お耳に合いましたら。 全12話

2021年夏クール、テレビ東京『木ドラ24』枠。『ゆるキャン△2』の後枠。

「Spotify」のポッドキャスト番組と連動していて主人公がポッドキャスト番組を始めてパーソナリティとして成長していく物語。

主演の元乃木坂46伊藤万理華(2017年卒業)はドラマ初主演




1話

漬物会社に勤める美園(伊藤万理華)は普段はあまり言いたいことを言えないが、好きな事になると饒舌に語りまくるという癖があった。喋る練習をした方がいいのではないかと同僚の亜里沙(井桁弘恵)にラジオとかポッドキャスト番組でもやったらどうかと言われた美園は熟考の末に、氷川きよしのファンでポッドキャスト番組を欠かさず聞いているのと、チェーン飲食店のご飯、通称「チェンメシ」をこよなく愛していた事からポッドキャストでチェンメシについて語る番組を始めることを決意。

初回は松屋への愛と松屋のカレー牛についてトーク。スマホでの簡易録音ながら意を決して録音を開始しようとするとレジェンドパーソナリティ吉田照美が出現して応援してくれ、自宅から収録スタジオへと空間が変わって番組を開始(喋り終えると自宅で現実に帰る設定)。最後に発した「お耳に合いましたら」を番組を聞いた亜里沙がハッシュタグにして拡散、そのまま番組名になって次回へ続く。

美園のオタク子供っぽいキャラがかなりのインパクトだったが乃木坂時代から個性派だった伊藤万理華の特性を生かしまくったキャラだなという印象。エンディング曲に合わせて個性的なダンスを繰り広げる姿は美園ではなく完全に乃木坂46で個人PVやってた時の伊藤万理華の真骨頂みたいだったし。ただ卒業後に少年のようなベリーショートにしてしまったため思春期の少年もしくは枯れたオバサンみたいな風貌になってしまい完全に年齢不詳のイタイ子みたいにも見えてしまうところがありもう少し髪が長い方が…とも思った。かわいい要素とかアイドル要素を完全に消し去りたかったにしても極端に振り切りすぎてないか…元アイドルオーラは完全に無くなってしまっていて最初から個性派女優みたいな…。

2話

同僚の亜里沙が張り切ってくれて、音質を上げるべく、機材に詳しい後輩の佐々木(鈴木仁)に協力を依頼して3人で休日にマイクやヘッドフォン等の収録機材集めをすることに(初回はスマホを置いてスマホの録音機能使っていただけ)。

2人の友情と打ち上げのごとくワイワイと餃子の王将で盛り上がったのが楽しかった美園は餃子の王将の上手さを伝えながら中学時代の部活の打ち上げでの王将の思い出と高校は部活やらずに友達もいなくなってしまったが、同僚と後輩がいい奴で久々にあの頃のような楽しさを感じられた!と興奮気味な放送を展開。亜里沙もほっこり、佐々木は音質向上に満足するのだった…。

今回の美園は単にちょっとイタイ子というだけでなく、一生懸命で周りもなんだか放っておけなくてニコニコと見守りたくなる…という雰囲気が良く出ていたと思う。ちょっと変なノリに馴染めなくはあるが回を重ねるごとにたぶんそんな感じが強まっていくのだろう。

ポッドキャスト録音中に現場(王将)にワープして登場したレジェンドパーソナリティはやついいちろう。やはり毎回取り上げる店の店員に扮して登場して料理を渡しながら応援してくれるという定型パターンらしい。

3話

美園の部屋の壁が激薄で最近越してきた隣人のシタールの音色が聞こえてくるようになり、それを心地よく感じてしまい配信できなくなってしまう。騒音ではなく快音だと主張する美園だがいずれによ静かじゃないと配信が難しいため佐々木のアドバイスで防音にマットを立てかけた際にデカい音を立ててしまい隣人が気にして音を出さなくなってしまったので悩んだ末に美園は富士そばテイクアウトをもって御挨拶に伺い、隣人(濱田マリ)と意気投合。そのエピソードを交えた富士そばについて第3回の配信を行う。

壁が薄すぎるのは…音楽リスナーとしては嫌だなぁ…。

4話

美園はフライングガーデンでの食事中に急に郁人(井上想良)にフラれてしまう。水のおいしい田舎に引っ越そうと思うんだけど一緒に来ないかという誘いを秒で断った直後だったため「水に負けた」としてショックを受ける美園。会社でもハイテンションで仕事しまくったと思ったら水が怖い!と挙動不審に陥ったり、亜里沙&佐々木とやけ食い&カラオケをしても最初はハイテンションだったが最後はゼロテンションになって帰ってしまったりと精神状態が安定しない。

