続・EX-HR99あえなく修理送りになるも不具合新発見者になってしまった件

「続」なのにちょっとタイトル変わったけど…。

前回レポートしたEX-HR99不具合の件の続報である。

結論から書くと不具合は認められ、しかも個体の問題ではなく機種全体の不具合であった可能性が高まった、新発見の不具合であったため対応不可能で、ひとまず1ヶ月待ってくれと言われて3月1日まで進展なし確定となった上に、それで解決するかも不透明という最悪の事態が続いている。

ひとまず不具合のまとめをしておこう。

まず最初の不具合

・ランダムに音飛び、途切れる
・ランダムにカウントが不整脈みたいに不規則になる
・カウントが進んでいるのに再生が数秒~10秒程度遅れる事がある
・25秒の無音トラックが35秒再生される
・40秒前後を越える無音が続くとその後の音声が再生されない

修理後

・ランダムに音飛び、途切れる
→たぶん解決
・ランダムにカウントが不整脈みたいに不規則になる
→未解決
・カウントが進んでいるのに再生が数秒~10秒程度遅れる事がある
→解決
・25秒の無音トラックが35秒再生される
→解決
・40秒前後を越える無音が続くとその後の音声が再生されない
→未解決
・ノンストップCDの曲間が必ず途切れる(シームレス再生不可になる)
新症状

という顛末。

というわけで「40秒前後を越える無音が続くとその後の音声が再生されない」の症状発動条件をさらに詳しく調査して記載、シームレス再生死亡の新症状が出たぞという事で症状が発動するCDを同封しての再修理送りとなった、というところまでが前回。

症状は修理の人の元でも確認された

今度はCDを同封、詳しい発動条件をビッシリ記載して絶対言い訳不可能な状況にしただけあって症状の発動を修理の人も確認できたという。しかし対応方法が無いため「上」に相談するとして6日待たされる事に。この時点で既に修理の人の手に負える不具合ではない事は伺えた。

要するに対応するにはファームウェアを更新しなきゃならないが、その更新が存在しない。修理の人は存在するファームウェアを適用する作業はできるが、不具合を改善した新バージョンのファームウェアを作成する権限も技術も無いという事だろう。エンジニアとかプログラマー的な領域なので現場の修理担当者とは完全に別部署って事だろうか。

どうしますかと言われても

待たされての返答は、「上」からは修正を検討するが1ヶ月以上はかかるという事だったそうでひとまずどうしますか?と。

いや、どうしますかってさ…直してよ。

としか言えないわけで待つか待たないか、あきらめるかどうするかというのであれば不具合をあきらめるとか無いだろう。となればもう返金か1ヶ月待つかしかないですよね?という話になるも、修理の人ではどうなるか分からない。1ヶ月経ってもダメかもしれないし、もっとかかるかもしれないと。

後で思い返したらもしかしたら一旦不具合のまま戻して(他の機能は生きているし、ふいの音飛び以外は手動で回避できるので)、アップデートのメドが経った際に改めて連絡をもらって無償修理に送るという形もあったのかもしれない。ただいきなりどうしますか?だけでそういう選択肢は特に提示されなかった。どうしますか?と聞かれても困る。逆にどうしてくれんの?じゃあ我慢して使いますぅお手数をおかけしましたぁとか言ってくれるパッパラパーな客とか存在すんの?

さらに詳しく話を聞くと

・カウントが進んでいるのに再生が数秒~10秒程度遅れる事がある

この症状は過去にも修理案件としてあって、ファームウェアのアップデートで対応していたという。

一方でそのファームウェア更新によりノンストップCDの曲間が必ず途切れる(シームレス再生不可になる)症状が新たに加わる事は未確認だった、これは今回が初案件だという。だが今回修理に送り返したHR99ではファームウェアを元に戻したらシームレス再生不可の症状は直った、つまりこのファームウェア更新がシームレス再生を殺す症状を招いたことも確認したという。今までこのアップデート適用された人、誰も気づかなかったのかよ…。

