を大事にしなさい、手放してはいけない人だと言われる。改めてそれが誰か考えるとそれはナギサさんだった。この瞬間田所の事は脳内から消えたメイは珍しくナギサさんより早く帰宅したのでヤキモキ。ナギサさんはナギサさんで辞めなきゃならないことを伝えるために足が重かったがついに移動の話を切り出す。来月移動になると告げ、いきなり今日で最後だいくらなんでもえ?今日!?と急すぎる事を言い出したナギサさんにパニックになったメイはしばし取り乱した後にじゃあ結婚しよう!と言い出して最終回へ続く。

最終回に向けて一気に畳みかけてきたけど、もうとっくに移動してて仕事上の付き合いも無くなっていた肥後を振るのはもっと前でも良かったのでは…というくらいあっさり清算。さらに瀬川の研修がもうすぐ終わって正規配属先へ移動になるという話が飛び出し、天馬が急にショック…みたいな謎展開も。これはParavi配信限定の「私の部下のハルトくん」でやってた話が本編に融合してきたのか。本編じゃ瀬川と天馬の絡みがほとんどなくて天馬はむしろ堀江とセット瀬川は教育係のメイに終始同行してメイのプライベートでも時々献身していたので全くつながらない…。

そしてこの職場副支店長が支店長になるために1人栄転、1人育休、1人新人研修で研修期間終わったら別部署移動(今回判明)ってどんどん人員減っていくのに補充が全く無いのか。そもそも古藤も初回で赴任してきたばかりだったし元々移動ばかりの職場なのか。それにしては妙にチーム感押し出してるしなぁ…。薫はMRではなく学術担当とされているので正規MRは現在3人、結局副支店長も不在のままじゃないか。

9話

強引に押し切って始まったトライアル4日間結婚生活。初日2日目はいい感じだったが3日目に硬い顔して出ていったナギサさんは病院らしき場所へ向かったかと思えばそのまま夕食だけ残してやはり結婚できないといなくなってしまう。メイは3日でフラれたと落ち込んでしまう。

開始20分出番が無かった田所はまだ告白の返事ももらっていなかったがナギサさんとの結婚トライアルというぶっ飛んだ展開でフラれるという盛大なカマセになってしまい、2度目の登場では3日でフラれたというメイの聞き役、そしてその後は自身も家政婦の契約に訪れた際にナギサさんと再会。どういうつもりなのかとナギサさんに迫り、結婚する気が無いならちゃんとメイに説明してきちんとしてくれないと自分もあきらめられない!と告げ、徹底サポートな役回り。

最終回の番宣には多部未華子と瀬戸康史の2人で出ていてドラマタイトルでもあるナギサさん演じる大森南朋は出ていなかったのにまさか田所がとんでもなく出番ピンポイント&カマセっぷりで終わるとは…。まさか番宣の段階から瀬戸康史を稼働させて最後はこのカップルになるかもよと思わせておいてカマセにするとは随分高度な仕掛けだったんだな…。

カマセ田所のナギサさんへの説教、メイの元には母が励ましに登場した(唯が教えた)事で双方互いの家へと走るがすれ違ってしまい、ようやく再会した2人。ナギサさんは人間ドックで心電図が再検査になり、父が心臓からの脳梗塞で死んだのでふと未来の事を考えたら22歳差なのでどう考えても先に死ぬし、家事が出来ないメイが相当年数取り残されるどころか介護だって大変だと考えると逃げ出してしまったと告白。介護はもっと稼いでプロに頼む!と即答するメイに応え、ナギサさんも初めてメイが好きだと告白、こうして相思相愛を確認した2人は結婚を決定。父も再登場して速攻OK、会社でもすんなり受け入れられ、瀬川の送別会と一緒に結婚お祝いがされていた。この際には離脱した2人の社員も再登場。

と、スピード展開で終了。新居はナギサさんの実家ではなく、メイのマンションとなり、幸せそうなメイの姿と玄関にセットされた「私の家政夫ナギサさん」のドラマタイトルから「家政」が抜け落ちていき「私の夫ナギサさん」になって完結したのはうまい。

なお田所の元には同世代くらいのの家政夫が登場するという謎シーンも。これいる?田所ここまでカマセにした挙句に初登場の見知らぬオッサンと2ショットで終わるラストカットとかいる?

思った以上に変わったドラマだった。昨年多部未華子が主演した『これは経費で落ちません!』の森若さんも仕事に生きる優秀な女性だったがメイより遥かに堅物で、当初はアプローチしてくる年下男子に苦手意識すら持っていたのに途中からコロッと行ってしまったというある種ドラマとしては王道であったというのにメイの場合全くコロッと行かないどころか、最終話目前まで好きってなんだろう?とか考えながら田所をどうするか考えていて全く恋愛フラグが立たない始末。そしてナギサさんが転勤で去るとなった途端に手放したくないから結婚しよう!という飛躍。メイにとっては母のような存在であり、ナギサさんは最初からお母さんになりたいと言っていたので確かに2人は必要としあっている。恋愛というより好きだ嫌いだではない新しい夫婦の形を見せてくるような斬新な着地点だった。従来の恋愛ドラマとして見ると破綻だらけというか、ほとんどナギサさん側の気持ちが不明なままだった上に、メイも最終回目前で急に暴走し始めて勢いでの奇跡の22歳差婚なので人間関係的な積み重ねはあったが、一般的な恋愛関係としての積み重ねが皆無だったので、受け入れられない人も多そうな気がする。