そんな中で気持ちに整理をつけるためという理由でフライングガーデンをテーマにポッドキャストをする決意をした美園は喋りながら感情を整理していく…。

という事でこれまでも個人的な話メインではあったが今回は完全にフライングガーデンのハンバーグがオマケ状態でそっちの話は全く入ってこない勢い。一生懸命な感じは伝わってきたが、回想シーン等で示唆されたのは美園が常に自由人で振舞い続けていたため、そこはかとなく郁人が将来や結婚など未来の話をしていたのをほぼ毎回流して全スルーしていたのが見限られた原因っぽかった。そもそもここまでも付き合っている感皆無で、このキャラで恋人がいる設定だったのがまず驚きだったが、電話しているくらいしか出番もなかったしなぁ…。

5話

番組が軌道に乗ってきてSNSに感想もチョイチョイ書き込まれるようになった。エゴサしすぎた美園は当初は応援コメントに浮かれていたが辛口コメントに調子を狂わされてしまい…。

最後は持ち直して決意を込めて放送を開始。テーマはくら寿司。最後には録音中の妄想世界で皿をびっくらぽんしていたが、現実には自室で持ち帰りの寿司を食べていたわけでどうやってびっくらぽんしている様子を放送に乗せていたのかが地味に気になる。

6話

会社の看板メニュー「まつまるらっきょう」のイメージキャラクター25代目らっきょう子ちゃんを担当している大泉凜子(駒井蓮)のラジオゲスト出演に同行することになった美園、亜里沙、佐々木。しかしその担当ADは大学時代のラジオ研究部の仲間だったがやっていた活動はどこにも公開しないラジオを2人で録音して盛り上がるだけ。その後就職活動の際にラジオ局に内定したために美園の嫉妬やすれ違いでそれっきり疎遠になっていた香澄(桜井玲香)だった。逃亡しようとした美園だが結局遭遇してしまい、早速険悪な雰囲気を漂わせるが、凜子が出るなり緊張で卒倒。亜里沙、佐々木の推薦で美園が急遽代役で出て商品プロモーションをすることになり、当初は堅かったが香澄のアドバイスとアシストで復活。ぺらぺらと喋り倒して拍手喝さいを浴び救世主と呼ばれるのであった。

さすがのコンビネーションを本番では見せたものの険悪なままの2人、しかし思い出のジョナサンで再会してそのまま美園のポッドキャストにゲスト出演。当時の思い出と嫉妬を正直に語ってお互いわだかまりを無くして友人関係に戻ったのだった。

今回は乃木坂46時代の同僚桜井玲香が出演という事で卒業生同士での共演でメモリアルな回となった。実際に卒業から3年くらい会っていないかは不明だが伊藤万理華の卒業からは3年強が経過していて割と再会具合はピッタリだった。スペシャル的な扱いでポッドキャストにもゲスト出演した結果、今回のチェンメシであるジョナサンがほぼオマケになってしまったものの、いつも1人で踊っているエンディング映像も2人で踊るなどスペシャル感があって乃木坂46時代を知っていると感慨深いものがあった。

7話

前回のラジオ出演でのトークに加えて美園のポッドキャストが雑誌の「イマ聴くべきPodcast10選」に選出されたことで社内でもちょっとした有名人となった美園。その実績を買われてか営業部エースの桐石(中島歩)と取引先のスーパーへらっきょうドレッシングを置いてもらえるよう営業に行くことに。エースとされる桐石のコメディ的なノリノリ営業で平店員一行は虜にしてイケイケで美園も感心していたが店長(松尾諭)には一切通じずに営業失敗。営業成績ダントツ1位の自信家だったのに一撃で心折れた桐石は泣き出すほど打たれ弱く、美園の号泣ポッドキャスト回を聞きたいと言い出して聞いて元気が出たと言い出すなど急速な小物臭を漂わせまくる。

道中でドムドムバーガーを昼食にして日々営業に励んでいた美園はこれをヒントに地道な営業を提案。そしてポッドキャストでドムドムを取り上げながら経緯を説明。珍しくトークしながら営業経緯が回想されて節江明された。この段階では美園の提案で地道な営業を続けて店長の好感度をアップさせていき、実演販売ノルマまで到達するも肝心の実売に失敗して撃沈していた。ポッドキャストは最終的に桐石を励ます内容になっており、これを聞いた桐石は行くぞ!とキメ…。