つまり今送り返されても最初に戻っただけの可能性が高い。もちろんCDユニットの交換もしているのでそっちのおかげでランダム音飛びとか直っている可能性はあるけど、再生遅れはファームウェアで対応しているので症状が元に戻る可能性が高いという事になる。そもそもにランダム音飛びとカウント不整脈以外の症状は全て無音が引き金になっているので無音から始まっている不具合は全部ファームウェア関係で間違いないと思う。

MOMA氏、不具合の第一発見者になる

40秒無音で発動する再生されない問題に関しても初指摘だったという。しかしこの症状が出るのかを別のHR99で試したら症状が出たのを確認したという。この症状は個別案件ではなく、機種全体の不具合ではないかという疑いが正直強かったので是非試してほしい事案だったがしっかり試してくれたらしい。さらっととんでもない事言い出したよこれ。

つまり個別の不具合ではなくHR99全体の不具合という事ですか?と聞くとその可能性が高いという。さらにこの部分に関しては兄弟機種のHR55,HR10000でも同じですか?と聞くとファームウェアとか同じものなのでその可能性が高いかもしれないと。

不具合新発見しちゃったよ…。

というわけでHR55,HR99,HR10000のJVC15周年ウッドーコーン機種全てで”40秒前後を越える無音が続くとその後の音声が再生されない”という不具合が発生する可能性が高い事の第一発見者となった。こんなところで第一発見者を体験する事になるとは…嬉しくない。ていうか何で誰も気づかなかったのこれ。HR55,HR99,HR10000持ってる人みんな何聞いてるの?

誰も気づいてないだけでHR99固有の不具合だったんじゃないかという予測を前回の時点で書いていたがまさか本当に当たってしまうとはな…。

ていうかこれ大問題なんじゃ…

ちょっと待ってくださいよHR55,HR99,HR10000全機種で出るかもってそれ物凄い大問題じゃないですか?と聞いたら、そうなんですよね、と。なんかもうイチ修理の人でどうにかできるレベルじゃなくて困り果ててる感全開。

苦情殺到してないんですか?と聞くもそうでもないという(ニュアンス的に全く無い感じではなくHR55,99はチョイチョイ修理に持ち込まれてはいた感じ)。前述のように再生遅れの指摘は確かにあったが40秒無音の指摘は初めてだと。しかし実際に試したら個別案件ではなく別のHR99でも発動してしまった。では何故今まで誰も気づかなかったのだろうかという疑問は当然生じる。

ただ数秒の再生遅れもカウントズレもカウントを常に見ていないと気づけないし、40秒以上の長い無音なんてみんな早送りしてしまうからこれらの不具合が多少発生していてもみんな気づかなかったのだろうという見解は双方一致した。

そしてシームレス再生死亡の件は、最新のファームウェア更新で発動するようだが、そもそもそれ以前の不具合にほとんどみんな気づかないので最新のファームウェアへの更新自体をしている人が少ないのではないか。そして生産完了しているので最新ファームウェアで出荷販売されてもいない。わずかな更新した人が1人も気づかないのは不思議ではあるが…。

シームレス再生が死んでいるとすぐ気づくCDでは恐らく日本で1番売れたのは『深海』だと思う。これは冒頭4曲が繋がっていて「マシンガンをぶっ放せ」と「ゆりかごのある丘から」も繋がっているので気づきポイントが多い。みんな『深海』もノンストップCDも聞かないのだろうか。

このシリーズはジャズとかクラシックとか聞く人に好評らしいのでまあジャズやクラシックのCDにはシークレットも40秒以上の無音も無いだろう。ジャズのノンストップミックスCDも無いだろう。クラシックは交響曲とか前のトラックと繋がっているのありそうなんだけど、そもそも現在の最新ファームウェアへの更新は1度再生遅れ等に気づいて修理送りにならないと更新されないから到達してないのだろう。という最初の結論に結局行きつく。