ナギサさんが登場当初に思ったより(当初は普通に優しく落ち着いたイメージだったが思ったよりナヨっとしていた)情けない感じのオジサン像になっていたが、しかし経歴を改めて考えるととんでもないハイスペックオヤジであった。前々職は不明だったが、恐らく全く関係ない業種からMRに30代半ば過ぎ~40代手前くらいで転職し、しかもそれがメイが受けたけど落ちたというほどの超大手。同時に激務なブラック企業で精神に異常をきたして辞めた後輩が出るほどなのに全く調子を崩さずにトップクラスのわずかな期間でエース社員となり、5年前に家政夫に転職してもやはりトップクラスのスーパー家政夫。営業させても家事させてもパーフェクトの超人であった。

てっきり田所と恋仲を深めつつ紆余曲折あってうまく行かなくなりいつもそばで見守ってくれたナギサさんが実は大切な人だったと気づく…みたいな展開になると思っていたので田所だけ急に1人で熱を上げてピエロになるとは思いもよらない。ていうか途中で急に母がいい人になったり、急に妹と母が関係修復したり、急にキャストが相次いで2人離脱したり、急に天馬が瀬川を意識しまくってたり(本編では瀬川がメイを気にしているようなカットの方が多かった)、とにかく急が多いドラマだった。

特別編

最終回翌週に2時間SP「新婚おじキュン!特別編」として放送。総集編の隙間にその後のメインメンバーの様子が少しだけ挟み込まれるという構成。冒頭で新婚生活1ヵ月、メイがスマホの目覚まし機能を爆音ロックにしていたのをナギサさんが心臓に悪いから音量を抑えてくれとお願いしたら寝坊したのでメイが怒り、指導が多いと文句を言い、ナギサさんは選択の靴下の裏返しに始まる生活面での最低限の指導を行うといった形での初ゲンカが勃発。そこからは時を戻して初回からのダイジェスト。全力で早送りで飛ばしていると何の脈絡も無く急に新規カットが差し込まれているという流れも何もない分かりにくい構成(一応ロゴマーク出したりと場面転換を示す映像処理は少しだけされていたものの、繋がりは皆無)はしんどかった。

新たに出てきたのは薫が改めてメイの結婚に至る過程を堀江に話している中で、ふいに堀江が好きだと気づいて告白。これは最終回でメイの結婚と瀬川の送別会を兼ねた場で若干のフラグは立てていたのでそれを一気に回収したような超展開。

古藤と育休で途中退場して最終回で再登場していた馬場が赤ちゃんを抱えながらビデオ会議で話しているという場面も登場。ここでは特に新展開は無かったが、レギュラーメンバーの半分がチームを去り最終回では新顔ばかりになっていたチームの面々への教育がやはり課題になっていたらしく馬場がこのために新たな馬場データを提供するという前回の馬場データを踏襲する1ポイントキャラ押しみたいな展開。

馬場と同じく福岡転勤で途中退場して最終回で再登場していた松平と松平の元へ正式配属になった瀬川は福岡の飲み屋で会食という設定で登場。この際に天馬から電話がかかってきたと思ったら、天馬がいきなり「あっかりんビ~~~~ム」というキャラ崩壊級の必殺技を繰り出し、どうやら天馬が押し切る形(?)で遠距離恋愛しているらしき事が発覚。それよりも若月佑美に乃木坂46の同僚中元日芽香の必殺技だったひめたんビームをやらせるという乃木坂46オールドファン向けのギャグだった。若月自身も代名詞となった「箸くん」、ロボットダンス等の必殺技を乃木坂時代に持っていて幾度も披露していたが、ここで同僚のビームを今更全力でやるというのが妙に味があった。

ナギサさんと田所、メイと薫の新規の会話シーンもあったが、田所だけ相変わらず特に救済されることも無く1人身のまま。本編ラストカットだった家政夫のオジサンは出てこなかったが田所によれば好みを把握してくれて的確な料理を出してくれるらしい。最後はメイとナギサさんが仲直りしていちゃつきながら終了。全体にキャラ崩壊気味に崩してきたところが目立ち、好評を受けて制作陣もキャストもノリノリで振り切ってそれでも視聴者は盛り上がるので万事OKみたいなそういう空気感になっているのかなと。

それにしてもメイは初期に比べると単に家事がダメ以前に子供に回帰しているみたいになってたので、このままノリノリで新婚編の続編を本気でやるとちょっときりっとした仕事モードとプライベートでの子供っぷりのギャップがありすぎてバランス取れなくなりそう。まあメイが子供っぽくなっているのも一応理由としては母の過剰期待という呪縛の件があったので子供時代から甘えの感情を抑えていたが母に面と向かって呪縛だったと言えるくらいには物語途中で呪縛から解放された事と、潜在的にお母さんを欲するメイとお母さんになりたかったナギサさんという関係性の夫婦なので、メイの封印されていた母への甘えの態度が今思いっきり表に出ているという事でちゃんと説明はつくんだよな。

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