最後は店長と同郷の方言を使ったことが成功のきっかけになったように一瞬だけ回想が出てきたものの詳しいことは不明のまま営業に成功したことが描写されておしまい。実演販売で失敗した時点で先が無かったように思うが…。らっきょうドレッシングだし…。

8話

社長が25代続いているらっきょう子ちゃんを終わらせると宣言。若手女性タレントを起用して青春をテーマにしたCMでらっきょうを宣伝するというスタンスでやってきたが青春ネタが尽きて潮時だというのが社内でも共通した見解だったが、美園と佐々木は反対。これ以外に経理の若林(臼田あさ美)と管理部の新木場(森本サイダー)も反対だと社長にメールをしており、4人で存続のための企画を徹夜で考えることに。全員いわゆる陰キャで会話が続かず、美園が探り探りで質問を繰り出していたが、徐々に打ち解けていき、テンションが上がった美園はこの場でポッドキャストをやると3人をゲストにして録音を開始してしまう。夜食で銀だこを買ってきていたのでチェンメシは銀だこ。それぞれが送っていたぼっちの青春エピソードを語り合ってより親睦を深めた4人は、青春が終わった今の方が楽しい、今も悪くないという結論に行き着き、脱青春を掲げたらっきょう子さん企画を提出。社長は感涙してらっきょう子ちゃんを青春で縛っていたのを解き放つという事かと企画が通り、4人も絆を深めて終了。

明らかにチェンメシやポッドキャストがおまけで今回もぼっちの青春というテーマの方が主題に切り替わってきつつあるがドラマ自体の良さや深みは増してきたと思う。ただ前回といい社内の同じフロアにいる面々と親しくなるのにその回だけフレームインしてきてその回以外は存在していないっていうのは社内ゲスト出演の宿命か。部ごとに別の階というほどデカい会社設定でもないし…。

一方で元々本名でやっていたとはいえ、社内のメンバーまで出演させたり、前回といい今回といい実務に触れすぎなので、リスナーももうちょっと調べればらっきょう子ちゃんのあの会社の社員なのかと完全に特定できてしまうような身バレ放送しまくっているような…。

9話

レギュラー陣が登場せずゲスト勢が主人公という異色回。

美園のポッドキャスト「お耳に合いましたら。」のリスナーである引きこもりお嬢様のヒナミ(豊嶋花)が主人公。「お耳に合いましたら。」で次回はドミノピザを一緒に食べようと特別回の呼びかけがあり、オーガニックな食事を徹底管理されているヒナミは執事たち(嶋田久作、小林きな子、山崎樹範)にピザが食べたいを訴える。世間知らずギャグを挟みながら母の目を逃れてドミノピザ購入計画を立てる一行…と普段とは全く関係がない彼らだけのストーリーが展開し、いざ食するときに「お耳に合いましたら。」を再生してこの際に喋っている美園の姿がちょっと出てきたのみ、レジェンドパーソナリティの登場もなし。これに伴いキャストクレジットも豊嶋花がトップで今回の出演陣、最後に伊藤万理華。

主人公が素材という一風変わった展開だったがこれはこれで面白かった。このパターンでの続編も作れそうだ。豊嶋花は2年前に『死役所』で小学生役で出ていたのにもう高校生役ができるほど急成長していて驚いた(実際はまだ中学生)。

10話

美園の母美由紀(美保純)が突然やってきた。女手一つで美園を育ててきた母は起業して社長をやっていたがよく失敗しては会社をつぶしてまた起業を繰り返しており、とにかく考えなしに突っ走って周囲を振り回すため美園も迷惑顔。母は美園の会社で取引を開始、調子のいい話を並べ立ててその後いつもの2人+久々登場の隣人も招いて美園の家で食事を振舞おうとするが失敗。今回の取引も見切り発車過ぎて出店の話もまだまとまっていない事や料理失敗で3人を帰すことになってしまったことなど含めて静かにキレて明日送ると告げる美園だったが…。

なんやかんやでうまくいっていて翌日の会社で美園が母が迷惑をかけたと謝罪したらむしろ好感触。なんか色々ちゃんと話が進んでいた。改めて母への思いを再確認した美園はドトールコーヒーでいつも商談しているのを見ていたことからドトールコーヒーを取り上げてポッドキャストで母への思いを語るのだった…。

自分で言っていたようにドトールがオマケ過ぎてほとんど私的メッセージ。実際母もリスナーで聞いているので届いてはいるし、物語としてはいい話でまとまっているんだけど実名放送でここまで個人的でいいのだろうか。

11話

亜里沙が何やら秘密裏に動いていると佐々木から聞いた美園はしばらく亜里沙を遠ざけるが見かねた亜里沙は美園を呼び出して転職を決めたと告げる。辞めてほしくない美園は亜里沙と口論になるが…。

