学校の怪談 呪いの言霊

2014年5月公開。

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東京女子流主演3月の『5つ数えれば君の夢』に続いて2連続公開された。メンバー主演の映画企画はこの2作ポッキリとなり、今となっては何故に映画主演企画など2連続で行われていたのもよく分からない事になっている。

今作は一応は常光徹の小説『学校の怪談』シリーズを原作としているため、95~99年に公開された映画『学校の怪談』シリーズ4作に続く15年ぶり5作目という位置づけにもなっているが、舞台は高校であり作風も全く異なる。

wiki編集している人もこんなのはシリーズに組み入れたくないという総意があるのか、今作はシリーズ4作をまとめた『学校の怪談 (映画)』のWikipediaからも除外されている。

女子流メンバー5人は全員実名での出演。名字は設定されていない。

3つの物語が同時進行

詩織(石橋杏奈)は1年前に死んだ母の遺品の昭和63年10円玉が小刻みに揺れる謎現象に見舞われ、母の遺品を探していたところ昭和63年高校時代にクラスメイトが謎のガス事故で亡くなっていた事を知る。母は欠席していたため難を逃れたが4人組の親友だった3人を同時に亡くしていたという。詩織は自分の代で廃校になった母と自分の母校へ出向き、思い出写真を撮りながら、放送室で誰に語りかけるでもなく昭和63年の事故と母の事を話す。

フェイクホラー映像のネット動画の撮影に来たチャラ男3人組とそのうちのリーダー格の一樹(武田航平)の妹ひとみ。ひとみはあまり乗り気ではなく途中まで付き合うが途中から勝手に離脱。しかしいつの間にか校舎から脱出できなくなっていて謎の「あくま」に追い詰められていく。3人組も「あくま」を見てしまった1人が発狂しておかしくなり、残った2人も異変を感じて逃げ惑うが逃げ場がなく追い詰められていく。

高校では1年4組で起きた昔のガス事故を3組の彩乃、未夢、友梨、芽生、由佳、美晴、佑治、満夫、靖彦らが話していたが徐々に不可思議な現象が巻き起こっていく。特に彩乃、未夢、友梨が相次いで様子がおかしくなり、やがて自分たち以外いつの間にか校舎から消えていた上に防火シャッターが下りてきて校舎内に閉じ込められてしまった。

そして話が合流

放送室からの詩織の放送は閉じ込められてしまった生徒たちにも届いていた。またチャラ男2人も彼らと合流。しかし廃校のはずなのに現役生徒だと言い張る生徒たちに不気味さを感じた2人は速攻離脱。これにて出番終了でどうなったかは不明のまま。

詩織が過去として語る昭和63年とは「現在」ではないかと驚愕する生徒たち。さらに母の死んだ親友として名指しされる彩乃、未夢、友梨

自分たちが「ガス事故で死んだ4組の生徒」でもう死んでいる?とパニック状態になった生徒たちは開かずの扉1年4組の壁をぶち破って中に入るとそこで死んでいたのは自分たちだった。絶望に打ちひしがれる生徒たちの中でただ1人自分の死体が無く高笑いしているのは芽生だった。

詩織は放送室で事故当日に回されていたビデオを発見。再生するとコックリさんをやっている生徒たち。そこに事故の日休んでいていなかったはずの母=芽生が登場。何かに怒っている芽生だったが、直後に呪いが発動し、芽生が高笑いする中で全員苦しみがら死んでしまう

親友だったはずの3人含めてコックリさんをやって「あくま」を呼び寄せたのが原因とはいえ、母が現場に居合わせて黒幕のように高笑いしていた事実上の犯人のような存在だったと知った詩織はショックを受けたまま帰宅して出番終了。

1人で追い詰められていたひとみは手が伸びてきた鏡を勇敢に破壊。この結果、学校脱出に成功はするが恐怖と兄たち3人が帰らなかった事から号泣しながら去っていって出番終了。

…同じようにコックリさんを行っている彩乃、未夢、友梨以外の女子生徒たち、取り巻きの男子3名は何故か生徒化したチャラ男3人に入れ替わっていた。芽生以外の彩乃、未夢、友梨も登場してもう1人謎の存在が妖怪化してビビらせたところで丸投げENDォォ!!

さ っ ぱ り 分 か ら ん 

って事で何が何だかさっぱり分からない超絶丸投げEND。これは酷ぇ…。3つの物語と時代が交錯していくとか実は俺たち死んでた!?とか展開は凄い面白いのにちゃんと話が繋がらない。これが繋がればかなり面白いゾクゾクするホラーになっていたのにどうしてあきらめた…。彩乃、未夢、友梨と親友だったはずの芽生が何故黒幕側のように呪いに加担して高笑いしているのかもこれではさっぱり分からない。

ひとみだけ脱出できたのに兄たち3人は行方不明だしオチでは生徒になってるしでもうメチャクチャだ。

芽生は前述のように黒幕みたいなもんだし、彩乃、未夢、友梨も終始ビビっている上に途中から様子がおかしいので
結果的にアイドル映画しているのはひとみ1人だけ。アッカンベーしたり、子供のように号泣したりするのは設定上幼すぎる気はしたが1人だけ随所でアイドルはしていてメチャメチャ王道アイドル。正統派ヒロインとして怖がり、勇気を見せて脱出にまで成功するなど見せ場もあるがこれら全部1人芝居。他のメンバーとは一切の合流が無いとは…。

いくら低予算のC級アイドル映画だからって『学校の怪談』のネームバリューを復活させてここまで投げっぱなしを作ってしまうとはなぁ…。

音声が酷い

ストーリー以上に酷いのが音声の仕様。基本的に会話は全部聞こえないほど小さく絞られているが、怖がらせたい恐怖場面では異常なまでの爆音を出すので会話が聞こえるレベルにまで音量を激上げして視聴しているとそういったビビらせ場面で近所迷惑レベルの大爆音が鳴り響く事になる。とにかくデカい音でビビらせようというこの作りが酷すぎる。

いつ爆音が来るか分からないのでほとんど音量を上げられず、しかし基本的にホラーなのでみんなトーンが暗いので何喋っているのかほとんど分からないまま視聴を進めないとならないという地獄絵図である。

『催眠』をホラーにしたあの監督か…

一体誰がこんな奇作を…と監督を見たら落合正幸

1997年の『パラサイト・イヴ』が映画監督としてのデビュー作、この『パラサイト・イヴ』でも結末を原作と変えたのが賛否だったが、続く99年『催眠』はなんと名前と基本設定くらいしか原作小説の要素が無く、『リング』ばりのホラーに超改変するというトンデモな事をやった監督だった。15年経ってもトンデモホラーっぷりは変わっていなかったのか。

Amazonレビュー★2割れは伊達じゃなかった。

★☆☆☆☆

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