BUMP OF CHICKENのシークレットトラックを飛ばさずに無音全再生するファンは購入者にいなかった、「フェイク」の再生も今更する者もいなかったのだろうかというのも正直ある。とはいえそういった売れ線J-POPを好んで聞く人でウッドコーンシリーズを聞く人はそんなにいないのだろうなという気もしている。

あともうひとつの可能性として過去不具合に気づいて修理に出したわずかな人たちはもう1度送るの面倒で放置していたのでは。実際私も当初は残った症状が40秒無音問題は直らなかったがまあ早送りすれば回避できるしね、ランダム音飛びと再生遅れが直ったっぽいからひとまず様子見という考えもあった。実際にはその後シームレス再生が殺されていたのを把握して翌日には仕事の予定を変更してまで(サボるな)速攻再修理に送り付ける勢いだったが。なので過去修理に出した人たちがシームレス再生を殺されたのに気づかなかったのか?このアップデートの適用者はどのくらいいるのか?というのは気になる。

AR3,AR9から使っててシリーズは好きなんですよ、音も気に入っていたのでHR99がダメならひとまず返金してもらってその後追加で積み足してHR10000に買い替えるのもありかと思ってたのにそれもできないじゃないですか、なんとかしてほしいんですよ…と言ったら、昔の機種の方が問題は無かった、丈夫だったという思わずな本音も飛び出したが、やはり修理センターでも最近の機種はよく送られてくるなぁというのが体感としてあるのかもしれない。一方でHR10000自体は修理依頼自体がまだほぼ無いとも言っていた(それは売れてないだけなのではないか)

いずれにせよ仕組みが同じ以上、HR99を返金してもらって、新たにHR10000に乗り換えるという手段をとってもリスクが高いというか同じ症状が発動する可能性が高い以上はもうJVC事態を見限って返金するか、対応待ちしかない

果たして「上」がHR55,99,10000全機種対象という完全なリコール案件になるであろうこの問題にどれだけ危機感を持って修正対応に当たるのか、ニッチといえばニッチな発動条件なので気づかない人はずっと気づかない。このままこっそり終売に持っていこうとしてやる気が無いのか、こればかりは修理の人と話しても分からない。「上」は検討、最低1ヶ月はかかるとしか伝えてこないと言うしやる気の程が全く読めない。

最後の譲歩として1ヶ月は待つ、その時点で何の進展も見られない、直す見込みが立たないというならもう返金を要求するしかないと伝え(その場合も「上」に相談らしい)、3月1日(まで)に連絡という事になった。

ただこれ気づかなかったのは仕方ないにしても、はい直せませんとなると個別の話ではないのでマジでJVCヤバくないか?しかも最新のファームウェアではシームレス再生死亡とか迷走してるし、本当にどうなっているんだ。

しょっぱなから不具合やらかして以降、なんか問題があるっぽいのは恐らく「上」も認識しているはずでだからこそのとっとと生産完了して逃げの体制なのではないかと疑う。

直らない想定で買い替えの検討を開始

この感じでは本当にもうダメかもしれない。もう期待はしていないのが正直なところだ。40秒無音は途中の早送りという解決手段があるので最悪この症状は何とかなるんだけど音飛び、再生遅れ、シームレス死亡は全て何とかしてもらわないとストレスだ。

というか期待していて返金確定になった際に何も考えてなくて次機種選定でまた悩まされるのとか嫌なのでもうJVC切り捨てで他機種の検討を開始しておいた方が得策だろう。

修理の人が完全にお手上げっぽいし、修理の人の対応範囲を越えている状態なので修理の人も困り果ててるし、最早「上」からの伝聞でしかなくなってるので修理の人に文句言っても意味ないし(なので「上」が出てくればブチ切れ案件だけどこの人相手に怒ってもしょうがないので話し合いは穏やかだった)。

AR9を中古購入した際にAR3は父へ、そしてHR99時にAR3が母へ、AR9が父へスライドしたのでまだ2機種残っている。ただしAR9は微小なノイズ故障が発覚しているので、現在はAR3を再召喚してスピーカーはHR99付属のを使っている。