という事で今回は串カツ田中。放送開始はちゃんと串カツ田中を説明していたが、放送内容は亜里沙とのやり取りの話オンリーとなり、レジェンド枠がいとうせいこうだった事もあり、ラップバトル風に言い合いをするという白熱した展開に。

ただ結局辞める理由がなんか上を目指したいとか、まつまる漬物は古い体質なところがあるが好きな会社なので将来的にはまつまる漬物の社長になりたいと、あの気まぐれ社長を追い落とすつもりなのかという発言まで飛び出すなどそんなに野心的な御方だったんですかという感じも。

ラストでは佐々木の転勤も発表され、ポッドキャストを始めるきっかけにもなった親友2人が一気にいなくなる事態に美園が白目で気絶して最終回に続く。一気に畳んできた。

12話

亜里沙が転職、佐々木が鳥取へ転勤することになり派手な送別会の後で3人は閉店まで飲み屋で盛り上がり、その後も公園で録音を楽しむ(さすがに酔いまくり&内輪ノリ過ぎて実際に番組として配信はしていないと思うが…)。ていうか社長を追い落としていずれ会社を買収して乗っ取ろうとか企んでいる上にそもそもたった3年しか務めてない上に亜里沙とそれよりさらに年数少ない後輩佐々木の転勤で送別会派手過ぎじゃね?いい社員たちじゃないか…。

社会人になってからの親友と、もう無いと思っていた2度目の青春のような日々が終わったことで抜け殻状態となった美園は何とか配信を試みるも気乗りせずに断念。この際に買ってきたテイクアウト弁当の蓋を占める際にマイクスタンドを吹っ飛ばしてしまい、機材を壊してしまう。30㎝くらいしかないようなミニテーブルから真横に吹っ飛んだだけでウインドスクリーンが真っ二つどころかバラバラに割れるってそのウィンドウスクリーン、全面ガラス製なのかよ…。

そのまま放送は封印し、仕事に没頭する美園は亜里沙の仕事を引き継いだ後輩(宮﨑優)の育成指導に力を注ぎ、後輩も立派な社員へと成長していく。なんか見た事のある丸顔だなと思ったら『グルメバーガー部』の子か。丸顔コンビでなんか絵になっていた。後輩にもやらないのかと聞かれてもうやらないと答えた美園だったが…。

ココ壱番屋カレーの新たな組み合わせを何気なく試しての昼食で最強の組み合わせに出会ったとビビッと来た美園はそのハイテンションのままウィンドウスクリーンはテープで無理やり補修して配信を再開。レジェンドパーソナリティは満を持して氷川きよし

チェン飯愛と、テーマの品について熱く語るという原点に立ち返っての内容を繰り広げた後は去っていった2人への感謝を長々と語り、歴代ゲスト陣らが放送再開を微笑ましく聞いているカットを挟みつつ今後も続きそうな感じでおしまい。配信後2人からは真っ先に返信があり、佐々木はやはりウィンドスクリーンテープ補修で音質が落ちたのに気づいたらしく機材を買いましょうと返信しているのが細かい。

1年後、着々と買収準備を進めているらしい亜里沙が鳥取で成功している佐々木と電話する形で現状が語られ、美園は香港に出張しているらしい。香港から配信をしている美園で終了。最終回らしく原点に立ち返りつつ綺麗にまとまった。

全部終わっての感想

当初は超個性派主人公がチェン飯を語るのがメインだったのでテレ東食ネタ深夜ドラマの新たなパターンとしてポッドキャスト放送と絡めてという感じだなと思っていたが、途中からストーリーの方がメインになってきてチェン飯の方がオマケになってしまうという、なかなかテーマ性に特化したドラマになっていった。この流れで当初は苦手だなと思っていた美園のキャラクターも成長もあると思うんだけど登場人物たち同様になんか見守りたくなる応援したくなる存在となっていって、愛されキャラになっていった。その上で前面に出していた社会人になってからも打ち込めるものとか、親友は出来るとか、学生時代のようなハイテンションになれるとかそういう2度目の青春的な部分を随所で主張するようにもなってきて、そういうところも良かった。

しかもせっかく築いた3人の深まった関係性を転勤転職であっさり解体。学生時代同様に社会人になってからもう1度始まった2度目の熱かった季節はたった数ヶ月で終わってしまい、終わったその先まで一気に描いた辺りも地味に深かった。結局終わったその先の方が長いのだから。

気が付けばチェン飯の魅力はあまり伝わらなかったが、いいドラマではあった。

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