HR99返金になった場合はスピーカーも返す事になる。AR3は既に表示部とトレイの出し入れが厳しくなってきている上に、HR99にしたのはBluetooth再生とハイレゾFLACのUSB対応が最大の理由だったので、新しいものを考えなくてはいけない。JVC現在の最新であるHR55,99,10000を全部選択肢から捨てなくてはいけなくなるので、JVCを見限る事になる。

しかし現在の収納スペースはウッドーコーンのコンパクトな1WAYスピーカーでギリなので、選択肢としては父に譲渡して残してあるAR9のプレイヤーを捨てて、スピーカーだけ残して、評判が良くなおかつ同格以上であるCD&USB&Bluetooth対応のプレイヤーだけ購入してAR9に付属していたウッドコーンスピーカーに繋ぐという事になってくるだろうか。その辺りも含めてわずかな希望を残しつつ、次を選定しながら1ヶ月待ちたい。

ざっと調べたところ、候補になるのはマランツM-CR612、デノンRCD-N10、ヤマハCRX-N470辺りになるだろうがネットワーク関係はどれもHR99よりパワーアップしそう。一方でBluetoothだけは3機種ともSBC止まり。HR99はaptX対応だった(実際持ってるウォークマンではaptX接続され、カーステレオではSBC接続だった)のでそこだけは劣るようだ。それくらい割と注力されていない(ネットワーク接続できんだから劣化するBluetooth接続使わねーだろ的な)という事なんだろう。

また検索してたらAR3のウッドコーンスピーカーとマランツは合いますか?みたいな質問がいくつか飛び交っていたので、AR3を愛用していてウッドコーンスピーカー残してプレイヤーだけ交換するのを試みている人は存在するらしい。改めてAR3は評判の良い名機だったんだなとも思った。最有力候補は先駆者がいるマランツM-CR612、次点で別メーカーだが機能がよく似ているデノンRCD-N10になるだろう。

ホントどうするんだろうね。確実にシリーズを左右するレベルのリコール案件だもんね。確認すると確かに出ちゃってるけど今のところ1人言っているだけで後は誰も気づいていないならいっか!っていう話にするのかね。

またたぶんいないと思うけど(まずここを見る読者が100人ちょっとしかいないだろうから使用者が1人もいないだろう)HR55,HR99,HR10000所持で同様の不具合を確認した人はコメントください。

コメント

  1. 飯塚和也 より:

    はじめまして。
    貴殿が熱心に確認し、当該担当者に繰り返してクレームを入れている通りの不具合を私も確認しています。

    リコールレベルの欠陥を立証していただき、感謝します。

    • MOMA-diary より:

      ありがとうございます。
      不思議な事に誰も気づいていない、指摘してないのでそんなに使用者が少ないのか疑問に思っていました。記事公開から間もなくして「HR99 不具合」で検索すれば一連の記事が検索結果トップ付近に表示されるようになっていたのですが、同じ症状だと連絡があったのは1年ほど経過して1件、今回で2件目になります(1度目はここではなくTwitterの方でリプを頂きました)。特に読み込みとキュル音なんかはもう少し言及されていてもおかしくないのになとは思いますが気にしない人は気にしない、シークレットトラックや音飛びは気づかない人が多いんでしょうか。

      担当の人は比較的正直で昔の機種の方が不具合は少なかったような事は言ってましたし、ここまで酷い不具合が全機種で起こっているなら確実なリコール案件じゃないですか?という問いにもそうなりますよねぇ…と同意じみた反応ではあったのですが…。いかんせん修理担当と上層部は別だし、症状を訴えた人は私が史上初でそれまで一連の不具合を誰も気づかず訴えず、発売初期のリコール対応で不具合はもう解決したと思っていたくらいです。恐らく以後も不具合を訴えた人がいなかったか、問題視するほど発生していないのだと思います。

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